エストニア国防軍のAFV・MRAP契約を巡ってフィンランド、フランス、イタリア、イスラエル、スペイン、トルコが争っていたが、エストニア国防省は19日「トルコ企業2社と総額2億ユーロの契約(計230輌)を締結した」と発表した。
参考:Estonia to Purchase Approximately €200 Million Worth of New Armoured Vehicles
UAVに比べて規制や制限は少ない陸上プラットフォームは輸出し易い
エストニア国防省は「第2歩兵旅団向けの装甲戦闘車両(AFV)」「第1・第2旅団で使用する戦術車輌」を調達するため入札を実施、この契約をフィンランド、フランス、イタリア、イスラエル、スペイン、トルコの企業9社が争っていたが、エストニア国防省は「トルコ企業2社と総額2億ユーロの契約(計230輌)を締結した」と発表した。
🇪🇪🤝🇹🇷 #Estonia has signed contracts with companies from #Türkiye to supply our #defence forces with around 230 wheeled armoured vehicles. This is an important capability upgrade, enhancing armour protection and mobility.
Read more: https://t.co/NucrVOeSqX pic.twitter.com/gAn0EH0IEv
— MoD Estonia (@MoD_Estonia) October 18, 2023
契約を獲得したのは第2歩兵旅団向けの装甲戦闘車両に「ARMA6x6」を提案したオトカル社と、第1・第2旅団で使用する戦術車輌に「NMS4X4」を提案したヌロル・マキナ社で、エストニア国防省は「入札は9社による非常に激しい競争になり、(要求要件を満たしている上で)納期と価格を重視して選定した。オトカル社とヌロル・マキナ社は装甲車輌の製造に豊富な経験を有している」と、エストニア国防軍のヴェイコ・ヴェロ・パーム少将も「今回調達する装甲戦闘車両によって第2歩兵旅団の生存性と柔軟性が向上するだろう」と述べている。
オトカル社のARMA6x6はFNSS提案のPARS6x6に破れてトルコ陸軍採用を逃したものの、バーレーン(73輌)やアラブ首長国連邦(400輌)からの受注を獲得、カザフスタンも調達を検討中(約800輌)だと報じられており、ARMA6x6は海外から高い評価を獲得しているAFVだ。
ヌロル・マキナ社のNMS4X4は耐地雷・伏撃防護車両(MRAP)の一種で、同社のアヌル・カレル副社長は2022年6月「今年中に契約を締結した3ヶ国(詳細は不明)へNMS4X4を納車する予定だ」と述べているため、こちらもARMA6x6と同様に高い評価を獲得しているのだろう。
因みにトルコの武器輸出(44億ドル/国内売上を加えると122億ドル)を牽引するのはUAV/UCAVではなく伝統的な陸上装備で、トルコの軍事アナリストは「UAVに比べて規制や制限は少ない陸上プラットフォームは輸出し易い」と述べている。
関連記事:サウジアラビアがAkinci導入、トルコは史上最大の武器輸出契約を獲得
関連記事:トルコ、武器輸出を通じた2ヶ国関係の強化は利益の数字よりも価値がある
※アイキャッチ画像の出典:Otokar Savunma Sanayi
>陸上プラットフォームは輸出し易い
確かに技術的な制約が少なく輸出はしやすいのでしょうが、それは他国にとっても同じで、それ故に厳しい受注競争となると言う話ですね。
日本も昨今、武器輸出に関する議論が注目されるようになりましたが、日本側の事情だけでなく、相手国・他の競合国の視点も持ち合わせる必要がありそうですね。
管理人様
記事本文の社名と製品名があべこべになっているように見受けられます。
NMS4×4はヌロルマキナ社
ARMA6×6はオトカル社
完全に間違えました。ご指摘ありがとうございます。
大阪の万博は海外パビリオンの出展が少なくて困っているのだから
こういうのも展示してもいいじゃんと思ってしまう。