インドのBusiness Standardは「陸軍がDRDOとラーセン&トゥブロに軽戦車のプロトタイプ開発を発注した」と報じており、ロシアのスプルートSDと韓国のK21-105は採用に至らなかった。
参考:L&T gets order to build prototype of light tank for Sino-India border
DRDOとラーセン&トゥブロが開発する軽戦車は韓国が提案していたK21-105と同じ構成
インド陸軍は2020年に標高の高いカシミール州ラダック(平均標高約3,500m)で中国軍と対峙、T-72やT-90Sを投入したものの急勾配の狭い山道では機動性に難があり、搭載された主砲も高低差のある目標との交戦に不向きだったため軽戦車の新規調達を検討。
ロシアがスプルートSD、韓国がK21-105、DRDOとラーセン&トゥブロがK9ベースの軽戦車を提案、インドのBusiness Standardは「陸軍がDRDOとラーセン&トゥブロに軽戦車のプロトタイプ開発を発注した」と報じている。
K9の車体をベースに軽戦車を開発すると重量が35トンになってインド陸軍の要求=25トン以下を満たせないため、DRDOとラーセン&トゥブロはMTU製エンジン(800馬力)を搭載する車体を開発、これに105mm砲を搭載したコッカリル製の砲塔を組み込んで重量25トン以内の軽戦車に仕上げる予定だ。
この軽戦車は韓国が提案していたK21-105(K21の車体にコッカリル製の砲塔を搭載して25トン)と同じなのだが、350輌程度の調達が見込まれているため国内での開発・製造を重視したのかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Hanwha Defense / K21-105 Medium Tank
ロシアの現状から見ればスプルートSDの採用はまず有り得なかったので、事実上K21-105対DRDOとラーセン&トゥブロ製国産軽戦車案の一騎討ちになったと思いますが、結果的に韓国が以前インドに輸出したK9の車体を事実上のプロトタイプにしたDRDOとラーセン&トゥブロ案が選定された事で韓国が馬鹿を見た結末になりましたね
韓国が輸出武器のカスタマイズを相手国に認めた結果が、今回は裏目に出たと言えます
日本も武器輸出の際はこの辺に注意すべきでしょうが、インドもこんな事ばかりやっていると幾ら武器の国産化が進んでいるとは言え、マトモな先進国武器メーカーからは相手にされなくなると思います
現在進行形で防衛産業が死にかけてる本邦より、将来的にライバルを増やしても、欧米との競りに負けてない韓国の方が賢い選択をしていると思いますが?
これ以上何に注意しろと?
>何のため
財閥のためでしょうね。
韓国案も輸入品のCMI砲塔だし国産案と違うのは車体だが、その車体もK9ベースでの機関部変更の短車体であるなら統合化では韓国の技術援助での車体国産化という可能性はかなりある。
そもそも輸出実績ゼロのK21を使った韓国案そのものが当て馬で元々K9車体ベースで内製化するのが予定通りであっても所要数で350なら違和感はない。
仮に35tの前者案で採用するにせよ車体の全車輸入はありえないだろう。また砲塔を供給するCMI側も車体統合化は単独では不可能。インド自力でもそう容易な話ではなく韓国が蚊帳の外なはずはないぞ。
>韓国が馬鹿を見た結末
そうですかねえ?K9の車体ベースならインド生産とはいえ韓国メーカーにも多少金は落ちるわけで、韓国にとって必ずしも悪い結果ではないと思いますよ。K21-105はむしろ当て馬にされることを見込んでたんでは?
>K9の車体をベースに軽戦車を開発すると重量が35トンになってインド陸軍の要求=25トン以下を満たせないため、DRDOとラーセン&トゥブロはMTU製エンジン(800馬力)を搭載する車体を開発
これを見る限りK9ベースではありません。K21-105が当て馬ということでは無いと思います。
ただ、韓国の兵器輸出ドクトリンとしては輸出先への技術移転により将来的ライバルになる可能性に目をつぶっても外貨を獲得して更なる開発の原資とする&採用国増による技術系統のデファクトスタンダード化を期待するということだと思うので、今回のような事態が起きることも覚悟の上ではないかと。
重量25トン以内で105mm砲搭載の軽戦車だと中国の15式軽戦車に対して不利だと思いますがはてさて。
K9ベースと言っているけど記事に書いてあるように車体は開発、
K9は自走砲で今回のは軽戦車なので砲塔と搭載砲も当然交換するだろう
車体+砲塔+搭載砲=車両 と考えている俺にはどこら辺がK9ベースなのかが分からない
>K9の車体をベースに軽戦車を開発すると重量が35トンになってインド陸軍の要求=25トン以下を満たせないため、DRDOとラーセン&トゥブロはMTU製エンジン(800馬力)を搭載する車体を開発、これに105mm砲を搭載したコッカリル製の砲塔を組み込んで重量25トン以内の軽戦車に仕上げる予定だ。
最初に提案したのはK9ベースの35t。
発注されたのは新開発の25t。
インド向けのK9車体は高地運用向けの特注だから開発期間も結構長く掛かってる。それを短車体型で転用する以外の選択肢はそもそもありえないだろう。
当初のK21派生で提案とか言うのも韓軍向けデモ車のまんま転用にすぎず高地運用型になってるはずがない。105のTKG砲塔のっけてIFV型に同じ重量ってもそもそもおかしい。なので当て馬という他ない。
ハンファ側にしろ最初からインド向けK9車体ベースで提案しなかったの提出期日が理由だろうし、インド国内で内製化されてる高地仕様のK9車体の派生は何も軽戦車に限らずIFV型だってありえる。
要は諸々の話はK9採用の時に同じく国産化の根拠で必要なプロセスだったんだろうなという事。
むしろなぜ日本にこの系統の軽戦車がないんでしょうか
有識者の方教えて下さい
16式機動戦闘車があるでしょ。
こいつの主敵の15式軽戦車は高地用の軽戦車なんですよ。MBTでは重量と出力両面で機動力だだ下がりのような土地、海抜3000mや時には5000mでも行動できるもの。こんな土地かつ係争地はは中国インドやアフガンの他に早々ないですからね。
単に日本がなんで軽戦車を持たないのかという問いであれば、不要だから。その金でMBT整備すればよし。歩兵砲またはIFV撃破できれば良いなら16式がいるしね。
それはさておき現代で軽戦車の存在意義を考察すると案外楽しそうですね。
90式/10式も世界的に見れば十分「軽」戦車なので
東西冷戦時代真っ只中では、中途半端な戦闘力の軽戦車を開発・装備化する予算的余裕は無かったに尽きるかと。
冷戦末期は高度成長とバブルの時代で防衛予算も比較的潤沢になり、当時の旧ソ連主力戦車に正面から対抗できる高価な90式の主力配備を予定していました。軽戦車が担うような任務(威力偵察や直射支援)は74式を当てる構想だったでしょう。
その後冷戦終結とバブル崩壊で防衛戦略の再検討時期に入ります。
結果的に陸自では、攻防走で90式以上の戦闘力を有し且つ軽量な10式の装備化を経て、老朽化が進む74式の代替に軽戦車的任務を担う装備として16MCVが開発されました。
戦略展開を考慮し、道路網が整備された我が国では装輪車が効果的効率的と判断されたのかと。
RRR見たらゴリゴリの軍備増強プロパガンダ映画でワロタ
余計なお世話かもですが。
高地&寒冷地では燃料はどうしているのでしょうか。
ケロシンは-10°では保温装置や添加剤が必須と聞いたことがあります。
自動車で言う冬季用の軽油を使うのかな。
自動車用ガソリンの方が良いのではと思ったりして。。
今回の話はロシアと韓国の兵器産業がお互いに共同生産に向かう契機になるだろう。
アメリカの兵器産業は日本で十分稼いでいる。
K9ベースということは基本装甲はRHAになるのね