欧州関連

緊密だったポーランドとウクライナの関係に変化、穀物輸出を巡り激しく対立

緊密だったポーランドとウクライナの関係は穀物輸出を巡る問題で激しく対立しており、ポーランドのモラヴィエツキ首相も「我々は自国の名誉と安全保障が最優先で、他国の利益を優先するつもりはない」とキーウ側の対応を激しく非難した。

参考:Russia strikes Ukraine’s Danube port, sending global grain prices higher
参考:Polish agriculture minister resigns amid anger over Ukrainian grain imports
参考:Commission adopts exceptional and temporary preventive measures on limited imports from Ukraine
参考Эмоции или реальная угроза? Главное о дипломатическом скандале Украины и Польши
参考:
Отношения с Украиной сейчас “не самые лучшие” – МИД Польши

ミサイル着弾事件の時に見せた寛容さは微塵もなく、ウクライナは政治的にポーランドを怒りを買ってしまった可能性がある

ロシアはウクライナとの穀物協定延長を拒否、協定期限が切れた18日から穀物輸出の拠点=黒海に面したオデーサ港、チョルノモルスク港、イズマイル港を集中的に攻撃し、この影響でウクライナの穀物輸出量は6月と比較して40%も減少、さらに8月2日未明の攻撃でイズマイル港が大きな被害(アフリカ、中国、イスラエル向けの約4万トンの穀物と港湾施設に重大な被害が発生)を被り、シカゴの小麦価格は被害の知らせを受けて6%以上も上昇した。

欧米諸国はウクライナ産穀物を陸上ルートで輸送できないか検討中だが、ポーランドのヤブロンスキー外務次官は2日「キーウ当局の発言によってウクライナとの関係は良い状態とは言えない」と述べて注目を集めている。

侵攻後に安価なウクライナ産穀物が欧州に流入したせいで「EU域内の穀物価格」が大幅に値下がりし、これに怒った加盟国の生産者達は「ウクライナ産穀物のせいで経済的な被害を被った」と激しく抗議、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキアは独自にウクライナ産穀物の国境通過をブロックしたため大きな問題になったが、EUが「この5ヶ国を通過するウクライナ産小麦、トウモロコシ、菜種、ヒマワリ種の輸入を6月5日まで禁止する」と発表。

出典:pixabay

最も激しく怒っていたポーランド人生産者は政府に「(一時的な措置ではなく)EUを動かして恒久的な関税を導入しろ」と要求していたため、この決定に落胆した生産者の怒りは政府に向けられ、コワルチク農業相は「残念だが(関税導入という)要求には応えられない」と述べて辞任に追い込まれてしまった。

この禁止措置は現在「9月15日」まで有効で、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキアは「禁止措置の期間を2023年末まで延長すべきだ」と主張しているが、黒海ルートによる穀物輸出が困難になったゼレンスキー大統領は「ウクライナ産穀物の陸上輸送を9月15日以降も阻止するのは容認できない」と述べ、フランスやドイツといった主要国はウクライナ側の立場を支持しているものの、ポーランドは「もしEUが期限の延長に応じないなら独自に輸送をブロックする」と主張し、緊密だったポーランドとウクライナの関係は7月を境に対立へと変化してしまう。

出典:Денис Шмигаль Прем‘єр-міністр України

当初の対立は目立たたない小さいものだったが、ポーランド大統領府の高官が7月末「我々は収穫時期を迎えており、この穀物は貯蔵され適正な価格で販売しなければならない。ウクライナは我々から多くの支援を受け取っている。ポーランドがウクライナのために果たしてきた役割をキーウ側は評価するべきだ」と発言、この発言についてウクライナ側は「ポーランドは沢山の支援を与えたのだがらウクライナはもっと感謝すべきだ(我々の事情にも配慮しろor感謝の欠如)」と解釈。

ウクライナ外務省は直ぐにポーランド大使を召還して発言の真意を問いただし、シビガ大統領府副長官も「我々がポーランドの支援に感謝していないという嘘を広めようとする試みに断固として反対する。これは明らかにご都合主義的な利益を巡るポーランド側のゲームで、現実とは無関係の印象操作だ。大統領間には友好的でオープンな対話があり強固な相互理解と相互信頼がある」と反発したが、今回のポーランドにはミサイル着弾事件の時に見せた寛容さは微塵もない。

ポーランド外務省も直ぐにウクライナ大使(大使はキーウに一時帰国中だったため代理の人物)を召還、さらにモラヴィエツキ首相も「ポーランド大使は侵攻当日にキーウに踏みとどまった国家を代表する唯一の人間で、これを外務省に召還するというのは絶対に間違っている。国際政治において、現在行われている戦争において、ポーランドがウクライナに提供している莫大な支援を考えれば、このような過ちはあってはならない。我々はポーランドの名誉と安全保障を最優先に考えており、他国の利益を我々の利益より優先することはない」とキーウ側の対応を激しく非難。

ウクライナメディアはモラヴィエツキ首相の反応について「我々の対応は首相の機嫌を損なうものだったらしい」と報じているため、今回もポーランド側が「寛容さ」を示すと期待していたのかもしれない。

因みにゼレンスキー大統領は事態を収拾するため「ポーランドの歴史的な支援に深く感謝している。我々とポーランドの強固な絆に亀裂はない。我々は両国関係を台無しにするような如何なる政治的瞬間も容認しないし、今は感情的になるよりも冷静になるべきだ」と訴えたが、ポーランド側の反応は冷ややかだ。

ポーランドのヤブロンスキー外務次官は「キーウ当局の発言によってウクライナとの関係は良い状態とは言えない。ウクライナはロシアの侵略を受けている立場なので『我々の寛大な立場』に変更はないが、ウクライナは支援している同盟国を攻撃すべきではない。我々はポーランドの国益に基づいて行動しているだけで、この国益にかなう範囲でしか支援を行わない。これまでもそうだったし、これからもそうだ」と述べており、ウクライナは政治的にポーランドを怒りを買ってしまった可能性がある。

関連記事:ポーランドが遂にウクライナ批判、築き上げた関係を台無しにする気か?
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関連記事:ポーランド領に着弾したのはウクライナ軍が発射したS-300の迎撃弾か

 

※アイキャッチ画像の出典:Serwis Rzeczypospolitej Polskiej

カナダ国防省、要件を満たす次期潜水艦候補を調査するため6ヶ国と協議中前のページ

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コメント

    •  
    • 2023年 8月 03日

    流石にこれはウクライナが悪いとしか…ウクライナも譲れないところなのかもしれないがそれでポーランドの有権者と仲違いしていてはなぁ

    44
    • 古銭
    • 2023年 8月 03日

    外交レベルの問題になったのはこの一月ぐらいですが、民間での懸念は去年から、問題自体は今年に入ってからちょくちょく言われていたので根が深いですね。
    PiSは穀物協定の締結にてんやわんやだった去年の時点ではウクライナ産穀物の陸輸を(あくまでウ経済を助ける取り組みの一部としてでしょうが)支援する側であり、今回の五か国の中では好意的とも見えた記憶もありますが、PiSなので民衆に不満が溜まってくるとこんなものだろうな、という思いはあります。

    陸運と海運ではかかる費用が違い過ぎるため、穀物協定が有効だった頃ですら足りない輸送能力をウクライナ単独でどうにかする手段などありません。欧州内での販売が無理なのであれば、欧州各国の政府による買い取りや他国への輸送援助など援助をするしかないのではないかな。
    そこまでする必要があるのかと言われば無いと思いますが、ウ国が望む限り領土割譲での停戦はあり得ないとまで言い切ったPiSなどは、それぐらいやってあげても罰は当たらないという思いも。

    16
    • ふむ
    • 2023年 8月 03日

    結局のところ政治家の命綱は票なので、農家票を手放せないって事でしょうね
    他国への友好は次も当選できる範囲内でやりくりするもの

    良くも悪くもウクライナを嫌いになったとかでも無いので、亀裂が修復されれば農作物入れるともならないでしょう
    逆に言えば支持基盤への補助金等の都合が付けばワンチャン

    12
      •  
      • 2023年 8月 03日

      現政権が票を失えば援助が滞るのがわからないのか、もしくはゼレンスキー政権我よぼど国民から突き上げられてるんでしょうね

      10
      • 古銭
      • 2023年 8月 03日

      秋には総選挙ですからね。
      ポーランドのウクライナ関連支出は簡単に数字化出来るもののみでもGDPの2%に達したと言われていますが、もう出せないという訳でもないでしょう。

      5
        •  
        • 2023年 8月 03日

        結局のところリソースをやりくりして支援できるようにしようとしてもウクライナがポーランド国民を納得させるような態度を示さなければポーランド政府はやろうにもできないという

        20
          • 古銭
          • 2023年 8月 03日

          当初から問題提起をしていたハンガリーやペトコフ政権崩壊後のブルガリアなどが相応の態度を求めるというのならまだしも、国内の農業界に世界の穀物価格は上がるとウ国産穀物の輸入説得に加えて国内産穀物の売り控えまで推奨していたポーランドがそれをするのはどうかとも思いますけどね。

          やる気についても、どこまであるかは判別し辛いところですし。
          去年には始まっていた農業界のデモに対してポーランド政府は自国産の穀物買い上げを試みましたが、政府の提案価格が低過ぎて拒絶されている状況です。
          農相交代前から問題視されていた、非食用目的での輸入穀物を国内で食用に偽装する問題が、農相交代後から輸入停止と絡めて大きく取り沙汰されるようになったあたりも。

          12
      • 名無しさん
      • 2023年 8月 03日

      本当に国民の支持率が大事なら、農業対策以上にインフレ対策も重要なはずで、ウクライナから安価な小麦が入ってくるのは好都合なはずです。しかし、どの国も農業関係者と言うのは一般の国民以上に政治に対する影響力が大きいので、無視しきれないと言う話なのでしょうかね。

      1
    • パセリ
    • 2023年 8月 03日

    ことがポーランドの内政問題だから仕方ないね
    平時ならともかく、今の状態でポーランドを怒らせる意味が分からんほどウクライナ政府が無能とは思ってないし、平身低頭謝罪するしかない

    24
    • 58式素人
    • 2023年 8月 03日

    鉄道輸送の事情には疎いのですが。
    素人が勝手なことを言うと。この問題は、EC内に売却するのが良く無いのでは。
    封印列車の制度は利用できないのでしょうか。本来、旅客用の制度と思うのですが。
    飛行機でいうトランジット(通過)のことと思います。
    行先指定(この場合、どこかの港で待つEC域外の需要家手配の穀物運搬船)で。
    なんだか、レーニンの時のそれを思い出します。ドイツ参謀本部の手配だったとか。
    あと、ライン〜ドナウ運河の河川輸送で同じくトランジットで。
    他所の記事で、ウクライナはクロアチアの港を利用する交渉をしているみたいです。
    これが解決になるのでしょうか。

    8
      • 白髪鬼
      • 2023年 8月 03日

      ウクライナ側とすれば、従来の取引先より高値で売れる欧州向けの方が旨みが大きいでしょうけど。

      明らかに火事場泥棒ですし、そもそも食料安全保障云々のロシアの攻撃に対する主張もご都合主義の誹りは免れないでしょうね。
      あくまで通過させてもらうだけで、その際の税金等を免除して貰うなどの協力に、フォーカスすべきでしょうね。

      いずれにしろ現状の主張はあまりに強欲が過ぎます。ウクライナ自体、決して貧しい国ではない筈ですが、軍事委員会や軍の不正を見る限り、精神的には絶望的に貧しいし、ロシアと大差有りません。スラブ人の民族性なのか、長きに亘る共産主義支配の弊害なのか。

      29
        • 戦略眼
        • 2023年 8月 03日

        コンテナ輸送なら封緘出来ますが、仕向地が確保てきないのでしょう。
        出来るなら、ポーランドの商人が転売しているでしょう。

        2
        • Active Present
        • 2023年 8月 03日

        私が行ったときは役所とか美術館とかの窓が割れまくったまま放置されていたので(もちろん田舎ですが)、絶望的に貧しいと思いますよ。

        30
    • ぱんぱーす
    • 2023年 8月 03日

    以前、英国ウォレス国防相がしたアマゾン発言を思い出しますね。
    ポーランドやイギリスのような支援に真剣な国の要人にまで支援疲れが見えて来ているのはあまり良い兆候とは思えません。
    特にポーランドは安全保障上の利害の一致がなければあまり仲のいい国同士ではないですし……。

    19
    • 名無しパン
    • 2023年 8月 03日

    せっかくアフリカがロシアにつかないように配慮してくれたのに農民の利益のためにウクライナの穀物を止めるだなんて許されるわけない。ロシアが食糧危機を盾にしてきたのと同じことをしておいて大義名分があるとはちゃんちゃらおかしいわ。右から左に流して船に乗せれば済む話だろ。正気とは思えん。

    2
      • 名無し
      • 2023年 8月 03日

      ポーランドの農民にウクライナの為に氏ねってか、正気とは思えんわ

      43
      • ak
      • 2023年 8月 03日

      こういうことを、何も考えずに平気で言っちゃえる人たちが政治についてドヤ顔で語る。
      というのは民主主義の美点なのか衆愚政治の表れなのか。

      まあ如何にも単純な量産型「正義マン」の、嬉々とした思考ではあるなあ。

      33
      • nachteule
      • 2023年 8月 03日

       そんなアホなこと書くぐらいなら調べてまともな代案示しなさいな。そんな簡単にすむ話なら何でここまで拗れてるんだよ。

      7
    • AAA
    • 2023年 8月 03日

    ウクライナを内陸国にする戦争ですからロシアは陸上のルートも狙うでしょうね

    5
      • 58式素人
      • 2023年 8月 03日

      集積地のオデーサから、貨車で直ぐに
      ルーマニア領に入るのが良いと思えます。
      鉄道軌間の問題はありますが、ルーマニア側から
      オデーサまで標準軌を急速に敷設しては。
      そんなに難しい問題では無いと想像します。

        • gepard
        • 2023年 8月 03日

        大港湾のオデッサの港湾キャパとルーマニアの港のキャパの違いを考える必要があると思います。ソースは失念しましたがコンスタンツァ港のキャパは限界という情報を見た覚えがあります。

        あとドナウ沿いの鉄道橋はロシアの空爆に最近狙われるようになっています。

        16
          • 58式素人
          • 2023年 8月 03日

          ルーマニアの港に限る必要は無いように思えます。
          むしろ、黒海をパスするために、更に走って
          ブルガリアのエーゲ海沿岸、或いは、上にも書きましたが、
          アドリア海沿岸の諸港を利用できないかと思います。
          ロシアの空爆とのことですが、弾道ミサイルまで使うでしょうか?。
          巡航ミサイル(極超音速を除く)とシャヘドと思います。
          橋梁付近の要所に対空陣地を設けると対処できそうな気がします。
          自己完結式の対空システムは必要と思いますが。

            • 58式素人
            • 2023年 8月 03日

            ごめんなさいです。
            ”ブルガリアのエーゲ海沿岸”は
            ”ギリシアのエーゲ海沿岸”の間違いです。

    • L
    • 2023年 8月 03日

    ポーランドは大使を呼びつけたのが気に入らないの?
    我が国なんて首相が呼びつけられてるぞ

    11
      • 朴秀
      • 2023年 8月 03日

      ポ「属国と一緒にすんな」

      1
    • とり
    • 2023年 8月 03日

    この問題は本当に理解不能なので誰か解説して欲しいのですが…
    そもそも輸入と陸上輸送許可は全然別物で、輸入をブロックしても陸上輸送は許可できるものでは無いのでしょうか?鉄道輸送でしょうから管理も可能なのでは?

    管理が不可能だとしても、EU全体で取れる対策は補助金の支給や農作物の買い上げ、最低価格法など色々あるでしょうが、ウクライナへの支援と比較してこれらの予算の見積もりが莫大になると言うことでしょうか?
    EUを経由して陸路で穀物を売り捌けるという状況は、単純に考えれば域内経済に貢献するはずですが、域外の買い手に対してEUが値段を若干釣り上げて販売するのは不可能なんでしょうか?

    結局のところ、東欧農家が(損をするのではなく、)穀物価格が上昇している美味い状況を手放せないというだけなのでしょうか。

    2
      • 古銭
      • 2023年 8月 03日

      国内に入った時点で一定数は闇穀物化されるという問題もありますが、仮に国内を通り過ぎてもEU内で売られてしまうのであれば、打撃を受けることに変わりはありません。世界的な穀物価格上昇というのは、あくまで今戦争によって流通が途絶えたりコストが増大する国々の話ですし。
      またウクライナの側も、今までは海運がメインであったため陸上輸送コストに耐えることは困難(なのでEU内で販売)でしょう。
      輸送手段は莫大な量のウクライナ産穀物を鉄道だけで輸送というのは難しく、トラックがメインとなるのではないでしょうか。

      費用については、主要国ならともかく東欧諸国には(出せない訳ではないでしょうが)痛い出費だと思います。今までの支援額も少ないという訳ではありません。
      また兵器等の支援は既に持っていたものを出すケースも多いため、あくまで短期的には安かったと見ることも可能です。場合によってはEU等からの補填もありましたし。
      加えて、単純な費用だけでなく、国内の輸送キャパシティの圧迫なども問題となるかもしれません。

      EUへの経済貢献については、やはりというか西欧の主要国ならという前提がついてしまうかと。関税については域外共通関税制度がありますし、未加盟とはいえ将来の加盟候補として大きく取り扱ったウクライナを四つの自由に関わる関税で締め付けるのは理念的にも外聞が悪いでしょう。

      最後に東欧農家の既得権についてですが、ここはよくわかりません。今回輸入停止している各国は去年の冬の時点で二割から三割、酷い場合は四割近く価格が下がったとのニュースは見たことがありますが、これが真実なのかとどれ程の影響を及ぼしたのかはまだなんとも。

      7
      • Active Present
      • 2023年 8月 03日

      ウクライナは穀物を欧州に売却したいんじゃないですか?他のところに陸路で輸出してたら商売にならないでしょうし。

      10
      • 古銭
      • 2023年 8月 03日

      国内に入った時点で一定数は闇穀物化されるという問題もありますが、仮に国内を通り過ぎてもEU内で売られてしまうのであれば、打撃を受けることに変わりはありません。世界的な穀物価格上昇というのは、あくまで今戦争によって流通が途絶えたりコストが増大する国々の話ですし。
      またウクライナの側も、今までは海運がメインであったため陸上輸送コストに耐えることは困難(なのでEU内で販売)でしょう。
      輸送手段は莫大な量のウクライナ産穀物を鉄道だけでというのは難しく、トラックもかなりの割合となるのではないでしょうか。

      費用については、主要国ならともかく東欧諸国には(出せない訳ではないでしょうが)痛い出費だと思います。今までの支援額も少ないという訳ではありません。
      また兵器等の支援は既に持っていたものを出すケースも多いため、あくまで短期的には安かったと見ることも可能です。場合によってはEU等からの補填もありましたし。
      加えて、単純な費用だけでなく、国内の輸送キャパシティの圧迫やそれに伴う各分野への玉突き現象なども問題となるかもしれません。

      EUへの経済貢献については、やはりというか西欧の主要国ならという前提がついてしまうかと。関税については域外共通関税制度がありますし、未加盟とはいえ将来の加盟候補として大きく取り扱ったウクライナを四つの自由に関わる関税で締め付けるのは理念的にも外聞が悪いでしょう。

      最後に東欧農家の既得権についてですが、ここはよくわかりません。今回輸入停止している各国は去年の冬の時点で二割から三割、酷い場合は四割近く価格が下がったとのニュースは見たことがありますが、これが真実なのかとどれ程の影響を及ぼしたのかはまだなんとも。

      1
      • 理想はこの翼では届かない
      • 2023年 8月 03日

      ・ポーランドの農家からすると、ウクライナの穀物が市場に新規参入してくる状態
      戦争への支援と国内産業の保護は別問題であって、ポーランドの国内産業を疲弊させてまでウクライナを支援する気はポーランドには無いのです

      ・ポーランドの輸出量よりもウクライナの輸出量のほうがとても多いため、EU市場での穀物価格が下落する(※既に昨年から下落しているという実績あり)
      ・ウクライナ産穀物を陸上輸送すると、ポーランド国内の陸運キャパシティ・燃料市場を圧迫するので輸送費用が上がる。これはポーランドの農家・国民に影響がでる
      ・そのため、ポーランドの農家に価格下落・運輸などの費用高騰が直撃するので「俺らを殺す気か!」という見解になる

      むしろ、ポーランドとしては「ここまでやってやってるのにウクライナは更に穀物について譲歩しろと言いやがる。俺等に感謝するべきであって譲歩なんて舐めてるのか」となっているのです

      40
      • たむごん
      • 2023年 8月 03日

      日本国内を想定すれば分かりやすいと思います。
      TPP、オレンジや牛肉、豚肉やチーズなどの時の騒動を想定して頂ければ。

      特に、小麦は穀物ですから、農業生産の主力になります。
      EU諸国の懸念も一理ありまして、安全保障上の問題から、主食を紛争国(ウクライナ)に頼るのは危ないというのも理解できます。
      停戦したとしても、10年以上紛争は続くという見方もありますし。

      廃業したり衰退産業と見なされれば、農業振興は困難になりますからね。
      日本の農業が、高齢化と衰退が止まらないのが、この点は実例かと。

      8
    • panda
    • 2023年 8月 03日

    どっちが悪いと言う話でもないでしょう
    結局のところ各国国益のために動いているにすぎません

    究極的に言えば戦争を仕掛けたロシアが悪いと言う事になるかもしれません

    8
      • 拓也さん
      • 2023年 8月 03日

      侵略したロシアが悪いのは紛れもない真実ですが善悪で考えても事態は何も解決しないからなあ。 ウクライナ支援はお人好しで行なっているわけではありませんから自国での反発の声が大きくなれば当然手を引くでしょう。ましてやロシアの脅威は大きく減衰した現在なら尚更。 これでロシアが敗戦して全ての損害を賄えるくらいの賠償金でも貰えたら話は変わるけどまあありえないし…。

      25
    • 無明
    • 2023年 8月 03日

    ここからすぐに何かが起きるとは思えないけど戦車や自走砲をウクライナに供与する音頭をイギリスと共に取ってたポーランドとウクライナの関係が冷え込むといろいろと風向きが変わってきてもおかしくないだろうな
    ウクライナとしては絶対に避けたいだろうし流石にポーランド側もロシア軍が目と鼻の先に常駐するような事態は避けたいだろうから何らかの妥協点見つけるだろうけど

    16
    • BBQ
    • 2023年 8月 03日

    ミサイル着弾事件の時は死者2名出ましたけど損害額でいえば数百万円程度の交通事故でしたからね。実質的な損害額が数千億以上になる今回の件で寛容さを期待するのは難しいと思います。
    まあウクライナはEU圏内への輸出はおとなしく諦めて食糧安全保障を守るという大義名分通り単価が下がってもアフリカルートの構築に尽力するのが良いのではないでしょうか。

    14
    • たむごん
    • 2023年 8月 03日

    貿易取引とダンピング輸出が混在していますね。

    (1)貿易取引・生産
    穀物取引なので、基本的に原産地偽装がやりやすいことをイメージして下さい。
    日本のお米を混ぜたり、加工食品に使う事を想定すれば分かりやすいと思います。

    例えば、パンやビスケット、お好み焼きやたこ焼きを食べる時に、わざわざ小麦の産地を気にする人は、少ないでしょう。

    ポーランドやEUの農家、特に陸運・海運の経由地近辺が懸念するのも、最もだと思います。
    港であれば、積み出し港は、おそらく同じでしょうし。(大型穀物サイロ・穀物用の大型バラ積み船が停泊できる港)

    ここで、わざわざアフリカに運ぶかどうか…物価の高いヨーロッパに売るのが、経済合理性ありますよね。
    アフリカに運ぶと、買取価格が安いだけでなく、船賃や保険のコストが増えますから。

    (2)ダンピング輸出
    ウクライナは、EU圏内から多額の資金が拠出されており、政府運営資金・生活費として活用されています。(穀物から利益を得る必要が低くなっています)
    ウクライナ産穀物は、生産過剰と黒海封鎖の為、このままではゴミとして扱われます。大量に輸出する前提の為、過剰分の全てを収容するサイロは作りません(備蓄用穀物サイロに入らなくなります)

    ウクライナ政府が、政治的な意図(外国政府から支持を得る)や戦後(販路開拓)を考えれば、現時点の穀物取引に利益を得る必要もないです。
    EU圏の穀物農家は、価格競争で勝負にならず、販路を失ったり廃業するリスクがあります。

    ポーランド農家が、懸念する理由も理解できます。

    20
      • 古銭
      • 2023年 8月 03日

      穀物についてウクライナに配慮する必要があるのか、という点では綺麗事を抜きにすれば皆無だというのが率直な感想ではあるのですが、現時点での穀物取引がウクライナにとって必要無いとは言い切れないと思います。

      各種産業のリソースが余所に振り分けられたり、輸出以前に生産レベルで止まってしまいがちな同国において、輸送問題はあれど大規模な生産が継続されている農業とその従事者の収入を確保することは、政府の負担(補助金的にも民意的にも)と戦争遂行の面で重要でしょう。

      また戦後の販路についても、生産や取引を止めてしまえば戦後に再び動かすのが困難な状況になっていたり、余所にシェアを取られていたり、それが原因で足元を見られる可能性があります。
      シェアの強奪については既にロシアも狙っていますし、ウクライナだけでなく支援諸国も喧伝した食糧危機は中・長期的に見れば他国が埋められる程度のものです。あくまで現時点ではコスト面で休耕したり増産に見合わないだけで、ウ国の輸送コストの増大や産出量低下が戦後も続くと確信されればそれは現実となりかねません。

      価格競争についてもウ国がEUに加盟すれば早晩起きることでした。やはり綺麗事を抜きにすれば、一部手続きをスキップしただけのことを大きく取り扱った、結果がどうなるか不明瞭なパフォーマンスですが、これを大きくアピールした一部東欧諸国が騒ぐのは笑い話でしょう。

      1
        • たむごん
        • 2023年 8月 03日

        仰る通り、戦後の主力産業になりそうな事を考えれば、一次産業は重要ですね。
        ウクライナの工業は、東部や南部ともに壊滅してますから…。

        ウクライナが穀物輸出を行うにしても、鉄道投資が必要ですし(自前の資金はない)、通貨国の許認可が必要になると思います(EU非加盟国)。
        …本当に厳しい立場ですね。

        EU加盟は、トルコのように、加盟が先延ばし先延ばしされそうな予感がします。
        東欧諸国は、EU基金の受益国であり、ポーランドは既に1500億ユーロ・今後1700億ユーロ獲得が決まっています。
        ウクライナ加盟が、経済的な利益にならない国が多いように思えます。(独仏はメリットが大きいと思います)
        リンク
        ヨーロッパ各国が国益追求すれば、東欧諸国が穀物問題も口実にして、ウクライナのEU加盟に反対するのではないかと考えています。(そもそも財政赤字や政府債務・汚職などの基準を満たせなさそうですが…)

        ウクライナは、軍事同盟や経済同盟に加盟しておらず、本当に弱い立場な事に愕然とします。

        1
    •  
    • 2023年 8月 03日

    モラヴィエツキ首相と関係が悪いのか?

    1
    • あばばばば
    • 2023年 8月 03日

    その内、ウクライナの穀物は金属汚染されていると喧伝しだしそうではある。
    ウクライナ全土ではロシアのミサイルによる空襲や対抗するための防空にミサイルを使っているし、ミサイルの残骸だけでなく燃焼ガスによる汚染という懸念もある。また東部では陸上戦による銅、鉛、ウランなどの汚染が確実に起きている。欧州にはフランスが回復を放棄したWWIのレッドゾーンがあるため、説得力が高いのではないだろうか。

    9
    • general
    • 2023年 8月 03日

    PiSの支持基盤は田舎の農民だからそこを無下にすることは絶対できないだろうな

    それはそうと西アフリカ情勢がニジェールのせいでなかなかまずいことになっていますね
    そちらの記事も見てみたいです

    8
    • Easy
    • 2023年 8月 03日

    もう既に各国とも「ウクライナ以後」への布石を打っている状態です。
    ポーランドは最悪の展開である「ウクライナ全土をロシアが占領」を避けられました。そして「NATO支援で格安で西側装備を入手」というミッションもクリア。そして今は次の勝利シナリオである「ウクライナ西部を属領化」という目標に向けて動いています。そもそもウクライナ西部はポーランドの歴史的領土(と言えなくもない)ですからね。
    そのためにはウクライナ政府にほどよく崩壊してもらわねばならず。
    ここでポーランドとロシアは「ウクライナの穀物輸出を破壊して西部ウクライナ経済を破綻に追い込み、ウクライナを東西に分割する」という点で利害が一致します。
    ウクライナはそれを避けるために何かをしなければならないが,今のままでは打つ手が無いのが現実ですね。
    とりあえずザポリージャ原発を爆発させて東部を焦土化するのが当面の対策ですが、二の矢三の矢が足りないですね。
    何にせよ、国土を維持するのは大変なんですね。ウクライナの人々の苦労が偲ばれます。

    17
      • 2023年 8月 03日

      >ここでポーランドとロシアは「ウクライナの穀物輸出を破壊して西部ウクライナ経済を破綻に追い込み、ウクライナを東西に分割する」という点で利害が一致
      >ザポリージャ原発を爆発させて東部を焦土化するのが当面の対策ですが

      うん、まぁ気持ちは分かるがちょっと落ち着いた方が良いと思う。

      23
      • zeema4
      • 2023年 8月 03日

      全てが完全な憶測でしかもとんでもない方向を向いているのだが…。大丈夫だろうか。

      >とりあえずザポリージャ原発を爆発させて東部を焦土化するのが当面の対策ですが、二の矢三の矢が足りないですね。
      本気で言っているんだろうか…。突っ込み待ちとしか思えん。

      17
    • panda
    • 2023年 8月 03日

    陰謀論めいた事でなく単純に秋に行われるポーランドの総選挙をにらんだ動きだと思いますよ

    16
    • Ard
    • 2023年 8月 03日

    穀物に関してはずっと同じ姿勢やし

    4
    • 名無しさん
    • 2023年 8月 03日

    いっそのこと、ウクライナ産小麦をポーランド産小麦と同じ相場にまで吊り上げて販売すればいいんじゃないですかね。
    勿論、質の違いを加味した価格差はあると思いますが、不当に安いと言われるのなら値上げすればいい話。
    ウクライナは収益が増える。ポーランドは市場を守れる。
    両者にとってwin-winだと思うのですが。

    2
      • L
      • 2023年 8月 04日

      ウクライナ自ら関税を課すような真似をすることでポーランドとwinwinになるという主張はおかしい。それでポーランド産穀物の保護ができるならウクライナ産穀物は売れてないってことだ

    • 匿名希望係
    • 2023年 8月 03日

    関税と第三国への輸出推進ぐらいかね。

    1
    • 折口
    • 2023年 8月 03日

    これはあらゆる意味で興味深い展開ですよね。
    ウクライナ産の穀物が欧州市場に流入したからといって世界的な需要数と供給数が変動している訳では無いので、本来なら世界的な穀物価格高騰と欧州域内での穀物価格下落が相殺されるはずなんですよね。その状態でなお価格差が偏在してしまっているのは欧州のブローカーがこの機会を利用して転売差額で儲けようとしていたり、EUの通商規則によって域外への輸出関税がかかる事で域内で小麦が滞留したり、世界的な相場高騰で本来の需要者である中東アフリカ諸国の穀物商が買い負けていたりと色々あるんでしょうけど、正直こういう形で東欧諸国とウクライナのアライアンスに亀裂が入るとは全く予想していませんでした。経済安全保障という分野の影響力の大きさ、重要さを再認識するところです。

    じゃあ、ロシアは指一本動かさずに敵の分断に成功したのかと言えば、多分これはロシアにとっても予想外だと思うんです。先般のアフリカ諸国との首脳会談でプーチン首相の提案がほとんど受け入れられず、逆に停戦を要求される始末で面目丸潰れだったのは記憶に新しいです。アフリカ諸国の首脳の念頭にあるのは現在の食料安全保障上の危機で、その危機を作り出しているのがまさに目の前のロシア人高齢者なのだと分かっていたからこそのあの結果だったんでしょう。プーチンの得意とする19世紀的な軍略政治においては軍事と諜報・情報戦の影響評価が世界の趨勢を決めますが、現代においては経済・食料安全保障の影響評価が出来ない国には何の活躍も出来ないという事なのかもしれませんね。

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