バイラクタルTB2の開発・製造を手掛けるBaykarはロイターの取材に「TB3の機体製造が始まっており間もなく飛行テストが開始される」と明かした。
参考:Turkish defence firm to test sea-based drones as orders swell
TB3は既にプロトタイプの製造が開始されており、MIUSは有人戦闘機とのエアチーミングに対応
今月15日にイスタンブールで開幕する防衛装備品の見本市「SAHA EXPO 2021」を控えたトルコ防衛産業界に世界中のメディアが注目する中、バイラクタルTB2の開発・製造を手掛けるBaykarはロイターの取材に「TB3の機体製造が始まっており間もなく飛行テストが開始される」と明かした。
Baykarでゼネラルマネージャーを務めるハルク・バイラクタル氏は言及したバイラクタルTB3は大成功を収めつつあるTB2の正当な後継機ではなく、陸上運用のTB2をトルコ海軍の強襲揚陸艦アナドルで運用するため派生型と言える存在だが、機体サイズ(最大離陸重量はTB2の約2倍強でMQ-1以上)は大型化しており主翼は折りたたみ式機構を採用している。
バイラクタル氏はTB3についてロイターに「約2年間に渡りテストを行う」と述べているので、同機(初飛行予定は2022年)の戦力化は早くても2024年以降になるのだろう。
因みにスキージャンプを備えた強襲揚陸艦アナドルからTB3を発艦させるためBaykarは艦首に設置する巻取り式ケーブルの加速力を利用する方式を提案しており、この方式で強襲揚陸艦から固定翼の無人機が利用できるようになればF-35B+強襲揚陸艦(もしくは軽空母)とは別の意味でブレイクする可能性を秘めているため恐らく多くの防衛関係者が今後の成り行きを見守っているはずだ。
英国防省もクイーン・エリザベス級空母に搭載可能な電磁式カタパルトとアレスティングワイヤに関するRFI(情報提供依頼書)を今年3月に発行済みで、両システムに求められている射出/回収性能はF-35BやF-35Cなどの戦闘重量に対応していないため固定翼の無人機(空軍が開発中の無人戦闘機ランカか海軍が開発を発表した無人戦闘機ビクセン)を空母で運用するためのものだと噂されており、艦艇から固定翼の無人戦闘機運用はもはや避けられない未来なのだろう。
米海軍も次期艦上戦闘機F/A-XXプログラムのファミリーシステムとして複数の無人機を採用する構想を発表しており、海軍作戦部長の下で航空部門を担当するグレゴリー・ハリス少将は「将来の空母航空団は有人機と無人機の混在になり、海軍は無人機と有人機の比率について当面は40%-60%を目指して整備を行い、時間をかけて無人機の比率を50%以上にあげて最終的に60%-40%に持って行く」と言っている。
さらに興味深いは電子攻撃機EA-18Gと早期警戒機E-2Dの後継機についてでハリス少将は「F/A-XXプログラムの下で両機の後継機検討が始まっており、これは単一のプラットホームではなく有人機と無人機を組み合わせたものになる」と述べている点で、この計画は現在実用化に向けて開発が進んでいる無人空中給油機MQ-25の成功に掛かっている=MQ-25の運用実績によっては計画の大きな変更もあり得るという意味だ。
少々話が脱線したが、バイラクタル氏ははTB3と同時並行で開発を進めている強襲揚陸艦アナドルで運用可能なジェット無人戦闘機「MIUS」についても、これまで明確に言及してこなかった「有人戦闘機とのエアチーミング対応」を明言しており、今月15日に開幕する「SAHA EXPO 2021」でTB3やMIUSに関する新たな発表も行われるかもしれない。
※訂正:SAHA EXPO 2021の物理展示は11日から開催(バーチャル展示が15日からの開催予)しているので、記事を執筆した時点でSAHA EXPO 2021は既に開幕していました。
関連記事:トルコのジェット無人戦闘機「MIUS」は超音速飛行に対応、強襲揚陸艦にも着艦可能
関連記事:英海軍、空母で無人航空機を運用するため電磁式カタパルト採用を検討か
関連記事:米海軍の次期戦闘機「F/A-XX」は有人機、ただ将来の空母航空団は40%以上が無人機に
※アイキャッチ画像の出典:Baykar
こりゃあトルコはもう軍事用ドローン大国として完全に頭角を表してますなぁ。
自衛隊も無人機専用空母のコンセプト案があったような?
この艦載用バイラクタルを導入したら面白いかも
改修したいずも型にMQ8-CやRQ-21Aを搭載する案の事じゃ無いですかね?
強襲揚陸艦や空母での無人機運用は近いうちに世界中に広がるだろうが、バイラクタルみたいな非ステルス鈍足機は流行らないんじゃないか?
まあトルコとしても今後開発するであろう艦載型ステルス無人機の先駆けとして開発してるんだろう
哨戒・警戒用途の無人機ならステルス化の不要とは言わないけど必要性は低いんじゃないかな。
少なくともステルス化で調達・運用コストが数倍に跳ね上がる様なら非ステルス機の方を選択する顧客は多いだろう。
上陸地点の偵察、防御陣地の空爆、上陸部隊の近接航空支援等々やることいっぱいありますよね
ステルス仕様でジェットエンジン積むとコスト高くなるし、メンテナンスも大変
無人機にもハイローミックスとかあってもいいと思う
ウインチで加速するのはグライダーでは当たり前にやってること
今まで誰もやろうとしなかったことのほうが驚きだ
そりゃやった人はいるでしょう。
ただ、機体や人間にかかる負荷(加速度)をこんとろ
↑すいません。間違って決定してしまいました。
そりゃやった人はいるでしょう。
ただ、機体や人間にかかる負荷(加速度)をコントロールしつつ効率的な発艦が出来る方式として、油圧(太平洋戦争中)や蒸気カタパルトだけが今まで生き残ったと。
今から新規で開発するなら電磁カタパルトだろうし、無人機で人間を考える必要がないから、巻取り式が再評価されそうというわけで。
WW2までぐらいなら機体が軽いから使い物になったけど、ジェット戦闘機になってからは機体重量の関係で実用的じゃなくなったからね
それが無人化に伴う軽量化によってウインチ加速の実用重量範囲内に戻ってきたというか
そりゃ、大国同士の正規戦では現状の武装モータークライダー級の無人機は役に立たないからな
ヘリ甲板しか持たない駆逐艦やフリゲート級でも、滑走の必要が有る方式は無理だし
非対称戦や大国ほどの航空戦力や防空システムを用意できない中小国相手だと、武装モータークライダー級でも使えるし航空戦力の中核にもなってきているが
無人モーターグライダーの展開力はヘリより上だから哨戒機・早期警戒機としてなら大国でも導入の余地はあると思うけどね。
MIUSは何とチーミングさせるつもりなんだろうか。F-35Bじゃないだろうし。あくまで有人機とのチーミング機能もありますよって事かな。それともハリアーやF-35Bに変わるVTOL機の発表でもするのか
スペインとかも見てるんだろうな
ファン・カルロスの為だけに高価なF-35Bを導入するか、無人機母艦に切り替えてしまうか
しかし画像のアナドルはどういう状態なんだ、ドックが水没している…
艦尾にエレベータってのはあまり見ないですね。単に艦内からのアクセスが悪いからだと思うけど、オタク的にはエレベータから直接発信!とか萌えますわ
そりゃ艦尾にエレベーターがあったら、使用中は着艦させることができなくなるからね
着艦は、どうやるのだろう?
やっぱり、アレスティングワイヤーかな?
米海軍そんなに艦載無人機に期待してたならなんでX-47Bを取りやめて能力の低いMQ-25なんかにしちゃったんだ…
あくまで推論だけど、高速飛行とステルスを優先した機体形状をしているから離着陸に必要な距離が長く、地上基地や正規空母でしか運用できないから、当時はまだここまでドローンが躍進していなかったこともあってX-47運用するなら普通に戦闘機運用するわ、みたいな方針にしたとか?
アメリカ級やかがぐらいのサイズでも安全に運用できる離着陸距離なら開発中止ではなく、強襲揚陸艦用の方向に流れていただろうし
違う
X-47Bをキャンセルしたあとすぐに次の無人給油機コンペを開始してそこにボーイングを参加させてノースロップはこれ最初からボーイングに取らせるための出来レースじゃねーか!ってキレて脱退した
案の定すぐさまボーイング製のMQ-25が採用決定したんだけど今に至るまで全然モノになってない
経緯は色々あるから一概には言えないんじゃないの。
辞めた当初はフォード級は中国海軍には50年追いつけないとか言う人もいたし。DF-17とかみたいな迎撃が難しい米海軍の接近阻止するようなミサイルの存在も無かった。AI判定のせいで着艦命じているのに着艦諦めた事もあった。ステルス性の不足とかも言われていたし。無人機は単なるプラットフォームと考えていただけで下に見てたのもあるし、有人機でもアウトレンジすれば良いとかも思っていた。オバマ政権での予算不足もあったし、継続して開発していたら即実戦配備出来るまでにはなってただろうな。
申し訳ないけど分かり難い文章ですね。