中東アフリカ関連

イスラエル、イランの極超音速ミサイルを迎撃可能なSkySonicを発表

イスラエルのラファエルは14日、イランが発表した極超音速ミサイル「Fattah」を迎撃可能な迎撃弾「SkySonic」を発表、間もなく試射が行われる予定で来週のパリ航空ショーで披露されるらしい。

参考:Israel’s Rafael reveals SkySonic, the first-ever hypersonic missile interceptor

今回発表したSkySonicは間もなく試射が行われる予定で、来週のパリ航空ショーで披露されるらしい

イランは「Fattah」と呼ばれる極超音速ミサイルを発表して「優れた機動性と速度(終端速度はM13からM15)で既存のミサイル防衛システムを貫通する」と主張したが、イスラエルのラファエルは極超音速ミサイルの迎撃弾「SkySonic」を発表した。

ラファエルは極超音速ミサイルの脅威に対抗するため数年前から専用の迎撃弾開発を開始、今回発表したSkySonicは間もなく試射が行われる予定で、来週のパリ航空ショーで披露されるらしい。

SkySonicの実用化スケジュールについてラファエルは明かしておらず、イスラエル国防省もSkySonicの導入や配備についてノーコメントを貫いているものの、極超音速ミサイルに対応した迎撃弾開発は欧米でも始まったばかりなので、今回の発表には海外から大きな注目が集まっている。

因みにイランはFattahの打ち上げシーンも公開しているものの、本当に終端速度がM15のに到達するブースト・グライド・ビークルを備えているのかは不明で、同じタイミングでイランは「画期的な量子プロセッサ」を開発したと発表したが、589ドルで販売されているザイリンクス製のZynq7000であることがバレており、過去にもイランの情報通信技術大臣が「宇宙へ人間を送るための宇宙服」をSNS上で公開し、NASAのロゴが付けられた子供用コスチュームを改造したものだとバレたことがある。

そのためFattahの能力を怪しむ声が多く、本当にSkySonicが必要なのかは謎だ。

関連記事:米メディアも失笑、イランが公開したのは宇宙服?幻のステルス戦闘機用フライトスーツ?

 

※アイキャッチ画像の出典:RAFAEL

ザポリージャと南ドネツクの戦い、ロシア側が予備部隊を投入して反撃か前のページ

衰える気配がないロシア軍のミサイル攻撃、6月の発射数は200発以上次のページ

関連記事

  1. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦、フーシの攻撃を受けイスラエル製防空システムの緊急調達を検討か

    アラブ首長国連邦は簡素な作りのミサイルとドローンの攻撃にパトリオットと…

  2. 中東アフリカ関連

    イスラエル軍は物資不足、兵士らは装備や物資の供給をボランティアに依存

    イスラエル軍は予備役30万人分の基本装備や消耗品を賄えておらず、開戦か…

  3. 中東アフリカ関連

    中東で防空システムの需要急増、イラクとサウジは中国とエジプトは韓国と交渉中

    イランやシーア派武装組織が使用するミサイルやドローンの脅威に晒されるア…

  4. 中東アフリカ関連

    イスラエルの死傷者数は3,000人を突破、ハマス発射のロケット弾も4,000発超え

    ハマスの奇襲攻撃によるイスラエル側の死傷者数は3,000人を突破、駐米…

  5. 中東アフリカ関連

    ニジェールは3年以内の民政移行を提示、ECOWAS側は受け入れない

    ECOWASとニジェールは軍事介入を回避するための協議を20日に行った…

コメント

    • ふむ
    • 2023年 6月 15日

    まあ安全管理というものは、危険側に想定して対策するものですからね
    想定より安全なら対策コストは無駄になりますが、被害はそれだけで済むので
    逆だと目も当てられない

    15
      •  
      • 2023年 6月 15日

      それもあるけど
      一番重要なのは
      そういう技術を維持し続ける事

      いざという時に作れる体制が大事

      開発しないと
      こういう技術は維持出来ない

      17
      • 2023年 6月 15日

      仕掛ける側からすれば、攻撃兵器を見せびらかすことで、相手の開発リソースをそれに割かせれば、
      経済的打撃を与えることができるわけで。
       最も度が過ぎると、相手は「こんなのが完成する前にやっちまえ」になりかねないから、お互いバランス
      が難しい。

      9
    • nachteule
    • 2023年 6月 15日

      Fattahは弾道弾とは言いつつも大気圏内外での機動性があるとか言われているのに迎撃弾の軌道修正がフィンだけだと対応しきれるのか。軌道予測が余程優秀でフィンが効果を発揮する低い高度での使用を想定している感じか、弾道弾みたいな単純な軌道を描く標的に特化した迎撃弾か。

    1
    • YJ93
    • 2023年 6月 15日

    SkySonicは操舵翼だけではなくて、TVCも併用しているんじゃないかという話が出ていますね。

    1
    • にぼし
    • 2023年 6月 15日

    SM-3もPAC-3も過剰投資だと言われたりもしましたが
    今あって良かったという状況なので、こういうのは必要なのかもと

    17
    • 鼻毛
    • 2023年 6月 15日

    子供の頃、家に市販されてるゲームソフト全部あるとか嘘ついてるクラスメイトいたなぁ

    3
      • Natto
      • 2023年 6月 15日

      イラン事を見栄で言う癖は子供も国家も同じか。

      9
    • ブルーピーコック
    • 2023年 6月 15日

    イランのFattahの実態はともかく、敵軍の兵器の実力が分かった時に「作っておけばよかった」とか「今から技術開発を始めないと」となるよりは備えておくに越したことはないかな。

    10
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  2. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  3. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  4. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  5. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
PAGE TOP