欧州関連

ハンガリー首相、拒否権発動で500億ユーロのウクライナ支援を阻止

ハンガリーのオルバン首相は「ウクライナに対するEU加盟交渉の開始」を間接的に容認したものの「いつでも阻止できる」と語り、ウクライナに対する500億ユーロの経済支援については拒否権を発動、EUのウクライナ支援継続は行き詰まってしまった。

参考:EU summit live: Macron confident Orbán can be persuaded to support funding for Kyiv
参考:What does Orbán’s decision on Ukraine’s EU membership mean for an enlarged bloc?
参考:Hungary’s Orban blocks aid for Ukraine, says he can still halt EU accession

ウクライナのEU加盟は依然としてオルバン首相の手のひらの中にある

ハンガリーのオルバン首相は「ウクライナに対するEU加盟交渉の開始」も「ウクライナに対する500億ユーロの経済支援」にも反対の立場で、欧州委員会はオルバン首相を説得するため「法の支配に対する懸念」を理由に凍結していたハンガリー向け資金(EU予算からの補助金で102億ユーロ分)の解放を13日に決定、これを受けてオルバン首相も自身の政治的立場を守るため「首脳らによる採決」に加わらない=棄権という形で拒否権発動を回避した。

出典:European Union

飽くまでオルバン首相は「加盟交渉の開始」を間接的に容認しただけで、ハンガリーメディアに対して「長いプロセスの中でウクライナの加盟をいつでも阻止できる」と語り、ロイターも「オルバンは必要に応じてプロセスのブレーキを踏む」と報じている。

さらにマクロン大統領は「来年3月までに必要な全ての改革を履行すれば加盟交渉を阻止しないとオルバン首相が語った」と明かした点で、オルバン首相は「改革が履行されたかどうかに対するハンガリーの認識」を持ち出してくる可能性が高く、ウクライナのEU加盟は依然としてオルバン首相の手のひらの中にある状況だ。

EU予算案の阻止はハンガリーにとって自国の権利を明確する絶好のチャンス

EU首脳会議のメインイベントだった「ウクライナに対する500億ユーロの経済支援=EUから4年間で補助金170億ユーロ+融資330億ユーロ」はオルバン首相が拒否権(全会一致が必要なので反対票が1票でもあれば阻止可能)を発動したため成立せず、フォンデアライエン欧州委員長は「何があっても次回の首脳会議までに解決策を見つける」と述べているが、次回の会議は3月21日の予定なので「EUの通常予算」から500億ユーロを拠出する方法に依存すると「早くて3ヶ月先」になってしまう。

出典:European Union

そのため通常予算外の資金でウクライナ支援を行なう方法が検討されており、ロイターは「協定に基づいて補助金の徴収額を調整しキーウに渡すことが可能かもしれない」と報じているが、同時に「これを融資として提供するには加盟国が債務保障を行わなければならず、このプロセスは酷く面倒で新予算が成立する度に繰り返さなければならない」と指摘している。

別のメディアは「EU加盟国とウクライナの2ヶ国間支援に切り替える」とも報じられており、多くの加盟国は拒否権を発動したオルバン首相を非難して「ウクライナ支援の継続」を表明しているため、欧州の支援は今後「2ヶ国間支援」に切り替わっていくのかもしれない。

出典:European Union

因みにロイターは「ショルツ首相がオルバン首相の退席で大きな役割を果たした」を報じている。

追記:オルバン首相はEU予算案の一部(ウクライナ支援のこと)を阻止した理由について「ハンガリーにとって自国の権利を明確する絶好のチャンスで半分でも1/4でもない」と述べており、欧州委員会が凍結した全資金の解放(まだ数十億ユーロの資金が凍結されたまま)を要求しているように見えるが、それだけでオルバン首相の要求が満たされるのは不明だ。

関連記事:欧州委員長、この異常な時代に年100万発の砲弾生産量では足りない
関連記事:ウクライナ支援の縮小が浮き彫り、8月~10月分の支援額は昨年比で87%減
関連記事:欧州理事会のミシェル議長、ウクライナ軍の反攻作戦が失敗したと思ってない

 

※アイキャッチ画像の出典:European Union

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コメント

    • ( ゚Д゚)
    • 2023年 12月 16日

    例え他国に非難されても明白に国益追求できる国家元首は
    羨ましいです(道義という意味で良いか悪いかは別として)。

    56
    • たむごん
    • 2023年 12月 16日

    外交は、自国の国益を追求するという事を、忠実に実行していますね。
    ウクライナは国力が暴落しているため、ポーランドに対してだけでなく、ハンガリーに対しても一定の譲歩が必要でしょう。

    プーチン大統領が、日本とのエネルギー取引を継続している事に触れており、継続していく事に言及しています(2023年12月14日の年末イベント)。
    鈴木宗男さんが、ロシアに訪問した事が批判されていましたが、リスクを取って訪問した成果が分かりやすい形で現れていますね(日本とのガス取引は固定価格の為、過去の日本が有利な条件を享受してきました)。

    40
      • 2023年 12月 16日

      鈴木宗男は、党から除名されました。自身単独の活動であったので問題視された。
      自分は北方領土が帰って来ないのに経済協力するなんて状況は馬鹿みたい思えますけどね。ドイツのようになるだけ。

      21
        • atomic
        • 2023年 12月 16日

        自分的にはどうせ帰ってこないものにこだわって実を捨てる愚かな判断は政府にして欲しくないですね
        もちろん北方領土は日本固有の領土だと主張は続けるべきですがそれ以上は望みませんし望めません

        39
          • たむごん
          • 2023年 12月 16日

          日本が経済的に強い時代は、ロシアが弱っており(ソ連崩壊直後)、経済力を背景に強気に出る選択肢はありましたね。

          日本のGDPが世界に占める割合
          1980年9.8%
          1995年17.6%
          2021年約5%

          日本の国力低下はが凄まじく継続しており、経済力が弱体化した中で、人口減少しているのに高齢化も継続(少子化)しています…。
          時代は変わったので、程々に上手くやる事が、肝要なのでしょうね。

          15
        • 歴史と貧困
        • 2023年 12月 16日

        >自分は北方領土が帰って来ないのに経済協力するなんて状況は馬鹿みたい思えますけどね。
        私はたむごん氏の意見に賛成です。鈴木宗男は色々とアクの強い議員(地元からの評判も悪い)ではありますが、道東の政治家としてやらねばならぬことの一部は果たしていると。

        私は道東の釧路出身(父は1944年満州国奉天生まれ、ソ連軍に満州で大叔父たちは殺されました。祖母だけは何とか1歳の父を抱えて本土退避組に入れた)で、かつて遠洋漁業を行っていた根室市や、知床にも親族もいれば、ビザなし交流で国後島へ行ったこともありますが、北方領土が「帰ってこない」と嘆くのは“現場を見ない遠くの無責任な声”と思っています。私の父が「満州国が帰ってこない」と嘆くようなものと感じるためです。(確かに、地元議会系はそれが飯の種なので騒ぐ者がいるのはどこも一緒です。姉などは地方選のたびに選挙事務所に駆り出されます)

        ロシアは恐ろしい国であり、有事になってしまえば、道東や道北などはまさにドンバスになってもおかしくありません。ロシアとの経済協力の維持は絶対に不可欠だと考えます。隣国との対話のパイプを放棄することは、“軍事力で劣勢の側”には許されない贅沢であり、中国のような大国だけが出来る特権です。

        当然、同様の理屈でアメリカと過度に敵対することは避けるべきですが、過度にへつらう必要もまたない。それで中国やロシアを強硬にし、関係が悪化するのであれば意味がない。NATO加盟を言い出し親欧米に舵を切りすぎたウクライナと同じ轍を踏むことに繋がる。

        永遠に続く戦争がない以上、必ず休戦や経済協力の再開期が訪れます。あのガザですら例え7日間とはいえ休戦時期はありました。なので、自分から経済協力や外交チャンネルを感情的に閉ざすことは、かつて満州事変を企て国際社会から孤立していった国を見習うことになると危惧します。

        個人的には、私の家族を殺したロシア(ソ連)を好きになる理由はありませんが、それと経済協力、外交関係は別と割り切らねば、厳しい国際社会を生き抜けない。亡国の満州を繰り返すだけと思うのです。

        34
          • たむごん
          • 2023年 12月 16日

          仰る通りです。

          ロシアと戦う勇ましい発言の方々も、前線歩兵(使い捨て)の徴兵を受け入れられない方が多いでしょう…
          自衛官(職業軍人)は温存しなければならず、弾薬も1.2週間程度しかないわけです。

          日本は非核保有国であるだけでなく、軍事力が相対的に弱くなり続けているという事実を、なかなか理解する事が難しいのでしょうね…(自衛官に、糧食・寝具などをケチるレベルですから)。

          21
      • 匿名11号
      • 2023年 12月 16日

      自国利益追求は国の基本だが、あからさま過ぎるとかえって逆効果ですがね。ハンガリーももう2、3か国棄権に引き込めれば印象も変わったでしょうけど、1国だけ反対では悪目立ちしすぎですな。

      ムネオ君?ロシアで誰に会えましたっけ。道化師にパイプ役は務まりませんよ。ただ阿ればいいというものではない。

      17
        • ras
        • 2023年 12月 16日

        欧州からの印象ではそうかもしれませんが、EUには加盟国を強制的に排除する制度はございません。重大な違反などに対しても、EUとしてできることは制裁に限られています。かつて日本が連盟に対して行ったような、一人で離脱表明したわけでもないですので、EUの枠組みの中でのハンガリーの立場は何も変わっていません。
        むしろハンガリーは今回の首脳会議で制裁緩和を取り付けたので、完全な外交的勝利かと。

        18
          • 匿名11号
          • 2023年 12月 16日

          完全勝利ねえ。
          だとしたら、なおさら悪目立ちであることには変わりますまい。EUからの除名という極端な手段が実際的に困難というだけで、1国だけで突出するハンガリーがEU内で不利益を蒙らないとするのは楽観的過ぎますな。

          12
            • ( ゚Д゚)
            • 2023年 12月 16日

            結局、ハンガリーが具体的に何を、
            いつ頃、損すると思うのですか?
            その損はオルバンにとって、国内の
            運送業者からの票が得られるメリットを
            帳消しにする程の不利益になりますか?
            そうでないなら彼の行動は政治家として
            極めて合理的です。例え長期的に国家の
            不利益でも、現在の有権者に支持され、
            彼が退任したいと思う時まで落選せずに
            居続けられるならば彼的にはokです。

            7
              • 匿名11号
              • 2023年 12月 16日

              それはコメ元が問題にしていた「自国の国益追求」とは違うんでは。
              オルバン君の「私益」ですよね。

              5
                • ( ゚Д゚)
                • 2023年 12月 16日

                確かに。

                1
                  • ( ゚Д゚)
                  • 2023年 12月 16日

                  100%何も言い返せなかったので
                  ハートマーク押させていただきました

                  1
                • 歴史と貧困
                • 2023年 12月 16日

                >オルバン君の「私益」ですよね。
                これが賄賂や政治献金といった金に絡む汚職や、身内に国家の金を横領させたならば「私益」に過ぎないと批判することは簡単です。

                ですが、陶片追放が盛んだった古代アテナイの昔から、政治家への有権者の支持と連続当選は「自国の国益」であるか「私益」かは定義と答えが非常に難しい問題だと思います。

                例えばペルシア戦争時期において、ペルシア王クセルクセスが策し、最も厄介なテミストクレスがストラテゴスに連続当選することを妨害するためにイオニア人経由で金をバラマキ、悪評を流すこともありました。

                ペルシアからすれば、テミストクレスが落選することが「自国の国益」となる。であるが故に、個人的にはテミストクレスが気に入らないキモン支持派であっても、海軍指揮官には彼が最適任のため有権者にテミストクレス支持の呼びかけを行うことも当然あった。これは別に、テミストクレスの「私益」を守るための行動ではなく、「自国の国益」のためでした。

                つまり、高度な権力を持つ政治家の場合、「私益」と「自国の国益」が大きく重なることは現代に至るまでありえます(君主制国家ならば尚更ですが)。第二次世界大戦時にルーズヴェルト大統領の異例の3期目を認めることも、「アメリカの国益」のためにと許されましたが、それを「ルーズヴェルト君の私益ですよね」と非難したアメリカ人もいたでしょう。

                私は、「独裁者」と揶揄されるほどに強固な権力基盤をハンガリーに確立しているビクトール・オルバンという人物は、「ハンガリーの国益」と「私益」が大きく重なる域に達していると考えます。

                また、岸田首相の場合は重なっていないと考えます。今は亡き安倍首相なども長期政権5年目以降の段階に達する頃には、「トランプを御せる唯一の人物」と海外メディアに書かれていたように、彼の政権が続くことが西側諸国の国益にも重なる(全てではありませんが)と評価されていたと考えます。

                4
                  • 匿名11号
                  • 2023年 12月 17日

                  短期政権の連続が国益を毀損するのは確かですが、「ある特定の政治家が権力者に在り続けることが、その国の国益追求につながる」というのは保って10年と言ったところでしょうね。それ以上になると「在り続けること」自体が目的化して弊害が大きくなる。
                  加えて、その種の発想は当の政治家及び直接的な支持者のモチベーションとして心の中にとどめておかれたいもので。

                  3
        • 歴史と貧困
        • 2023年 12月 16日

        >自国利益追求は国の基本だが、あからさま過ぎるとかえって逆効果
        >1国だけ反対では悪目立ちしすぎですな。
        それも場合によりけりで、EUが上手く回っている時ならば(21世紀のここまでの体制が存続できるなら)その理屈も通りますが、1国だけ離脱した英国なども今や悪目立ちとはなっていないのが現状。「和を乱さないこと」が評価されるのは平和の時代の特徴です。

        ユーロ圏総合PMI、12月速報は47.0に低下 景気後退ほぼ確実か
        2023年12月15日午後 7:07

        とロイターの記事にあるように、ユーロ圏の景気後退は深刻。泥舟EU号がこのままでは沈みゆくならば、できる限りの資金を今のうちに引き出して、次の時代の政体を模索しなければならない段階に入っているでしょう。

        歴史的な欧州の先例を見れば、民主政体が行き詰まった後に来るのは次に僭主制、その後に君主制(ナチスのような独裁体制も含む)へと舵を切り、大規模な戦争ということが多い。

        イタリア、オランダ、スウェーデン、そしてドイツなど極右が次々に台頭している国家が、15年後までに実質的な僭主制となる可能性は大いにある時代に入ったと考えています。誰かを貶すことよりも、次の政体、政策をどうするかが問われる時代だと。民族主義もこれまで以上に吹き荒れることでしょう。

        16
          • たむごん
          • 2023年 12月 16日

          仰る通りですね。
          左翼化の反動が、EU各国に出ているように見えます。

          インフレが、利上げにより鎮静化してきたという面もあるのですが。
          ウクライナ戦争によるインフレで、ユーロ圏の政治経済が、仰るように大ダメージを受けたという事だと思います(ロシアの天然ガスが安価に買えなければ全て息詰まります)。

          日本は、EUに無理難題を押し付けられて、不利益を被る事が多々ありましたからね(宗教的な環境問題・EUルールなど)。
          適度にEUが弱体化した方が、日本にメリットがあるかもしれません

          7
          • 匿名11号
          • 2023年 12月 16日

          別に15年後30年後の「可能性」にまで否定はしませんがね。

          短期的に2つの体制を天秤にかけて他国を出し抜いて利益を得るのであれば、あからさますぎではありますね。それに、経済規模も異なるし、海洋国家としても自立できる英国を引き合いに「ハンガリーだって大丈夫」とするのは説得力が弱いですな。

          5
            • 歴史と貧困
            • 2023年 12月 16日

            >経済規模も異なるし、海洋国家としても自立できる英国を引き合いに「ハンガリーだって大丈夫」とするのは説得力が弱いですな。

            文章が足りませんでした。失礼を。私が述べた論点は、①であり、②ではありません。
            ①「EUは大丈夫ではない」
            ②「ハンガリーだって大丈夫」
            むしろ、①であるからこそ、英国もハンガリーも「EUに加盟し歩調を合わせていれば安泰」という時代を迎えつつあり、それぞれが海洋国家、陸地型国家として新たな政体、外交関係の模索を始めたと考えています。よって当然の如く、「EUから離脱した英国は大丈夫」とも、「親露であるハンガリーは大丈夫」も成立しません。これからは不安定な乱世となるのなら、なおのこと。

            繰り返しになりますが、①であり、昔ながらの人権と民主主義を重んじる姿勢を示しつつ、EUという仕組みの中で協調していれば経済成長や安泰が見込めた時代ではないと考えます。よって、「他国を出し抜いて利益を得るのはけしからん」という“考え方”では取り残される危険が高く、「既にハンガリーは動いた、ならば、我々はどうする?」と問うべき時代となってしまったと。

            先送りも、決断力不足も、安寧を求める妥協と事なかれ主義も許されない、厳しい時代に入ったのだと感じます。

            5
              • 歴史と貧困
              • 2023年 12月 16日

              一部文章が変でした。
              ①であるからこそ、英国もハンガリーも「EUに加盟し歩調を合わせていれば安泰」という時代の終わりを迎えつつあり、でした。

              3
              • 匿名11号
              • 2023年 12月 17日

              いや弱肉強食の世界であっても、「あからさまに」他国を出し抜いて利益を得ればやり玉にあがるのは当然であって、その時点で「他国でもやっていることだ」とうそぶいたところで始まりませんね。小国であればなおさらです。

              ああ、もちろんロシアのように戦時経済をとっているわけでもなく、良くも悪くも経済的合理性の下で動いているEUがこの戦争で直ちに行き詰まると思っていません。(貴殿もそう思っているから「15年後」とつけたのでは?)ハンガリーがEU脱退前提の最後っ屁として動いているのであればただのフライングでしょうな。

              2
      • 樺太
      • 2023年 12月 16日

      外務省と共謀して樺太豊原市に「在ユジノサハリンスク日本総領事館」なるものを捏ち上げた国賊鈴木宗男は腹を切って死ぬべき

      5
    • れんちゃ
    • 2023年 12月 16日

    まあ、オルバンは片方を通して片方を邪魔して、みたいな感じでロシアに協力アピールはしてるんだけど、結局は最後には通しちゃう事もあるんだよね。これも何回か頑張りましたみたいなアピールして、強引にやられたので退席するみたいな感じで段階的にやるんだろうみたいな…

    12
      • ras
      • 2023年 12月 16日

      今回の会議で失敗すれば次は3月と記事にもあります。
      今年の厳しい冬に西側からの援助予算追加が完全にストップするというのが、ウクライナにとって絶望的な事態かと。

      6
    • ak
    • 2023年 12月 16日

    しかし、いつも思うのだが、なんでEUはウクライナなんて言う「破綻国家」を自らの経済圏に入れる事に必死になるんだろうか?

    戦前のブロック経済よろしく自らの支配地を広げたいというのは判らないでもないが、過去のギリシャ危機でEU経済が破綻の危機にあったのをもう忘れた(見ないふりをしている)んだろうか?
    「お前らは全員地獄から来た豚だ(UR all PIGS from HELL)」と悪し様に言われるような、経済劣等国を次々に引き入れても悪影響しか無いのに。
    ドイツなんて単独での経済成長率はマイナスになるのが報告されてるし、移民問題で政治的にガタガタで「よその国の面倒見てる余裕なんて無いだろ」に、さらにマイナス要因を必死に引き込もうとするとか「イデオロギーは人を狂わせる」としか言い様が無い。

    チェーン店が新規店舗の展開によって総売り上げを伸ばしても、各店舗ごとの売り上げは下がっており、会社としての利益率は下がるばかりで、やがては無理な新規出店による経費増大で破綻する。
    という、良く有るパターンをやっているようにしか見えないんだが。

    47
      •  
      • 2023年 12月 16日

      資本家からすると、労働者の人件費を削減すればするほど利益が上がるので、常に安い労働力を求めてる
      本邦の氷河期の非正規問題や外国人技能実習生をみれば分かる通り、人件費を圧縮するためなら何でもやる
      欧州の移民問題は、移民と現地民の争いに見えて実態は、安い労働者を求める資本家と、それで職を失った労働者の戦い

      ウクライナは資本家からすると人件費が安くて魅力的なんですよね
      国家や国民ではなく、企業や資本家にとってどんな利益があるか考えると、国家や国民にとっては不利益にしかならない政策が通る理由がわかりやすいと思います

      国家や国民にとって不利益としか思えない政策ほど、強烈な利益を秘めてる
      不利益な政策を通せば支持率低下するのにやるわけですから、それに見合うリターンがないとやりませんからね

      ウクライナやイスラエルへの支援や、ポリコレSDGsなどの国民に不評な政策は、西側諸国の企業や資本家にとって強烈な利益を秘めているのでしょう

      27
        • 朴秀
        • 2023年 12月 16日

        (安く使える)経済移民の流入に対して国民は反対するけど経済界は賛成するってのは
        我が国(というかどこの国)も一緒でしょうね

        ハンガリー的にはロシアを切れないんでしょう
        というかグローバルサウスとかは
        ロシアと繋がりが切れたら成り立たない国(食料、燃料及び安全保障的に)もありそうです

        13
        • ak
        • 2023年 12月 18日

        安い労働力と新たな市場を関税無しの自由に使えるから。
        というカラクリは理解していますが(バルト三国がスカンジナビアの実質的な経済植民地になっている例のように)

        それは短期的な物であり、将来的には受け入れてしまったが最後、歯止めが利かない切り捨てるのが非常に困難な負の遺産になり、自分たちの富を逆に奪っていく癌細胞と化す。
        というのは学生にでも理解出来る、袋小路への道なのになあ。

        ポリコレやLGBTのようなマイナス要因を好き好んで取り入れようとするリベラルは、共産主義が敗北した後の世の中の造りを破壊する為の次の無謀な社会実験なんだろうな、と諦めてます(笑)

        1
      • 58式素人
      • 2023年 12月 16日

      あまり口に出されてはいないのだけれど。
      素人個人は、文化的なものの背景があるかも知れない、
      と考えたことがあります。
      端的に言うと”欧州=EU加盟国”と言うこと。
      例証として、トルコ共和国の扱いがあるのでは、と思っています。
      彼らはNATO加盟国ではありますが、EUには入れていません。長年に渡って。
      単に経済的な繋がりだけを考えているわけでは無いような気がしています。
      ’70年代から、欧州の範囲について議論はあったと思います。
      当時はオーデルナイセ線の西を欧州とする論調だったと憶えています。

      12
      • 理想はこの翼では届かない
      • 2023年 12月 16日

      同意します。ウクライナ紛争以前、2014年のクリミア侵攻の頃でさえ「ウクライナをEUに」というのは絵空事でした
      ところが、ウクライナ紛争が長期化し、経済・軍事支援の必要性が強くなるとともに「ウクライナをEUに」というのがまるで既定路線であるかのように話が進んでいます
      これでは「軍事支援のためにウクライナをEUに入れる」という手段が目的となっているように思えます
      もちろん、ウクライナに経済・軍事支援が必要なのはわかりますが、そのためにEUに入れるというのが通るのであればトルコはなぜEUに入れないのかという話になってしまいます
      おっしゃられる通り、どうにも後先考えずにイデオロギーありきで話が進んでいるようで、欧州は大丈夫なのかと心配になります

      12
      • たむごん
      • 2023年 12月 16日

      ドイツの戦略をあげますと。

      マルク高が、輸出により発生してきたため、対策の1つになっています(ユーロが最たるものです)。
      弱い国を取り込むことで、通貨高を抑え込むことができるというカラクリです。

      EU経済全体で見れば、ブロック経済圏に囲い込んで、その国の市場を育てたり労働力を活用するという目的があります。

      9
      • タチコマァ
      • 2023年 12月 16日

      イデオロギーでおかしくなってるのはロシアの方が酷くない?

      5
        • 歴史と貧困
        • 2023年 12月 16日

        ウラジミール・プーチンの率いるロシアは、「国家資本主義」と「強いロシアの復活」を掲げていますので、イデオロギーとしては分かりやすい部類と思っています。よって、昔はソ連を、今はロシアを仮想敵国とするNATOにウクライナが入ろうとすることは、彼らのイデオロギーからすれば軍事力を行使してでも阻止すべきこととなる。

        無論のこと、「自由経済個人主義」、「冷戦終結以後の秩序の維持」を軸とするG7などからすると、ロシアの在り方が敵対的に映り、その伸長が好ましくないという理屈は成り立つと考えます。実際、基本的には両雄並び立たずの関係性でしょう。

        その上で、イスラエルのガザ侵攻を自衛権の行使であると容認したことなども含め、イデオロギーの方向性に混乱がより強く見えるのは、“今は”G7を筆頭とした欧米陣営かと考えます。人権重視と移民排斥、環境重視と経済重視、福祉優先と軍備優先など、それぞれの国内で明確な道筋が見えず、内ゲバが深刻化していると。

        先の例だとロシアの場合、「人権軽視」、「親露の移民は歓迎、反露は追放」、「環境よりも化石燃料と経済重視」、「福祉よりも軍備優先」と、イデオロギーは非常に分かりやすく、“統一ロシア”の名の下に一元化されていると考えます。

        ただ、それが個々人の幸福に繋がるかは別儀とも考えます。良くも悪くもロシアとは民族国家規模での全体主義の国なのだと。

        12
    • nmb
    • 2023年 12月 16日

    そもそもプーチンがウクライナのEU加盟には反対していないのでこの件に関してはオルバンが親露というわけではなく、国益とEUの将来を案じての決定だと思います。
    むしろプーチンはEUに加盟してヨーロッパの足を引っ張ってほしいとすら思っているかもしれません。
    ウクライナが加盟して喜ぶのはフォンデアライエンのようなお花畑な連中ぐらいで、特にヨーロッパの農家なんかはオルバンに感謝しているでしょう。
    余談ですがハンガリーがここまで徹底的に反宇なのはウクライナの騒乱に同国出身のジョージ・ソロスが関わっていることを知っているからと言われていますね。
    実際ウクライナプラウダを所有しているのはドラゴン・キャピタルで同社はソロスの投資会社とウクライナの事業において提携しています。

    35
    • ras
    • 2023年 12月 16日

    相当にウクライナにとって痛いニュースですね。二カ国間契約で援助するというのは、国際的枠組という言い訳を使えなくなり国内の政敵や中流以下各層から反発を避けられません。いくらやる気なドイツでも先細りは間違いないですし、国内で現在ウクライナに関連した反対運動が動いているポーランドなども動くに動けなくなってしまうのでは。
    実質現状に関係しない無意味なEU加盟交渉開始だけしか取り付けられなかったのはEU側の失態か、或いは米国と歩調を合わせてEUが本格的に見限っての支援削減なのかわかりませんが、ウクライナの継戦能力に致命的な打撃になるでしょう。

    8
      • 歴史と貧困
      • 2023年 12月 16日

      >実質現状に関係しない無意味なEU加盟交渉開始だけしか取り付けられなかったのはEU側の失態か、或いは米国と歩調を合わせてEUが本格的に見限っての支援削減なのか

      私は、2024年6月6日(木)~9日(日)の欧州議会選挙の布石に入ったのかと考えています。各国の総選挙のように民意が直接的に出るわけではないですが、極右の台頭がいよいよ深まり“国境の自由化”から“国防のための移民抑制策”へと欧州政治の主流派が変わりつつあると思います。
      そうなると、EUの一員でもないウクライナへ多額の支援をし、大量の難民を受け入れる政策そのものが、欧州議会議員の支持基盤から反発を持たれることとなる。アメリカ議員が年末休暇に地元へ戻り、2024年の選挙に向けてウクライナ支援を本当に続けるべきか選挙事務所と相談する必要があるのと、構図としては同じなのかと。

      そんな時に、ガザでイスラエルとパレスチナの衝突が重なってしまい、紅海や中東の情勢が不安定となっていることも、「もうウクライナには構っていられない」という立ち位置への切り替えを行っても非難されにくい環境になっているのではと。

      3
    • 2023年 12月 16日

    ロシアがバルトに侵略したときハンガリーが拒否権使ったらどうなりますか?

    1
      • ( ゚Д゚)
      • 2023年 12月 16日

      バルトが戦うだけでしょ。

      2
      • 歴史と貧困
      • 2023年 12月 16日

      どちらもNATO加盟国なので、その場合はEUよりも、NATOの領分となるかと。
      そして、いざ集団自衛権が発動してしまえば多国籍軍の指揮権は半数以上を占めるアメリカが握るでしょうから、ハンガリーの態度は問題にならないと思います。軍備が済んでいなくとも半ば強制的に発動してしまうのも、集団自衛権の怖いところですので。

      7
    • ブルーピーコック
    • 2023年 12月 18日

    船頭多くして船山に登る。今のハンガリーに海は無いけど

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