15日に始まったスーダン軍と準軍事組織(RSF)の軍事衝突は収まる気配はなく、アルジャジーラは「大統領官邸や国際空港周辺で激しい戦闘が続いている。首都の北にある石油精製所や西部のカブカビアでも戦闘が行われている」と報じている。
参考:السودان لحظة بلحظة.. عشرات القتلى والجرحى في “معركة الحسم” بين الجيش والدعم السريع
夜が明ければクーデターが成功したのかどうかハッキリするだろう
15日に始まったスーダン共和国の正規軍と準軍事組織(RSF)の軍事衝突は首都ハルツームの中心部、紅海州のポート・スーダン、北部州のメロウェ空港、北コルドファン州のエル・オベイド空港、北ダルフール州のエル・ファーシル空港とカブカビア、西ダルフール州のジュナイナ空港、南ダルフール州のニャラなどで発生、カッサラ州とガダーレフ州のRSFは正規軍に降伏したらしい。
北部州のメロウェ空港では駐留していたエジプト空軍の兵士がRSFに降伏、エジプト空軍のMiG-29も接収されたことが確認(スーダン空軍との演習に参加するためメロウェ空港に駐留していたのではないかと言われている)されており、RSFはエル・オベイド空港、エル・ファーシル空港、ジュナイナ空港も占領したと主張している。
Captured Egyptian soldiers under arrest by Sudan’s Rapid Support Forces (RSF) at Merowe Airbase. pic.twitter.com/UO2REjlNU7
— Clash Report (@clashreport) April 15, 2023
RSFは首都ハルツームにある大統領官邸、陸軍長官の住居、国際空港を占領したと主張しているが、アルジャジーラは「大統領官邸や国際空港周辺で激しい戦闘が続いている。首都から約100km離れた石油精製所や北ダルフール州のカブカビアでも戦闘が行われている」と報じており、まだ正規軍とRSFの武力衝突は収まる気配がない。
RSFは「大統領官邸や国際空港を保持している視覚的な証拠」を提示できていないため、開戦と同時に首都の主要拠点を抑えることに失敗した可能性があるが、夜が明ければクーデターが成功したのかどうかハッキリするだろう。
追記:首都の南にある空軍基地をRSFが占領したらしい。
⚡️RSF captured Jabal Awlia Air Base
— War Monitor (@WarMonitors) April 15, 2023
追記:首都で続く両者の戦闘
Fighting continues in the Sudanese Capital of Khartoum as Night Falls across the Country; the Rapid Support Force (RSF) continually reports on “Successes and Captures” within the City including the Presidential Palace and the International Airport, but these appear to be False. pic.twitter.com/b7RIdqYnZ4
— OSINTdefender (@sentdefender) April 15, 2023
追記:スーダン空軍が首都にあるRSFの拠点を空爆で破壊した様子
The Headquarters and Operational Command Center for the Rapid Support Forces (RSF) in the Capital of Khartoum was reportedly Destroyed by Airstrikes from the Sudanese Air Force a few minutes ago. pic.twitter.com/Khc1mtEIie
— OSINTdefender (@sentdefender) April 15, 2023
関連記事:スーダンで激しい武力衝突、準軍事組織が大統領官邸や国際空港の占拠を主張
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※アイキャッチ画像の出典:Twitter経由
スーダン暫定主権評議会議長のブルハン将軍は北部のスンニ派イスラム教徒の家に生まれスーダン軍事大学を卒業したエリート。一方、副議長のダガロ司令官は南部ダルフールのリゼイガット族の出身で正式な教育を受けていないという偏見(小学校3年まで学校に通い以後は正式な教育を受けていない)が両者の確執に繋がったのかも知れません(首都ハルツームの政治エリートは満場一致で「教育を受けていないダルフール人として、間違った階級と間違った場所の出身であり、教員や大学の正式な資格を欠いているため、スーダンの支配者になることはできない」とダガロ氏を評価)
準軍事組織のRSFも元はスーダン政府によって運営されていた民兵組織で構成員もジャンジャウィード民兵から構成され、ダルーフル戦争での虐殺行為に関与したと国際社会からは見られています。リビア内戦では1,000人を派兵し、リビア国軍(LNA)を支援。イエメン内戦には4万人を派兵しているなど正規軍の代わりに汚れ仕事を請け負う民間軍事会社(PMC)の様な側面もある様です。
じゃあ、ある意味この戦いは正規の教育を受けたエリート軍人VS地方出身の下層階級から成り上がった叩き上げの民兵組織指揮官の間で起きた諍いって側面が有りますね
多分、それにスーダン軍とRSF間での確執(RSF側の方が汚れ仕事を請け負っている分だけ自尊心も高そう)が重なり、そこへRSFの今後の処遇問題が絡んだ結果、RSFが暴発したって感じでしょうか
そういう解釈もできるということでしょうね。
とかく内戦は往々にして、外の人間からはよく分からないことがあるから、
あまり単純化するのはよろしくないと思いますね。
ジャンジャウィードの名前を久し振りに見ました。
そうか、RSFって、何かの記事で戦犯に加担した民兵を統合して新しい部隊を編成すると読んだけどそれだったんだ。
スーダンには、ロシア人のミハイル・ポテプキンという人が社長のメロイー・ゴールド社という鉱山会社、さらにその子会社であるアルソラジ社という鉱山会社が経営する金鉱山が複数あり、そこから発掘した金塊を、シリアのロシア軍基地に運んでいて、ワグネル社の元・社員であるアレクサンドル・セルゲビチ・クズネツォフという人がそれを監督し、スーダン人のモハメド・ハムダン・ダガロ将軍がそれに協力しているようです。
もともとスーダン政府は、首都の警備をワグネル社に民間委託していたときもあり、ダガロ将軍がワグネル社の社員と仲良しなのもそのためでしょうか。
もしワグネル社が反乱軍に協力しているのであれば、捕獲したMiG-29も、ワグネル社のロシア人社員がすぐに操縦してしまうかもしれません。そうなるとMiG-29同士の空中戦などもありえるのでしょうか。
最近の実戦ではやたらとMiG-29ばかりが目立っています。
さすがお詳しいですね
スーダン事情はまるで知りませんでした
RSFが軍に匹敵する規模まで拡大したリソースは何かなと思ったら金鉱ですか、、、これは政府軍は勝てないかもしれない、ロシアから援軍がない限り、と思わされてしまった
戦闘機を接収されたエジプトはどうするんだろう?
情勢が落ち着くのを待って返還を要求するのか
軍事介入するのか
まあスーダン政府からの要請が無ければ軍事介入はしないかな?
だれの思惑で始めたのかは知らないけど、始まりはともかく終わりはどうするんだろうな
RSFもかなり戦力あるから簡単には決着つかないだろうし
となると政権側もRSFも両者疲弊し国も荒廃というオチになってしまうんかな?
これでエジプトも軍事介入とかし始めたら、クソめんどくさいことになるな。
本邦は現職総理が爆弾テロにあいかけるし、マジで世界が変わってしまう。