ドイツのハンデルスブラット紙は19日「オマーン保有のチャレンジャー1を購入(50輌以上)し、アップグレードを施した上でウクライナに提供する準備を独防衛産業界が進めている」と報じている。
参考:Rheinmetall könnte in diesem Jahr mehr als 100 Kampfpanzer an die Ukraine liefern
ショルツ首相が資金提供を見送っても、このアイデアならEUに売り込むことが出来るため非常に面白い発想だ
ハンデルスブラット紙は業界関係者の話として「独防衛産業界はオマーンが保有するチャレンジャー1を購入(50輌以上)し、アップグレードを施した上でウクライナに提供する準備を進めている。英国から受け取るチャレンジャー2と同じ主砲を搭載しているため弾薬供給や保守面で利点で、上手く行けば年内に引き渡される可能性もある」と書いており、ショルツ首相が戦車提供を決断すればレオパルト2だけなく「保管中のレオパルト1もアップグレードしてウクライナに引き渡す」と報じている。

出典:Public Domain 湾岸戦争時のチャレンジャー1
チャレンジャー1をオマーンから引っ張ってくるというアイデアは「ラインメタルが提案したもの」とハンデルスブラット紙は指摘しているため、ドイツ政府から資金を引っ張ることを想定している可能性が高く、どちらにしてもショルツ首相の決断がなければ実現しないアイデアだ。
ただショルツ首相が反対しているのは「ドイツ製戦車の提供」なので、仮にレオパルト2やレオパルト1の提供拒否を貫いても「チャレンジャー1なら問題ない(英国が移転承認を行うという前提)」とも解釈でき、もしショルツ首相が資金提供を見送っても、このアイデアならEUに売り込むことが出来るため非常に面白い発想と言える。
因みにオマーンが50輌以上のチャレンジャー1を未だに保管(確認できない)しているのか、L11A5とL30A1に弾薬の互換性があるのかは分からない。
関連記事:ウクライナへの戦車提供問題が最終局面、米国が出せばドイツも出す
関連記事:ドイツは米国主導の戦車提供でなければレオパルト2提供に応じない
関連記事:英国防相、これまでのウクライナ支援で最も重要な戦闘パッケージを発表
※アイキャッチ画像の出典:Simon Q/CC BY 2.0
チャレンジャー2の砲塔はユニバーサルターレットがベースになっているから、ラインメタル120mm砲に換装も容易だろう。
チャレンジャー1の砲塔はチーフテンの砲塔にチョーバムアーマーを被せた構造だから、簡単に換装できないかも。
120mmライフル砲用の砲弾は旧式で貫通力が不足しているから、T-90Mだと厳しいかもしれない。
Leopard1A6仕様なら最新型の砲弾も使えるから、意外と役に立つかも。
Leopard1C2やASは、残ってないのかな。
チャレンジャー1持ってるのはヨルダンだけだから記事の間違いですかね?それともオマーンなのは合っててチャレンジャー1と2を間違えたのか…
そういえば、ヨルダンがチャレンジャー1にラインメタル120mm砲を装備する新型砲塔を載せていたな。
チャレンジャー2にしろ1にしろ
「60トンを超える車重がネックと成り、使用出来る地域が限定されるのでは?」
という指摘も有るようですが、
1両でも多くの主力戦車が欲しいウクライナとしては、些細な事かも知れませんね。
渡河機材も併せて供与かな。
キーウ防衛用でも役に立つ。
T72ならばともかく、西側MBTをドイツ政府の
手の届く範囲に置くことは賛成できません。
少なくとも”密約” の内容が明らかになるまでは。
今のドイツに期待できるのは、戦車以外のことかと。
例えば、発注済(だっったと思う)のPZH2000×100輌の
急速な戦力化とかでしょうか。
これから数日のこととは思いますが、ドイツの姿勢を
観察しなければならないのでは、と思います。
改造にどれだけ時間を要するかですね。
1年先でも厳しいのに2~3年必要だったら、現状の対応策には成らないですからね。
政府が「うん」と言わないばかりに、肩身の狭いドイツの産業界。
きっと他国の人に会う度に、咎め口調で何か言われるのだろうな。
オマーンが了解しなかったら、消える話ですね。