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英空軍の早期警戒管制機「E-3D」運用が終了、後継機E-7Aの運用開始は2023年予定

地中海・中東方面での最後の任務を終えた英空軍の早期警戒管制機E-3Dは今月4日にワディントン空軍基地へ帰還、現役から退く準備に入った。

参考:RAF E-3D Sentry aircraft returns to the UK from last operational mission

英空軍のE-3D運用が終了、2023年にE-7Aの運用が開始されるまでフランスのE-3が任務を引き継ぐ予定

英空軍は1987年にE-3Dを7機購入、1991年から正式な運用を始めNATOの一員としてイラク、アフガニスタン、リビアなど地中海・中東方面で多くの作戦に従事してきたが、国防予算削減の影響を受けて2011年以降から運用規模の縮小に入り第8飛行隊で運用される2機(ZH101とZH103)だけになっていたが、これも最後の任務を7月末に終えて今月4日に展開先のキプロスからワディントン空軍基地に帰還した。

これで約30年間に渡るE-3D運用は完全に終了を迎えるためNATO所属のE-3(フランス)が任務を引き続く予定になっており、2023年に予定されているE-7Aの運用開始まで英空軍の早期警戒管制任務=ISTAR(情報収集・警戒監視・標的補足・偵察)任務の一部は無人航空機によって引き継がれるらしい。

因みに英国は2019年3月にE-7Aを5機発注したのだが2021年3月に発表された軍の再編計画で調達数が3機に減らされており、空軍はISTAR任務を担当する戦力不足を補うため無人航空機の活用を検討している。

出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. James Richardson オーストラリア空軍のE-7Aウェッジテイル

さらにNATOも2019年末にイェンス・ストルテンベルグ事務総長が「2035年までにE-3を廃止して新しいプラットフォームに置き換える」と発表しており、このプラットフォームはE-3のような大型の早期警戒管制機でなく新しい技術を採用した全く別の手段になると主張しているので、センサーを搭載した無人機や戦闘機等をネットワークに接続した分散プラットフォームになるのではないかと予想されている。

関連記事:米空軍、老朽化が進む早期警戒管制機E-3セントリーをE-7Aウェッジテイルで更新を検討か
関連記事:英国が軍の再編内容を発表、陸軍は約1万人削減されF-35B削減は次回に持越しか
関連記事:大型の早期警戒管制機は時代遅れ? NATO、2035年までに「E-3 セントリー」廃止

 

※アイキャッチ画像の出典:出典:Royal Air Force / OGL v1.0

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 8月 07日

    E-3の部品って足りてるのか?
    KC-135とはベース機が一応違う上、707は民間ではほぼ絶滅してる。

    AWACSの存在意義は別として、日本は今となってはKC-767で正解だったかも。

    7
      • 匿名
      • 2021年 8月 07日

      ごめん
      KC-767ではなくE-767だった

      6
    • 匿名
    • 2021年 8月 07日

    E-767の後継もそろそろ考える時期なのかね、でもうちの国の場合中国とやりあう以上AWACSは必要だと思うけどなぁ

    4
      • 匿名
      • 2021年 8月 07日

      一応E767はブロック40/45に改修したばかりなんで、あと20年ぐらいは戦える。
      最近は、将来にチーミングの発展に伴いAWACSは不要になる
      ・・・という論もあるけど、個人的にはそのセンサーノードの構築にこそAWACS、AEWが中心的役割になると思ってる。

      13
        • 匿名
        • 2021年 8月 07日

        旅客機ベースで、
        旅客機みたいに一日に何レグも飛んで酷使してる訳じゃないから機体寿命も問題ない

        1
          • 匿名
          • 2021年 8月 07日

          それ加味してもあと20年ぐらいが限界
          旅客機が25年、軍用機が40年が寿命

        • 匿名
        • 2021年 8月 07日

        将来的なAWACSはデカくて重いレーダーを背負うってことはなくなるだろうね
        大処理コンピューターと一定数の管制官、地上管制施設との中継を行うための強力な通信機を積んだ大型ステルス航空機化していくと思う

      • 匿名
      • 2021年 8月 07日

      E-7のベース機ってボーイング737-700だしそろそろ生産終了するんじゃないか?
      P-8もアメリカ調達分は終わったというしNG世代の737型機は危ないかも
      今から検討し始めたら下の機体が生産終了して、MAX世代で代替する事になるかも

      1
        • 匿名
        • 2021年 8月 09日

        E737はもとから旅客型から改修して造ってるから、737NGの生産ラインが閉じても状態の良い中古機からE737は生産できる。電子機器の生産ラインが閉じたら難しいが。
        現にイギリス向けのE7は中古機から改造予定。

      • 匿名
      • 2021年 8月 07日

      何処何処とやりあうからってのは別に関係なくね?
      ロシアを最大の仮想敵としてるNATOも、いざとなればロシアと中国どちらとも相対しなきゃならん米国もAWACS廃止に動いてるわけで

    • 匿名
    • 2021年 8月 07日

    必要だとは思うけどAWACSを比較的安全なところから運用するのは難しそうですよね。
    AWACSを飛ばすと護衛の戦闘機が必要ですし、最近はより長射程の空対空ミサイルとかも実用化されてきていますし。

    5
      • 匿名
      • 2021年 8月 07日

      今後も運用するならAWACSをその長距離ミサイルから守るためにより後方から効果を発するシステムの構築が必須だな
      まあそう上手くいかないからこそAWACSを介さない代替案も模索されてるんだろうけど

      4
        • 匿名
        • 2021年 8月 07日

        センサー役は戦闘機やUAVが行い、
        収集した情報を分析・指示を行うのがAWACS、
        といった感じで役割分担する様になるのですかね?

          • 匿名
          • 2021年 8月 07日

          分析や指示するのが航空機である必要はないんじゃない?

          戦闘機やUAVの情報が衛星経由でAWACSに行くのなら、同様に地上局で受けても同じでしょ。

          わざわざ、運用コストが高いAWACSを飛ばす必要が無いと思う。

            • 匿名
            • 2021年 8月 07日

            地上基地に管制させるには、通信環境の維持が必須
            電波妨害による通信制限を前提にするのなら、どうしても管制官はいる
            航空機の完全無人化ができない理由と同じ

            3
          • 海軍作戦部長
          • 2021年 8月 07日

          > 収集した情報を分析・指示を行うのがAWACS

          センサー役を戦闘機やUAVに任せて自分自身でレーダー波を輻射する必要がないのならば,衛星通信などを使って分析・指示は地上基地で行うか空中サイトでもレーダーを搭載せず分析・管制官を現状のAWACSよりも多人数搭載した輸送機改造の管制専用機にしちゃえば良いのでは?

          少なくとも巨大なレーダーを搭載せずセンサーノードからの情報を集約・分析して指示を出すだけならば,電力容量もAWACSよりずっと小さくて済むし,逆に余剰の電力で自衛用レーザー砲を搭載することも可能jになるだろう.

          少なくともアメリカ海軍が艦艇防御用に研究していた艦載レーザー砲よりは高空を巡行する指揮管制専用機のための自衛用レーザー砲のほうが技術的には実現可能性が高いと思うけどね.何しろ海上配備のレーザー砲は好天時でも海の上はレーザー光線を吸収してしまう湿気が多くて射程が極めて短くなってしまう環境だし,荒天時にはそれこそ雨粒で全く役に立たないのが艦載レーザー砲.それに比べると,成層圏でレーザー砲を使えば天候によるレーザー光吸収のための無力化の心配はない.

            • 匿名
            • 2021年 8月 07日

            見通し距離の事は考慮してる?
            地上管制局だと数十mのアンテナを立ててると仮定してセンサーノードが高度6000mで350km足らず、12000まで上げてようやく500kmかそこら、スカイツリー並みのアンテナを立てても同じく450km、550kmかそこらだよね。
            北はまあ北海道か青森のどこかに設置すればいいとして、
            西はほぼ沖縄本島一択、そうでなければ中継ノード必須になる訳で、
            何をどうやってもイマイチ脆弱な運用体制しか想像できんのだけど。

            2
              • 匿名
              • 2021年 8月 08日

              ごめん、レスズレた。
              分かると思うけど少し上の地上局案へのレスね。

      • 匿名
      • 2021年 8月 07日

      日本本土の高価値目標は開戦劈頭の弾道弾で破壊される可能性もあるし、飛ばせても長距離対空ミサイルの餌食になる可能性もある。
      自衛隊機がグァムかハワイを根拠地として運用される可能性もこの先あるんじゃないかなぁと思ってる。

      1
      • 匿名
      • 2021年 8月 07日

      難しいから、AWACSからレーダーを外してステルス化って方向にいくんじゃない?
      レーダーは無人機や戦闘機といった他友軍機のものから収集し、あくまでも情報処理機として割り切るなら、生存率はグッと上がる

    • 匿名
    • 2021年 8月 07日

    E-7は本格的に無人機との連携を前提にした初の管制機になるのかな

    • 匿名
    • 2021年 8月 08日

    AWACSの長距離ミサイル対策としては米空軍のお偉いさんが別の脆弱な航空機防護の話しているから、個人的にはそれを転用するだけだと個人的には思っている。これについてソース出せって言うなら、今年発売された軍研読み返せとしか言えんが、そこも米国のニュースサイトだったかの引用してたから探すと出てくるかもな。

    後センサーノードとかに関しては色々と考える必要がある。より良い監視網構築の為にUAVとか増やせば良いとか言う人居るけど、その増やしたUAVやそれに搭載するレーダーとかのセンサー類の維持にも金は掛かる訳で結果的にAWACS以上の費用が飛ぶとかある可能性は考慮すべきだよ。将来的にレーダー換装して防御手段を得たAWACS運用する方が探知性能もランニングコスト含めコスパがいいですって流れもあり得る話じゃないかね。

      • 匿名
      • 2021年 8月 08日

      分からんでもないけど、ことセンサー機については無人化がどんどん進むんじゃないかなぁ。
      10000m以上を飛ぶセンサー機にとって気密と食住排に掛かるコストの要否の差は大きいし、何十時間も滞空できるセンサー機は乗員の負担もキツいでしょ。

        • 匿名
        • 2021年 8月 08日

        具体的に何十時間ってどれ位を想定しているの?20時間越えの話し?E-3Dは無給油で約11時間飛べる、空中給油で伸ばしても食事スペースやベッドがあるから1日くらいはやってのけられそうだがよほど説破詰まった状態じゃ無い限り期無給油での限界時間で交代するのが普通じゃねぇ?

        1
          • 匿名
          • 2021年 8月 09日

          潤滑油の関係でE-3系列も飛ばせる時間に制限無かったか?

          1
          • 匿名
          • 2021年 8月 09日

          何十時間、ってんだからそりゃ少なくとも20時間越え、出来れば24時間以上の想定だよ。
          24時間(+展開・撤収に要するα)任務を継続出来れば日々定時の運用作業で24時間ローテーションを維持出来るからね。
          実際ヘロンやバイラクタルTB2クラスでも普通に24時間以上の滞空が可能なんだから、常時展開するセンサーノードにはこの程度の性能は期待するよ。

          >E-3Dは無給油で約11時間飛べる、空中給油で伸ばしても食事スペースやベッドがあるから

          これがまさしく「食住排に掛かるコスト」でしょ。有人機で連続任務時間を伸ばそうとすると、これら飛行や任務とは無関係の要素が加速度的に増えるんだよ。

          >よほど説破詰まった状態じゃ無い限り期無給油での限界時間で交代するのが普通

          それも有人故の縛りでしょ?
          貴方は何を主張したいの?

    • 匿名
    • 2021年 8月 08日

    E-737納品されてから退役させろよ。

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