インドは友好国に対して国産軽戦闘機「テジャスMK.1A」をインド空軍と同じ価格で提供することが出来ると語り注目を集めている。
参考:LCA-MK1A to cost ₹306 crore, HAL actively pursuing exports – The Hindu
戦闘機テジャス+国産の搭載兵器+国産のエア・チーミングシステムをパッケージで提案できるインドの強み
インドの国産戦闘機テジャス開発は1980年代に始まり政治的問題や技術的問題で紆余曲折を経験した影響で計画は大幅に遅延、普通なら中止に追い込まれてもおかしくはない状況を忍耐強く乗り切って昨年5月から完全作戦能力を獲得したテジャスMK.1の実戦配備が始まっているのだが、テジャスの真打ちはMK.1と開発中のMK.2との中間に位置する「テジャスMK.1A」だ。
このテジャスMK.1Aは開発中のMK.2に採用予定の新技術(国産AESAレーダー、デジタルレーダー警告受信機、電子妨害ポッドなど)を先取りする形で統合されているため、MK.1よりも戦闘能力が数段優れている機体と言われおり、インド空軍は旧ソ連製戦闘機MiG-21の更新用にMK.1Aを83機(MK.1Aを73機+訓練機仕様のMK.1複座型を10機)調達するため65億6,000万ドル(約6,810億円)を支出することを正式に承認、これを受けて同機を製造しているヒンドスタン航空機は生産ラインを増設(年間16機供給可能)している。
要するにMK.1Aの調達コスト(機体単価+予備パーツ+各種保守サービスを含め価格)は1機あたり7,000万ドル台ということになり、現地メディア「THE HINDU」はヒンドスタン航空機のMadhavan氏に対する取材からMK.1Aの機体単価は4,240万ドル(訓練機の複座型は3,840万ドル)だと報じている。
さらに同紙は東南アジアや西アジアの友好国に対してインド空軍と同仕様のテジャスMK.1Aを同価格で提供できるとMadhavan氏が語ったと報じており、ヒンドスタン航空機はテジャスの海外輸出を目論んでいると伝えているのが印象的だ。
機体単価だけで判断すればロッキード・マーティンが海外市場に供給しているF-16V(初期発注分の推定機体単価は約5,490万ドル)よりも安価で、今月7日に閉幕したエアロ・インディア2021でヒンドスタン航空機はテジャスを中心としたエア・チーミングシステム=戦闘機テジャスに随伴して作動する無人戦闘機「Warrior」を発表するなど欧米が実用化を目指している有人無人チーミング能力まで提供できる可能性を秘めているため、テジャス単体ではなくエア・チーミングを含めたパッケージとして見ると資金力で劣る東南アジアにとっては魅力的に映るかもしれない。
特に東南アジア市場を狙っている韓国のKF-Xにとっては非常に強力なライバルとなるはずだ。
戦闘機単体として見れば双発でテジャスよりも機体が大型なKF-Xの方が性能的に優れているのかもしれない。しかし機体単価が6,000万ドル前後と高価で搭載兵器を欧米からの輸入(国産化の計画は存在する)に頼っており専用のエア・チーミングシステムに関しても今のところ計画がないため、戦闘機テジャス+国産の搭載兵器+国産のエア・チーミングシステムをパッケージで提案できるインドと東南アジアで競合すれば面白い勝負になるだろう。
Cats warrior is a near stealth UAV why flies along the plane that can deploy A2A or A2G munitions..It has supposedly a range of 800 km and can be used to penetrate enemy air defenses..without risking actual pilots or can be used to defend pilot from enemy aircraft pic.twitter.com/LQDmnSppsb
— Kya bola kya bola (ఏమంటివి ఏమంటివి) (@Telugu_vaaru) February 3, 2021
因みにヒンドスタン航空機の説明よれば「Warriorの開発に5年以上前から取り組んで主要なシステム開発を進めている。Warriorは国産戦闘機テジャスと連携して作動するよう設計されており、テジャスはミサイルで武装した複数のWarriorを制御できるようになる」と語り、現地メディアは3年~5年以内にWarriorのプロトタイプが初飛行を行うだろうと予想している。
関連記事:インド、国産の艦上戦闘機「TEDBF」やステルス無人戦闘機「Warrior」を初公開
※アイキャッチ画像の出典:Venkat Mangudi / CC BY-SA 2.0 国産戦闘機「テジャス」
KFXの最終的な値段がどれくらいになるかだな、既にインドネシア離脱がほぼ確定状態で、当初の予定より値上げが予想されてるから仮に90億近くなれば価格での競争では勝てないし。乗せれる装備が限られてるマイナス要素もある。
ただテジャスも性能面で軍部から不満を持たれてるって話もあるから、輸入国の要求に見合うのかはちょっと分からないところだな、勿論、それはKFXにも言える訳ですけどね。各国のパーツを集めて組み立てた国産と言うには疑問な機体だが、逆に言うと枯れていて余所の基準は満たしてる技術の寄せ集めとも言える。でも再設計レベルの改修が当初から予定されてるから、改修費支払わないと長く使えないのは確定なのがマイナス要素か。
もし仮にブラモスもセットで売ってくれるならならKFXは勝てないだろうな。
面白いというか、そもそも比較対象にならないのでは?
KFXが上なのはエンジン出力だけで、あらゆる面でダメな気がする。
どっちもどっちだね。
あちこちで戦闘機を開発しているが、コモディティ化しているなあ。
インドの戦闘機が売られるなんて一昔前は考えられなかったな。安いならそれなりに買い手がつくか?
安くてとりあえず現代に求められる機能が揃っているなら東南アジア諸国にとっては魅力的かもしれませんね
中国と距離取りたがる国が対象になるのですかね。
中国に近しい国なら、安価戦闘機はFC-1があるので。
アジアにはヒンドゥー優位主義のインドに壁を感じる国は少なくないし、当然のように予定通りに進まないインドリズムを考慮すると、これは微妙な選択になりそう
むしろアフリカだののかつての非同盟諸国に食い込んで、中国兵器への抵抗勢力として育って欲しいわ
KFXはインドネシアが外れる事は殆ど確定で、それにより機体単価は上がると見込まれる
単なる価格だけならテジャスも確かに面白いが、対中を考えた場合に性能不足は目に見える。
幾ら東南アジア諸国でもテジャスを選ぶかはかなり悩むところじゃないかと予想。
一方、価格が上がるKFXを選ぶと、Fー16Vにも手が届いてしまう。
もっとも米国が売ってくれるか別であるし、KFXも装備品に規制がかかる恐れもある。
西側の戦闘機で選べる選択肢がなさ過ぎる…市場的にはロシア機も選択肢に入って来るだろうし
熱い市場ながらも混迷深そうだ
貫目が違う。もう完成済みのテジャスと絵に描いた餅のKFX。インドに凄く失礼。
テジャスMK1AとJ-20はいい勝負になりそうな気がする、テジャスのAESAレーダーがステルスと言っているJ-29を見つけるのが先か、J-20のレーダーが小型のテジャスを見つける荷が先か。
ECMを使って接近戦に持ち込めばテジャスが圧倒するのは目に見えている。
まあ銃器禁止でこん棒と投石で戦うような状況が航空機でも起きればそーなりますかね?
KFXの最終的な価格と性能がわからないと比較はできないなぁ
西側で安価な戦闘機っていったら、F16Vくらい?
一般的にこのような状況ではKFXは普通に販売せずにオフセット契約で逆に投資して後から値引くやり方で56億円位の価格にしてしまう作戦で販売する気では?インドネシア以外で買ってくれる所を探している可能性が高いデス。
>戦闘機テジャス+国産の搭載兵器+国産のエア・チーミングシステム
強みはこれにつきるかな?
ラファール(フランス)、日本のF-2にもにも言えるけどね
己の兵装コンピューター、己のミサイルで統合が自由
一国(フランス、インド)でミサイル、戦闘機を供給できる。
(テジャスの性能は別にして)
韓国は自前のミサイルを持っていない、国産ミサイルはほば頓挫かな?(KEPD-350の無断コピー版だしね)、搭載ミサイルはEU製だけど、IRST(近距離・空対空)さえ明確でなく、ミーティアだけ、兵装コンピューターが巷間言われてるようにSAAB系なら、Batch-2でのアメリカ製ミサイルのKFXへの搭載は無い、アメリカ側がSAABにミサイリル情報を100%開示する事を意味するから。
グリペンも兵装コンピューターはSAAB系だと思いますが、米国製ミサイルを扱えなかったでしょうか?
もう韓国が安さで勝負できる時代が終わったのか、早かったな
KFXは装備で他にアドバンテージ取れないから価格で勝負するしかないのに、その価格でさえ高騰すると見られてるからなぁ
低性能で安くもないという最悪の商品としてデビューする確率高い
商いは早すぎても遅すぎても成り立ちません、
火砲とか装甲車は国情とか国是によってニッチ化しやすいから自国開発できる国は自国開発するし、自国向けの兵器が国情の似通った他国に売れることはあると思う、K-9自走砲なんかはその類い
翻って戦闘機に求められる性能は国によってそこまで解離するものでもない(単発機に対艦ミサイルを4発詰みたがる変人のことは置いといて)、しかもライセンス生産で結構な国がある程度のノウハウを持ってたりするから、そこそこの国向けのそこそこの戦闘機はマジでどこまで値下げできるかがネックになりそう
ロッキードのL-1011を退けたもののDC-10の廉価販売をやり過ぎて傾いたマクドネル・ダグラスの例もあるし、本邦は首を突っ込むべきではないな、そもそも本邦が作りたいのはミドルエンド機じゃなくて敵国のステルス機に伍しえるハイエンド機なのだし
テジャスだけ見れば性能が微妙だとしてインド製戦闘機を躊躇うこともあるかも知れないが、後継機、そのまた後継機が高性能になるならばテジャスその他を購入してインド製兵器運用のノウハウを整えておくという先行投資的な選択もありかもしれない。
輸出でネックになるのは、GE製のエンジンでしょうね。
ガヴェリエンジンが完成していれば、主要部品の大半は自国開発・生産でまかなえましたし。
何故か記事はそこに触れていないよね
というか、このブログでも以前触れていたけど、もしも米国がインド軍のS-400地対空ミサイル導入に伴う『敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)』に基づく制裁を実行したら、デジャスMk.1A用のGE・F404エンジンの輸入なんて出来なくなるから、その時点でデジャスMk.1Aは息の根を止められる筈
なので、デジャスMk.1Aを輸出出来るとインドが言っている事自体、俺には寝言にしか聞こえないのだけど……
XF9-1「いやちょっと待ってください……もしかして、もしかするかも知れませんよ?」
いや、それはちょっとねぇ。
世間(市民団体)は許してくれませんよ。
それは、日本がクアッドを理由にガヴェリエンジン開発支援のためにXF9-1の技術を使うというウルトラCでしょうねぇ・・・。
まあ、プロ市民がうるさくて実現できないでしょうけども。
M88の推力強化版かトルコと取引をして出資率に応じた比率でエンジンの共同開発あたりするんじゃあないですかね?
あるいはロシア製エンジンを使うか
前方斜め上から撮った写真、カッコいいですね。
F-16XLを思い出しました。
そう見えるよね!
いくら値段が安かろうが東南アジア諸国がインド製の主要兵器を購入する可能性は非常に低い
これはインドが地域大国であるにも関わらず、徹底的な非同盟主義で、地域内の友好国であってすらも他国の紛争には支援、関与はしないという方針であるからで
日本製の主要兵器が売れにくい理由とほぼ同じ
じゃあ中国製、韓国製兵器がなぜ人気なのかというと、
中国の場合は徹底的な干渉主義の大国なので、戦争時の多大な支援が見込めるからで、これは米露製兵器の購入国とほぼ同じ理由
韓国の場合は逆に、多くの国にとっていつでも調達先を変更可能な、付き合いを切り捨てても後腐れの無い小国だからで
現在の欧州製兵器の扱いに近いから。実際、インドネシアによる韓国、欧州製兵器の取引の切り捨て様は、相手が米中露だったらあんな簡単には出来ない
兵器輸出の政治的経験値が低いという意味でインドは日本と同じで
これから、地域大国であるにも関わらず地域の友好国にすら主要兵器が売れない、自らの外交主義がもたらした国際的な地位の現実と向き合う事になるんだろう
その部分も日本と同じ
全く流れと関係ない話で申し訳ないんだがテジャスの引き渡しセレモニーの写真へどうしてもツッコミたい
テジャスはキー突っ込んで回してイグニッションするのか!?と…
ゴルフの副賞とかで車渡す時になんでキー型してるのかっていう本質を理解せずに
単によく見るセレモニーでキー型してるから真似してるだけなんでは?という疑念が拭えない…
印刷屋が流用しただけって可能性もあるが…それなら四角プレートでいいだろうしなぁ
兵器を造るのも売るのも、ほんとに難しいね
テジャスMK.1Aは軽戦闘機だし、メンテに労力とコストがかからないなら、
(元)非同盟諸国のような、インドの友好国には売れるだろうね
陸海の兵器と違って航空機は難しいなぁ
武器輸出イケイケドンドンの韓国も初飛行すらしていないKFXは売れるのだろうか…
練習機じゃなくて主力戦闘機だからなぁ
この議論は、初飛行まで取っておきましょうよ。
初飛行があれば、の話ですが。