ポーランドのPGZは「KF-21プログラムへの参加」に言及して注目を集めたが、アラブ首長国連邦も韓国に送付した書簡の中で「KF-21プログラムに参加したい」と伝達、さらにインドネシアが滞納している開発分担金についても「負担する」と提案したらしい。
参考:[단독]UAE “인니 KF-21 분담금 우리가 내겠다”
参考:UAE Reportedly Seeking Role In South Korea’s KF-21 Fighter Jet Program
KF-21プログラムに対する海外の関心が高まっていることは注目に値する
ポーランドのブラスザック国防相は「FA-50導入は空軍強化の最終ピースではない」と述べ、PGZのフバワーク会長も「KF-21プログラムへの参加」に言及、韓国政府の高官も「フバワーク会長が共同開発国の資格でKF-21プログラムに参加したいという意向を正式に伝えてきた」と明かしていたが、アラブ首長国連邦も韓国に直接「KF-21プログラムに参加したい」と伝達したらしい。

出典:Korean presidential office
アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド大統領は1月、アブダビを訪問した尹大統領と会談して「300億ドルを韓国の産業界(防衛、原子力、水素、太陽光エネルギーなど)に投資する」と約束し、多目的輸送機(韓国航空宇宙産業が開発を進めているMC-Xの可能性が高い)の共同開発に関するMOUにも署名して注目を集めていたが、タワズン評議会は国家安保室宛に送付した書簡の中で「KF-21プログラムに参加したい」と伝達、さらにインドネシアが滞納している開発分担金についても「UAEが負担する」と提案。
韓国側は「UAEとインドネシアの関係は悪くないためKF-21プログラムを通じて3ヶ国(韓国、インドネシア、UAE)の協力体制が構築できるかもしれない。但し、KF-21に適用された技術の中には第3国による輸出承認手続きが必要なものもあるため、UAE側が望むものを全て提供するは容易ではない」と慎重な姿勢を見せているが、Forbesは「F-35Aの入手が絶望的になったUAEにとってKF-21プログラムへの参加は理にかなっている」と報じている。

出典:Lockheed Martin
トランプ政権はイスラエルとの国交樹立に応じた見返りとしてF-35AやMQ-9の供給をUAEに約束、退任前に総額233.7億ドル(約2兆4,600億円)もの対外有償軍事援助をUAEと締結したが、中東政策の見直しを掲げて選挙に勝利したバイデン大統領は武器輸出プロセスを停止、サウジアラビアやUAEに「ファーウェイとの関係断絶」を要求したため話が拗れ、UAEはロシアが発表したSu-75への投資を考えていたもののウクライナ侵攻で開発に遅れが生じたため投資を取りやめたと噂されていた。
Forbesは「KF-21のステルス性能は現行の第4.5世代機より優れているもののウェポンベイを備えていないのが唯一の欠点だ。しかし同問題は将来的に改善される可能性がある。隣国のサウジアラビアが参加を希望しているGCAPは第6世代機を2035年までに開発するという野心的なスケジュールを掲げており、プログラムへの参加が認められ、スケジュール通り開発が進めばサウジは周辺国に対して大きな優位性を獲得するだろう。このギャップをKF-21で埋めるのは難しいかもしれないが、ウェポンベイを備えた発展型が開発されれば第6世代機とのギャップはあまり目立たなくなるかもしれない」と指摘しているのが興味深い。

出典:KAI
戦闘機プログラムは安全保障政策に大きく左右されるため、今のところポーランドやUAEが韓国と手を組むかどうかも未知数だが、KF-21プログラムに対する海外の関心が高まっていることは注目に値する。
因みに上記の話とは全く関係ないが、ウクライナは6月「鉄道緊急支援プロジェクトの一環として欧州復興開発銀行(EBRD)から2億ユーロの融資を受ける」と発表、この資金の一部(1億ユーロ)は「鉄道網復旧のための資材購入」や「老朽化した車輌更新」など国鉄の設備投資に充てられる予定で、ウクライナ国鉄(ウクルザリズニツャ社)は14日「我々は都市間を移動する列車の刷新を検討中で、非常に魅力的な提案を行った韓国側と積極的に協議を行っているが、まだ韓国の提案に決まった訳ではなく日本の提案も検討している」と明かした。
参考:Укрзализныця получит 200 миллионов евро льготного кредита от ЕБРР
参考:Обновление поездов Интерсити “Укрзализныця” хочет доверить корейцам или японцам
もしEBRDから調達した資金でのプロジェクトなら「現行車輌の置き換え」を示唆している可能性が高く、ウクライナメディアは「(ウクルザリズニツャ社は)都市間列車の更新を韓国人から日本人に任せたいと考えている」と報じている。
m関連記事:韓国とUAEが多目的輸送機の共同開発で合意、MC-X開発にUAEが参加する可能性
関連記事:運用制限にうんざり? アラブ首長国連邦がF-35A取得に向けた協議中断を米国側に通告
関連記事:二転三転するUAEへのF-35A輸出条件、イスラエルが容認していた問題を蒸し返すバイデン政権
関連記事:ポーランドPGZ、共同開発国としてKF-21計画に参加する意思を正式表明
※アイキャッチ画像の出典:KAI
まあ、現時点でF-35が手に入らないかより手頃な戦闘機が欲しい国々にとってKF-21は魅力的ですからねえ
(日英伊のGCAPはKF-21よりも大型且つ高機能なので欲しい国はある程度限られる)
只、ここで韓国がUAEをKF-21のパートナーに迎え入れたら米国が良い顔をしない可能性が有るので、当分は様子見した方が良いかな?
GCAPにも近づいてなかったか。脱アメリカと自国生産技術移転が目的だろうね。韓国は願ったりかなったりだけど眼の前の金につられて軽口叩いて後でひっくり返したら厄介なことになるのが目に見えるわ。
結局米国製のエンジンなどに依存しているので、脱米国にはならないのでは。
エンジンをEJ200に変えるかM88系のコアを大きくするかしそう。
現状のKF-21がアメリカの軛から逃れられる術は持っていないし現段階でどこまで正確かはあるが表に出ている性能は数が出ているF-16/ラファール/ユーロファイターより全て上回っているわけでもないしそれ以下もあるレベルで微妙なんだよね。
規制すらされる可能性があるF414-GE-400Kの性能が良く分からないがスパホと同じ物を積むなら新型なのに発電容量が最低レベル。F100エンジンのデモ機で1Mwの実績あるから将来が期待出来るが、F414の将来性とそれをベースに開発する国産エンジンがどうなるかで戦闘能力が変わってくる。
作る保証があるか未知でウェポンベイを作る手間や熱害対策や投下試験を考えると遠回りだし、ランニングコストが高い新型双発の割にはステルス性は高いレベルに有ると思うが所詮4世代機で性能もそれ程でもなく、ラファールほど他国の影響を受けない機体でも無いので何とも微妙。
これで最初からウェポンベイ有りのF414を超える国産エンジン搭載5世代機なら掛け値無しに将来戦力として検討に値する感じはするが、4世代機として突出した性能も無くFA-50程の手軽さも無く5世代へのアップデートと言う冒険すら控えているのは魅力的なんだろうか。
サウジさんはKF-21には興味あるのかな?
最近は第6世代ジェット戦闘機のニュースが多かったけど、第5世代ですらないKF-21がここまで注目されるとは・・・。アメリカがF-15EX導入したときも驚いたけど、こっちは新規開発。コスパなのか、それとも技術的に独立したいのか。エンジンはアメリカ製を使う予定だったと思うけど。
まあ日本でいくらハイブリッド車だのBEVだの騒いでも軽自動車が売れるのと同じ構造でしょう。
本当は日本もそういう機種とのハイローミックスが望ましいのでしょうがそれすらできない予算の逼迫。
日本の戦略環境でハイローミックスって悪影響のほうが大きいですよね
F/A-50程度の能力では南西諸島方面で役に立つとは思えないですし
あとどうでもいいですが最近の軽自動車はハイブリット車が多いですよ。
F35より高く、それでいて4.5世代機に留まるから
インドネシアみたいにラファールとかの購入の当て馬にされそうな気も…
GCAPは第6世代機と言うよりも第5.8世代機くらいの個人的な印象なんだがな。
KF-21が発展形でも第4.8世代機程度だろうから、
KF-21に対抗するのなら、F-35で充分お釣りがくると思う。知らんけど。
>GCAPは第6世代機と言うよりも第5.8世代機くらいの個人的な印象なんだがな。
なぜそう思うんです?
無人機とのチーミングが本当にできるのかな?
米軍が目指している無人機とのチーミングのレベルとは、どうしても差があるのだろうなぁ、
という個人的な印象。
KF-21はどのみち韓国空軍で大量配備することが決まっているので、韓国からしたら純粋にありがたい話でしょう。着手するか微妙な雰囲気になっていたバッチ3のウェポンベイ改修を既定路線にされてしまうのは色々大変かもしれませんが、ミドルクラス級ステルス戦闘爆撃機が作れるならポーランドやその他の国々も絶対に興味を持つので、再設計する羽目になってもやる価値はあるでしょう。まぁ肝心のエンジンがアメリカ製なので政治的にフリーという訳にはいかないですが、選択肢の幅を広げるという意味では大きな存在ですよね。
>着手するか微妙な雰囲気になっていたバッチ3のウェポンベイ改修を既定路線にされてしまうのは色々大変かもしれませんが
そこなんですよね。どこまで本気なのかなぁ。
「新規開発して運用開始から数年でエアフレームを大きくいじる」なんてそれだけで開発コストの少なくない比率を占める飛行時間の何割かをやり直す事になるしバトルプルーフもドブに捨てる事になると思うんだけど。
自分は図面を見たわけじゃないので何とも言えないですが、元々ある程度見込んでたとはいえインテークやエンジン保持フレームの再設計を伴うアップグレードを行うのはかなりの大仕事でしょうね。
ただまぁアレな話ですが、KF-21は空母や原潜と同じで左派政権で推してたプログラムという側面があるので、採算性や国防部の要求とは別として政権が変わって左派が戻ったら潤沢に予算がつくこともあるかもなぁと自分は勝手に思っています。文政権時代のKAIの資料だとさらに後の発展段階としてNGADやGCAPが目指しているようなネットワーク戦母機としての機能を付与する構想もあるみたいですしね。当然それも簡単ではないですが、韓国空軍にその種の将来戦闘機がいずれ必要になるのも事実ですからね…。
ウェポンベイはかなり機内容積を食いそうなので、それなりの機体規模でないと難しそうですね
安全に武器をリリースする技術の開発も結構大変と聞きます
韓国もここまでパートナーが増えると事前にわかっていたなら、もっと大きめの機体にしたのでしょうが、こればかりは後知恵ですね
スパホやユーロファイターにウェポンベイねじ込む、みたいな話ですからね。
しかも公称の航続距離が短くイメージ図やモックで常に増槽をぶら下げてたKF-21、ステルス運用するつもりなら増槽なんか当然使えないけどどうするつもりなのやら。
そそ、「KF-21のバルクヘッドはエンジンブロックの下に空間があって将来的なウェポンベイは確保されてる」って言う人いるけど燃料の問題を完全に忘れてるのよね。
普通に考えて現時点であの空間は燃料タンクに充てられてるだろうから兵器槽に換えたら機内燃料は絶望的な容量にしかならんだろうと。
それでも無理矢理やろうとすればCFTをつけるしかないけど、そんな話全く聞こえてこないしな~・・・。
外装予定のターゲティングポッドにしても将来的には内装せねばならんわけで、物理的に無理じゃね?って感想ですな。
旅客機みたいに、フレームを追加してストレッチ型を作れるならワンチャンと思いましたが
ウェポンベイって開口部が大きく、構造部材の設計変更が必要だったり
ランチャーを取り付けるハードポイントが必要だったりで
結構な大手術になりそうなんですよね
F-2作る時もF-16から大型化する過程でほぼ再設計になったみたいやし難しいやろうね
先進国の戦闘機開発は性能追求の過程で大型化する傾向にありますから、逆に小型でも一定の性能を持つ機体が求められる流れは絶対にあるんですよね(F-16、Mig29…)。気持ち少しだけ小さいF-35が良く売れたのもSu75に大きな注目が集まったのも同様の理由でしょう。旧列強諸国が大型で高価な高性能機ばかり市場投入している中で、ミドル以下のクラスで第5世代並の性能を持つ機体を投入したいという気持ちはよくわかります。ただまぁ、武装内蔵式でどこまで小型機に出来るのかというのはやっぱり大きな挑戦になるんでしょうね…
あとその小型安価の流れと双発(しかも輸入エンジン)ってのはあまり相性がよろしくない気がします。
韓国すごい!
としか言いようがない
今の大統領が国際社会的には、SRだからね。
宗派が違うかもしれないトルコのカーンは対象外だったようですね。
勘違いする人いると思うけど
サウジとアラブ首長国連邦は別の国ですから!
UAEとトルコの関係はどうなのでしょう。
韓国のKF21とトルコのTFXを見比べてみると、
なんとなくですが、TFXに分がありそうな気がするのですが。
アメリカとしてもロシアに投資されるよりは4.5(進化して5)なKF-21買ってくれるほうが良いだろうし
性能的にはF-35よりも下になるし、機密も少ないだろうから普通に許可されるんじゃないか?と思ってるけどな
こういう微妙な国向けだとインドやトルコの機体もあるけど韓国はLMが噛んでるしFA-50で輸出実績もあるのが大きいのかね?
UAEに関しては、既に完成しているC-2を採用せずにこれから開発を始める予定のMC-Xらしい機体の共同開発に踏み込んだ理由が知りたい。(特にC-2の不整地離着陸試験の結果をどう評価しているのか)
KF-21に関しては、完成すれば購入価格やその他の条件に折り合いがつけば買う国もあるかもしれんけど、各国によって事情は違うもんやからどうなるかは完成を待つしかないよね。 インドネシアは置いといて、もしポーランドとUAEが購入すれば空のK9とまで行かんやろうけど、その次に繋げることも可能になるんで大きいね。
より安価で韓国空軍用にのみ100台以上生産されるMC-Xとは異なり、C-2は生産数量が30台以下に削減され、ライフサイクルコストも急騰しているから。
要するに、輸出競争力ですでにC-2は失敗作だが、韓国のMC-Xは未来が明るい。
韓国空軍用にのみ100台以上ってどう考えても無理だと思うし、未確定な部分が多い以上そんなに自信を持って成功すると言えるわけがないと思うのだが。
韓国軍って固定翼輸送機40機も持ってないし、哨戒機や警戒機、空中給油機までMC-Xで更新しても100機なんて到底いかないのでは…
ああ、攻撃機もMC-Xで更新すればいけるか
ないない
後付けでステルス機化はアメリカですら出来なかったのに出来るのかなあという印象が拭えない。まあ4.7世代機として欲しいのは理解できますが
防衛事業庁が公式に全否定したらしい?ですね。
「KF-21のステルス化」を疑問視してる≒KF-21では航空戦力の近代化にならないと考えてる私的にはさもありなん、という感じですが。