豪海軍は無人化技術に定評のある米防衛産業企業「Anduril」と組むことでXLUUV分野の遅れを巻き返し、たった3年でXLUUVのプロトタイプ完成を狙っている。
参考:Anduril Industries in talks with Australia on autonomous undersea vehicle
参考:Anduril bets it can build 3 large autonomous subs for Aussies in 3 years
ボーイングと共同開発を進めているロイヤル・ウィングマンと同じ方式でXLUUVの実用化を考えているのだろう
まず本題に入る前に水中無人機「UUV(防衛省はUUVもUSVも一括に無人航走体と呼称)」の軍事利用について軽く説明しておく。
日本でも対機雷戦向けにUUV「OZZ-5」の開発が進められているが、同分野のUUVはノルウェーの大手防衛産業企業「コングスベルグ」が開発したREMUSシリーズによって実用化と普及が進んでおり、現在はUUVとチーミング可能な無人掃海艇の開発=掃海任務自体の無人化もしくは省力化に重点が置かれているが、耐久性が低い小型UUVとは別に「長期間に渡って任務を遂行可能な大型UUV=XLUUV/超大型水中無人機」の開発に各国がしのぎを削っている。
米海軍は単独運用もしくは次期攻撃型原潜「SSN-X」やバージニア原潜とチーミング可能なXLUUVの開発を進めており、ボーイングが開発したUUV「Echo Voyager(全長16m)」に着式のモジュール構造を採用したXLUUVのプロトタイプ「Orca/オルカ」の製造を2019年2月に発注。
Orcaは全長を最大26mまで伸ばすことで追加コンポーネントを最大8トン収容することができ、リチウムイオン電池駆動で6,500マイル(約10,400km/ディーゼル発電による再充電込み)=数ヶ月の長期任務に耐えることができるらしい。
ボーイングは製造していたプロトタイプ(計5隻受注)を「4月27日に米海軍へ引き渡した」と報じられており、今後のテストと開発を通じて米海軍は「XLUUVに情報収集・監視・偵察任務、対機雷戦、対潜水艦戦、電子戦、対艦攻撃、対地攻撃といった能力を統合させたい」と述べている。
フランスのNavalGroupはF21重魚雷(米海軍のMk48や海自の89式魚雷に相当)を収納できるミッションベイを備えたXLUUV「OUDD」開発を2016年に開始、2020年にプロトタイプが完成して本格にテストを行っている最中だが、開発自体は極秘裏に進められていたため昨年10月にOUDDを公開した時は大きな注目を集めた。
NavalGroupの関係者は「米海軍のOrcaと同じモジュール構造を採用したOUDD(全長約10m)は全長を最大25mまで延長することが可能だ。将来的に対機雷戦(MCM)や対潜戦(ASW)などの任務に対応できる可能性を秘めている。OUDDの検証作業が順調に進めば実用モデルのXLUUVは2025年までに(仏海軍で)就役するかもしれない」と明かしており、XLUUV実用化で仏海軍は米海軍といい勝負を演じているのかもしれない。
英海軍もXLUUVのプロトタイプ「Manta(全長8.9m)」のテストを繰り返しているが、最終的な実用タイプのManta(最大速度12ノット/最大潜航深度350m/最大航続距離約5,550km)は全長が30mに達すると予想されておりISR任務や対潜戦に活用される予定だ。
中国は2019年の建国70周年記念パレードで初めてXLUUV「HSU-001」の存在を公開したが、同艦の詳細は不明なので「ISR任務に使用されるのではないか?」というぐらいしか分かっていない。
ただ2021年7月に突然1990年代に研究・開発が始まった無人潜水艦プログラムの機密を解除「2010年12月に台湾海峡で実施されたテストでUUVが自律的に水中の模擬潜水艦を検出して追尾、UUVに搭載された魚雷で攻撃することに成功した」と明かして注目を集めた。
米メディアは「どの国も自律的に目標を検出して攻撃できるタイプのUUV実用化や実戦配備に至っていないため、10年前のテスト結果が事実なら中国のUUV研究は米国の先を進んでいることになる」と警戒感を示している。
韓国のハンファシステムも2019年のMADEXでXLUUV「ASWUUV(全長10m)」を披露、潜水艦分野の専門家サットン氏は「燃料電池方式のAIP機関で作動するため作動範囲と耐久性に優れ、敵潜水艦を検出を行うための各種センサーを搭載している」と紹介しており、ハンファシステムは「2022年までにASWUUVの開発を終える」と述べているが実用化時期については不明だ。
XLUUVの説明が長くなったが、ここからが今回の本題だ。
オーストラリアでも「原潜導入までのギャップを埋めるため米海軍のOrcaを採用して活用してはどうか?」という声が上がっていたが、豪海軍は無人化技術に定評のある米防衛産業企業「Anduril」に特大の自立型無人水中機=XLUUV開発を発注するため交渉を行っていると報じられており、Andurilは「アジャイル開発の手法を採用することで開発期間を短縮、非常に野心的なスケジュール(3年間)の下で3隻のプロトタイプを豪海軍に引き渡す」と述べているのが興味深い。
つまりオーストラリアはAndurilと組むことでXLUUV分野の遅れを巻き返し、米海軍や仏海軍と同じタイミングでXLUUVの実用化を図るという意味だ。
既にAndurilはオーストラリアへの進出を発表しているため豪海軍向けのXLUUVは「現地開発」と「現地製造」を提案する可能性が高く、ボーイングと共同開発を進めているロイヤル・ウィングマン「MQ-28A ゴーストバット」と同じ方式でXLUUVの実用化を考えているのだろう。
技術の自主開発に拘らず自国産業界に雇用をもたらしてくれる相手と組む、何ともオーストラリアらしい計画だ。
関連記事:豪州、アタック級潜水艦と平行して超大型水中無人機「オルカ」導入も検討すべき
関連記事:フランスのNavalGroupが超大型水中無人機を公開、米海軍のオルカに匹敵
関連記事:仏タレス、海自の機雷捜索用UUV向けにソナー供給契約を三菱重工と締結
関連記事:中国が無人潜水艦プログラムの機密を解除、UUVによる魚雷攻撃に成功
※アイキャッチ画像の出典:Anduril
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日本はUAVだけでなくUUV分野でも後れを取っているのか
ホントどうしようもないな
釣り針デカすぎね
事実遅れてない?
いいえ、遅れてないと思います。
具体例でもあげたらどうだ?
日本が遅れてるってのは、実用化出来てない、目標設定が遅すぎるって事で説明がつく。
世界の最先端(中国のような仮想敵国)から遅れてないというなら、根拠を示してくれ。
アフリカに遅れてないって主張するなら、また話は別だがな。
そもそも、まだXLUUVを実用化できている国はどこにもありませんよね。
XLUUVの試作機なら、日本ですでに開発されています。
下記のコメントに書いた通り、日本は全長16m級のXLUUVの試作と試験を現在実施中です。
そして海中での試験も来年には実施されます。
また、日本の目指しているレベルはかなり高いです。
既存のUUVはオペレータの近傍での活動が前提です。
既存のUUVは有人艦の伴走を伴う近距離での運用に限定されており、異常等が生じた際には浮上し、回収を待つというものです。
つまり、近傍にいる有人艦からの指令に基づく限定的な自律性しか備えていません。
また、水路調査や機雷捜索など、限られた用途・ミッションへの対応しかしていません。
一方、日本の将来の防衛用UUVに求められる能力は高いです。
遠方から高脅威下へ単独で進出します。
具体的には、
・有人艦の伴走なしの長期運用/長距離進出能力
・強化された信頼性、残存能力
・自律性(状況認識、判断、行動)の高度化
などの能力や、ミッションの拡がり、複雑なミッションへの対応を実現するために、
・重量物(海底センサ等)の敷設
・常続的ISR
…etc.
などの能力が求められます。
これらの能力を実現するために、下記のコメントで書いた通り、長期運用型UUVの研究試作及び所内試験が実施されています。
いつもやってます、遅れてませんと言うけど、本格的に実用化されないと意味がないよね。
だから、まだXLUUVを実用化できている国はどこにもありませんよね。
で、我が国はいつになったら実用化の目処がつくのかしら?
すでに世界は予算までついてて、そういう段階なんですが、
それこそ遅れてるって言わないのかい
世界「最先端」のごく一部の限られた国は、XLUUVの試作段階にありますね。
そして、日本もXLUUVの試作段階にあります。
それに長期運用型UUVの早期実用化に向けて、日本ではいろいろな策(船体部位のモジュール化や構成機器のモジュール化、管制用ソフトウェアのモジュール化やOA化、更には仕様公開、etc.)が実施されていますから、早期実用化も期待できます。
それに、その国独特の環境や、それらに基づいたXLUUVに求められる性能差なども考慮しなければならないと思いますが。
日本が求めるXLUUVは、上述した通り、高い能力が求められています。
はい
リンク
少なくとも2011年以前から要素研究をしているようだが?
攻撃能力を持たせる方針はなく、掃海や水中の監視の方向性に熱心のようだ
ホント要素研究だとか、何年も前から研究してる!ってのを実績としてあげたがるよね。
そんなの実績でもなんでもないよ。
現在の研究が遅れてるなら、そんなのいくら提示したところで無意味。
10年前からガラケーの研究してました!って自慢するようなもの。
UUV全般で遅れてるわけじゃないだろうが、攻撃能力を保有するような研究で遅れているのは確実。
USVもUUVもUAVも、日本は研究予算が無さすぎる。
そんな小規模で世界の最前線と競えるなんて、どれだけ日本の技術力ってやつを信仰してるの?
個人的には、日本のUUV研究が遅れているとは思いません。
それに日本は、長期運用型UUVの研究試作及び所内試験もすでに実行していますよ。
試作して現在試験中のUUVの諸元は、
①モジュール構造を有し、UUV本体モジュール(頭部モジュール+尾部モジュール+エネルギーモジュール)及び追加モジュールからなる。
②直径1.8m、全長10m(UUV本体モジュール)、全長15.6m(UUV本体モジュール+追加モジュール)
③航続能力7日間(UUV本体モジュール)
です。
この事業で試作されるUUVは、既存のUUVに比べて信頼性と自律性を向上させており、長期運用データ取得機能やモジュール化などが実現しています。
研究試作はR1年、所内試験はR4年にすでに始まっており、研究試作はR1年からR5年までで、所内試験はR4年からR6年までです。
「防衛技術シンポジウム2021」で日本のUUVが詳細に紹介されていますので、見てみてください。
要素研究は重要で技研の持つ蓄積は有事の際に当てになると思っているが限界はある。
貴方の言うとおり実用化と実運用を持たねば、開発とは言い難く、ここで遅れてるというのは危機感として正しいと思う。
しかし、結局は無い袖は振れない訳で、企業における黒字採算化、事業化自主開発の流れができない限りはあれもこれもは無理と考える。
法的、忌避的な日本の国情を思えば、国防省はまだ効率の良い選択が出来てる方だと思う。(失敗も数多あるが。)
有人潜水艦の改良と無人潜水艦を引き合いに出しておられるが、ある程度枯れた技術から実用化に持っていくのは予算付けの中で無難な選択じゃないだろうか。
やっぱり無人機…!無人機は(だいたい)全ての問題を解決する…!
海洋国家の本邦にとって海自の人手不足は深刻な問題だから、掃海任務などが無人機に置き換えられて人手不足が少しでも解消されてほしいなぁおれもなぁ(願望)
去年に三菱とフランスのタレス社が機雷探知の無人機の共同開発を契約したけど今どんな感じなんやろ
MHIのHPインフォメーションによれば2024年までの国内検証後にフランスでの試験に移行となってます。現在はタレス社製高周波合成開口ソーナーとOZZ-5搭載低周波合成開口ソーナーとのデータ統合処理システム検証作業に入って間もない段階でしょ。
なお、本件は防衛省とMHI間での契約でタレス社との直接契約ではありません。あくまで日仏防衛装備品・技術移転協定のラインに基づく日仏政府間共同研究ですね。
以前、米軍の水上艦から発進する無人航走体を、米軍が所有権を主張しているのに中国軍が引き上げた事件がありましたね(すぐに米軍に返却したが、調査されただろうな)。
あの手のパトロール用航走体は、日本でも早期に採用したら良いと思うんですけどね。
もがみ型とかに丁度良いと思うのですが。
今回のウクライナ侵攻で自衛隊のドローンへの評価が大きく変わったとも聞きますし、水中用ドローンであるこの手の装備も、積極的に開発・採用されることを願っています。
もがみ型に載せるUSVは検索したらそれらしい物がチョコチョコ出てきますね
見た目は「人が乗ってない普通のボート」ですが
MEGURI2040で大型船舶の無人化実験やってますが、これが艦艇の分野まで波及するのは少し先になってしまうんでしょうか
下で言われてる長期運用型UUVの外にも
令和2年度予算に水中防衛用小型UUVの導入ってのがあるよ
リンク
「 水中防衛用小型UUVI型」
IHI(2021/03/31、3,762,000,000 円/1set)
「水中防衛用小型UUVII型」
MHI(2021/03/31、3,509,550,000 円/1set)
「水中防衛用小型UUVⅠ型及びⅡ型投入装置」
JMUディフェンスシステムズ(2021/11/17、168,190,000 円/1set)
総額 7,439,740,000 円/一式 ですね。内訳詳細不明ですが意外に高額。
恐らくⅠ型及びⅡ型はそれぞれ2019年度に発注された
IHI「小型水中航走体型(ペイロード非分離)の研究及び設計」及び
MHI「小型水中航走体型(ペイロード分離)の研究及び設計」を受けての発注です。
発注元が 海上自衛隊補給本部 で詳細不明ですが、ペイロード非分離型と分離型てのが興味を引きます。
現状に満足してると世界から取り残されるんだ、リチウム電池採用で自己満してる状況でないのが知れる
個人的には、日本のUUV研究が遅れているとは思いません。
それに日本は、長期運用型UUVの研究試作及び所内試験もすでに実行していますよ。
試作して現在試験中のUUVの諸元は、
①モジュール構造を有し、UUV本体モジュール(頭部モジュール+尾部モジュール+エネルギーモジュール)及び追加モジュールからなる。
②直径1.8m、全長10m(UUV本体モジュール)、全長15.6m(UUV本体モジュール+追加モジュール)
③航続能力7日間(UUV本体モジュール)
です。
この事業で試作されるUUVは、既存のUUVに比べて信頼性と自律性を向上させており、長期運用データ取得機能やモジュール化などが実現しています。
研究試作はR1年、所内試験はR4年にすでに始まっており、研究試作はR1年からR5年までで、所内試験はR4年からR6年までです。
「防衛技術シンポジウム2021」で日本のUUVが詳細に紹介されていますので、見てみてください。
こういうのって、母港から完全に独立して任務に出るのかな。
洋上補給も自律で出来るなら凄いけど。
空中にあるドローンや無人機なら通信で即座に収集した情報を伝達でき、
操縦の切り替えや命令・任務変更もできるが
水中無人機の場合、どうやって伝達するのかな?
リアルタイムで情報が入るから、危険なところに飛ばせて情報収集して即座に追加調査や
自機や他の手段による攻撃ができるというのが、無人機のメリットの1つだと思うが
水中無人機の場合、一定の条件下では事前の任務よりも情報発信を優先する設定になっているのかな
既存通りなら海上近くまで浮上してアンテナを伸ばすか、フローティングアンテナを使って通信するんでしょう。光や民生品を利用したaqua-fiとかそんな名前の水中インターネットも開発しているようですが。
以下は私見ですが、記事を見ると無人潜水艦は多用途に使えるようなので「見つかってもいい奴」と「攻撃するまで隠れている奴」、「中継したり指示を出す奴」などを水上・水中問わず組み合わせて用いるんじゃないでしょうか。最終的には全て自律行動させて、コーヒー片手に指示出すだけになりそうですが。
防衛省のホームページにある資料(2012年のもの)によると、水上無人機の直下に水中無人機を走らせ、その間を音響通信装置で繋ぎ、水上無人機は衛星通信を介して、後方の艦艇と通信みたい気でいるみたいだが……。
2019年の資料には水中音響通信ネットワークなるワードも登場しているので、少なくとも領海の中でやる分には関係省庁の了解次第で音響通信網を構築するのでは?
水中音響通信は通信距離が長い(といっても現状の実用距離は数百m以下)ですが転送データがテキストレベルです。水中可視光通信(実用距離十数m)と水中電波通信(実用距離数m)は映像データのやり取りも可能です。
情報通信研究機構では2025年の実用化を目指し、船上管制室と光ケーブルで連接する水中電波通信基地を用いて自律型UUVを運用する研究開発が行われているようです。
音響通信と可視光或いは電波通信を併用する管制システムが実用化されるかもしれません。
逆に、潜水艦は有人でも殆ど通信しないからドローンの運用に置き換えても通信問題が発生しないんじゃないかな。
たぶん広域移動するホーミング機雷であって、費用対効果では超効率的。
こういうのを中国が大量生産して、黒潮や対馬海流に乗せて日本近海に送り込んできたら日本側はどうするんかな、、
いやもう清々しいほど日本は遅れとりますな。
多方面での無人化こそ少子化の日本を支える基盤技術になるのに。
個人的には、日本のUUV研究が遅れているとは思いません。
それに日本は、長期運用型UUVの研究試作及び所内試験もすでに実行していますよ。
試作して現在試験中のUUVの諸元は、
①モジュール構造を有し、UUV本体モジュール(頭部モジュール+尾部モジュール+エネルギーモジュール)及び追加モジュールからなる。
②直径1.8m、全長10m(UUV本体モジュール)、全長15.6m(UUV本体モジュール+追加モジュール)
③航続能力7日間(UUV本体モジュール)
です。
この事業で試作されるUUVは、既存のUUVに比べて信頼性と自律性を向上させており、長期運用データ取得機能やモジュール化などが実現しています。
研究試作はR1年、所内試験はR4年にすでに始まっており、研究試作はR1年からR5年までで、所内試験はR4年からR6年までです。
「防衛技術シンポジウム2021」で日本のUUVが詳細に紹介されていますので、見てみてください。
未だに実用化してない研究を語る段階とか、それこそとっくに終わってると思うけど
信仰とは非論理的で感情論だな
そもそも、まだXLUUVを実用化できている国はどこにもありませんよね。
XLUUVの試作機なら、日本ですでに開発されています。
下記のコメントに書いた通り、日本は全長16m級のXLUUVの試作と試験を現在実施中です。
そして海中での試験も来年には実施されます。
また、日本の目指しているレベルはかなり高いです。
既存のUUVはオペレータの近傍での活動が前提です。
既存のUUVは有人艦の伴走を伴う近距離での運用に限定されており、異常等が生じた際には浮上し、回収を待つというものです。
つまり、近傍にいる有人艦からの指令に基づく限定的な自律性しか備えていません。
また、水路調査や機雷捜索など、限られた用途・ミッションへの対応しかしていません。
一方、日本の将来の防衛用UUVに求められる能力は高いです。
遠方から高脅威下へ単独で進出します。
具体的には、
・有人艦の伴走なしの長期運用/長距離進出能力
・強化された信頼性、残存能力
・自律性(状況認識、判断、行動)の高度化
などの能力や、ミッションの拡がり、複雑なミッションへの対応を実現するために、
・重量物(海底センサ等)の敷設
・常続的ISR
…etc.
などの能力が求められます。
これらの能力を実現するために、下記のコメントで書いた通り、長期運用型UUVの研究試作及び所内試験が実施されています。
コピペで繰り返してて説得力もありゃしない、
実用化する予算も意思もないのならば、技術があると言い張っても虚しいだけ
そうして生産の機会を失ったメーカーが次々と衰退し撤退していく、のが防衛産業の実情だろうに
あなたはどこを向いて遅れてないと言い張るのか
実用化する意思などがあるからこそ、「岩国海洋環境試験評価サテライト(IMETS)」や「HILSシステム」が作られたんですけど。
それにUUVの船体部位のモジュール化や構成機器のモジュール化、管制用ソフトウェアのモジュール化やOA化、更には仕様公開、etc. により部品コストの低減やサプライチェーンの安定も期待されています。
UUVの構成品の多くは、民間用/防衛用の区別なく用いられており、防衛用UUVのためにも民間の技術、産業基盤が重要です。
⑴UUVのモジュール化、モジュールインターフェース等の民生品を含めた仕様の共通化
⑵海上自衛隊向けUUVの研究開発及び量産
によって、国内UUV関連メーカーがUUV部品の少数製造から民生品を含めた汎用UUV部品の量産に移行することが期待されます。これにより、国内UUV関連メーカーの生産体制、研究開発体制が強化され、部品コストの低減やサプライチェーンの安定が期待されます。
あと、その国独特の環境や、それらに基づいたXLUUVに求められる性能差や運用構想なども考慮しなければならないと思いますが。
日本が求めるXLUUVは、上述した通り、高い能力が求められています。
このブログを見てると、アジャイルとかデジタルエンジニアリングってフラグにしか聞こえない…
必要なのはわかるけど
どちらも単なる手段でしかないですから。
目的や過程を誤ればうまくいかないのは、別に技術開発だけの話じゃないですし。
たとえ駄目だったとしても、その結果をどう捉えるかですかね。トライ&エラーと見るか、予算の無駄使いと見るか。
F-16も要求された仕様と価格どころか、対地攻撃が主任務になるなど使用目的までズレましたけど、改良を重ねて今の傑作マルチロール機に至っているので、短絡的に成功や失敗と決めつけずに長い目で見ることも必要かと。特に新技術や方法なんかは。
まあ、やる前から無理無謀だと分かっているのに、やっちゃう事例が後を絶たないんですけどねブヘヘ
— 個人的には「一発逆転策の追求」がフラグに感じます。
>一発逆転 この前のカラバフとか今回のウクライナ見て、無人機ガージャベリンガー吹き上がってる人達見てるとそういう風に見えちゃうんだよね、「コレさえあれば」というか、ソレ以外の部分を過小評価してるというか。
カヌーと違って、はじめから沈んでるから、彼らでも作れるんですかね。
海自の長期運用型無人潜水艇ってどうなったんだろう。最上型に搭載される小型のUUVはある程度情報出たけど。
続報が無いってことはつまりそういう事でしょ
研究中(R元年からR6年)
普通に去年の防衛技術シンポジウムで1コーナー使って説明してたよ
長距離運用型UUVモジュール化研究事業スケジュールは今年度内に試作終了・2024年度まで所内試験の予定です。中間報告があるとしても来年度以降ですね。
今年度から別途に「UUV用海洋状況把握モジュールの研究」が2026年度完了の予定で開始されてます。実用機開発はこれらの研究段階を経た後の話です。
いずれにせよ、当該用途を満足できるAIシステムが確立できないと実用機開発は開始できません。戦闘支援型UAVの研究開発と連動する部分も多いかと。要素技術が揃えばその後は早いかもですし、状況次第で国際共同開発も選択肢になるでしょう。
まだるっこしいが独自技術の確立を前提にした本邦の研究開発事業は一歩一歩です。諸外国に致命的遅れを取らないことが望まれますので、取得事業の見直しは今後あるかもしれません。
なるほど。小型ドローンの方に大幅な計画見直しが入るそうなので、水中ドローンも国際共同開発などで早期開発目指して欲しいですね。
サムネ見ると太デカい子も居るんですね。
飛行ドローンが猛禽類などに襲われる映像は珍しくないので、よく見る細身のちんまい潜航ドローンも海獣などにじゃれつかれたらイチコロじゃないのかと常々心配だったもので…。