ゼレンスキー大統領は「アウディーイウカでロシア軍を消耗させれば戦争全体の流れが変わる」と主張したが、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARも、ウクライナ人が運営するDEEP STATEも「ステポヴェ集落の北側地域を占領(喪失)した」と報告している。
参考:Украине будет трудно начислять соцвыплаты без западной поддержки – Зеленский
参考:Рыбарь
参考:НгП раZVедка
参考:DeepState
社会保障への財政支援が途切れると軍事分野の支出を減らすか、社会保障への支出を行わないかを選ぶしかない
ゼレンスキー大統領は14日夜「ロシア軍はバフムート近郊よりもアウディーイウカ近郊で、より早いペースで、より大規模に兵士と装備を失っている。アウディーイウカ近郊でロシア軍が破壊されればされるほど戦争全体の流れが敵にとって悪くなる」と主張したが、アウディーイウカの状況は刻々と悪化している。
ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは15日「ステポヴェには足場を築く場所がないため両軍の兵士が存在せず、ウクライナ軍も集落郊外の森林ゾーンに後退した。ロシア軍も両軍の砲撃に晒されるステポヴェを慌てて占領する必要がない。高台の南東に位置する工場地域にロシア軍が侵入した。アウディーイウカ南部の工場地域でも支配地域を拡大させている」と、ロシア人ミルブロガーのNGP RaZVedkaも「ステポヴェの敵は集落郊外にの森林地帯まで後退した。コークス工場地域では過去24時間に多くの拠点が制圧され、アウディーイウカ南部の工場地域でも支配領域を約60%まで拡大させた」と報告。
ロシア側の主張は視覚的に裏付けられおらず、ウクライナ人が運営するDEEP STATEはロシア人の主張を認めていないが、RYBARとDEEP STATEは「ステポヴェの北側地域をロシア軍が占領した(ウクライナ軍が失った)」という部分で見解が一致しており、アウディーイウカ方面のウクライナ軍にとってポジティブな要素が見つからない。
因みにウクライナ政府は税収以上の資金を軍事分野の支出に割り当てているため、政府機能の維持や経済分野など「非軍事分野への支出」は米国、カナダ、EU諸国からの金融支援(2024年度の米国負担は1/4)で賄われており、IMFが行っているウクライナ向け融資も西側諸国からの援助がなければ成立せず、バイデン政権が提出した緊急予算にはウクライナ向けの経済支援が含まれている。
しかし緊急予算の議会審議は1ヶ月近く放置されており、バイデン政権の財務長官、国防長官、国務長官、国際開発庁長官は11月8日に「ウクライナへの予算支援を承認して欲しい=ウクライナ支援(600億ドル)に含まれている経済支援分118億ドルだけでも先に承認して欲しいという意味」と議会に要請したものの、下院は何のアクションも起こしておらず、民主党上院トップのチャック・シューマー院内総務も緊急予算について「感謝祭から戻ったら成立に取り組む」と言及。
この状況に反応したかどうかは定かでないないが、ゼレンスキー大統領は15日「重要なのは西側諸国による社会保障への財政支援だ。率直に言えば支援が途切れると本当に難しいことになる。我々は税収の全てを軍事分野の支出に充てているため、社会保障への財政支援が途切れると軍事分野の支出を減らすか、社会保障への支出を行わないかを選ぶしかない。いずれにせよ危機的状況に陥ることは確実で、これは戦争の行方に大きく影響を及ぼすだろう」と述べた。
EUもウクライナに対する財政支援で全加盟国の同意形成に手こずっており、ウクライナは「手に入るかどうか分からない資金」に希望を託して2024年度予算を編成するしかなく、軍事的な問題と経済的な問題を同時に対処しなければ戦い続けることが出来なくなるだろう。
関連記事:ゼレンスキー大統領、アウディーイウカでロシア軍を破壊すれば流れが変わる
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
もう市街にいるウクライナ軍が脱出できなくなるのも時間の問題かもしれない
アメリカ上院議員様「ウクライナ君は感謝祭明けまで待っときなはれ」
他人の金をあてにして戦争を行うことが、どれほど危険であるかを示す一例であり教訓ですね。
戦争に限らず、何の拘束力も無い善意をアテに行動する時点でバ力の
見本でしょう。「前にパチンコで有り金を全部溶かしたとき、あいつ
(友達)は快く飯をおごってくれた。だから、これからは給料日に全額
ギャンブルに突っ込むぞ」なんて考える奴は遅かれ早かれ破滅します。
アウディーイウカはもはや陥落するかどうかではなく、ウクライナ軍がいつ見切りをつけることになるのかという問題になってきたのかもしれない
今まで支えてきた拠点を失うことになるだけではなく、ドネツク市の脅威を1つ取り除いたとアピールに使われることになるから頭の痛い問題だろう
救国の国民英雄であるゼレンスキー閣下の最近のお発言を鑑みれば「死守命令」が出ている様子なので、現場指揮官が敗北主義者になり勝手に命令無視しない限りは撤退するなど問題外でしょう。
閣下は次々と増援を送るとも約束して下さっているようですし。アウディーイウカもきっと支え切れるでしょう。愛国精神に燃えるウクライナの兵士たちも全員がそう思っているはずですから大丈夫です。
なにせ群がる七倍とか十倍とかの数の敵を易々と倒して来た猛者たちですし。
それとロイター報道によれば、閣下は
「ドローンによって我々は黒海での主導権を奪う事が出来た、これで穀物輸出も再開出来る」と世界に向けてアピールされているようですから、これでもう財政面でも安心できますから問題はありません。
(これ全部皮肉ですから)
今更だけど言うね
アメリカもEUも無責任だよな
無責任であることには同意。彼らの在り方を感情的な部分では好意的には見れない人は私も含めいるとは思う。
だけど、政治的なリアリズムの視点では初めから分かり切っていたことでもある。同盟条約を結んでいてすら、形勢不利となれば“見殺し”にすることが多いのが国際外交だ。
ウクライナはNATO加盟国でもなく、EUの一員でもなく、日米同盟のような軍事同盟を結んでもいない。
ゼレンスキーはかつて、“ウクライナへの援助は未来への投資だ”と言ったが、不良債権への投資は誰だってしない。
無責任も何もないでしょう。ウクライナが「欲しい」って言うから
兵器を分けてあげただけなのですから。どれだけ分けてあげるかを
決めるのは自由だし、いつまで分けてあげるかを決めるのも自由です。
ほんとポジティブなニュースがないよねー
このままちょっとずつ占領されていって、ロシア(プーチン)が満足したところで停戦って感じじゃない?
満足しなきゃ条件付きのウクライナ降伏?
できればウクライナに勝って欲しかったけど。
そもそも国力が違うんだし、西側だって所詮人ごとだもんねー。
ちょっとずつで済めばいいですが
この手のジリジリとした消耗戦の中で過負荷を受け続けた軍隊は
どこかで限界点を突破して一気に崩壊するのがこれまでの常でした
太平洋戦争の日本軍はまさにその典型でしたね。
来年の春頃にはウクライナ軍は総崩れになっている可能性すらありますよ。
バグラチオン作戦前夜のドイツ軍も同じですね。 ベラルーシ方面に突出部を形成していた中央軍集団は南方軍集団に比べて比較的安定していましたが、作戦開始後には雪崩を打ったように大敗走。 現状では互角に見えても内情はかなり無理をしておりドミノのように連鎖的に戦線崩壊する可能性も十分考えられますね。
なけなしの砲弾を南部の渡河作戦に全振りしてるんでしょうね。
あっちは対抗砲戦に撃ち負けたら上陸部隊が全滅しますから,砲弾を送る優先度で言えばこっちを切ってあっちに送るしかないです。
すなわち、もはやアウディーウカは硫黄島と同じ、時間稼ぎがその作戦目標になっているんでしょう。ガザ地区が一段落したらまたアメリカの支援が再開されるかもしれませんし。
無事に撤退できるフェーズは
とっくに過ぎてると思われますが
この状況で街に留まれって
沖縄戦なみの捨て石ですな
しかも、そこまでして時間を稼ぐメリットも謎
仰る通りで、全面的に同意します。
最前線に張り付き続けて、ローテーションなく戦っているような部隊ですから、何とか助けて欲しかったです…。
ザルジニー総司令官の発信を見れば軍部というよりも、ゼレンスキー大統領や側近の方針なんでしょうね。
日本は、海外資金拠出が簡単に決まりすぎていますが、毎回スムーズに満額支出する方が珍しいんですよね。
日本が、海外のATMと蔑まれるて舐められてるのは、その辺が理由と思います(ユネスコの拠出金停止、国際捕鯨委員会の脱退で泣きついてきたのは有名な話)。
外国の支援頼みで、戦争を行ったり、予算編成するのは苦しいですね。
日本の日露戦争も、国家予算のほとんどを、英米(ユダヤ人)から外債で資金調達した事は有名な話です。
ウクライナ戦争も日露戦争と同じように、停戦した所で、支援国が漁夫の利を得る(戦略目標を達成する)だけで終わりそうですね。
しかもその戦時国債を真面目に85年かけて償還するからなあ。
日本と同じ敗戦をした国なら、まず踏み倒すだろう。
西ドイツも同じようにしています。
日本も西ドイツも戦後復興資金等や投融資を国外から調達する為には
国の信用を維持する必要があったからです。
ドイツ、第1次大戦の賠償金完済 終結から92年後
リンク
仰る通りですね。
経済成長+インフレで、両国とも負担は減っていきましたが…。
日本が、海外政府への債権放棄を繰り返しているのを見ると、なんかなあと感じてしまいます。
外向けの場では社会保障など民衆の危機を強調して支援の必要性を訴える一方で、内向けには”国家安全保障と防衛部門は国内収入のみで賄っている”とその他の支出について言及を避けつつ財政の健全性をアピールするというスタイルはあまりよろしくないかと。
最高議会の予算委員会委員長を筆頭に与党やその協力派閥の多くの人々が行っていますが。
車両や兵員にとんでもない大損害与え続けてるんやろ?なら行けるやろ()
コロナ死120万超、絶望死毎年数万、ホームレス数百万~の国から多額の社会保障もらおうとかマジか!?
そりゃ米議会に入れなくてもしょうがないのでは・・・
質の悪いジョークかと思った…
捨て石にするつもりなのかな
ゼレンスキーは停戦の算段を考えた方がいいんじゃないかね
まさかウクライナ人の成人男性が全滅するまで続けるつもりか?
アメリカにとってはロシアとウクライナの対消滅でも戦略目的は達している。
だからベトナム化でも構わないのではないか。
むしろアフガン撤退みたいに無様な敗北の印象の方がいやだと思う。
アメリカのメンツがつぶれる。
ゼレンスキー暗殺か、いきなり亡命もありうるかも
リンク
『救いがないかもしれないと想像してみてください:米国特別代表のウクライナ訪問の結論』
昨日のウクライナプラウダ紙の記事ですが、どこをどう読んでもポジティブではないですね。
他国頼りの安全保障はあてにならないことを思い知らされます。
そろそろ日本も諸外国のように本格的な軍隊を持つべきでしょう。
そのためには憲法改正というハードルがあるわけですが、
まごまごしていたら国それ自体が無くなりそうです。
どこの先進国も、高齢化による社会保障費の増大で、財政は自転車操業。
その上、金利上昇により今後は利払い費の増加が追い討ちをかけてくる。
そんな時に、支援表明が支持率に貢献しなくなったウクライナに、支出しようとする政治家はいない。
大規模金融緩和の注入で大きく膨らませた西側諸国の経済が、このインフレに立ち向かうのは容易ではない。
アメリカ下院は平和に自分勝手に振る舞っているのではなく、インフレとの戦いの最前線である。
トップ画像かっこいいね
線路沿いを北に支配地を広げたのは、ノボカリノベとオケレタインの連絡を脅かすことで、十字路を守るウクライナ軍を牽制しようという狙いでしょうか?
それに加えて、ステポヴェと隣接するベルディチへの攻撃面積、砲撃方向の拡大が目的かなと思っています。
今までは線路を挟んだ東側から砲撃やランセット自爆をしていて、北側を取れば北東からも射線が通ることに。
突破口が形成されれば敵軍はそこを塞ごうと戦力を集中します
つまり突破口の双肩から攻撃して根元を断とうとするわけですね
例えばウクライナもノボカリノベから南に向かって反撃を行っています
西側の戦闘教義では反撃が行われる前に突破方向に戦力を集中し、迅速に後方に浸透して短期間で致命的に指揮系統を破壊してしまうことを重視します
東側の戦闘教義では逆に突破方向に進出しつつもむしろ強化される前の双肩に対する攻撃が重視され、突破口の十分な拡大から改めて戦果拡大が行われます
今回の場合オケレタインがこの地域のウクライナの兵站拠点として機能しており、ロシアにとっては既に包囲下にあるアウディーイウカの開口部を急いで塞ぎに行くよりもここを圧迫する方が重要だと考えているのでしょう
ロシアの兵力については、まだ、明確な(正確な)予想が立っていないような印象ですね。
ウクライナも西側も、権威主義国家の動員力を甘く見ているのでは。
今のロシアは、国内の少数民族を一つづつ、動員で滅亡に追い込みかねない様子ですし。
本命(?)のロシア人はまだ登場してないみたいですね。
であれば、ロシア軍兵士をもっと倒して、本命のロシア人を引っ張り出さないと、でしょうか。
そうでないと、ロシアが戦争の痛みを感じることはないのでは。
戦場での兵員交換比率(いわゆるキルレート)をもっと引き上げないといけないのでは。
多分、現時点で効果のあるものは、クラスター弾頭などがそうでしょうが、
他にも何か探さないといけないのでは。NBC兵器以外のもので。
兵士の損失を推定するための道具の1つとして、私も動員状況にも注目しています。
ロシア軍の動員で「少数民族の消滅とか本命のロシア人はまだ登場していない」というのは何らかの情報があるのでしょうか?
とにかく、一般点な動員情況の概略は、
ロシアは、昨年秋に実質200万人の予備役の中から30万人を召集しました。しかし、2回目の召集はまだありません。
正式発表等の確定情報はありませんが、その1回目の召集も期限切れで戦車兵などを除いてどうも多くは召集解除されているようです。
そのため、ロシア軍は志願兵でなんとか回しているようです。志願兵で十分な兵力を確保したという情報が今年の秋に出回りましたが、明確ではありません。
つい最近も志願兵(契約兵)の募集で報酬を上げています。一般人の収入の数倍以上になっているようです。募集が順調であるかどうかは分かりません。兵士の数は潤沢ではありませんが、長期戦を志向しているようです。
ウクライナ軍の方は、当初から一般人の動員をやっていて、動員数は150万人を越えたと思われます。かなり強引な動員方法もとられています。
そのためウクライナ軍の兵士の数は潤沢かと思われましたが、今年の9か月くらいから月に4、5万人程度だった動員数が月に1万人程度に急激に低下したようです。
しかし、最近にまた、ウクライナ西部の何ヵ所かの都市で強引な動員を象徴する動画が出回りました。これは、動員数を戻したのか、戻そうとする動きかもしれません。
(ウクライナの数字は正式な数字は知らないので、ウクライナの指導者らの発言やウクライナ内部のウクライナ側の個人発信によるものです)
やはりこれまでの動員情報を判断すれば
「少数の正規軍を中核に傭兵部隊を効率的に運用してるロシア軍」と「人海戦術でひたすらに無理を通そうとしているウクライナ軍」の構図以外矛盾が生じるんですよね
これを言うと「視覚情報によれば〜」と判を押したように反論される方がおりますけども
そういう人達は演出という言葉を考慮されているのかなと思います。
我々は戦場全体を俯瞰的に視認できる立場にはおらんのですから
場面場面を切り取れば、圧倒的な損失を与えてるように見せられるくらい造作もないでしょう。
視覚情報は過信するべきものではないと考えます。
予算を軍事費に使おうが社会保障に使おうが、ポケットの右と左の問題に過ぎないので本来は限りなくどうでもいい事ですが。
国内の軍部隊向けに「対露戦争の軍事費は聖域である!」と宣伝するのはいいが、それを支援してる側の諸外国のメディアに知らせてしまうのは悪手では。
各国とも庶民生活はインフレで苦しくなってるのに、「海の向こうのウクライナ人の年金を我々の税金で払おう!」なんて構図になってしまったら議会が紛糾して当たり前ですよ。
しかも戦争に勝つまでは毎年毎年ウクライナ人の医療費や年金支払いを西側で負担し続けなければならないことに。
これ選挙で突っつかれたら勝てませんよ。
お金がなければ戦争が続けられない。突然の全戦線崩壊もありうるのでは?反乱の可能性が高い州はないのでしょうか?
戦線縮小して防衛線で持久戦に切り替えたほうがいいと思うけどね
1年前にハリコフとヘルソンから撤退してロシア軍がやったことがまさにそれですからね。
既に反転攻勢で失敗したウクライナが、1年遅れでロシアに倣っても「手遅れ」かと。
もう、「まだましな負け方」を含めた“戦後”を見据えた交渉を開始すべき段階になっていると思います。
同感です。
持久戦をしても戦力装備に勝るロシア軍には敵わず、一点突破をしようにも戦力が足らずで打つ手なし。
こういう状況を覆す究極の一手である核も数十年前に手放した。
去年の秋にロシア軍がヘルソンとハルキウで潰走したのをバカにされていたけど
あれは獲得した領土と重装備よりも兵隊の命を重視したんだな
逆にウクライナ軍はどうなのかな
領土に固執してベテランを使い潰している気がするんだが