ロシアなど旧ソ連諸国で構成された集団安全保障条約機構(CSTO)は6日、燃料価格の高騰に反発した市民が暴徒化して危機的な状況にあるカザフスタンに対しCSTOの部隊を派遣すると発表した。
参考:Казахстан расценил ситуацию в стране как вторжение извне, сообщили в ОДКБ
参考:Протесты в Казахстане оказались связаны со «штабом в Киеве»
カザフスタン軍の空挺部隊を阻む暴徒化した抗議運動の参加者、中央政府は海外の反政府勢力が今回の暴動に介入していると主張
カザフスタン政府は自動車の燃料に使用される液化石油ガス(LPG)について統制価格から市場の需要に応じて価格が変動する仕組みを今年1日から導入、石油を産出するマンギスタウ州ではLPGの価格が昨年と比較して2倍に高騰しガソリン、軽油、食料といった物資の流通価格も上昇、州政府もLPG価格の高騰に合わせて電気料金値上げの検討を始めたため住民の抗議運動に発展、これを受けて中央政府は「一時的にLPGの供給価格を統制価格に戻す」と4日に発表したが、既に抗議運動はカザフスタン全土に飛び火したあとで膨れ上がった参加者は暴徒化してしまい治安部隊だけでは抑えられなくなっていた。
Massive protests over the rise in prices of liquefied petroleum gas, which supply most vehicles in the region, broke out in the city of #Janaozen on Jan 2 & have led to violent clashes throughout #Kazakhstan in the middle of the economic & political demands… #FuelHikeProtest pic.twitter.com/zLMHdxDcjv
— 🌎 Sarwar 🌐 (@ferozwala) January 5, 2022
そこで中央政府は首都ヌルスルタンの非常事態宣言をカザフスタン全土に拡大し軍を投入して抗議運動を抑え込もうとしたが、特にカザフスタン最大の都市で経済の中心地であるアルマトイでは暴徒化した抗議運動の参加者が政府施設やアルマトイ国際空港を占拠、一部の勢力は軍や治安部隊の武器を奪い抵抗を始めたため至るところで銃撃戦が発生、中央政府はカザフスタン軍を空挺部隊を投入して占拠された施設の奪還を試みたものの組織化された抵抗を受けて失敗し「明らかに戦闘訓練を受けた勢力による抵抗で海外の反政府勢力が今回の暴動に介入している」と主張。
They started shooting at the military, colleagues drag the wounded away. And in Almaty the building of the prosecutor’s office is on fire. #Kazakhstan #Казахстан #protests pic.twitter.com/eYjDoxB4jc
— Aleksander Onishchuk (@Brave_spirit81) January 5, 2022
カザフスタン政府はロシアなど旧ソ連諸国で構成された集団安全保障条約機構(CSTO)に集団安全保障条約の第4条に基づく軍の派遣を要請、CSTOの議長を務めているアルメニアのパシニャン首相は派遣期間を設定した上で加盟国軍を派遣すると6日に発表、これを受けてロシア軍などはカザフスタン派遣軍の準備を始めている。
問題は戦闘訓練を受けた海外勢力の介入がどこからやって来たかで、旧ソ連末期から30年近くカザフスタンを支配してきたナザルバエフ前大統領(現在のトカエフ大統領に権力を譲って安全保障会議議長に収まり影響力を行使していたが今回の件で解任=事実上失脚した)に抵抗して海外に逃れた勢力はウクライナの支援を受けて密かに今回の暴動に介入しており「事実上カザフスタンでの抗議運動はウクライナが統率している」と露メディアが主張して注目を集めてる。

出典:President of Ukraine ポーランド、リトアニア、ウクライナによる3ヶ国首脳会談
ロシアの関心をウクライナから中央アジア方面に逸らすためカザフスタン政府に不満をもつ勢力を焚き付け暴動を起こさせ、目論見通りCSTO介入という事態にまで問題を拡大させたという「出来すぎた話」が真実かどうかは不明だが、これが事実ならウクライナはほくそ笑んでいるに違いない。
※アイキャッチ画像の出典:Esetok / CC BY-SA 4.0
まさに混迷の時代
真のジャーナリズムが求められますな
ん、真相を伝えるために紛争地に乗り込んで拘束されて人間の盾にされろって話か(笑)それは置いといて、背後でウクライナが動いていても、そりゃロシアから露骨に威嚇やられたらやり返すよの程度
ほっとけ
まあこういう工作はロシアなんか普段から当たり前のようにやってることですし。
仮にウクライナがやり返してたとしてもなんも驚かないし、ロシアの自業自得だよね。
???「これで国境を超える大義名分ができたな」
???「平和の祭典までには片を付けるアルよ」
ロシアお得意の西側陰謀説がここでも。
とはいえこの件、暴動発生から2日程度で大統領私邸からテレビ局に果ては与党本部まで襲撃され、軍や内務省の治安部隊の兵士が個人の判断で暴動側に参加するまでに状況が拡大している「手際の良さ」があるのは事実で、確かに誰かが裏で準備していたのでは?という気もします。
ただ、戦力も手段も限定的な外国の扇動者によって自国の都市生活者の多くが参加する運動を計画できる程度には「納屋の土台が腐っていた」のも事実で、旧ソ連諸国はそのあたりの事から何とあっても目をそらしたいのだなという焦りも同時に感じますね。内政がまともな国は外国の扇動程度では戒厳令になりません。
カザフスタンといえば中央アジアの盟主で、ソ連崩壊後にモスクワの影響力が届かなくなった同地域を政治はロシア・経済は中国のバランスで仕切ってきたのもカザフやウズベクな訳ですが、タジクやキルギスではなくまさか一番有力だったはずのカザフが最初に政権崩壊するとは驚きです。これは旧ソ連に属していた衛星国のうち民主化や経済構築が遅れている国々(ようは全部)に対しては非常に恐ろしく映るはずです。既にカザフへのCSTO派遣が決まりましたが、アラブの春よろしく80年代の東欧ソ連革命を免れていた全ての地域に同様の変革が波及する恐れもあるなか、モスクワは手段を選ばず鎮圧に動くのではないでしょうか。
カザフスタンの行政が腐りすぎてて手際がよく見えるだけかも。
ロシアが言うと「俺がやってる事はお前もやってるだろ」と聞こえて仕方ない
>戦闘訓練云々
カザフスタン自身の徴兵制の成果ってオチだったりして
まあ、いわゆるアラブの春やウクライナのクーデターをはじめ、こういうのは表面を塗装するのに熱心な西側の十八番ですからね。
ニュースを聞いた時点で、時期的にもまあそうだろうなとしか思わなかった。
>こういうのは表面を塗装するのに熱心な西側の十八番ですからね。
西側の十八番というより東側(ロシア)が下手なだけだと思う。
ロシアは搦め手よりも軍事力に頼るからねぇ。
> 戦闘訓練を受けた勢力
それは徴兵して訓練してきた自分の国のオッサン達でしょうに。
兵士や警官が市民に武装解除されてる動画が沢山出てきてますけど、そもそも兵隊もこの前徴兵された若者達なんだから、自国民への弾圧に対して士気が低いのは仕方ないような。
普通に冬の土地でインフラ周りで下手こくのは死活問題なのに加えて、今まで富を市民に還元してこなかった政府への鬱憤大爆発の構図という言ってはよくある構図。
ただ、トカエフが凄いのは国内問題なのに、力技で集団安全保障発動して露軍を召喚した点ですかね。
即応部隊に指定されてる露軍の空挺師団も引き抜かれるみたいですし、ウクライナ的には棚からぼた餅でしょうね。宇に幸あれ。
自分はウクライナ問題で手詰まりなアメリカの仕業なのかなって思ってしまってた。(あるいはウクライナと共同で)
もし自分がプーチンなら情報機関からこういう情報が上がってきたらそのまま黙認してウクライナ侵攻の口実にするかなー
(侵攻の口実欲しさにロシアがけしかけたのかなとも思ったけどそれはなさそう?)
基本的に、国家なんてそれぞれお山の大将だから国内問題は自力で解決しようとする。
今回政権がいきなりロシアに介入を要請したのは、国内の不満が溜まってて政府の手先のはずの警察や軍まで信用できない混乱状態に近いからと見ていいよ。
ウクライナの工作など介入の単なるお題目で、本質は世襲狙いの独裁制の腐敗に対する国民の怒りだろう、
要するにプーチンみたいな汚れには汚れた仲間しか集まらない(笑)
国民に売る用の安い燃料を他国に不法に売却して金を得ていたとか、
それを引き締めるために価格は経済原理に任せた結果、高騰して市民から反発を受けている
との情報もあるがね。
自分がやっているから、他国も部隊を送り込んでいると思い込んでいるロシアさん、、、
この仮説を受けてウクライナの諜報機関
や軍部内の情報機関について少し調べてみたけど
ウクライナは所詮ウクライナ(笑)だったよ
ロシアのようにいくつも諜報機関がある訳
でもなければこれといった業績もない。
これは露助がよく使うトンデモ陰謀論だね。
まあ米英や独仏や中国が煽った可能性はある。
でもこれはカザフ国民の自発的な暴動と捉えていい。