フランス軍参謀本部はShahed-136迎撃について「ラファールはドローン狩りに不向きだ」「機関砲で迎撃すれば爆発したドローンの破片が自機に当たる」と明かしていたが、ピエール・シル陸軍参謀総長「タイガーを中東地域に配備した」と言及し、攻撃ヘリによるShahed-136迎撃の有効性は本物なのだろう。
参考:Général Schill : « Nous déployons des hélicoptères Tigre contre les drones au Moyen-Orient »
参考:12th CAB proves Apache effectiveness in counter-drone operations
参考:A Polish aircraft against drones, as in Ukraine?
現時点でM28のガンシップ化はShahed-136迎撃に最適化したソリューションなのかもしれない
米国とイスラエルは2月28日にイランへの大規模な共同攻撃を開始し、イランも弾道ミサイルや自爆型無人機でイスラエル、米軍基地、この戦争を支援する国の基地がある中東諸国に反撃を加え、米国製の高価な迎撃ミサイルを信じられないスピードで消耗させて問題になっているが、中東諸国と防衛協定を締結しているフランスでも同様の問題が浮上し、フランスメディアのLe Mondeは21日「イラン紛争は弾薬備蓄の戦争で、フランスにとってもますます持続不可能になっている」と報じ、この中でラファールはドローン狩りに不向きだと指摘した。

出典:IMA Media 演習に登場したShahed-136
“フランスは欧州諸国の中で最も深くこの戦争に関与しており、フランスと英国は中東諸国との防衛協定(機密扱いの支援条項を含む)で結ばれているため状況は特に深刻だ。関係者も「アラブ首長国連邦と締結した防衛協定は特に要求水準が高い」と明かす。フランス軍はアラブ首長国連邦と常駐基地を置くヨルダンを防衛するため10機配備しているラファールを24機に増強し、英軍も通常より4機多い計8機のタイフーンでカタール、バーレーン、アラブ首長国連邦の防衛を支援している”
“イランが発射するドローンやミサイルを撃墜するため、ラファールやタイフーンは理論的に機関砲か空対空ミサイルを使用する。フランス空軍は主にMICAを使用しているが、このミサイルの備蓄は目に見えて減少しており、フランス空軍内部でも異例の事態として「MICA備蓄に対する懸念の声」が公然と上がり始めている。Le Mondeが複数の専門家と公開データから試算したところ、開戦前のMICA備蓄はわずか数百発しかなく、これまでに数十発のMICAを中東で消耗した”

出典:I, Captainm/CC BY-SA 3.0
“しかもMICA備蓄を補充する余裕がほとんどない。すでにMBDAは最大生産率で稼働中で、フランスは米国と異なり「安全保障状況が危機と判断した場合、納入したミサイルを緊急回収できる条項」を輸出契約に盛り込んでいない。フランスは公式な運用コストに関する数字を公表していないが、MICAの単価は約100万ユーロ、ラファールの1飛行時間あたりのコストは2万ユーロで、専門家は「この戦争がいつまで続くのか誰にも分からない。イランにとっては生死をかけた全面戦争だ。本格的な連鎖反応のリスクがある。エスカレーションか、混乱か、たとえ我々が直接参戦しなくても相当な規模の戦力を投入せざるを得ない状況だ」という”
“湾岸諸国では主に米国のパトリオットとTHAADが使われているが、このシステムで使用される迎撃ミサイルも極めて貴重だ。そのためドローン対策として現実的な低コスト兵器へのシフトが始まっている。重機関銃や対空砲を車両に搭載する動きが活発化しており、武装ヘリコプターで対応する動きも広がっている。フランスもドローン対策のコスト低減策を検討しており、数日内に実験中のシステムを展開する可能性がある。フランス軍参謀本部広報官のギヨーム・ヴェルネ大佐は「脅威に合わせて態勢を適応させ、持続可能性を常に意識している」と説明する”

出典:Armée de l’Air et de l’Espace
“湾岸に展開しているラファールには30mm機関砲も搭載されているが、ヴェルネ大佐は「ラファールはドローン狩りには不向きだ」「ドローンを撃つにはかなり接近しなければならず、爆発した破片が自機に当たる確率が9割以上だ」と指摘する。ある専門家も「現在起きていることに驚きはない」と述べ、ボラー氏も「これはイランの意図的な戦略だ」「まず古い型式のミサイルと大量のドローンで敵の防空システムを飽和させ、迎撃ミサイルの在庫を削り、その後に本命の高性能ミサイルを使う。この手法はすでに去年の『12日間戦争』で使われたものだ」と結論づけた”
高度な有人戦闘機がドローン狩りに不向きという指摘は目新しいものではなく、ポーランドのディフェンスメディア=Defence24は「ウクライナ空軍のF-16はShahed-136を迎撃するため第二次世界大戦のような戦闘を繰り広げている」「F-16に搭載されたM61A1バルカン砲でShahed-136を迎撃することは難易度と危険度が非常に高い」と報じ、外交政策研究所も昨年11月に発表した報告書(ドローンと一斉攻撃:米国によるイスラエル防衛から学ぶ教訓)の中で「米英の戦闘機がイランのShahed型無人機を発見して迎撃するのは非常に困難だった」と指摘。

出典:Photo Credit: U.S. Army photo by Markus Rauchenberger
これは高度な有人戦闘機がドローン狩りで役に立たないという意味ではなく「高価な空対空ミサイルを使用すれば迎撃コストが持続的ではない」「固定式の機関砲を使用すれば自機が損傷するリスクが高い」という意味で、イスラエルはAH-64の左右に旋回できる機関砲を使用してShahed-136を迎撃しており「攻撃ヘリによるShahed-136の迎撃は有効かつ安価だ」という認識が広まり、米陸軍も3月の演習=Operation SkyfallでAH-64Eによるドローンをテストし「アパッチが対ドローン作戦においても有効だ確認できた」「この種の交戦は経験がないので戦術、技術、手順を開発する必要がある」と明かしている。
仏陸軍のピエール・シル参謀総長もLe Pointの取材に「中東地域に派遣された陸軍部隊の防空能力はポイントディフェンス(射程6km)に限定されているため、まだ陸軍はShahed-136と交戦していない。そのためタイガー攻撃ヘリを4機配備した。タイガーはより広い範囲で運用できるためドローン迎撃に関与する可能性がはるかに高くなる。タイガー派遣の主目的は非常に強力な30mm機関砲を活用することで、レーザー誘導方式のロケット弾搭載も急いでいる」「他のヘリでもドローン迎撃テストを行っている。一部のモデルは効果的なように見えるが大半のモデルは操縦が非常に複雑になる」と言及。
フランス軍参謀本部が「ドローン対策のコスト低減策を検討しており、数日内に実験中のシステムを展開する可能性がある」と言及していたのはタイガーやAST78迎撃ドローンのことだと思われ、イスラエルが実戦で実証した「攻撃ヘリによるShahed-136迎撃の有効性」は本物で、現時点における最適解なのかもしれない。
ちなみに、ポーランドのPZL MielecはAn-28の派生機=M28を対ドローン迎撃のガンシップに改造することを提案している。
#Poland may turn its M28 into a drone hunter 🇵🇱✈️ Lessons from #Ukraine are shaping next-gen air defense. pic.twitter.com/9psxQNZHeG
— Defence24com (@Defence24eng) March 27, 2026
ドイツのディフェンスメディア=hartpunktは「どうして安価なドローンが高価な装備を破壊できるのか?」という記事の中で「既存のシステムがShahed-136に対処できないのは装備が最適化されていないため」と指摘していたが、現時点でM28のガンシップ化はShahed-136迎撃に最適化したソリューションなのかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Armée de Terre



















「ガンシップ」ってAC-130みたいなの想像してたら、本当にガン山積みで「ガンシップ」だ
最終目標はこれの無人機化かな