スウェーデンのジョンソン国防相は今年3月「グリペンのウクライナ提供について検討が始まった」と述べていたが、28日「F-16提供に関与する国々からグリペン提供を待つよう強く要請され、計画を一時的に停止した」と明かした。
参考:Sweden halts plan for Gripen jets to Ukraine, news agency TT reports
戦闘機連合の枠組みを通じてのグリペン提供はリソースの問題で先送りされるのだろう
ゼレンスキー大統領は昨年8月にスウェーデンを訪問した際「グリペンに関しても画期的な成果が得られた。既に我々の兵士はグリペンのテストを開始している。一歩づつ交渉を積み重ねながらウクライナの空にグリペンを飛ばすという願望に近づいている。我々はグリペンを使用したウクライナ人パイロットの訓練を開始するため取り組んでおり、この詳細については今後話し合いが行われるだろう」と述べたため、多くの人々は「グリペン提供に向けたウクライナ人パイロットの訓練が始まった」と受け取ったが、この認識は事実ではない。
ゼレンスキー大統領が言及した「テスト」とはスウェーデンのウクライナ支援パッケージに盛り込まれた「グリペンの運用評価に関する訓練機会の提供」を指しており、これは「本当にウクライナが必要とするニーズをグリペンが満たしているのかをウクライナ人自身が評価する機会」という意味で、ジョンソン国防相も昨年10月「安全保障上の理由でグリペン提供の検討はNATO加盟後に行う」と述べていたが、3月7日に正式加盟を果たしたため、Kyiv Independentの取材に「グリペンのウクライナ提供に関する検討が行われている」「この検討は戦闘機連合の枠組み内で行われている」と明かした。
つまり「グリペンのウクライナ提供は実現に向けて協議が進んでいる」という意味で、これはスウェーデンとウクライナの2国間ではなく「戦闘機連合の枠組みを通じての提供になる」と示唆しており、管理人は「機体提供、パイロットや地上要員の訓練、インフラ構築、運用維持などの費用を誰が負担するのかという『お馴染みの問題』が話し合われている」と解釈したが、ロイターは28日「スウェーデンのグリペン提供計画は停止状態だ」と報じている。
ジョンソン国防相は「F-16提供に関与する国々からグリペン提供を待つよう強く要請されている」「これはウクライナのF-16導入に焦点が当てられていることに関係がある」「ウクライナへのグリペン提供計画を一時的に停止した」と明かし、戦闘機連合の枠組みを通じてのグリペン提供はリソースの問題で先送りされるのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Saab
今から18歳のパイロット志望者を集めて、徴兵年齢になるまで国外で訓練させれば、飛行時間1000時間越えのパイロットが養成できると思うんだけどなあ。
正直志願者が集まるようにも思えませんけどね…🙄
まぁ在庫処分と言う面もあるからな
ゼレンスキー「在庫があるなら、はよよこせ」
複雑化すると、ロジスティクスに負担が大きくなりますからね。賢明判断と思います。
ウクライナは飛行場がここ数ヶ月以上叩かれ続けているのに数ヶ月〜数年後にF16運用可能な飛行場がどれだけオペレーショナルで残っているんですかね?
防空装備が絶望的な状況で中古のF16を最大4年指くわえて待ち続けるくらいならグリペンでもミラージュでも第三世界のミグでも何でもいいからかき集めておけば、滑空爆弾で一方的にやられるエアパワーの差も多少マシになったかもしれませんよね?このスキームは最初からおかしな点だらけです。
NASAのFIRMSで見ると、連日のようにハルキウだけじゃなく、スムィ州やチェルニヒウ州の国境沿いで火災反応が起きてるのが気掛かり。
これ弱いところ探ってるよね……
そのサイト見たらここ24時間でボルチャンスクに入るところとその南西部が真っ赤になってますね
これ、ハリコフ救援の部隊ボコボコに撃たれてるのでは
TODAY・24H・7DAYS凄い事になっていますね。
砲爆撃すごそうな気がします…
情報ありがとうございます。
北部に注目が集まっているだけに、気になりますね…。
もうハリコフ周辺は滑空爆弾の訓練場みたいな有様ですよ。
最近、複数の滑空爆弾の同時弾着みたいな曲芸が始まっており。あれは複数の爆弾を同時に炸裂させることで爆風と爆風をぶつける圧力波攻撃を狙ってますね。
動力の無い滑空爆弾でこれをやるには複数機が同じ速度同じ高度同じ角度で同じタイミングで爆弾投射せねばなりませんから、曲芸飛行チームと同等の練度があることが伺えます。
こんな熟練のパイロットたちが操る数百機のロシア空軍に、買ったばかりの低練度の旧式機で挑むって時点で、旧日本軍のマリアナ沖海戦より酷いことになりそうな。
情報ありがとうございます、勉強になります。
ウクライナ本土決戦中に、機体選定が紆余曲折・機体数も定まらず・いつ届くのかよく分からない、パイロット育成の厳しさを見ると絶望感がありますね。
練度も、仰る点、気になっていたんですよね。
ウクライナ空軍、外国での訓練飛行時間は分かりませんが、ロシアは実戦での戦闘時間を積み重ねて練度を上げているわけですし。
昨年にロシア航空宇宙軍の戦闘機パイロットの年間飛行時間が100時間未満で、NATO諸国の180-200時間に遠く及ばない為に練度が低いという記事を見かけた覚えがありますが、戦闘飛行時間によって大幅に改善しているのかもしれません。
物事は流動的である事と、状況に適応する潜在的なリソースが潤沢であれば、どうにでもなるというのは、共和制ローマ時代より続く普遍的な戦訓ですね。
事実であればすさまじい話です。ハリコフ北方はロシア空軍の総合火力演習状態ということでしょうか?
同時弾着編隊爆撃、編隊雷撃というのは、旧・日本海軍の空母機動部隊のパイロットたちも訓練していました。インド洋沖海戦でイギリス空母ハ―ミズや、イギリス重巡2隻を瞬時に轟沈させたような九九式艦爆のパイロットたちを彷彿とさせます。
映画のトップガン・マーベリックなども、敵地に超低空で侵入して編隊連続爆撃をする任務の話でしたが、そういうような難しいことに挑戦しようという意欲的な指揮官がロシア空軍にもいるのでしょう。
最初のうちは上手くいかなくても、ウクライナ軍地上部隊に対する滑空爆弾による編隊爆撃を毎日繰り返しているうちに、段々慣れてきてそういうことが普通にできるようになったのかもしれません。
同じ速度同じ高度はオートパイロットで簡単じゃね?
グリペンと聞くと胸の高鳴りが止まらないのは軍オタの宿命だろうか
グリペンが飛ぶの見たいですよね。
供与されるまでにパイロットいなくなっていたりして…
現物の都合が付けば(更に言うなら運用設備や人員)
確かに資源を集中するのは悪くないけど
F16が実際に引き渡されるまでは出す出す詐欺と思われても仕方ない…
お金の問題はあるだろうけれど。
F16だけに絞るのは問題では。維持に手間暇のかかる機体と聞くし。
一時停止が一瞬停止なら良いのに、と思ったりします。
パイロットの増員を計画的に行うなど、できることはしておくべきでは、と思ったり。
素人個人はF16よりもグリペンの方が適していると思っています。
それと米国製を入れるなら、AV8Bの方が適しているような気もします。
F16が良くないとは言いませんが。
まあ逆にもらっても困るでしょうグリペン
そこそこ輸出されてる機体とはいえ、部品や予備機はF-16と比較すると雲泥の差でしょうし
在庫処分とは言え戦時に2ライン新規構築は非効率的ですからね。