欧州関連

英メディアはサウジのGCAP参加を概ね支持、日本人アナリストは反対理由を説明

Financial Times紙は「サウジアラビアのGCAP参加に英国とイタリアは前向きだが日本は反対している」と報じ、他の英紙も「サウジ参加」を概ね支持しているが、中東研究センターの近藤氏はAl-Monitor紙に「日本が反対する理由」を説明した。

参考:Britain could let Saudi Arabia join fighter jet building programme
参考:Why is Japan opposed to Saudi Arabia joining UK-Italy GCAP fighter jet alliance
参考:L’Arabia Saudita vuole entrare nel Tempest, il progetto dei supercaccia di Italia, Regno Unito e Giappone

国際共同開発で参加国の利害が対立するのは珍しくなく、ここから始まるタフな交渉と政治的駆け引きが国際共同開発の醍醐味

Financial Times紙は11日「サウジアラビアは正式なパートナーしてGCAPに参加したいと英国、イタリア、日本に働きかけている。英当局者は『サウジアラビアとの関係は戦略的パートナーシップの一つで、我々の戦闘機計画において重要なパートナーだ。出来るだけ早く(GCAP参加が)実現するよう取り組んでいる』と述べ、英国とイタリアはサウジアラビアの要求に対して前向きだが、日本はサウジアラビアの参加に断固反対しているためGCAPの枠組みに緊張をもたらしている」と報じた。

出典:Ministry of Defence

さらに「日本側はサウジアラビアの参加を認めると進めている武器輸出の規制緩和議論が複雑になり、3ヶ国間の交渉が4ヶ国間の交渉になると開発スケジュールにも影響が出て『新型戦闘機を2035年まに配備する』という目標に遅れが出るかもしれない」と付け加えており、この報道を受けてTelegraph紙も「西側諸国はサウジアラビアを中国の影響から引き離しと考えており、サウジアラビアもGCAPに多額の資金を提供することで独自の役割を演じたいと考えている」と報じているのが興味深い。

Telegraph紙は「サウジアラビアはGCAPに数百億ドルの資金と専門知識の提供を望んでおり、このプロジェクトに参加することで防衛技術や装備を輸入する立場から脱却し『生産・輸出する立場になりたい』と考えている。この考えの根底にはドイツの抵抗で発注済みのタイフーンが手に入らないという問題が関係しているかもしれない。もし英国がGCAPへの参加を承認すればサルマン皇太子との関係改善に役立つだろう」と指摘。

出典:防衛省 次期戦闘機のイメージ

王立国際問題研究所のニール・クィリアム氏も「サウジアラビアの参加を日本が足を引っ張っているとはいえ、この状況は英国がサウジアラビアとの関係を以前よりも重視している現れで、これはサウジアラビアにとっても外交的・商業的な転換点になるだろう」と、キングス・カレッジ戦争学部のウィリアム・レイノルズ氏も「GCAPの利点は開発コストとリスクを複数のプログラム参加国に分散できることで、サウジアラビアの投資を魅力的なものにするだろう」と述べ、他の英紙も概ね好意的に報じている。

Al-Monitor紙(米国に拠点を置く中東に特化したメディア)も「サウジアラビアのGCAP参加は武器供給国を多様化するという同国の目標と一致しており、プログラムへの貢献は資金と専門知識の提供になるものの、最も貢献の幅が大きいのは数百億ドルと言われる資金提供だ」と指摘したが、日本エネルギー経済研究所中東研究センターの近藤主任研究員の話も紹介しており、彼の主張を要約すると以下のようになる。

出典:Gordon Zammit/GFDL 1.2

“英国とイタリアはサウジアラビアに対する武器輸出で長い歴史があり、同国のGCAP参加を歓迎する可能性が高いが、日本は将来の安全保障のため『2035年までに戦闘機を完成させる』という目標達成が急務で、3ヶ国で構成されたGCAPに新たなメンバーを追加することは意思決定を遅らせ、プログラム全体の進展を遅らせることに繋がるだろう。日本は戦闘機の完成が遅れた分だけ中国やロシアのような敵対者が有利になるのを容認できない”

“GCAPの正式メンバーはプログラムに関して拒否権をもつことになり、ここにサウジアラビアが加われば将来の地政学的なリスクに繋がる可能性がある。もしサウジアラビアが日本の潜在的な敵対国に戦闘機を売りたいと言えば我々は間違いなく拒否権を行使するだろう。我々が何よりも恐れているのは拒否権を行使した日本にサウジアラビアが何らかの報復に出ることで、我々の輸出の反対するなら日本の輸出にも拒否権を行使すると言いかねない。恐らく防衛省の幹部はサウジアラビアの参加に反対する立場を堅持するだろう”

出典:Collins Aerospace IDEX2023で英国のCollins AerospaceとサウジアラビアのSRB Aerial Systemsが新型UCAVを共同生産を発表

“但し、GCAPでサウジアラビアと協力できれば湾岸地域への輸出を拡大できる可能性があるため、日本を含むGCAPのメンバーは中東の防衛市場から大きな恩恵を受けるのは間違いない”

要するに英国、イタリア、日本は「将来の安全保障に不可欠な次世代戦闘機を開発する」という点において目標が一致しているものの、国際共同開発に手慣れた英国とイタリアは潜在的な導入国を加えることで「コストの分散」や「将来の武器輸出(当該国における存在感の拡大)」を重視する傾向が強く、国際共同開発に不慣れで武器輸出を外交や政治にリンクさせる発想がない日本は「最初に提示した戦闘機の開発スケジュール厳守」のみを追求しており、GCAPに対する国益にズレが生じ始めたという意味だ。

出典:防衛省 次期戦闘機のイメージ

これは「どちらのアプローチが優れている」という問題ではなく、地政学的な問題や置かれた条件の違いなので、このギャップが埋まらないなら日本はGCAPに参加する意義がなくなるものの、日本企業が単独で次期戦闘機を完成させられるのか未知数なので、GCAPからの離脱は「2035年までに戦闘機を完成させる」という目標に対して大きなリスクを背負ことになるだろう。

どちらにしても国際共同開発で参加国の国益が対立するのは珍しくなく、ここから始まるタフな交渉と政治的駆け引きが国際共同開発の醍醐味とも言えるので、肩の力を抜いて向き合った方がいい。

因みに中東諸国は資金力を背景に欧米の防衛企業、IT企業、AIに関連したベンチャーなどを積極的に買収しているため、サウジアラビアに技術がないと見下していると何れ痛い目にあうはずだ。

関連記事:サウジアラビアが要請したGCAPへの参加、英伊は前向き、日本は反対
関連記事:利害が一致した英国とサウジ、戦闘機分野における協力関係の強化を約束
関連記事:サウジアラビア、英国主導のFCASプログラム=テンペスト開発に参加

 

※アイキャッチ画像の出典:英国防省 FCAS(テンペスト)のイメージ

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コメント

    • はぁ
    • 2023年 8月 15日

    サウジの参加は共産党議員とか国内の反戦活動家が、イエメン持ち出して即座に反対してるからな。
    それこそ防衛装備移転三原則にも飛び火して議論が停滞、公明が怖気付いてしばらく保留なんてことになれば、また1からやり直しになる。
    サウジの皇太子がヤバいのは周知の事実だし、アメリカとの関係も複雑になるから、とりあえずは反対して正解。
    少なくとも何の交渉もなくすんなりいく方がヤバい。
    ここから先は条件次第って感じだな。

    79
      • 謎の密使
      • 2023年 8月 15日

      どうでしょうね
      サウジを西側陣営に引き留める可能性や開発資金提供と言う大きなメリットがあるとは言え、この問題は間違い無くこじれますよ(国際共同開発はこじれてナンボと言う開発態勢だから)
      そうなると日本の防衛装備移転三原則の改定議論は確実に吹っ飛ぶので、そのまま日本はGCAPから離脱するしか無いと思います
      正に今の日本は「(与党だけで無く野党や市民団体も)腐ってやがる。(GCAPに参加するのは)早すぎたんだ」(byクロトワ参謀)と言う状態でしょう

      23
      • 朴秀
      • 2023年 8月 15日

      反戦活動家が珍しく防衛に関してまともな判断をしているんだな
      確かに抜けても惜しくねえわこれ

      まあ交渉次第か
      我が国にまともな交渉力があるとは思えないけどここは期待するしかないな

      12
    • さめ
    • 2023年 8月 15日

    タフな交渉と政治的駆引きが国際共同開発の醍醐味、か…
    確かにそうだな
    好事家としてはビールとつまみでも用意して憶測で一喜一憂やいのやいのするしかないし、長い目で見守るか

    10
      • たろう
      • 2023年 8月 15日

      当事者でなければ当にその通りなんだけどねえ
      開発遅延で増えるコストの元手は我々の税金な訳ですよ
      日本としちゃ正直言ってたまったもんじゃない話
      彼是言ってるけど要はチャイナマネーに目が眩んでたのがオイルマネーに変わっただけだし

      53
    • ポンポコ
    • 2023年 8月 15日

    サウジが入ったとしても、日本は参加した方がいいと思う。

    4
      • 2023年 9月 05日

      ここに書かれてるのなんてほぼ皆のお気持ちばかりやろ

    • 通りすがり
    • 2023年 8月 15日

    そもそも日本は他国ほどは金に困ってないし、頑張って輸出する気もない
    上手くいったところで、その利益は日本の経済規模からしたら大したことないし
    更新時期考えれば、そんな皮算用よりとっとと作ること優先なのは当たり前
    そもそもイタリアですら大概なのに、欧米(東欧除く)先進国ですら無いような国加えるくらいなら、苦労しようが高くつこうが性能に妥協が出ようが日本だけでやればいい

    51
      • NHG
      • 2023年 8月 15日

      それやって日本の防衛産業は衰退に向かってるんじゃん?
      それにサプライチェーンを適度に広げることによる生産・保守ラインの冗長化は大事
      なんせ日本全土が中国・北朝鮮のミサイルの超距離ミサイルの射程内なのでリスクヘッジとして必要だと思う

      6
        • TMG
        • 2023年 8月 15日

        サプライチェーンを広げても、「海外で戦闘機作って日本に持ってこれない」んじゃ意味ないんだぜ?
        国内で自主開発生産体制を整えるのが第一目標なんだから。
        それと中国ロシア北朝鮮が軽い気分?でいきなり日本本土にミサイル攻撃をするなんて絶対にない。
        民族的にも全く繋がりもない完全な第三国同士の全面戦争になるんだから。
        それこそ第三次世界大戦だよ。

        16
          • NHG
          • 2023年 8月 16日

          そこが重要だと思うならワークシェアリングの交渉頑張ってとしかいいようがない
          そもそも論をいうけど日本本土にミサイルが飛んでこない程度の武力衝突なら、海外でパーツ作ってても問題なくないですか?

          *自分の想定としては海外輸出分の取り分を諦める形で国内に生産工場を持ってくる(つまり海外と重複して持つ)んじゃないかなとは漠然と考えてるけど、そこは日本政府・防衛省がどういう交渉をするか次第だから今、外野が言い合っても埒があかない

          1
    • あまつ
    • 2023年 8月 15日

    結構まずい事態になって来てると思う。
    以前伝えられていたイギリスが日本に期待しているものが「資金力」であるなら日本が抜けてもサウジが入るなら問題ないって結論になって日本の要求は通らなくなる。
    その上でサウジ参加拒否を押し通すならそれに見合うものを差し出せと要求される可能性が高く、それが出来ないなら日本が撤退を余儀なくされるかも知れない。
    条件闘争はこれからだろうけど、今更引き下がれない所まで来てしまっているので日本が一方的に譲歩させられる可能性が高く、尚且つ国内の法整備が間に合わなければ計画から弾き出されてしまう未来も否定できない。

    34
      • 匿名希望係
      • 2023年 8月 15日

      そうなったら日本側のメリットがないんでぬけるだけだと思う。

      69
    • たむごん
    • 2023年 8月 15日

    国会で重要議題としてあがっても、おかしくないような問題ですね。

    戦闘機開発は、何兆円もの投資が必要になってきますし。
    開発後の輸出まで考えれば、莫大な金額が動きます。

    日本の兵器は、防衛省発注分だけでは量産効果がほぼ発揮できず、兵器生産コストが異常に高くなっています。
    さらに問題なのは、日本企業が、ドンドン防衛兵器の生産ラインを止めていることです。(民間は経済合理性が働くので当たり前ですね)

    結局の所、中国・ロシア・北朝鮮の核保有国と対峙しているのですから、武器輸出した所でこの3か国との関係に変化はないでしょう。
    ウクライナ戦争ですら、既に軍民両面で使えそうな物資の拠出だけでなく、砲弾や火薬の拠出(米軍ルート)などを検討しているのですから。

    17
    • 9kgjm
    • 2023年 8月 15日

    「サウジを中国の影響から引き離したい」や「サルマン皇太子との関係改善に役立つ」という英伊の考えは安易な考えだと思うなぁ。
    今のサウジはGCAPに参加しても中国との関係を重視するだろうし、サルマン皇太子との関係改善にアメリカの世論は難色を示すかもしれない。
    サルマン皇太子がまた反体制派の人間を殺害したら英伊は黙認するのかしら。

    83
    • たろう
    • 2023年 8月 15日

    国際共同開発に手慣れたとは言うものの、英も伊もどれもこれもろくな実績がないような?
    正直なところ完全な共同開発は捨てて要素技術での協力に留めた方が良かったのでは?
    欧州防空艦の顛末を見るとねえ

    47
      • 台風
      • 2023年 8月 15日

      我々自衛隊の装備は英伊製品無しでは成立しませんが…
      F35及びF15改修型では英BAE社製の電子戦防御システムで守られておりますし、艦砲でも英BAE及び伊オートメララの127ミリ砲を採用しております。

      なお、日本への原油供給源先ではサウジアラビアが最大であり、ウクライナ戦争でロシアからの原油供給が不安定な為、より一層サウジアラビアの原油に頼る方向が予想されてます。

      単独で開発という意見も見受けられますが、資金難(認めたく無い方はどうぞご寄付お願い致します)だけでなく、他国の実戦ノウハウを持ち合わせてない為に電子戦防御システムはF15改修型(米F15EXも採用してる為、実質的には一択)では採用してます。
      安易に国産という意見が上がりそうですので、敢えて申し上げますが…敵対国のレーダー照射特性を知る為には「ハッキング」「盗む」「直接照射される」でしかデータを入手出来ませんので、現在の平和な日本に可能でしょうか?

      11
        • たろう
        • 2023年 8月 15日

        だからそうした必要な部分を補い合う程度に留めた方が良かったんじゃないかな?という話
        要は上で挙げた防空艦であればホライゾン級ではなくTFC計画に倣った方が面倒が少なかったのでは?
        まあすへ

        21
          • 台風
          • 2023年 8月 15日

          ホライゾン防空艦計画では…英、仏伊がそれぞれの防空レーダーを載せてミサイルを共通化した訳ですから、結果的には納得の落とし所では?
          それよりも日本はイージス防空システムを米国への依存により、言いなりで購入するしかない方が私は問題だと思います。

          英国がF35計画の他にテンペストを計画するのも米国からの影響力を排除する為です。
          トライデントミサイル及び原潜の原子炉技術(それでも2nd技術であり、1st技術は供与されてない)を融通する両国の「特別な関係」であっても用心するのが安全保障です。

          部分的な協力に留めると仰いますが…我が国の資金シェア及び技術力の供与、これらが相手国が「絶対的」と捉えなければ、他の方も仰る様に戦闘機計画から日本は弾かれたり、サウジアラビアからは言い値で原油価格を買わされるエネルギー報復を受ける可能性もあります。

          今回の問題はサウジアラビアが資金を持って入って来ることが一番のネックであり、その時点で我が国の「資金」は色褪せてしまっており、あとは「技術」ですが…ここも英伊にしてみれば「絶対的」ではなくなることが今回の危機だと思います。

          6
        • あまつ
        • 2023年 8月 15日

        そうなって欲しくはないが離脱も想定せざるを得ない状況になってきている。
        まず、GCAP離脱となってもそれはBAEやレオナルドとの決別とイコールではないし要素技術や装備の共通化(要はテンペスト計画への参加)のみに切り替えるって手も残ってる。
        敵のレーダー特性云々は同盟内で共有される情報だろうから日本単独で云々という話にはならないだろう。
        最終的に問題になるのは開発資金だが、サウジ参入で計画の肥大化と遅延が発生すれば最終的な日本の拠出額が単独開発よりも高額化(F-3導入が間に合わず現役機材の更なる延命や代替機材の導入又はリース等を含む)する可能性も否定できない。
        果てはサウジ参加を認める事で我も我もと参加希望者が増えて収拾がつかなくなる恐れまであり、時間が有限である以上日本政府は早期の決断を迫られる事になるだろう。

        33
        • 齧った程度
        • 2023年 8月 15日

         デフレまたはコストプッシュ型経済禍にある我が国は、供給力が需要に比して大きいので資金面の問題は無いかと思います。政府が国債を発行するだけですので。
         国債を発行すれば事たると理解できない政治家および国民が大多数だという問題点は大いにございますが。

        12
    • 黒丸
    • 2023年 8月 15日

    サウジの参加はやむを得ないとしても、イタリアとイギリスには
    日本の技術が人権侵害や国際法を無視した行為に使用されないことの連帯保証人になってもらわないと。

    GCAPで出来上がるのが、対地攻撃をほとんど考慮しない純粋な制空戦闘機だったら
    それほど問題はないかもしれないですが。

    2
    • お盆休みなんて無かった
    • 2023年 8月 15日

    そもそも、サウジの参加はこの戦闘機開発に必要なのか?っていうとこからだよね
    少なくとも日本はそう考えていないようで
    英伊はその後のこと、売り込みによる資金の回収に重きを置いているんだろうけど、それは純粋に戦力をもとめる日本、というか従来の日本の装備調達と相容れない考えなんだろうね
    正直おれも個人的には金と技術が足りてるならリスク抱え込む必要はないって考えだなぁ
    ここ最近の国際共同開発の迷走っぷりを見てるとなおさら

    69
    • 2023年 8月 15日

    日本政治のような寝技で乗り切れる案件ではないだけに期限いっぱいまで検討という形の責任放棄をするのかな?
    日本単独では開発費や開発時間の問題から乗らざる得ないので、サウジと直で話を詰めて互いの落としどころを探るのが良いのですが、書いているこちらも素人ですのでさめさんが書いてる長い目で見守るかない案件ですね。

    4
      • 匿名希望係
      • 2023年 8月 15日

      むしろ開発費の増大と期間の増大が約束されてる。>サウジ参加
      へたすると要求性能からの低性能まであった上にセキュリティーホールが一つ馬鹿でかいのが増える。

      日本側には欠片もメリットがないのよね。>サウジ参加
      最悪ぬけてラファールみたいな単独になるのでは?

      52
    • リック
    • 2023年 8月 15日

    多極化する国際秩序の中で国際共同開発に乗り出せばこのような状況に陥る事は容易に想像ができるわけです。
    サウジは確かにアメリカ陣営から中国に近づきつつあるとはいえ、まだまだどっぷり中国陣営というわけではありません。
    そういう国の参入を「中国に寄ってるから情報管理云々」という理由で拒否し続けるならば
    今後の日本の国際社会における共同開発の選択肢は大幅に失われることになりますよ。
    日本単独での戦闘機開発という選択肢が困難な状況では、率直に言って日本政府の言い分は正直ないのものねだりで、センスがないなぁと感じざるを得ません。
    ここでサウジを拒否して、枠組みから堂々退場して、その先の展望があるとは思えませんから。

    15
      • 9kgjm
      • 2023年 8月 15日

      じゃじゃ馬なサウジの手綱をちゃんと握れるかどうかですね。
      サウジの政治体制や価値観は日英伊と全く異なりますので、共同開発の参加国として適切なのかどうかは吟味する必要があるかと。
      サウジを単なる財布と考えて共同開発への参加を認めたら、資金面でサウジに弱みを握られるので後で揉めると思います。

      43
        • リック
        • 2023年 8月 15日

        手綱を握れるか、というより、握らなければならないと思います
        中国ベッタリの北朝鮮だったりロシアベッタリのベラルーシと共同開発をしようってわけじゃないんですよ今回の件は
        アメリカと中国の間でポジションを伺っているサウジのような国を相手に交渉能力及び情報管理能力を発揮して国際共同開発をしっかりと進めていくことこそ、日本という国の国際的ポジションの確立に沿うものであると考えます
        逆にサウジのような三極に近い国に好き放題やられているようでは日本の未来は真っ暗です

        11
      • トムホーネット
      • 2023年 8月 15日

      堂々退場、というあたり戦前を揶揄したいのかな。こんな日に。
      展望云々以前に日本が求めるものが満たされなければ今後もへったくれもないわけで。
      進捗、仕様、納期、経費、これらが悪化しかねないから拒否、というのは何もおかしくないと思うのですが。

      62
    • n
    • 2023年 8月 15日

    開戦直後から滑走路が破壊されることを想定するならフランス海軍のFCASとPA-NGの組み合わせが実戦において一番役に立ちそうなんですよね
    どんなに高性能でも滑走路を破壊されれば離着陸できません
    迎撃すればいいといっても飽和攻撃や極超音速兵器など迎撃が困難な形で破壊されるでしょう
    中国が空母建造してるのも遠方への海洋進出だけでなく、戦争になればアメリカに滑走路破壊されるってのが理由の一つではないでしょうか

    FCASはフランスとドイツだけでも既に揉めてることと陸上基地で運用するだけなら比較的小型で性能が劣るのがデメリット
    それでもフランスから原子力空母と艦艇向け原子炉の技術供与を得られるのであればありだと思いますけどね
    フランスにそんなことする義理が無いといえばそれもそうですが、機動部隊随伴用の原子力潜水艦もセットで買えばフランスにも大きな利益がありそうですがどうでしょう

    2
      • hiroさん
      • 2023年 8月 15日

      FCAS自体が空中分解しなくても、完成が2050年とか言い出しているのに、2035年に欲しい日本は装備ギャップをどうするんですかね?
      フランスの次世代空母も2038年完成予定で、日本への売却に応じたとしても2040年以降でしょうし、戦闘機の空母運用に転換するなら、36機/隻では足りないので複数の空母打撃群を揃えないといけない。
      海自·空自の根本的な構造変革が必要になると思いますが、どうなんでしょうね?

      23
      • 匿名希望係
      • 2023年 8月 15日

      米軍のF/A-XXと原子力空母で良いのでは?

        • 海軍スキー
        • 2023年 8月 15日

        あんな化け物空母運用出来るのはアメリカだけでは?
        退避基地として空母を運用するなら、訓練や修理のローテーションを考えて最低で2隻出来れば3隻欲しいけれど、フォード級3隻分なんて予算も人員も自衛隊には存在しない

        13
          • バーナーキング
          • 2023年 8月 16日

          その辺は元コメのPA-NGでも同じ事でしょう。
          PA-NG1隻では搭載量的に足りないので2隻欲しいけど、
          常時2隻確保するには最低4隻できればそれ以上欲しい訳でPA-NG6隻なんて予算も人員も以下略

          ならまだしも色々と馴染みのある米軍セットの方が全て1から学び直さなきゃいけない仏セットよりは現実味がある気がします。
          なお別にフォード級じゃなくてニミッツ級ベースでいいでしょう(「ニミッツ級でいい」というパワーワード)。

          1
    • nimo
    • 2023年 8月 15日

    サウジアラビアは石油を減産して対応できなくなった分をロシアから買ってるからな
    自己の利益のためなら将来なにをしでかすかわからん

    29
    • DEEPBLUE
    • 2023年 8月 15日

    既に同床異夢が深刻化してるので日本が元のF-3開発体制に戻るだけだと思いますよ。そもそも英伊は自国企業に仕事をやりたいだけで、完成は40年代くらいでも十分と思ってそうですから

    39
    • マーケット
    • 2023年 8月 15日

    こうなってくると日本もいっその事フランスのラファールみたいにやるしか無いのかなぁ?

    18
    • ネコ歩き
    • 2023年 8月 15日

    イタリアは一帯一路離脱の方針に転換してますし、イギリスは過去に学術組織を通じて中国への科学技術流出が強く疑われる事案があって対策を強化しています。中国への先端技術流出は英伊も強く懸念しているところです。
    顕在・潜在敵対勢力への技術流出の懸念は英伊も同じなので、両国はサウジアラビアとは次世代戦闘機共同開発等を通じての関係強化でそれを防止できる体制作りをする目論見なんでしょう。日本政府もサウジアラビアとは友好関係強化の外交方針なので、それには理解を示しているはずです。
    日本側の最大懸念は記事にある通りで、次期戦闘機取得時期の遅延なのかと思います。
    仮にサウジアラビアが望む参加形態がイタリアと同じなら問題は少ないかもしれません。

    6
    • バーナーキング
    • 2023年 8月 15日

    なんかやたら乖離を過大評価してませんかね。
    これあくまで「メディア」やら「アナリスト」の説や見解であって日英伊各国の政府や国防当局や防衛企業の話ではないでしょう?
    (名前も出さない「英当局者は〜と述べた」は「英当局者の発言」ではありません)。
    名前の出てる日本人アナリストも「日本エネルギー経済研究所中東研究センターの主任研究員」…ってサウジアラビアには詳しいかもしらんけど日本の次期戦闘機の、しかも意思決定理由に関して何を知ってると?てか仮に知ってるんだとしたら喋ることは許されないでしょう。

    そしてそれらの内容が全て正しいとしても日本が譲れないのは「現在進行中の機体の仕様を変えたりそのせいで開発を遅らせる訳にはいかない」だけです。
    元々テンペストは「違う部品使ったり違う仕様の機体が欲しいなら使える技術でも部品でも流用して作ったらええがな」というなのスタンスですから、サウジが違う仕様を求めてくるなら開発中の機体を完成させた後で、あるいは並行してそれも開発すればいいだけです。
    サウジががっつり金出してそっちの仕様優先になって日本仕様は後回しにされる可能性はありますが、そうなればGCAP前の部品や要素技術を共同開発に戻ればいいだけだし、そもそもF-15C/Eを運用し縦にも横にも2000kmの国土を抱えるサウジの要求する機体性能はそこまで日本の要求と乖離しなさそうなのでのでプロジェクト分解の危機なんて事にはならんと思いますし。

    問題があるとすれば人権問題や技術移転の部分だと思いますが、そこは輸出する気なら遅かれ早かれ避けては通れない問題ですのでむしろ今存分に議論しておくべきでしょう。

    21
      • バーナーキング
      • 2023年 8月 16日

      サウジがそれを飲まず、金でゴリ押しで来た場合についても言及してますが?

      そもそも「サウジに要求を飲ませる」必要はないでしょう。
      GCAP側が「今設計中のコアプラットフォームの仕様は大きく変えない」と明確化、できれば明文化しちゃえばいいだけです。
      BAEのFCAS担当者も「計画通り2035年に引き渡しができればGCAPにとって信じられないほど強力な強みになる」的な事を言ってますので、英国としても大幅な遅延につながる様な仕様変更をホイホイ飲む気はないでしょう。
      サウジとしては現行コアプラットフォーム派生で満足する、コアプラットフォーム完成後に自国仕様を開発する、GCAPから離れるの3択ですが個人的には(既に書いた通り)日本の要求と大幅に乖離した仕様を要求して来るとも思いませんので「現行コアプラットフォーム派生」で十分対応可能と踏みます。

      サウジ仕様機の開発への関与については何のことやら。
      どちらかと言えば日本は人道上の問題を抱えた紛争当事国への輸出には関わりたくないでしょう。
      むしろ直接開発に参加しなくても共同開発部分が輸出される事で関わってしまうのが問題になってる訳で。

      1
        • バーナーキング
        • 2023年 8月 18日

        なんで勝手に参加という1番高いハードルを既に超えちゃってる前提の話にすり替えてるんですかね?

        で英伊が声明もスケジュールも自国軍の要望もほっぽり出して「スポンサー様の意向を優先」ってサウジが一体どんだけ金出す想定なんです?
        出資比率というのは当然ワークシェア等のリターンにも跳ね返りますから単純に「出せば出すほどありがたい」というものではありません。
        実際イタリアは「日英伊で4:4:2」という報道を即座に否定して33%ずつ平等の負担を主張してる訳で、これがサウジ相手なら50%や70%を負担して好き勝手に要望を通す事を認めるとも思えません。
        逆にそれが許されるなら日本は元々自国主導≒ほぼ全額負担で開発する気だった訳ですし、2035年納期を守るためなら開発費の6割7割負担したって良い訳です。それでもGCAPから離脱してほぼ独力で開発するよりは安く上がるでしょう。

        それからその「スポンサー様の意向」自体についても一体どんな物になると想定してるんですか?
        個人的な予想になりますがサウジの運用する戦闘機で1番側屈指の大型双発機のF-15C/Dでその次が可変翼機故に(当時としては)搭載量の大きいトーネードIDSですので、これらをステルス機で代替するとなればF-15より小さい機体を望むとは考え難く、おそらく機体規模は日本の要望と大差はないでしょう。
        乖離があるとすれば高速性能ですがこれはもし必要なら翼と細部とエンジンセッティングの変更である程度は対応可能でしょうし、今時それ以上(例えばマッハ2超)を英伊の頬を札束で引っ叩きプログラムを解散の危機に追い込んでまで要望するとも思えません。
        そもそもステルス機での高速性能は天下の米帝様でもF-35で苦労してる難題ですのでBAEとレオナルドが束になっても簡単に解決できるとは思えませんし、仮に解決したとしても整備コストが跳ね上がります。
        英伊としてもせっかくサウジの参加で浮いた費用をそんな事に注ぎ込みたくはないんじゃないですかね。

        つーか英伊が無条件でひれ伏す様な金額積んでまで全然違う仕様の機体を作らせるくらいなら、ハナからサウジ主導で世界中から企業かき集めて思い通りの機体作らせた方が早いし生産も輸出も自由にできると思うのですが。

        1
          • バーナーキング
          • 2023年 8月 18日

          なんか編集ミスってる。

          > サウジの運用する戦闘機で1番古いのは西側屈指の大型双発機のF-15C/Dでその次が

          です。

          • バーナーキング
          • 2023年 8月 19日

          だからこそ参加させるに当たっての交渉がキモなんでしょうに。

          1
    • 折口
    • 2023年 8月 15日

    次期戦闘機開発において日本の国益に照らし最優先すべき事を1点選ぶなら、それは輸出実績づくりでも開発パートナーとの協調でも開発費の回収でもなく納期ただ1点でしょう。英国もイタリアも、そしてもちろんサウジアラビアも5~10年後に世界No1と2の超大国どうしの戦争に参戦せねばならない状況にはないですが、日本は今まさにそのために集中して防衛部門への投資を見極めている状態です。英伊の主張するところも充分に道理のある話ですが、この件で空中分解するようなGCAPならそれまでと割り切って自前なり米国企業との合弁模索なりの別の道を探るような、そういう肩の力の抜き方をこそ日本政府には求めたいですね。

    25
    • 58式素人
    • 2023年 8月 15日

    サウジがタイフーンの代替機が欲しいのなら。
    英国がテンペストを売却することを認める。
    テンペストのサウジから第三国への移転は認めない。
    F3は日本専用とする。くらいで話が纏まらないでしょうか。
    つまり、サウジは次世代機を入手し、英国とイタリアは販売で儲ける。
    日本は期日通りに次世代機を入手し、かつ、
    サプライチェーンに加わり、全ての機体の生産に関与する。
    サウジの持つ技術はテンペストのサウジバージョンに使用する。
    ということになるのかと思いますが。

    2
      • 匿名希望係
      • 2023年 8月 15日

      ほぼ全額はらってまではほしくないんでないかな>テンペスト

        • 58式素人
        • 2023年 8月 16日

        そんなものでしょうか。
        米国のFXXには負けるでしょうから、当然かも、ですね。
        ならば、サウジにとって、今回の件は”どうでも良いこと”でしょうね。
        踊らされるこちらが馬鹿を見る、でしょうか。

    •      
    • 2023年 8月 15日

    俺は日本に技術がないと見下してると痛い目に合うと思うね。
    品質精度管理・素材技術・工作機械・ロボット・センサー技術は普通に負けてないし。
    管理人は考えが甘いんじゃない?我が国は中国に言わせると「腐っても鯛」だからねw
    製造業の技術力というのは会社買収したぐらいじゃ大して向上しないよ。

    20
      • バーナーキング
      • 2023年 8月 16日

      「腐っても鯛」は流石にポジティブに受け取り過ぎな気がしますが他は概ね同意ですかね。

      そもそも「英国は日本の技術ではなく資金が目当て」というのは英国の1メディアが報じた1株式調査会社の見解を要約したものに過ぎないですよね。
      そしてその元の記事は「日本が米国以外の共同開発パートナーになるとは到底考えられない。さらに日本は独自の戦闘機開発計画に固執しているのでサブシステムを共同で研究して成果を持ち帰るレベルの協力にとどまるだろう」という憶測が話の主な根拠ですがGCAPが公表された時点でそれらは完全に的外れになってしまっています。
      にも関わらず、何故かそこから創り出した結論「英国は日本の技術ではなく資金が目当て」だけ未だに恥ずかしげもなく持ち出してくる人がちょいちょいいるのが謎なんですよね。正直この時点で「結論ありき」に見えてしまう。

      というか
      英国防省「日本の技術は高く共同開発に期待している」
      RR防衛部門開発担当「日本企業が得意とする超耐熱合金や複合材、セラミックス等の素材を英国の軍/民航空機のエンジンなどに活用したい」
      RR公式「日本が実施しているプログラムに英国の技術を加えれば世界有数の推進システムが開発できる」
      英国メディア(株式調査会社)『日本が英国(米以外)と共同開発するとは考えにくい。ただもし実現すれば英国は資金面で助かるだろう」
      を見て「やっぱり技術云々はリップサービスで英国は資金だけが目当てなんだ」って結論になるのもかなり謎なんですよ。
      前3人と最後では当事者で責任を有する前3人の方が立場上、圧倒的に言葉に重みがある上に最後の1人も別に「日本の技術が要らない」と受け取れる様な事は言ってない。

      16
    • ey
    • 2023年 8月 29日

    日本以上に英伊はサウジアラビアに対していい印象持ってないでしょう。
    とはいえサウジアラビアが重要な国であるという認識もある。
    英紙が「イギリスは前向きだが、日本は反対」となぜわざわざ書くのか。
    FT記事のコメント欄にあった「拒否権を発動するのは日本1国で十分」という言葉が表していると思います。

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