英海軍は無人航空機開発「Project Vixen」を進めており、無人戦闘機や無人早期警戒/空中給油機など複数の無人航空機を2030年までに導入するを目指している。
参考:UK considering carrier based drones for aerial refuelling
参考:Royal Navy Project Vixen exploring potential Carrier UAS
英国のF-35B削減への動きは財政的な問題ではなく必要性に応じた結果なのかもしれない
英国のベン・ウォレス国防相は軍の再編計画を発表して第6世代戦闘機「テンペスト」開発優先を明確に打ち出したが、噂されていたF-35B調達打ち切りに関しては「発注済み48機以上にF-35B戦力を成長させる」と言及しただけで約束通り138機導入するのか48機以上だがコミットライン以下なのかは明かしていない。
問題はなぜF-35Bの調達数を削減するのかだが、これは財政的にF-35Bを調達しながらテンペストの開発と調達を同時並行で行うのが難しためと言われている。
しかし英海軍が公開した将来の海上航空部隊に関するプレゼンテーション資料を見ると財政的にF-35Bの調達が難しいのではなく、テクノロジーの発達によって戦場環境が変化したためF-35Bオンリーの戦力構造よりもF-35B+無人航空機による戦力構造の方が時代にマッチしているため138機も必要なくなったという方が正しいのかもしれない。
公開された将来の海上航空部隊に関するプレゼンテーション資料によれば英海軍は将来の脅威に対応可能で、損耗を吸収でき過度な人命リスクを負うことなくディープストライクを実行するため固定翼タイプの無人航空機開発「Project Vixen(※)」を進めており、基本型となるVixenを元に無人戦闘機や無人早期警戒/空中給油機など複数の無人航空機を2030年までに導入する予定で消耗タイプのUAVや対応力を飽和させため敵のタスクをより複雑により負荷の高いものにする戦力増強装置と呼ばれるUAVの開発も示唆している。
3補足:Vixenとは英海軍の艦上戦闘機デ・ハビランド シービクセンに因んでいるのではないかと噂されている
要するにF-35B削減でギャップが生じた空白を埋めるため英空軍が開発を進めている無人戦闘機「Lancaa」で穴埋めするのではなく、クイーン・エリザベス級空母の戦力構造を見直した結果F-35B+Vixenの組み合わせの方が優れているためF-35B削減の方向で動いているという意味だ。
ウォレス国防相の今回の発表でF-35Bの最終調達数に言及が無かったのはProject Vixenが軌道に乗るまで退路を断ちたくなかったためで、2025年予定されている次の防衛レビューあたりで最終的に英国はF-35B+Vixenの組み合わせで行くのか、F-35Bオンリーに戻す必要があるのかハッキリしてくるだろう。
因みに英国防省は3年~5年以内に艦船への搭載が可能な電磁式カタパルトとアレスティングワイヤに関するRFI(情報提供依頼書)を発行済みで、このRFIによれば両システムに求められている射出/回収性能はF-35BやF-35Cなどの戦闘重量に対応していないため「無人航空機を想定したものだろう」と推測されていたが、Project Vixenの存在が公表されたことで全ての歯車が揃った形だ。
果たして英空軍が開発を進めている無人戦闘機「Lancaa」と関連性があるのかなど不明な点も多いが、非常にアグレッシブな取り組みなので個人的には応援したい。
関連記事:英海軍、空母で無人航空機を運用するため電磁式カタパルト採用を検討か
関連記事:英空軍はテンペストと無人戦闘機を優先、F-35Bの調達規模は60機~72機程度?
関連記事:英国防省、無人戦闘機の技術実証機「モスキート」を2023年までに開発
※アイキャッチ画像の出典:英国空軍
デ・ハビラント
懐かしい名前だ
それにしても財源の乏しい英国が空海軍別に開発すすめてるというのはいただけないな
かつての3B爆撃機みたいに無駄遣い批判されるかも
空軍の方の計画がモスキート(Project Mosquito)なのは語呂合わせなのか
あ、訂正
3V爆撃機だった
日本もF-35Bを導入していずも型で運用することが決まってるけど、いずも型のサイズだと電磁カタパルトを埋め込むだけのスペースないしなぁ。
でも、QE級も艦首にスキージャンプを付けてるけどどこにカタパルト埋め込むつもりなんだろ?
アングルドデッキでもつけんのかな
カタパルトで加速してさらにスキージャンプするんだぞ、まさに英国面
Bにカタパルト用前脚とか余分なものはないと思う。
元の記事でも「(英が求めてる)射出/回収性能はF-35BやF-35Cなどの戦闘重量に対応していない」つーてるだろ。
ここでいずもに組み込むスペースがない、と言ってるのも「F-35B+無人機の運用で、無人機を射出するためのカタパルト」の話でしょ。
イギリスなら今のジャンプ台撤去してカタパルト付きジャンプ台と入れ替えるぐらいのウルトラCを期待したい
左舷甲板に中央滑走線と平行で、でいいんじゃない?
甲板の前端部を整形する必要はあるかもしれないけど。
着艦甲板も左舷をそのまま真っ直ぐ使っちゃえば右舷の駐機場と中央の滑走線を邪魔せずに済む。
船尾側に付けるのでは? 追い風を受けつつスロー航行すれば、船尾からshootできるかと。
英海軍が次世代を託す無人機ビクセンとは如何なる機体なのか。
汎用型にするみたいだけど、そうするとかなり大きな機体になるのかな?
「Project Vixen」ですから「Vixen」は各種タイプ無人機システム開発の計画名でしょ。
記事からは各用途に共通プラットフォームを採用するのかどうかは分かりません。
ヴィクセンとはメスの狐、転じて意地悪女という意味があるそうです。ヘルキャットと似た意味なんですね。
罠を仕掛けておいてあっさり全滅とはな 使えない連中だ
これは警告だ 今のうちに手を引け
貴様ごときがこのスティンガーに勝てる訳が無い
いいか 俺は面倒が嫌いなんだ
あ、面倒が嫌いな人だ
メイドインアメリカの装備品は高騰化してるし
自衛隊の装備品開発は英国との協力を増やして欲しい
高い金で買わせといて、イザ使いたい時にはやれ「制裁」だ何だと難癖つけて使わせないしな
金をドブに捨ててる様なもんだわ
>>無人戦闘機や無人早期警戒/空中給油機など複数の無人航空機を
欲張りセットじゃん
これまさか全部同じフレームの機体のバリエーションとして開発する無人機版F-35みたいな計画じゃないよね・・・
戦闘機が「滞空型のミサイルキャリア」とかなら3機種共通フレームでも別に全然問題ないんじゃね?
有人戦闘機+無人機の組み合わせによって有人戦闘機の必要数を大幅に減らす将来ドクトリンの実現の可能性が出てきた一方で
無人戦闘機の開発が絶対に成功する保証も無いので、保険として有人戦闘機の調達と開発計画もそれぞれ維持するのがイギリスの戦略って話なわけよな
そんで恐らく日本もイギリスと同様の意図を持ってF-35の調達とF-3開発計画を並行作業で進めているんだと考えられる
ただ日本の場合、現在のスケジュールだと無人機の開発は早くてもF-3開発後の2030年代以降になるわけで
F-35を140機以上も買い揃えてしまった後での話となってしまう
つまり日本において無人機の開発によって調達数削減または開発計画のキャンセルの割を食らうのは、F-35ではなく、F-3になる
予算の問題だろうが、戦場環境の変化の問題だろうが、有人戦闘機+無人機の時代が始まれば有人戦闘機の枠は大幅に減らされる事に違いは無いわけで
イギリスの場合は先にF-35削減の保険を掛けてテンペスト調達優先を確定させる巧みな戦略を取ってみせたわけだけど
日本に同様の強かさがあるんだろうか?
なんで「大幅に減らす」が当然に起こるって思ってるんすか?
本邦の現状の航空戦力(総数)じゃ成長する中国軍に対抗できるはずないじゃん
予算の問題は発生すると思うけど増勢は必至でしょう。それが無人機になりそうなんじゃ?
???
予算の問題が発生するという自覚があるなら
戦闘機定数の維持または増勢+別枠で無人機の大量増勢なんてのが虚言や妄想や戯言の類だと理解できるよね?
なんで虚言の類だの唾棄できるんすか???状況認識が楽観的すぎでは?
差し迫った脅威に対処するのは当然でしょうに。向こうが拡大してるんだからこっちも拡大せざるを得ないじゃん
財務省が純減以外認める訳無いだろいい加減にしろ
横だが
今 戦争をしてるわけでは無いし、スクランブルの数を稼がないといかん。
無人機のみでのスクランブルは駄目だろうから必ず有人機も必要になる。
F-2の調達数が削られた事での苦労を鑑みれば今後も激しい消耗が考えられ
F-3の調達削減は命取りになるヤも知れんし MSIPの代替えで追加調達も必要では無いか?
財務は大事だが、国が無くなっては元も子もない。
財務省は自衛艦の人命なんて端から眼中に無いので…
彼らに見えるのは帳簿数字のみ
ドローン用の電磁カタパルトとか本当にユニークな国だな