ロシア関連

今度はロシアがドローン攻撃に悩む番、2日連続でイリスキー石油精製施設が炎上

ロシア領クラスノダール地方のイリスキー石油精製施設がウクライナ軍のドローン攻撃で炎上したが、露メディアは「2日連続でウクライナ軍のドローンで攻撃され火災が発生した」と報じており、無人機による攻撃から拠点を守る難しさが浮き彫りになった。

参考:Стала известна причина нового возгорания на Ильском НПЗ на Кубани

広大な領土に点在するインフラをロシア軍の防空システムでカバーするのは物理的に不可能なため、今度はロシアがドローン攻撃に悩む番だ

4月29日にセヴァストポリのコザチャ湾にある燃料タンクが炎上、5月3日にクリミア大橋に近いクラスノダール地方ヴォルナの燃料タンクが炎上、5月4日にウクライナ支配地域から350km以上も離れたロシア領クラスノダール地方のイリスキー石油精製施設が炎上したが、再びイリスキー石油精製施設で火災が発生したと露メディアは報じている。

この火災は当初「漏れ出た石油の自然発火が原因だ」と説明されていたが、クラスノダール地方の知事は「ウクライナ軍のドローンが石油精製施設に命中して火災が発生した」と発表、命中した4機の内1機は爆発しなかったらしい。

SNS上に登場した映像を見る限り火災の規模は小さいが、再び従来型の防空システムで「低空を低速で飛行する小型ドローン」に対処する難しさを浮き彫りにした恰好で、広大な領土に点在するインフラをロシア軍の防空システム(低空域に対応したパーンツィリなど)でカバーするのは物理的に不可能なため、今度はロシアがドローン攻撃に悩む番だ。

関連記事:今度はイリスキーの石油精製施設が炎上、ウクライナ軍のドローン攻撃か
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※アイキャッチ画像の出典:Telegram経由

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コメント

    • すえすえ
    • 2023年 5月 05日

    もやせもやせー

    アパートとかマンションに撃ち込んでいる訳ではないので人道的だな

    63
      • 名無し
      • 2023年 5月 05日

      まぁ、それは実際あるわね。無差別にやりかえすとどうしてもロシア贔屓が燃え上がるし。
      鈴木宗男なんて余計なことしないで降伏しろってうるさいしなあ。

      50
      • 月虹
      • 2023年 5月 05日

      ロシアは国民に宣伝する戦果が欲しいので軍・民問わず攻撃して「ナチの連中を殲滅した」とか言ってますが、ウクライナとしてはロシアの動員によって無尽蔵に配置されるロシア兵の攻勢を削ぐことが目標なので主要攻撃目標はロシアの軍事施設や兵站を支えるエネルギー施設になります(いわゆる兵糧攻め)。

      見せしめにロシア領内のアパートや住宅など民間施設を攻撃しても逆にロシア国民だけでなく国際社会の反感を買い、軍事支援を打ち切られてしまうということを侵略された側のウクライナは一番理解していると思います。

      28
    • XYZ
    • 2023年 5月 05日

    圧倒的な技術格差が無い限り、相手も同じ事をやってきますからね。

    自爆型ドローンはイランでも開発できるレベルですから尚更です。
    相手は先にやられていますからインフラ攻撃しても国際社会から批判もされません。

    55
    •  
    • 2023年 5月 05日

    報復招くだけだろう
    西側兵器はこういう用途に使えないのに無軌道な殴り合いに持ち込んでどうするつもりなんだ

    5
      • たら
      • 2023年 5月 05日

      報復?

      78
      • バーナーキング
      • 2023年 5月 05日

      いやもうこれ以上ないくらい無軌道に殴られてるので。

      92
      • 匿名
      • 2023年 5月 05日

      一方的にドローンで殴る事が出来なくなり、それどころか自らの無軌道な民間施設攻撃を正当化した結果、相手からも同じ手段でより効果的に兵站施設を殴られるのは、さぞ気分が悪いでしょうね。

      87
    • くらうん
    • 2023年 5月 05日

    原油が採れても精製ができなければ使うことはできないわけで、石油開発・精製に関する品目を禁輸されているロシアにとってはボディーブローのように効いてくるでしょうね。
    ロシア自力での蒸留装置の製造能力がどれほどあるかはわかりませんが、精製能力の低下を恐れて8月に外資石油会社の年末までの事業撤退を禁止するなどしていましたから問題無いはずはありません。
    ただやりすぎるとロシアに未だ資源依存している国からクレームが入るかも。

    30
      • けい2020
      • 2023年 5月 06日

      じゃなくても2014からの制裁でロシアの原油生産施設も精製施設もメンテナンスが悪化してるぐらいなので、
      こういう攻撃されても直すのも一苦労どころか、修理が難しいかも

      9
    • class
    • 2023年 5月 05日

    ウクライナはアパートやデパートにさんざミサイルやドローンをぶち込まれてきたので…
    このニュースを見ても不思議なくらい心が痛まないっすね

    75
    • KBTIT
    • 2023年 5月 05日

    今頃になって石油施設に対するドローン攻撃が目立つのが不思議だわ タンクなんて脆いのはわかっている訳だしロシアがこの手の攻撃に弱いのも知っているはずなのに もっと前からやっていればロシアの弱体化は早まったのに ウクライナにも余裕が出来てきているから出来ることなのかな

    15
      • おわふ
      • 2023年 5月 05日

      いくら簡単な兵器とはいえ、自己開発に時間がかかったのでは?
      後、数が限られているので、反撃前に集中的に使っているのかも。

      33
      • あるまじろ
      • 2023年 5月 05日

      欧米から供与された兵器でロシア本土を攻撃すると供与元がうるさいから
      自前で開発しているんじゃないかな?

      それで時間がかかったと

      23
    • qwerty
    • 2023年 5月 05日

    ロシア空軍は何やってるんだろう?
    数百km以上飛んで施設を破壊できるサイズのドローンは戦闘機のレーダーでも探知できるはずだから、多数の戦闘機を保有するロシア空軍ならばそのほんの一部を哨戒させとけば費用対効果が悪くても広大な範囲でドローンの攻撃を阻止できるはず。
    実際に石油施設へのドローン攻撃に悩まされたサウジアラビアなんかはF-15で何機もドローンを撃墜している。
    それができないということはロシア空軍は機能不全に陥ってるんじゃないか?

    3
      • チェンバレン
      • 2023年 5月 05日

      >>F-15で何機もドローンを撃墜している。

      さすがサウジは金がありますなあ
      戦闘機って燃料やら整備やらで、1飛行時間当たり何百万もかかるでしょう
      それにAAMだって1発数千万円する

      他国が費用対効果で頭を悩ませる中、とりあえず金でぶん殴って撃墜できるのは羨ましい

      しかしミサイルの在庫は大丈夫なのだろうか

      10
      • すっかり暖かくなりました
      • 2023年 5月 05日

      確かセヴァストポリ攻撃等に使われたアリババの中国製ドローン改造機が翼長5mで最大航続800kmでしたか
      低速で飛行するドローンは鳥と見分けがつきにくい、地形追従飛行をされると一つのレーダーサイトでの補足時間が限定される、とはよく言われますし戦闘機での哨戒飛行だとSAM脅威下で高度が取れず見通し距離が短くなったりレーダー視野角も限定されますから「低空で見つけにくく映ったり映らなかったりするものをたまたま見える時に視野に捉える」難しさに加えこれらが複数存在したら確率的に抜けてしまうというのは原理的に仕方ないんではないでしょうかね
      あまり明るくないので下手な事言えませんからドップラー効果の得られない横行方向目標探知の難しさとかその辺は諸兄にお任せします

      4
      • rea
      • 2023年 5月 06日

      ウクライナ本土から全部飛ばさなくてもロシアに潜伏している特殊部隊員がインフラ施設の近くから飛ばせばいいのです
      材料はネット上で購入できるお手軽品ですから

      6
    • 匿名
    • 2023年 5月 07日

    ドローンテロから守らなきゃいけない範囲が広いのもロシアだし、
    まだ破壊されてない施設が多いのもロシアだ
    全部返ってきたな、ロシアざまあ

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