英国のベン・ウォレス国防相は13日、現地メディアに対して「タリバンがアフガニスタンで政権を樹立した場合、英国はタリバン政権と協力関係を築く用意がある」と語り大きな注目を集めている。
参考:British Defence Minister says UK will work with Taliban should they come to power
ウォレス国防相の発言はタリバン側を勢いづかせガニー政権崩壊までのタイムスケジュールを早めるかもしれない
ベン・ウォレス国防相はデイリー・テレグラフ紙の取材に対して「英国や米国が撤退を進める中で国の半分を手にれたタリバンはアフガニスタン問題を解決する選択肢の一つ」との見方を示して「彼らが本当に望んでいるのは国際的な認知で、国を建設して深刻な貧困問題に対処するのに必要な援助を世界か引き出すための方法も前回の失敗から学んでいる」と語り「タリバンが一定の国際規範に従うのなら世界中の政府と同様に扱う=正式な関係を築く用意がある」と述べた。
この発言は具体的なプランを提示せずアフガニスタンのガニー政権を「最後まで見捨てない」と叫ぶバイデン政権(実際には完全撤退から最速半年でガニー政権が崩壊すると予測している)とは非常に対照的で、高い確立でガニー政権がタリバン政権に取って代わられることを英国は受け入れるという意味だ。
ウォレス国防相は最後に「和平プロセスには敵との関係に折り合いをつけることも必要だ」と付け加えたが、これまで通りタリバンが深刻な人権侵害を行うのなら関係の見直しには応じず「前回と同様に世界から孤立するだろう」と警告しており、西側諸国が20年間もかけて構築した現アフガニスタン政府を力ずく破壊することを認めてもアフガニスタンの国民を暴力で統治すれば世界はタリバン政権を受け入れないと釘を刺している。
勿論、この状況下でガニー政権がタリバンの攻撃を跳ね返して「アフガニスタン統治を維持できる」と信じている人はほぼいないのでウォレス国防相は「現実的に最も可能性の高い選択肢」を口に出しただけのことなのだが、ガニー政権やアフガニスタン政府軍にとっては大きなショックだろう。
もしかするとウォレス国防相の発言はタリバン側を勢いづかせガニー政権崩壊までのタイムスケジュールを早めるかもしれないので、現アフガニスタン政府を支持する人々を絶望的な気分に突き落とす一撃になるかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Commander UK Carrier Strike Group
これまで通りタリバンが深刻な人権侵害を行うのなら関係の見直しには応じず「前回と同様に世界から孤立するだろう」と警告
タリバンどもが欧米に叱られたからと人権侵害をやめるとは思えん。
まず彼らとは人権に対する概念が異なるから噛み合わないよ。
それに、地元民は外国人を敵視する際にアングリーズという蔑称を用いるが、これは歴史的な英国人に対する敵意から生まれてる
この発言はタリバンを憤らせるのみで何ら意味をなさないと思うよ
先日はAKやRPGで武装した女性たちによる反タリバンデモが行われていました。
(タリバン支配に戻れば、行動や教育、女性の自由が後退することへの危惧)
タリバンは、清貧で誇り高いイスラム農民に戻ろう、というイスラム版マオニストなので、
そのお気持ちと、支持基盤のアフガニスタン貧農を受け入れて、変に「カネが一番だよなガハハ」みたいな思想を押し付けなければ、
タリバン側も、失礼じゃない隣人は身内じゃないけど居ていい存在だよね。という普通の結論に辿り着くと思うけど。
タリバン自身はコミニュストのように革命や思想を輸出する野望は持たないにせよ、その時代錯誤な政策についていけない、むしろ現代的なまともな住民を諸外国はどう扱うったものか
やがて亡命アフガン人が自由政府だの立ち上げてややこしい事態になってもな
……最近パキスタンで中国大使館やら中華資本の企業で働く中国人労働者やら狙ったテロが頻発してるのもこれと呼応してるのかね?
タリバンの支配地域経由すれば上手くいけば陸路でウイグルに武器弾薬補給できるわけで、ちょっと勘ぐっちゃうというか。もともとウイグルの状況問題視し始めたのはイギリスがアメリカより先だったし
パキスタンでテロを行っているのはパキスタン・タリバン運動(TTP)という組織で、アフガニスタンで活動しているタリバンとはまた別の組織。
TTPはパキスタン政府の打倒を目指しているので、パキスタンと親密な中国にもテロを行っている。
アフガニスタンのタリバンは中国に配慮しており、ウイグル問題には基本ノータッチだよ。
だとしたら、英国は彼ららしいえげつなさを発揮してると思うわ
そもそも、西欧で最初にアフガンの強さを思い知ったのが英国(19世紀末から20世紀初めに掛けての第一次~第三次アフガン戦争)だしね
それにしても、つい先頃迄戦っていた相手を利用してウイグルを支配する中国に打撃を与えようとするなんて狡猾極まりないと思うわ
慧眼ですね。
逆に考えると中国も黙ってはいない様な。
アフガンが再びグレートゲームになるのでしょうかね。アフガン人は幸福になれそうもない・・・。
お前の舌は何枚だ
イギリス外交は昔から徹底した利己主義なんで、不思議じゃないが酷く不快ではあるな。
ソビエトのコミーとも友達、シナの赤ともお友達、今度はタリバンともお友達か。
資本主義の本家本元でありながら、宿敵のはずのソ連とは直接、中共とは香港を通じて結構な額の貿易をずっと続けているし
資本家もアカも本音と建前は違うって論理がタリバンという中世風原理主義者にも通じるか、見ものよ
世界が動くねー
イギリスが交渉しに行く場合、日本も間違いなく行きそうではある(中東の事になるとアメポチしないで友好関係築こうとするし)
アブラマシマシですね
そりゃ、文字通りの日本の生命線だからなぁ
石油の使用量が将来的には減るかもしれないとはいえ、関係を築くのは悪いことだけではないし
タリバンが国際規範に従うはずないから、これは遠回しにタリバンが政権取ってもイギリスは認めないっていう宣言なんだろうな
まあこれをアフガニスタン政権が崩壊する前に言ってしまうのは冷酷だけど
ニュースにも無いからタリバンが勢力を伸ばす要因が分からん
原理主義者が主流って訳でも無いだろうし、タリバン政権になっても貧困が改善するとは思えん
簡単に言うと以下の3点が原因。
・アフガニスタン復興よりイラク戦争を優先したアメリカ。
・対インドのためにタリバンを支援し続けたパキスタン。
・和平案が雑過ぎてタリバン支持層を取り込めなかった国連。
詳細は以下のサイトで。
米軍撤退に揺れるアフガニスタン タリバンはなぜ復活したのか?
リンク
タリバンやっぱり強いね
ガニ政権はいつまで持つやら…
今日も特殊部隊が街を守るために2時間立てこもり弾薬が尽き投降したら殺されたニュースをみたよ
戦争にこういう感情を持ち込んではだめなのだろうけど、現地でタリバンの支配地域を取り戻すために戦ってる特殊部隊員のことを思うと本当に無念でならない…
タリバンからしたら欧米から侵略された国を取り戻そうとしてるだけだからね。
自分の手の届かない空からなの攻撃、空爆で無差別に殺されて行ったタリバンは自分たちの国を守れず無念だっただろうね。
そりゃ欧米の手先となって自分たちの国を侵害した特殊部隊には憎さ増し増しってところか。
イギリスだなぁ
英国には他国に介入する武力も影響力もない、と自分はみているけどね
英国と第二の日英同盟とか….我が国は振り回されているように思うのは自分だけか?
日英同盟が手薄なアジアでロシアと対抗する為の手段だったから、またかと言うところ。
こいつ等の為に戦争させられるのは、勘弁してほしい。
まあ、こちらも使える所だけ使わせてもらって、敵になったらマレー沖やセイロン沖の再現でもしてお帰り願えば良いだろう
今も昔も、極東の戦力では我が国の優位なのだし、だからこそ英国も同盟を結んで取り込みを図るのだから
米はガニー後のプランあるんだろうか・・・
イスラム原理主義テロリストの養成所にして派遣元が増えるのは勘弁してほしいところだが
この発言は具体的なプランを提示せずアフガニスタンのガニー政権を「最後まで見捨てない」と叫ぶバイデン政権(実際には完全撤退から最速半年でガニー政権が崩壊すると予測している