ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏はウクライナ軍の問題を指摘して注目を集めてきたが、22日「私は数日前に国家親衛隊の第13特務旅団に配属され、現在は訓練を受けている最中だ」「この戦争には実質的な決断が必要で、だからこそ私は入隊することにした」と明かした。
参考:Журналіст Бутусов заявив про мобілізацію до лав Нацгвардії
参考:Бутусов розповів, куди і на яку посаду мобілізувався
出来れば戦争から生き残って兵士して戦った貴重な体験を記録に残してくることを願う
ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏はЦензор.НЕТの編集長を務めながら、積極的に最前線で取材を行い「ここで何が起きているか」「直面している問題は何なのか」「政府や軍の取り組みはどうあるべきなのか」を発信しつづけ、同時に独自の基金を立ち上げて物資や資金面でウクライナ軍を支援してきたが、21日「軍に入隊することを決めた」と、22日「私は数日前に国家親衛隊の第13特務旅団に配属され、現在は訓練を受けている最中だ」と明かした。
“ジャーナリズムは最前線と同じぐらい重要だ。軍隊や国家の問題を外から取材する必要があるからで、腐敗を暴き、正義と人命に対する犯罪を裁くジャーナリズムは戦時中において非常に必要性が高い。この信念や原則は今でも変わっていない。私はジャーナリストとして前線での戦闘に、防衛戦や3度の襲撃作戦に参加し、敵や友人の死を間近で目撃もしてきた。私はアキレス腱が断裂しジャンプすることができない。視力にも問題があるので照準器を使用した射撃ができないが、私は軍の報道機関で働くつもりはない”
“私はしばしば争いに巻き込まれ力の力学を目の当たりにしてきた。どれだけ批判されても軍上層部の変化が鈍いことを良く知っている。それでも他のジャーナリストや世論と共に批判することで前向きな変化も数多く起こしてきたが、もっと多くのことを、もっと早く行う必要がある。私は軍団の創設と旅団の発展、軍団や個々の作戦部隊内でのドローン、対ドローン、工兵部隊の発展、管理と組織の質、歩兵の訓練と作戦の質によって戦争の流れを変え、戦線を食い止めることが出来ると信じているし、このような変化は軍の内側で行われる必要があり、その変化は国家にとって致命的な状況下でのみ起こり得る”
“私が配属された第13特務旅団はテクノロジー、作戦手順、戦闘アルゴリズムの環境を構築し、人員や装備の数ではなく戦術、計画、部隊の運用方法を柔軟に変更でき管理と組織の質、訓練の質において優位性を生み出している。このような質の高い組織と管理の拡大こそが、この戦争における我々の優位性であり、勝利への唯一の可能性だと信じている。そして全ての人々が全力を尽くさなければならないと信じている。そして信念は行動によってのみ証明される”
ブトゥソフ氏は入隊を決めた動機の1つに「軍内部における意思疎通の欠如」を挙げて「多くの軍人と議論したがウクライナ軍にはシステムがない。シルシキー自体が戦闘指揮に問題を抱えているとは考えていない。ただ戦争を効果的に管理するシステムが機能していないだけで、これをどうやって改善すればいいのか分からない。秩序の欠如は軍上層部や政治家が世論の表面的な反応だけで目の前の事態を測定していることだ。この戦争には実質的な決断が必要で、だからこそ私は入隊することにした」と述べており、第13特務旅団での役割はライフル兵だと明かしている。
ブトゥソフ氏の決断と信念には敬意を表するが、出来れば戦争から生き残って兵士して戦った貴重な体験を記録に残してくることを願う。
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※アイキャッチ画像の出典:Юрій Бутусов
ライフル兵ということは、前線の可能性もあるわけですか…
現場~軍上層部まで、様々な声を拾った報道は貴重でしたから、何とか生き延びて欲しいものですね…
あっ・・・・
ロシア国防省より「ドニプロペトロウシク州のパトリオットシステムをイスカンデルミサイルで破壊した」とのこと。
また5月初頭と現時点の比較では前線の進行スピードは3倍以上に加速しており、既に夏季攻勢が始まっているとの見方が有力です。
こ、このタイミングで軍に入るのか……。
開戦直前直後か、ハリコフ反撃あたりでなら高揚感あるが、クルクスの失敗から停戦を模索しているさなかでは正直なところ最末期感がある。
エコノミチカプラウダの編集長のDmytro Dienkovも13旅団だから同じ旅団か。彼の場合は入隊直前に怪しい動きがあったけど。フェイスブックみるに存命のようだが・・・