ドイツの大手防衛産業「ラインメタル」は28日、ドイツ連邦軍装備情報技術運用庁(BAAINBw)から海上で使用するレーザー兵器(指向性エネルギー兵器)のプロトタイプ製造と海上試験に関するサポートを契約を受注したと発表した。
参考:Rheinmetall and MBDA win contract for high-energy laser system
ドイツ海軍、艦艇搭載タイプの高出力レーザー兵器システムを2022年に海上でテスト
ラインメタルは2015年からドイツ軍と共同で海上で使用するレーザー兵器(指向性エネルギー兵器)に必要な技術要素の開発に取り組んできたが、 ドイツ連邦軍装備情報技術運用庁(BAAINBw)はラインメタルとMBDAで構成されたコンソーシアム「ARGE」に対してレーザー兵器(指向性エネルギー兵器)のプロトタイプ製造と海上試験に関するサポートを契約を与えた。
ラインメタルのプレスリリースによれば同社が高出力レーザー兵器システムの製造を、MBDAがレーザー兵器の制御システム開発を担当して2021年末までにドイツ海軍のフリゲート「ザクセン」にプロトタイプを統合、2022年に海上で評価テストを実施するらしい。
MBDAの担当者は「今回の契約は高出力レーザー兵器システムの実用化にとって重要なステップであり、ラインメタルとMBDAは両者の強みを生かしてプロジェクトを成功させる」と語っており、今回のプログラム責任者を務めるアレクサンダー・グラフ氏とレーザー兵器開発を主導してきたマルクス・ユング博士は「レーザーは光の速さで目標に命中して2次的被害を殆ど発生させない兵器でプロトタイプが間もなく海軍のフリゲートに搭載され非常に現実的な運用条件の下でテストされる、これは欧州のレーザー兵器開発の分野で最も野心的なプログラムだ」と述べている。
補足:米海軍は艦艇搭載タイプの高出力レーザー兵器を複数同時並行で開発を進めており、ロッキード・マーティンの「HELIOS」やノースロップ・グラマンの「AN/SEQ-3」は何度も海上でテストを繰り返しており、昨年5月にはソリッドステートレーザープログラムの下で開発されたノースロップ・グラマンの新しいレーザー兵器「LWSD Mk.2 Mod.0」を太平洋上でテストして無人航空機の無力化に成功するなど、レーザー兵器開発の分野で最も先行している。
今のところ高出力レーザー兵器を艦艇に搭載してテストを実施しているのは米海軍のみなので、ドイツ海軍の動きは米海軍に次ぐ動きとして注目を集めそうだ。
関連記事:実用化にまた一歩近づく!米海軍、新型150kW級レーザー兵器のテストに成功
※アイキャッチ画像の出典:Public Domain AN/SEQ-3 レーザー兵器システム
レーザー、レーダー、レールガン、求められる高出力を支えるのは発電機、電気の時代か
そのうち海の環境規制とかで、エンジンまで含めたオール電化の軍艦が生まれそうだね
45型・・・うっ頭が・・・
中国が駆逐艦?にレーザー兵器のプロトタイプを搭載したとされる写真が出回っていたが。
それ以後、情報がないのでどうなっているのか不明だが、案外トランプ政権による取締り
が奏功して、米国からの情報を取れず中絶しているのかも。
レーザーでしたっけ?レールガンだと思っていましたが
75型強襲揚陸艦にレーザー(レールガン?)を載せた写真を以前見たような気が…
新兵器の開発も大事だが、少ない予算なんだから、既存の保守メンテにまわしてまともな稼働率に戻す努力のほうが喫緊の課題だと思うが…
まわりにあからさまな敵がいないから理想追いかけ過ぎて足元見えていないんかね。
そうじゃなくて、緊急の課題が何もないから東洋まで軍艦派遣したり新規開発の余力があるのですよ、同盟した他国という防波堤に囲まれてますからね
ギリシャみたく金もないのに中古兵器でも買い漁るような状況はドイツにはしばらく見込めない
全くその通りですね、艦が整備不良で港から出られなければ
超絶新兵器を載んでも意味がない。まずは艦の稼働率を改善するべきでは?
ドイツ軍が夢見るどっかのお笑いナントカ軍化して行く。
いいんですよ、ドイツ軍がダメダメでも外国に売ればいいんだから
艦艇のミサイル防御用って言い張れば輸出規制にもかかりにくいし
長い目で見れば、こうやってやがて自国のための先端技術を他人の財布で養うわけです
たしかに敵がいないんだから装備整えたってしょうがない。そんな金があるなら他国に売りつける装備の開発をするのは理にかなってる。
商売用なんでしょ。
ドイツは兵器輸出に熱心だし。
日本だとあすかで試験になるのかな
試験専用艦があるのはいいことだな。
ドローンくらいなら行動不能にできそう
レーザーの開発急ぐのはドローン対策の一環でしょ
物量で攻めてくる安価ドローンをバシバシ落とすならレーザーしか無いと思うよ
砲弾じゃ高機動されたら当たらないしミサイルじゃ高価過ぎるうえに飽和攻撃に弱い
新しい兵器の開発に多くのリソースを使えるドイツが羨ましい。
ドイツ海軍大丈夫なの?とは思うが、これは国内向けより輸出用なんだろう。
こういう対物レーザーって射程距離外でも人間が肉眼で見ちゃったら失明するんだろうな
あるいはこいつで人間が焼かれたらどんな死体になるんだろうか
目新しいから白燐弾みたいに感情的な文句がつくだろな
そもそもレーザーの軌跡は見えにくいし指向性が強いから
正面から直視しなければどうということはありません。
ソ連のレーザー照射でアメリカ哨戒機のパイロットが失明してるよ、話題になったしかなり問題視されて、相互に目潰しは止めとこうって話に収まったはず
意図的に狙えば可能ってことさ
永らく個艦防空を勤め上げたバルカンファランクス君もそろそろお役御免かな
最近のCIWSには中東みたいな小舟での自爆テロ撃退の用途もあるし、これは実弾のほうが良さよう。
気象によるレーザー有効範囲減衰がどのくらい解決されるのか、霧の多いバルト海だしね
しばらく併用か、あるいはミサイルなどとハイブリッドになった形式に落ち着くのでは
一応保険で残り続けるんじゃないですかね、ファランクス君。
どっちもあったほうが脅威に対応しやすいし。
レーザーは雨や霧の発生下では威力落ちそうだしね
雨や霧荒天で減衰したり使えなくなるレーザーだけじゃ不安なんで実体弾射撃も残すと思うぞ
あとレーザー万能主義でミサイルやドローンがバカスカ落とされるようになったら
艦艇は主砲デカくして徹甲弾で物理で殴れって事になるだろうし戦艦復活になるわけで
そうなるとその砲弾を実体弾で迎撃するために大口径バルカン作ろう……
って結局いたちごっこになるのが兵器の世界でしょ
戦艦の復活かぁ。
ロマンはあるけど、あり得るのかな
ミサイルにヒートシールドつけるだけな気がする
ザクセン!?
バーデン・ヴュルテンベルク級じゃなくて?
バーデン・ヴュルテンベルク級の次が一万トンにまで肥大したのは発電能力の拡充のためだな
流石に設計に失敗してでかくなったとは思わない
バルト海運用にあの大きさは必要ないから、NATO関連と国際共同作戦の外洋行動を意識してるのさ。
それだけドイツが直接の戦場から遠いということ