ポーランドとチェコの国防相は9月からスロバキアに領空保護を提供する協定に署名、これでスロバキア空軍のMiG-29をウクライナに提供する条件は完全に整った格好だ。
参考:Slovakia’s neighbours to patrol its skies, freeing MiG jets for Ukraine
最大の障害は取り払われたので、MiG-29AS/UBSがウクライナの上空を飛ぶのは時間の問題
ロシア軍による侵攻後、ウクライナの求める戦闘機提供を「誰が行うのか?」「提供に応じた国のギャップを誰が埋めるのか?」が問題になり、MiG-29からF-16Vへの移行が間近に迫っていたスロバキアに白羽の矢が立ったが、米国政府は「製造の遅れが原因でF-16Vの引き渡しが1年遅れて2024年になる」と通知。
そのためスロバキアは「領空保護の手段が確保されるまでMiG-29を手放すことが出来ない」と主張、この問題を解決するためポーランドとチェコがスロバキアに領空保護を提供すると申し出て、協議は実に4ヶ月間にも及んだが、27日に開幕したスロバキア航空ショーで「領空保護提供(9月1日から)に関する協定」に3ヶ国の国防相が署名、これでMiG-29提供の条件は完全に整った。
ただスロバキアのナド国防相は「退役したMiG-29をウクライナに提供する準備は整ったものの合意に至っていない」と記者団に明かしており、3億ユーロでウクライナにMiG-29を11機(内3機は保管機)売却するという話は「まだ合意に達してしない」という意味だが、最大の障害は取り払われているのでスロバキア空軍のMiG-29AS/UBSがウクライナ上空を飛ぶのは時間の問題だろう。
因みにポーランドも2023年中に到達予定のFA-50Block10×12機(内何機かは年内引き渡し予定)が手に入り次第、ウクライナにMiG-29を提供する可能性が高い。
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※アイキャッチ画像の出典:Mariusz Błaszczak
ウクライナって今回の戦争に勝てても財政破綻しそう
ロシアから賠償金って取れるのかな?
ロシアは拒否しような気もするけど。
普通に賠償金なんてとれないんじゃない?ウクライナがモスクワまで占領すりゃあ話は別だろうけど。
ウクライナ国内でグダグダやってるだけだしロシア人が認めないでしょ。
そこは問題ですね。
法的問題点があるかわかりませんが、各国で凍結されているロシア資産を換金して足しにすることはできないんですかね。
国家は個人とは違うので、どれだけ借金が山積みになっても、新しくお金を貸してくれる所があれば存続できます。
すでにウクライナ国債は償還期限が切れ、実質デフォルトとなりましたが、支払いについては延期が認められましたし、新たに借り入れることも出来ています。
戦時中ですら、「金を借りる資格はある」と認められている国ですから、戦争が終われば猶更、資金調達はやりやすいでしょう。
西側諸国各国で差し押さえられてるロシアの個人資産だけでは、足りないよなあ
リビアは米国から経済制裁解除してもらうのに、航空機爆破テロの被害者に27億ドル支払った。
ロシアの場合も、資産凍結されている外貨準備3000億ドルをどうにかして取り返したいし、数年経てば欧州向けの石油、天然ガスの輸出が完全に止まって干上がるので、経済制裁を解除してもらうための方法について色々考えるはず。
プーチンは絶対払わないだろうけど、後継政権では賠償金を踏み倒すより、復興支援か何かの名目でも支払って経済制裁解除してもらった方が合理的で、どこかの時点で請求額の1-2割なら支払いも十分あるのでは。(資産凍結40兆円の返還と、欧州向けエネルギー輸出年間10兆円回復(今年は総額40兆円)のために手数料10-20兆円支払う、みたいな計算)
ロシアの差し押さえられてる海外資産が自動的に賠償金になるかと
それでも足りない感じだけど
ですよね。
戦費であらかた使っちゃうんじゃないかと。
第一次世界大戦の戦後処理でフランスはドイツから国土の損害に見合った巨額な賠償金を獲得できたけど、それが賢明かどうかは別問題。
ロシア凍結資産を原資に復興基金を立てるくらいはすべきと思うが。
ドイツの場合は賠償金が国民の税金から払われ、その後、紙幣を大量発行したためにハイパーインフレを招いて国民感情を悪化させましたが、
ロシアの場合はすでにロシア国民から収奪した富裕層の個人資産なので、それが没収されてもロシア国民は大して気にする話ではないと思いますよ。
例えば、自衛隊がスクランブルをかけると1回あたり800万円かかると言われています。
チェコやポーランドはもっと安くできるかも知れませんが、いずれにせよ税金で負担する以上、
無制限に領空保護を担うのは簡単なことではないと思います。
3国の間でどのような協議が行われたかは不明ですが、お互いに難しい交渉を上手くまとめたと思います。
NATOによる戦闘機の提供が、ロシアのエスカレーションを招かないと分かれば、他国からも追随しやすくなるのではと期待します。
スロバキアは、ポーランド・チェコ・オーストリア・ハンガリー・ウクライナと接しています。
オーストリアは中立国、ウクライナはロシアと戦争中で領空侵犯はありえない、残りはNATO加盟国の同盟国だからありえない、日本のような最前線とは違って負担はそんなに大きくないのでは?
民間機などの悪意なき領空侵犯にも対処が必要ですし、
(テロ目的も居る可能性もありますし)
領空侵犯対処ってほとんどはこれなので、なかなかの負担かと
スロバキア空軍が保有する戦闘機は複座型合わせ11機のMiG-29が全てです。周辺環境的に経空脅威は低く、元々スクランブル発進の事例は少ないのでしょう。
時間を要したのはスクランブル対応時の指揮権限の扱い及び経費負担の調整交渉じゃないでしょうか。
これぞ集団的自衛権。
極東では未来永劫まねできない気がする、権謀術数に長けた大国に難なく切り崩されるだろう
話だけは侵攻当初からあった戦闘機供与の話が進んだか
実際の供与はいつになるかわからんがまずは朗報といったところか