ウクライナ・プラウダ紙は17日、兵士の証言を交えながら「セベロドネツク、リシチャンシク、バフムートでの教訓が生かされていない。軍の指導者の中にアウディーイウカ包囲を予見したものは1人もいなかったのだろう」と報じている。
適切な陣地の欠如は今に始まったことではなく、セベロドネツク、リシチャンシク、バフムートでも問題になっていた
ウクライナでもアウディーイウカの戦いに大きな注目が集まっているが、以前と異なり現地メディアも「攻撃を撃退して陣地を維持している」という政府発表に疑問の声をあげることが増え、ウクライナ・プラウダ紙もアウディーイウカで戦う兵士の証言を交えながら「セベロドネツク、リシチャンシク、バフムートでの教訓が生かされていない」と報じており、非常に長いレポートの主要部分を要約すると以下の通りになる。
“ロシア軍はドネツクから約10km離れたアウディーイウカを占領するため熾烈な攻撃を開始し、ウクライナ軍も予備戦力の投入を余儀なくされている。大統領は『ロシア軍がアウディーイウカでバフムートよりも早いペースで兵士と装備を失い続けている。ここでロシア軍を破壊すれば流れが変わるだろう』と述べたが、本紙の取材に応じた街を守る兵士の中には『状況は危機的だ』と述べる者もいる”
“アウディーイウカの状況悪化が顕著になったのは2023年の晩冬から初春で、ロシア軍は2月にヴォーダインとオプトネを、3月にはベルゼとクラスノホリフカを占領し、アウディーイウカに繋がる唯一の舗装道路(O-0542)を遮断しようと試みていたのは誰の目にも明らかだった。つまり現在の攻勢は突発的なものではなく『アウディーイウカ包囲』を狙った継続的努力の一環でしかない”
“ロシア軍は9月30日に威力偵察目的でアウディーイウカ北の防衛ライン突破を試みたものの第1大統領旅団によって阻止された。数日後の10月10日にロシア軍は大規模な攻勢を開始、この攻勢は第53機械化旅団の大砲で焼き払われたが、現地の困難が明らかになるとウクライナ軍は増援をアウディーイウカに移動し始めた”
“ウクライナ軍は戦車や装甲車両を主体にした攻勢を阻止し続けたが、ロシア軍は少人数編成(2人~8人)の歩兵部隊に切り替えて前進を成功させた。ウクライナ軍の報道官は『約1ヶ月間の戦いでロシア軍は1万人以上(死傷者と捕虜の合計)の人的損失と400以上の装備を失った』と明かし、我々の基準からすれば莫大な損害で『ロシア軍がアウディーイウカに投入している兵力(推定4万人)』の1/4を失ったことになるが、これだけの損害を被っても、寧ろ莫大な損害のお陰で2km~5kmという取るに足らない成功を収めることができた”
“10月末までにロシア軍はコークス工場の対面にあるテリコン(コークス工場の対面にある高台のこと)に国旗を掲げたが、ウクライナ軍は『テリコンを占領することでロシア軍が得られるアドバンテージはない』と説明している。テリコンは視界が開けているため山頂に陣取ることはほぼ不可能に近く、テリコン山頂に通じる道もコークス工場側にあるためロシア軍が重装備を持ち込むのは困難で、ここを無人機で監視している兵士は『何の動きも観測されていない』と本紙に語った”
“しかしロシア軍はテリコンを確保したことで防衛ラインとして機能する線路沿いに近づく機会を得た。巨大なコークス工場の建物群は線路の直ぐ側にあるため、もし工場の建物内に侵入されればロシア軍を追い出すのは非常に困難になるだろう。但し、コークス工場への襲撃には特殊部隊が必要になるため『より簡単なアプローチ』を敵は選択し、残念ながらそれを成功させてしまった”
“ロシア軍はステポヴェ近郊のダーチャに向かって攻勢を仕掛け、線路を越えてステポヴェ集落内の建物に取り付き、線路沿いに沿って北にも支配地域を5km~6kmほど広げることに成功した。現地のある指揮官も『ステポヴェ集落内の陣地を失いロシア軍が家々に取り付き始めた』と本紙に述べている”
“ロシア人とってアウディーイウカ占領は『ドネツク州占領』というステップに欠かせない『新たな勝利』という以外にも、ウクライナ軍によるドネツクへの砲撃を『遠ざける』という戦術的な利点があり、ウクライナ軍も『もしロシア軍がアウディーイウカを越えて前進してくればドネツクへの鉄道によるアクセスが回復するかもしれない。さらにポクロウシクとコンスタンチノフカの鉄道輸送を遮断し、ニュー・ヨークを西から迂回してコンスタンチノフカへの直接攻撃も可能になる』と危惧している”
“問題はロシア軍がアウディーイウカで前進できた理由だ。この成功は兵士の数的優位や装備の優位性だけでなくウクライナ軍が『第2防衛ラインを用意していなかったこと』が大きく関係している”
“10月中旬に増援として派遣された第47機械化旅団の兵士は『大砲から身を隠すための塹壕が用意されておらず自らシャベルで掘るしかない。逆に敵は前進すると直ぐに塹壕を掘って防衛ラインを構築する』と指摘、アウディーイウカを守る部隊の指揮官は『陣地は事前に準備されている』と主張したものの、Censor.netの編集長を務めるユーリイ・ブトゥソフ氏が指摘しているようにアウディーイウカ近郊には準備が整った陣地が存在しない”
“アウディーイウカ方面では準備された第1防衛ラインが用意されていたものの、敵に押し切られて後退した線路の西側地域には準備が整った第2防衛ラインが存在しない。これを構築する時間は十分過ぎるほどあったので、恐らく『軍の指導者』の中にアウディーイウカが包囲されると予見したものは1人もいなかったのだろう。適切な陣地の欠如は今に始まったことではなく、セベロドネツク、リシチャンシク、バフムートでも問題になっていた”
“アウディーイウカの側面を保護する『第2防衛ライン』や『第3防衛ライン』が用意されていないにも関わらず、ウクライナ軍は『街は十分要塞化されている』『この街を1年半に渡って防衛してきた第110機械化旅団は当該地域のことを熟知している』と主張している”
以上がウクライナ・プラウダ紙の指摘で、ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏と同様に「アウディーイウカの危機的状況は防御陣地の欠如が招いた」と批判しており、他にも「増援として派遣された第47機械化旅団(レオパルト2A6やブラッドレーを装備する精鋭)はロボーティネから撤退したばかりで疲労している」「何人かの兵士はロシア軍がバフムートでの教訓を活かしている」と言及しているのが興味深い。
因みにウクライナ・プラウダ紙は「マリウポリとアウディーイウカを、アゾフスタル製鉄所とコークス工場を比較する人々もいるが、まだアウディーイウカには約7kmの開口部が開かれているので物資を輸送することも街から退避することも可能だ。しかし道路が物理的遮断されるか砲撃を受ければ兵站が維持出来なくなる。11月8日にO-0542の上空にロシア軍のFPVドローンが出没した。これは唯一の舗装道路がロシア軍の監視下にあり『ここを遮断する』という意志の現れだ」と指摘し、アウディーイウカで戦う指揮官の悲壮な言葉で記事を締めくくっている。
“もう間に合わないかもしれないが「アウディーイウカへの兵站ルート確保」に軍が努力を惜しまないことを願っている。我々の大隊は正式な撤退命令が下されるまでアウディーイウカから離れない”
管理人が目にする範囲の現地メディアから受ける印象は「ウクライナ軍がアウディーイウカを守り切るという期待値が低下している」で、ウクライナ軍にとって二度目となるハードモードの冬は間もなくやって来る。
関連記事:アウディーイウカの戦い、ロシア軍がコークス工場への直接攻撃を開始
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※アイキャッチ画像の出典:Головнокомандувач ЗС України
>ウクライナ軍の報道官は『約1ヶ月間の戦いでロシア軍は1万人以上(死傷者と捕虜の合計)の人的損失と400以上の装備を失った』
申し訳ありませんが
貴方がたが倒したと思い込んでいる1万の兵士の大半は地獄に落ちたのではなく、ローテーションでロシア本土に帰還したのではありませんか?
>貴方がたが倒したと思い込んでいる1万の兵士の大半は地獄に落ちたのではなく、ローテーションでロシア本土に帰還したのではありませんか?
その通りですね
今回の記事を読んでいるとウクライナ軍の発表の中には相当な虚偽発表が含まれていた疑いが濃厚です
以前、私はロシア軍がアウディーイウカでは消耗戦を仕掛ける(例え兵士の損害がウクライナ軍の数倍程度でも動員数の差で元は取れる)事によってウクライナ軍を疲弊させてから前進する事で勝利しつつあると指摘して相当な批判を受けましたが、今はその批判の方こそが間違いだったと認識しています
こうなるとアウディーイウカ等でのウクライナ軍の壊滅は時間の問題でしか無いと思います
【1万人以上(死傷者と捕虜の合計)】だから、ドンブリ勘定で・・・
死者 3,000 、負傷者 6,000 、捕虜 1,000 なんていうのはどう?
結局、バフムトの時のワグネルと似たような状態になっているのでは?
そもそも1万と言う数字がね、画像等で裏付けがある訳でもなく撮影する余裕も無い接近戦が多発してるからやもえないとは言え相当盛りに持ってると思う。
とりあえず大戦時代の台湾沖航空戦をWikiなり解説動画なりで見てみると良い、正確なカウントなぞ出来たものではない
>結局、バフムトの時のワグネルと似たような状態になっているのでは?
劣勢の側が希望的観測に基づいて戦術を組んだら確実に負けますよ。外れた時に補填する予備戦力も兵器も砲弾も弾薬も枯渇しているのですから。
そうですね。
捕虜の数に注目するのも、事実に迫る1つの方法だと思います。
攻勢の規模から見ても2000人くらいは死んでてもおかしくないので、死傷者1万というのは割と妥当な線だと思いますよ
問題は、防衛側のアウディーイウカの死傷者との釣り合いだと思います。
仮にロシア側に死傷者1万人がいたとして、ウクライナ側の死傷者が5000人を超えていたら絶望しかありません。
実数値までは分からずとも、南の強固な防衛線の一角が崩れたことを考慮すると、相当厳しいことだけは分かります。
ロシア軍の損害を過大に発表してウクライナの劣勢を隠蔽するところまでくると、もはや大日本帝国の大本営と何ら変わりないね
こんな稚拙なプロパガンダを繰り返す傍で反攻作戦は失敗し、アウディーイウカの陥落も視野に入ってくると、成果を出せないウクライナを支援する価値無しと欧米に見捨てられて当然かも
正にその通りなのですが、欧米にとってもウクライナを見捨てた事による打撃は非常に大きいと思いますよ
民主主義が独裁体制に負けた衝撃による国際環境の変化は勿論
この敗北がプーチンや他の独裁国家が抱く更なる野望を刺激して新たな軍事侵攻を企図する可能性は高いです
そうなった時、今度はNATO諸国が直接血を流す展開となるでしょうが、今のNATOではキチンと加盟国へ救援の兵力を送れるかどうか、疑問が残ります(そうでなくてもハンガリーが完全にロシアと結託しているのに加盟国とは……)
ご指摘の通り、ウクライナ自身が諦めない限り支援を打ち切るのは外交上結構問題が大きい。
だから装備をしぼり、犠牲が大きくなるようにしてるんだと思う、様々なメディアがウクライナの大本営発表をそのまま取り上げるのもそこが理由ではないかと思ってる。
仮にウクライナが諦めたとしても欧米がウクライナの敗北で生じる衝撃は絶大だと思います
相手は数万、こちらは数千
これでは二線陣地を整備しなかったと批判される守備隊が可哀そうです。いかにウクライナ兵が一をもって十に当たる不屈の勇士であろうとも、シャベルの一振りで掘り出せる土の量はロシア兵と同じです。
そう言えば、イギリス国防省が「ロシアは補充兵にスコップを支給してライフルを渡していない 彼らの主兵装はどうやらスコップだ」と発表してバカにしてましたね。
その結果がこれですから,全くもってスコップは舐めてはいけない兵装と言わざるを得ません。
やはり最強装備はスコップか
新兵に銃持たせてもさして当たらんがスコップで塹壕掘るだけならできるしな
今回の戦争で教訓になった(まだ決めつけはいけないと思いますけども)と感じるのは
諜報機関といえども所詮官僚組織に過ぎず、彼らが国民向けに明らかにする情報が、彼らが収集した結果得られた正確な果実である保証などどこにもないと言うことですね。
「諜報機関」と言うブランドを良いことに、いや諜報機関だからこそ、真実に嘘を織り交ぜて情報を操作すると言うことなのかもしれませんけども。
別の人も言ってたけど何かしらの意図がありそう。
ウクライナが諦める前に支援打ち切りは外聞的にマズイ、ウクライナ
自身に諦めてもらう必要がある。
ならばどうするか?支援を絞ってウクライナの大本営的な発表もあえて
検証せずにマスコミに流し、勝った勝った支援は十分だの世論を作る。
そうすれば後からウクライナが騒いでも「オメーの大本営発表のせいだろ」
って言って悪者に出来る。
今回の戦争でのイギリス国防省発表の信憑性は
大日本帝国大本営発表に匹敵するレベルだな
西側装備のウクライナ軍は無敵で
東側のロシアは遅れてる
こんなのばっかだ
>ロシアは補充兵にスコップを支給してライフルを渡していない 彼らの主兵装はどうやらスコップだ
そんなデマを。
動作が怪しい錆びたライフルとスコップしか支給していないと言っていただけですよ。
スコップだけとは報道されてません。
ウクライナにはジャベリンやスティンガーと新し目の武器があるのに、ロシアはソ連時代の貧弱な装備しか支給されていないとバカにしていただけで。
ロシア軍にコルネットが少数あるから、それも正しくないですが。
アウディーウカから撤退するのか、死守するのか、死守するならば反撃に出るのか、それともマリウポリのように籠城するのか。
ウクライナ指導部に統一した意思決定は無いように思え、バフムトと同じミスを犯している印象。意思決定がズルズルと遅れるたびに47旅団のような換えが効かないエリート将兵の命は失われていく。
>>ウクライナ指導部に統一した意思決定は無いように思え
何かで読んだけどウクライナって中央集権が進んでなく地方のオリガルヒとそれに紐づいた政治家が大きな力を持ってるとか。
軍事力の割当ても彼らの声を無視することができず全体的な合理性に欠ける結果になってしまう。彼らの優先事項は国家存亡より目先の地元の資産や票田が無くなってしまうことなのだ。
日本で国会議員が地元に還元するために公共事業を奪い合うのと同じような構図なのかもしれない。
ウクライナ軍とロシア軍の防衛線、アウディーイウカとサポリージャ方面を比較すれば、戦争指導部の質や軍事資源を比較できますね。
サポリージャ方面のロシア軍陣地、スロヴィキンライン(3線の塹壕戦・対戦車障害)は馬鹿にされてきましたが、占領地でも防衛線の構築能力が高かったという事でしょう(スロヴィキン将軍が優秀だったという事ですね)。
2線目・3線目は柔らかいと言われてきましたが、遅滞戦術を仕掛けながら逆八の防衛線で受け止めて、対応・強化していく事が可能になります(資源は限られているので1線目を強化するのは当たり前です…)。
ウクライナ軍が、後方に防衛線を築けない原因が何なのか、はっきりとさせる必要があります。
ウクライナ指導部が、南部攻勢に時間・資源を費やした結果、ヒト・モノが前線で足りなくなっているように見えます(クルスクのドイツ軍のように感じています)。
戦争が進めば進むほどスロヴィキン将軍(かつ東部方面軍のロシア実働部隊指揮官)の優秀さが浮き彫りなっていきますね。
侵攻の総司令官としてハリコフヘルソンでメンツを顧みずに迅速な撤退戦を成功させ
ゲラシモフ体制においては副司令官としてウクライナ南部攻勢に備えた重厚な防御陣地を構築し、実質的に戦争の趨勢を決定づけました。
プリゴジンの御所巻きに巻き込まれて失脚したのが惜しい軍人だと思います。
優秀さというより,「頭抜けた実直さ」が目を引く将軍ですね。
やってることは旧ソ連の縦深陣地ドクトリンそのまんまですから、創造性や独創性があるわけではないんですよ。
ただ、数十万人の兵士と資源をやりくりしてたった1年足らずで、まさかあの規模で多重防衛線を構築してしまうとは。
距離にして東京-大阪間ぐらいあるんですよ。現代の万里の長城ですね。
陣地築城の歴史に名が残るレベルの仕事かと思います。
>優秀さというより,「頭抜けた実直さ」が目を引く将軍ですね。
>やってることは旧ソ連の縦深陣地ドクトリンそのまんまですから、創造性や独創性があるわけではないんですよ。
>ただ、数十万人の兵士と資源をやりくりしてたった1年足らずで、まさかあの規模で多重防衛線を構築してしまうとは。
おっしゃるとおりですね。
フィクション的には「誰にも考えつかないことを思いつき、実行し、成功させる」人物が優秀な人物だと描かれがちです。
しかし、スロヴィキン将軍のように「どんなに組織が巨大になろうと、当たり前の事を簡潔迅速に実現させることができる」事こそ
特に将官級に求められる優秀な軍人像ではないかと思います。
ロシア東部方面軍は、スロヴィキン将軍が失脚後もその動きは破綻するどころかむしろ洗練の度合いを増しております
この事からもロシアの人材の層は分厚いのだなとひしひしと感じておりますね。
軍事における陣地築城は管理する人間に左右されずに安定して機能することが求められる重要な役割ですからね。その点においても非常に高く評価されてしかるべき仕事です。
この戦争が終わったら東西両軍でスロヴィキンラインは深く研究されることになるのは確定ですので、プーチン大統領が彼を生かしておいてくれるとありがたいですね💦
御二方の仰る通りに思います。
ハリコフ周辺からの撤退後(ウクライナの機構突破も見事でしたが)、ドニエプル川西部からの撤退~南部防衛線整備など、一連の後片付けは見事だったと思います。
戦線整理(正面戦線縮小・予備兵力確保)、防衛強化のケーススタディになるのではないでしょうか。
スロヴィキン将軍は、ヘルソン撤退により処刑されたり、左遷されたわけではないですし…。
プーチン大統領が、西側メディアの報道通りの人間ならば、スロヴィキン将軍が処刑されて、新しい将校も出ていないでしょうね(プーチン大統領の人物像は、西側プロパガンダが多い印象があります)。
勝てると思われる手段があるならば、どんなに地道で膨大で、艱難辛苦に耐えようとも敵味方どちらにも呵責なく徹底的にやる。ナポレオンに対抗するためにモスクワを焼き払ったように、悠久の祖国を守るためならば一時のどんな犠牲も払うような、まさにロシアという大国の文化や底力をフルに活かした戦略に思いました。
なんというか、戦争には国民性のようなものが出るのでしょうか?アメリカで言えば革新とマッチョ礼賛的瞬発パワーで一気に社会を自分のもとにかっさらうような、先端の燃料ドカ食い高性能兵器で一気に片を付けるイメージがあります。
中国を考えると、三国志や項羽や劉邦あたりでは当然武勇談も多いですが、戦争の中にも「こんな手があるのか」というウィットに富んだ戦法があったり、個人の密談から外交に至るまで計略や情感を込めるような、ただ力押しだけでない知略、団結も含めた「人間の力強さ」を感じるように思います。
徹底して個人性を排除する全体主義的なロシア、個人は強いけどまとまりを欠きがちなアメリカに対して、中国はどことなく個人の力を活かしながらそれにあわせて全体も動くようないいとこ取りに見えてしまいます。
失敗から学ぶロシア軍と同じ失敗を繰り返してしまうウクライナ軍との差が出た感じかな
ウクライナが学ばないのは損失を他国が補填したからです。
自国のリソースのみ(イランや北朝鮮の兵器は買ってる)で
戦う側は当然、費用対効果にシビアですから常に改善します。
仰る通りです。
支援金や装備をいくらでもクレクレしていますが、支援国の税金が使われている訳ですからね…。
西側の装備は高価ですし、金欠な訳です(自衛官は、食事の食べ過ぎで処分されていますね…)。
第2防衛ラインですが、作るのをサボっていた訳ではなく、重要度の関係から作りたくとも作れなかったのではないでしょうか。
防衛ラインを作るのに必要なのは塹壕にせよトーチカにせよトンネルにせよ土木工事で、土木工事には動ける男手が必要です。
兵士と需要が丸被りなんですよね。
自動化が進み、女性が室内からロボット操作をすれば工事が進むように技術革新すれば状況は変わりますが。
第2防衛ライン構築<<現場の兵士で需要が取られた結果、土木工事が出来ず、後がない状況なのかと
それとどこを戦場にするかはロシアが決めるから、受け手のウクライナがどこを強化するかは難しい問題だと思う
正面だけ強化してもマジノ線みたく迂回されたら意味ないし、全方位防御してもロシアがそこを戦場にするとは限らないわけだし
このアウディーイウカ北では、塹壕の代わりにドローンによる観測と砲撃などアクティブな攻撃によって敵を寄せ付けないっていう目論見が、ロシア軍による出血上等の正面飽和攻撃で破綻した感じじゃないかなって気がする
徴兵は各種徴兵猶予・免除による制限だけでなく政治・経済的な影響も考慮せねばならず、(外聞を気にする余裕がある内は)”法で許される限り自由に”とはならないのは事実です。そも人だけでどうにかなる問題とも限りません。
ですが仮に人のみを原因として考えるのであれば、ウ国政府自ら”兵士は十分にいる”と徴兵の一時停止をアピールしていた以上、クリミア危機からの最前線で不足がある理由にはならないかと。
どうしてもリソースが無い時の最後の手段「希望的観測を前提に計画を立てる」をやったような気がしますね…
これ高確率で失敗する上現場を見られない上役が仕切ってると万一成功した場合「この程度で何とかなるんだ」と思い込んでいくら下が具申してもリソースが更に削られる事に…
急成長ベンチャーがあっという間に消える典型パターンです
当事者としては同じ事してるのに何故か上手く行かなくて不思議で仕方ないんでしょうね
単純にヒト・モノ・カネが足りないだけでは?
ヒトは総動員体制でロシアよりはるかに多くある
カネは公表されているデータからロシアの2.5倍ある
ではなぜ勝てないか
それはその金で揃えたモノが値段だけ高くて使い物にならないオモチャばかりだったからだ
それと装備の横流しでモノ自体が想定より少なくなったのも現状の要因の一つかと
攻勢開始時のロシア軍の大損害見て大失敗と酷評されてたけどそうではなかったみたいだな。
考えてみりゃ硫黄島もオハマビーチも初日は攻撃側は死体の山だから。
まあ戦車や装甲車が撃破されても乗員が死ぬわけではないし、前線を押し上げれば回収して戦線に再投入もできるわけだしね
初回の攻勢時もウクライナ側の急所を探るためには必要な被害だったという事でしょう。結局、初回以降はじわじわと追い詰められていたのを見ると、ぬか喜びさせられていただけで、ロシア側の方が数段冷戦に戦況を把握できていたのでしょうね。
>『大砲から身を隠すための塹壕が用意されておらず自らシャベルで掘るしかない。逆に敵は前進すると直ぐに塹壕を掘って防衛ラインを構築する』
やはり英国の諜報機関は優秀なようだ
主武装と言われるほど多くのシャベルが補給されるロシアに対してシャベルが足りないウクライナは最も重要な陣地構築の面で甚だ劣勢らしい
英国軍が銃剣を廃してシャベルを持つようになる日も近いだろう
旧軍の日本兵じゃないんだからシャベルで塹壕は無理っすよ、農業地の水はけが悪くシャベルで排水路作ったことありますが表面数センチより下はマジ固い、おまけに土ならまだしも砂利が混じると全然掘れません。
コンクリの排水路通す為に幅15cm深さ30cmぐらいの100mぐらい掘ろうとしましたが半日で50mぐらいが限界でした、ウクライナ軍の塹壕は幅1m以上、深さは2mぐらいありそうなので歩兵大隊動員してもそんなに作れないんじゃないですか
双方共に一時停戦してください。ガザと同じように停戦する必要があります。これでは多くの兵士が命を失います。お願いします
ゼレンスキー大統領はクリミアを含めた領土を奪還するまで絶対に停戦に応じないとのことです。
プーチン大統領は現在占領している地域の主権がロシアにあること、ウクライナが今後NATOに入らないことが停戦の最低条件とのことです。
現状ですと、どちらかが譲歩しない限り合意の余地がありません。
まあ、侵略した側が兵を引き揚げねば戦争は終わらないでしょうな。
第二線がないとか西側の諜報機関や専門家の分析が機能してないのかな、気がつきそうな話なんだが
ゼレンスキーは徹底抗戦だけど、西側としては適当な所で停戦してくれが本音だから意図的に知らされてない可能性もある気がする、支援にしたって物凄い遅いし勝たせる気があるのかと思う
個人的には、アウディーイウカで粘るのは戦術的に有りなんじゃないかと思ってました。
この地域がウクライナ全土で最も高度に要塞化されていると認識していたからです。
しかし、その認識は誤りだったようですね。
上層部も何やってんだか…ゴルロフカ攻める前にやることあるでしょうと。
まさにこれは、ゼレンスキーの頑固さによって選択肢が狭まった弊害だと思います。
停戦が視野に入っていれば、限られたリソースを無理攻めに使わずに防衛線の強化に使えたはずです。
今のウクライナに最も必要なことは、重厚長大な防衛線を構築して、ロシアに「これ以上攻めるの割に合わねえな」と思わせることなのに。
あまりウクライナが主体的に攻めてる印象ないな。
ゴルロフカはそこが柔らかいからだと思う。
ロボティネも穴がたまたま開いたからそこに戦力を集中させただけで、その前は多方面で攻めていたはず。
あまりいい記事がないからかもしれないけど、ゴルロフカやヘルソンも記事にしてほしい。
ウクライナが1つも勝ててないみたいな印象だけになる。
面積だけで言ったらウクライナが一方的に負けているとは、まだ言えないと思う。
人的損耗が重要だけど、客観的な数値がでるはずもないからそちらは期待していない。
上でアウディーウカ攻勢の初期だけロシアが損耗したという記述がありますが、ここ数日の方がロシアの人的損耗がデカいです。
他に気になるのがオシントの装備損耗比で前はでてこなかったウクライナの砲の損失がSUVに次いで多いのが気になります。
ロシアに逆に阻止作戦をやられていないか気になります。
爆撃でも後方がやられているので、ウクライナ軍のお株だったものがロシアに真似されていないでしょうか。
まだハードモードのつもりだったんだ。
最初からヘルモードで開始だと思ってた。
Hell Kittyですか…
ゼレンスキーが頑固というよりも支援している西側が成果を出せとせっついたからでしょ。
ウクライナがもらった装備は現状維持レベルだけどロシア軍を駆逐しなければ援助を絞ると
アメリカの政治家に言われれば選択肢は無いよ
西側特にアメリカの援助がウクライナの継戦能力そのものだったんだから
アウディウカの陣地が薄かったのは手持ちの労働力で陣地構築するには地質的に難しかったんじゃないかな?
太平洋戦争での沖縄の某師団が陣地構築の命令をうけて数ヶ月経過したのに全く何もせず、交代した第24師団の将兵が呆れたという話もある。地質的に重機が無いとはかどらなかったりすると人力で土木作業はやりたがらないもんじゃね?
そう考えるとチャレンジャーを1ダース送るより装甲工兵車を1ダース送った方が役に立ったと言えるかも
6月からの攻勢がどうしても必要だったのは理解できますが、その攻勢の先行きが暗くなってからの方針転換が遅くないかという話です。
西側からの支援を得る方法も、戦果を上げる以外にやり方はあります。
「現状のラインで停戦をしたいので、軍事的均衡を達成する為に支援が欲しい」と言えば、さっさと停戦したがっている西側諸国は喜んで軍事支援をくれるでしょう。
アウディーイウカの陣地に関しては47旅団の兵士が自分で塹壕を掘っているという話ですし、地質は関係ないのでは?
(もしかしたら47旅団には工兵機材が豊富に与えられてるという事情があったりするのかもしれませんが…)