韓国の国防科学研究所は6日、対潜水艦戦用の水中無人機(ASWUUV)を公開して「まもなく開発作業が完了する」と明かした。
参考:스스로 항해해 북한 잠수함 잡는다‥무인잠수정 시험 단독 공개
最大30日間の対潜水艦戦任務に耐えられる対潜水艦戦用の水中無人機の開発が間もなく完了
公開されたASWUUV(全長7m/重量3.8トン)はAIによる自律航行技術、ソナーの小型化、水素を利用した燃料電池駆動の推進方式といったコア技術の確立を目的に国防科学研究所(ADD)が5年前から開発していたもので、最大30日間の対潜水艦戦任務に耐えられる設計らしい。
このASWUUVは有人潜水艦では接近することが難しい海域に潜んで敵潜水艦の動きを監視するためのもので攻撃能力はなく、潜望鏡の代わりにデータを送信するアンテナを備えているとADDの関係者は明かしている。
現在はテスト中なので技術者が乗ったボートがASWUUVに並走する形で運用されているが、ADDは「必要なコア技術の開発が3ヶ月後に完了する、今後実用タイプのASWUUVが完成すれば北朝鮮との北方限界線(軍事境界線/西海NLL)付近に配備され、有人潜水艦から敵潜水艦の警戒任務を引き継ぐことになる」と述べており、韓国メディアは「水中騒音も極めて小さく連続作戦時間も長いので、敵の港湾施設に接近してSLBMを搭載する潜水艦の待ち伏せにも使用できるだろう」と指摘してるのが興味深い。
韓国のハンファシステムは2019年のMADEXで燃料電池方式のAIP機関を搭載し、敵潜水艦を検出するための各種センサーを搭載したXLUUVに分類される「ASWUUV(全長10m)」を2022年までに開発すると明かしていたが、ADDが開発を進めている対潜水艦戦用の水中無人機とハンファシステムが言及したASWUUVとの関連性は今のところ不明だ。
因みにフランスは有人潜水艦と連携可能で情報収集・監視・偵察、電子戦、対潜水艦戦、対機雷戦、機雷敷設作業などに使用できるUUV「D-19」を実用化済みで、今月3日に就役した仏攻撃型原潜シュフランにはD-19が搭載されており533mm魚雷発射官を使用して運用を行うらしい。
米海軍はボーイングに発注していたXLUUVに分類されるOrcaの1番艦(計5隻受注でプロトタイプ扱い)が4月に完成、今後のテストと開発を通じて「XLUUVに情報収集・監視・偵察任務、対機雷戦、対潜水艦戦、電子戦、対艦攻撃、対地攻撃といった能力を統合させたい」と発表。
オーストラリア海軍とXLUUV開発で手を組むため交渉中の米防衛産業企業「Anduril」は3年でプロトタイプを完成させると述べており、2020年代中に複数のUUVやXLUUVが各国で実用化されるのではないと管理人は予想している。

出典:Naval Sea Systems Command Orcaの進水式
関連記事:XLUUV開発の遅れを挽回したい豪海軍、3年でプロトタイプ完成を狙う
※アイキャッチ画像の出典:국방과학연구소
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>>北朝鮮との北方限界線(軍事境界線/西海NLL)付近に配備され、有人潜水艦から敵潜水艦の警戒任務を引き継ぐことになる」
>>敵の港湾施設に接近してSLBMを搭載する潜水艦の待ち伏せにも使用できるだろう」
昔、翻訳系ブログで韓国人の「原潜を保有したら北朝鮮の潜水艦基地の沖合の海底で待機して長期間24時間体制で監視できる」という内容の書き込みを見て原潜の使い方に違和感を感じたけど
今回の記事見て韓国ではそれが潜水艦の使い方なのかと納得した
そういう用途なら確かに無人機の方が向いてるよね
かつて天安沈没事件がありましたからね
それに米ソ冷戦時代は何か月もの間ソ連原潜基地の近海で着底待機し、ソ連原潜に動きがあったらそれを後方追跡するという情報収集とソ連の先制核攻撃防止を兼ねた作戦が頻繁に行われていたという記録もありますし
補足
米ソ冷戦時代の米原潜の話は機密解除された後「潜水艦諜報戦」という本になっており、潜水艦の運用に関していろいろ面白い話が載っていましたので、興味のある方は一読の価値があるかと
画期的なシステムだと思うが…韓国にいるかこれ?水中監視だと日本だと思うが。日本の場合はもっと連続潜航させないとキツいかな?しかし狭い日本海で韓国が使うのかは謎。日本も早くこういう無人潜水艦がいるな。
輸出を考えてるんじゃないですか?
企業が余裕あるから。
このようなUUVはゲームチェンジャーになり得る装備てのが防衛省の認識です。
だから開発中の国はガードが固く、本邦でも装備化には国内開発が必然になると。
韓国の場合は輸出前提かもしれませんが。
軍事境界線付近で使うとか敵港湾への浸透偵察とか想定してるっぽいので日本海で〜っていうのは的外れではありませんか?
沿岸部の浅海域における小型潜水艦の浸透阻止とかまさに韓国が欲するものだと思いますが
察しが悪いね。本音は対日海戦だよ。
日本も軽視しないで対抗策を考えないとね。
いずれ中国やロシアも同じようなことしてくるだろうから。
黄海・対馬北方で中国や海自の潜水艦監視。北の沿岸で同様に潜水艦監視、普通にお役立ちアイテムじゃん…
そうやっていちいち韓国sageとか頑張らなくていいから。って、むろん韓国が海自のSS監視しようが別に
当たり前の事なわけよ。こっちだってやるべきだし。
>そうやっていちいち韓国sageとか頑張らなくていいから。
どこが韓国sageなのかしら?
韓国が対日海戦で用いるであろう、と予想する事のどこが【韓国sage】ですの?
当たり前の事ではありませんの?
韓国を不可侵の聖域になさりたい意図があるのならともかく。
貴女が、過剰に反応し過ぎなのではなくて?
韓国sageかどうか、対日が本音かどうかとの主張はさておき
あくまで個人的な主張を根拠に他人を察しが悪いと罵るのはお嬢様らしくないんじゃなくて?
煽り口調はお嬢様の品格を下げることになりますの。慎んでくださる?
おばちゃんに擬態したおじちゃんもしくは本当におばちゃんなのか、その辺は知らんし興味も無いけど…
>韓国にいるかこれ?
>水中監視だと日本だと思うが。
>しかし狭い日本海で韓国が使うのかは謎。
↑こういう意味分からん思考・文章が侮蔑的やね、つー話。
同意してもらえなくても別にどうでもいいですけど。
ま、そゆことっす。
>そうやっていちいち韓国sageとか頑張らなくていいから
>こういう意味分からん思考・文章が侮蔑的やね、つー話。
こういう侮蔑的な煽り口調は、あなただけでなく、全体の品格を下げることになりますの。どうぞ、慎んで下さいましね。
それではまたお会いしましょう。
ごきげんよう。
こういう無人潜水艦って、電波の届きにくい水中でどう操作するんだろ
音響?有線で海面にアンテナ浮かべる?
それとも超長波の送れるデータが少ない欠点を克服したのか
基本的に自律航行ですねえ
近距離ならUSVと音波とかでやり取りして連携する方法もありますが
おそらく普段はほぼ動かないか事前プログラムにそったパトロールをし、探査範囲に動きがあった場合や活動限界に近づいたときに設定された安全圏に移動後アンテナを水上に露出してデータを送受信するものかと
記事のリンク先に書いてあるよ。
記事をみる限り、目的地などを指定すると自律的にそこに行くらしい。
リモートで、とか、潜望鏡の代わりにアンテナ、とか書いてあるので、通信するときは浮上する事がわかる。
>公開されたASWUUV(全長7m/重量3.8トン)はAIによる自律航行技術、ソナーの小型化、水素を利用した燃料電池駆動の推進方式といったコア技術の確立を目的に国防科学研究所(ADD)が5年前から開発していたもので、最大30日間の対潜水艦戦任務に耐えられる設計らしい。
防衛装備庁が研究試作したUUVは、ここまで長期運用出来なかったはず。
ただただ羨ましい。
防衛省が開発を完了し装備化を進めているOOZ-5は機雷探知用UUVで用途が違います。
韓国のASWUUVに相当する長期運用型UUVは現時点では要素技術の研究開発段階です。
基本モジュール試作と技術実証は2024年度まで、並行して海洋状況把握モジュールの研究開発が今年度から2028年度まで行われる予定です。
潜水艦用水素燃料電池やセンサー類等確立済の技術もありますので、今後は機能単位の追加モジュール開発が並行的に行われると思われます。
連続運用日数や付加機能は設計次第。モジュール式なので発展性が高い計画と言えるかと。ただし、実用段階に達するのは大分先ですね。
研究開発ビジョン~多次元統合防衛力の実現とその先へ~によればですが、一応の実用型は2030年頃、目標とする多機能型は2030年代半ばの開発完了を見込んでいるようです。
そんなに遅いんですか!!!
呆れて物が言えない。
多機能型長期運用UUVは、所要レベルのAI開発がその手前まで掛かるてことでしょうね。
F-X用随伴戦闘型UAVが急いでも同時期まで掛かるのと同じ理由かと。
バシー海峡や南西諸島に配備
オーストラリアとか韓国がこういう水中無人機の実用化にかなり近づいてるニュース見てると日本ってめちゃくちゃ遅れてないか?ってなる、OZZ-5とか作ってるのは知ってるけど他国に比べたら水中無人機の開発開始するのが数年以上遅くない?
もしかすると防衛省、今後は兵器の国産化を諦めて原則輸入に依存すると言う、どこかの軍事ジャーナリストみたいな考え方に転換しつつあるのかも知れませんねー(適当)。
去年の防衛技術シンポジウムではモジュール型のやつと実験施設の説明で実質2コマも使って説明してたんだよなぁ…
兵器の国産化を諦めたというわけではありませんね。
基本方針は、平成26年度策定の「防衛生産・技術基盤戦略」によっています。
リンク
その中で、
>我が国の技術は、最新鋭戦闘機やミサイル防衛システムなどの一部先端装備システム等において米国等に大きく劣後する状況となっている。
と認めた上で、
>それぞれの防衛装備品の特性等に合致した調達方法を戦略的に採用するとともに、適切な施策の充実・強化を図る必要がある。
としています。
ざっくり言えば、開発が間に合わないものや輸入が合理的なものは輸入でまかなうが、国内又は国際共同による研究開発を戦略的に促進し、可能な限り国内基盤強化に資する施策を行う、てことかと思います。
UAV等無人機開発で本邦が大分遅れをとっているのは事実で、遅ればせながら防衛の現場では早急な導入が求められる状況です。そういった装備品は自衛隊が独自に調査研究評価を行い導入を模索する場合があります。
陸自が調達を進めるスキャンイーグルとスカイレンジャー、海自が運用性評価を検討中というシーガーディアンが好例ではないでしょうか。
研究開発費と人員の問題もあるのかも
天安撃沈事件の再発防衛として、このような無人艦による偵察はありかもしれないが
黄海で運用したら、中国漁船に引き上げられてお持ち帰りされそう。
防衛省も財務省に対して、人件費がかからなくなる兵器開発したいって言って、無人機の予算をたくさん分捕って来ればいいのに
自衛官は人員をこれ以上減らされることをかなり恐れていて、人員削減の口実になるような兵器の開発を避けている感じ、
なんかオオカミ少佐とかの動画とか見るとそんな印象をうけてしまう。
むしろオオカミ少佐の動画見てるなら3次元の動きをする無人兵器や、潜水艦の話見ればまだまだハードル高いって理解になると思うが。
ましてや海中なんて塩分濃度とかのパラメータ複雑過ぎて、どこにぶつかるかも分からないし民間の船とかにぶつかったら目も当てられないぞ。
その話聞いたことありますね。人員や予算確保のためにいずもみたいな大型艦が必要だとか。
話の受け止め方がちょっとずれてます。
財務省は別に装備にあわせて人をつけてくれるわけでないですからね。大型艦を導入したところで海自全体の定員は変わらない。人のやり繰りが厳しくなるだけです。
日本の場合、「戦場の認識力の拡張、人的損害の回避のための戦場の省人化・無人化」が、「定員ひいては国家予算の削減のための省人化・無人化」にすり替わるのです。結果として、既存の有人装備や人員に直接置き換えられるハイレベルのものが求められる。日本の無人機開発が歪んだ一因ですな。
韓国と本邦は方向性が違うように思う。韓国は、とにかくぎりぎり合格点で構わないからとにかく実用化までの速さを重視しているような印象。本邦は慎重に慎重に無駄せず失敗せずを厳守、よく言えばじっくり、悪く言えば進捗がトロい印象。まぁそれも全て予算と企業規模辺りが原因なんだろうけどねぇ。ただ、岸田内閣は5年以内の防衛の抜本的強化方針打ち出し、ってヤツに一縷の望みを託してだな…前向きに考えるとしよう。
記事から方向性、諸外国のUUV開発状況からみるに
韓国は水中置きっぱなしの継続監視としてUUVを利用するつもり
つまり海洋調査とかではなく、SOSUSの延長線上。SOSUSと違って指定海域は毎回予め決めたルートの移動するなりして変更できるしSOSUSよりも広い海域を監視する目的。潜望鏡の代わりにアンテナ通信するときは浮上する。
本邦は長期運用UUVは基礎研究段階でしかも後々の取得コスト低減のために民間含めたモジュール設計だから仕様の打ち合わせだけでめちゃくちゃ大変。
本邦の当面の長期運用UUVは主に海洋監視。SOSUSのような運用が主ではない。ここらへんは運用思想の違い
防衛省の計画みても長期運用UUVに無人母艦、有人潜水艦との連携とあるから
平時には海洋監視、有事には潜水艦との連携で敵潜水艦の発見
こういうドローンが行う水中の監視方法ってどういう風になるんやろう?
無人なんで自分の位置バレ上等でアクティブソナーをバキバキに鳴らしながら進んでいくのであれば流石にその海域の水中にあるものは全てバレる?
もしそうであるなら海自や米軍の潜水艦が持つ優位性である隠密性が全否定されてゲームチェンジャーになってしまう?
そうであるなら中国海軍に対しての有効打が大きく失われてヤバいよな
AIは、浮上する時と場所を独立して判断するのかな。誰かが検証するのかな。
上手くやらないと、急いでいる時とか、衆人環視の中で浮上してしまいそうな気がする。
相手に動きがある時は、当然相手のASWも行われているからその範囲に入ると危ない。
連絡が遅くなれば対策が遅れるので、急いで事を仕損じるかもしれない。
上で書いておられる方もいるが、浅海に潜んでいると、底引き網にかかるかも。
人間が乗っている潜水艦でも、漁網にかかることは結構あるみたいなので、要注意。
相手の領海内で捕まらないように、AIの中身を良く検討ですね。
本邦では海洋状況把握モジュールの開発を計画に乗せてますが、通信等のためアンテナ深度に浮上する場合の周囲状況確認用と思われます。韓国のUUVも必要と思うんですが、どう考えているんでしょうね。
UUVでもASWを実施するには音紋データの参照が必須と思われます。これが敵の手に渡るのは非常にまずい。
おっしゃる通り魚網で捕獲なんてことも有り得る話なんで、それを探知して回避とか、万一捕獲された場合に防秘部分を確実に破壊するとか、気を使う装備なのは確かですね。
空の無人機とは対照的に海上海中に関しては
TRDIが遡ること2012年に『海の無人機(UUVとUSVの連携)』という発表をしていて
運用まで含めて積極的に研究を進めているようだ。
その後も長期運用型UUVシステム構成要素の研究試作
の公示がありMHIが落札(2020年)していたので、
より進歩的なシステムを持っているはずだが
この手の装備は15式機雷等機密が多いのでお披露目されるかは不明。