ElbitとGDはブラッドレー向けのアクティブ保護システムとしてIron Fist Light Decoupled(IF-LD)を開発、米陸軍も満足できる結果が得られたためIF-LD生産に資金供給を開始、何年も停滞していたブラッドレーへのAPS統合が実現に向かって動き出した格好だ。
参考:Army inks Iron Fist buy for Bradley fleet, after years of budget delays
何年も停滞していたブラッドレーへのAPS統合が実現に向かって動き出した格好だ
米陸軍は10年近くエイブラムス、ブラッドレー、ストライカーへのアクティブ保護システム(APS)統合を研究し、M1A2/SEPv3パッケージにRafael製のTrophyを採用したものの、ブラッドレー向けに選択したElbit製のIron Fistは向かってくる脅威の50%にしか対応できなかったため、ElbitとGDはブラッドレーへのIron Fist統合方法を大幅に変更、レーダーや光学センサーといった各要素はオリジナルと異なる方法で統合・調整され、これを制御するソフトウェアも手を加えたIron Fist Light Decoupled (IF-LD)を開発。
米陸軍は同技術を何年も欠けて成熟させ「限りなく実戦に近い環境下で向かってくる脅威の70%に対応できた」と、Elbitも「ロケット弾や対戦車ミサイルに対する保護能力を維持したままドローンに対する保護能力も提供できる」と実証したものの、米陸軍は「IF-LDを実戦配備するのに十分な成熟度に達したが、これを2025年度に調達する資金がない」と述べていた。
しかし、陸上戦闘システムの開発責任者を務めるグレン・ディーン少将は「我々はブラッドレー向けのAPSを購入する資金を見つけた」「まだIF-LDの生産数は限定的なものに留まっている」と明かし、何年も停滞していたブラッドレーへのAPS統合が実現に向かって動き出した格好だ。
因みにストライカー向けのAPSとしてRheinmetall製のStrikeShieldをテストしたものの満足な結果は得られず、ディーン少将も「今のところストライカー向けに適したソリューションは見つかっていない」と述べている。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army photo by Capt. Cody Gallo
M1E3のコンセプト・モデル的なものでも、TrophyではなくてIron Fistらしきものを搭載しているので、コストや重量、スペースなどで利点があるのでしょうね。
今のように一部の車両だけではなく、全車両に標準装備化すると膨大なコストが発生するでしょうし。
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原理的に十分ドローンの破壊は可能なんだろうとは思いますが構造上2機までにしか対応できませんね。
ウクライナ戦争ではAFVみたいな高価値目標はスウォームとまでいかなくても3機4機でボコられてる現実。
ソフトキルにも対応しているようだし、おそらく弾が尽きてもスモーク・ディスチャージャーと連動して煙幕に隠れる、くらいまではできるのでは。
アクティブ防御に関しては、ドローンをはじめ自由な角度から攻撃出来る
装備がどんどんでてるのでこの先必須になると思いますね
ちなみに日本だと未だに歩兵を巻き込むから自衛隊じゃ使えないとか言う
謎の論調が多く、一部専門家と言われる人まで同じことを言ってたりします。
ところが構造を見てみると水平方向に散弾をぶっ放すようなモノは殆ど無く、
多くはメタルジェットのカーテンを深い角度で当てるか、小弾を直撃される
モデルばかりです。
軍事に限った事ではないですがニッチな分野だと殆ど議論されず、
有名な人が言ったから前に習えしている人が多く、ちゃんと調べなきゃ
ダメだなと思いました。
歩兵が乗り降りしてる間に狙われたらコレのせいで周りの連中死なないかな?
仏作って魂入れずというか、ここ最近の米軍武装のハズしてる感というか
あんまりいい装備に思えないなあ
迎撃しなかったらそれはそれで死ぬから一緒でしょ
ドローン対策にはジャミング装置や高出力マイクロ波などソフトキルも使えると思います(但し、車両に高出力の電源が必要)。高周波レーダーや電子光学カメラなど対空センサーで遠距離のドローンを探知して、RWSで迎撃する方法も考えられます。
対戦車ミサイルだと高速なので、探知から迎撃するまでの時間が限られる。従来式の水平に向かってくるミサイルなら金網が有効でしたが、トップアタック方式のものでは車体上部に金網を設ける必要があり、センサーやRWSとの干渉を考えるとあまり車両上部に金網を設けたくない。戦闘機みたいにミサイル警報装置を付けて煙幕かフレアーを自動散布して対処するか、これに限ってAPSを使うというのもある。
森林や市街地など見通しの悪い場所では装甲車両の近くに随伴歩兵を配置する必要が出てくる。ガザ地区での戦闘の様に周囲ががら開きになったところを狙われる可能性があるからだ。開けた場所ではAPSを使い、見通しが悪い場所ではAPS機能を切っておくといった、状況で使い分けるのもアリです。
トップアタック式ATMはウクライナでさほど活躍しておらず、対装甲の主役はコルネットやTOWなど長射程ATMです
さらにスラットアーマーをつけている車両は両軍共にほとんどいませんが、これは従来式ATMで十分に貫徹される上にERAで事足りるからです
なぜトップアタック式ATMが言うほど活躍出来ていないかというと、まず基本的な炸薬量が足りないからです
例えばジャベリンではT-72B3の装甲部分はほぼほぼ抜けません
トップアタックでなら装甲を抜けますが、トップアタックモードで使用した場合この手のミサイルの短い射程はさらに短くなり有効射程は1km以下と言われています(よく出る2kmは直射の場合です)
このような至近での戦闘は主に遭遇戦になりますが、遭遇戦は遭遇戦で最小射程150m以内ではトップアタックモードが使えない制限があり、またRPGやAT4などといった通常の対戦車擲弾と比べて機材の重量が何倍もある上にトップアタック用の2段階ロックオン仕様のせいで不得意です
このようにトップアタックはいいことだけではなく、制限もかなりあり、前線が流動的だった初期なら浸透攻撃で戦果をあげられたジャベリンも現在ではほとんどその存在感をなくしています
Whiskey Dickさんへのコメントです
コメントありがとうございます。
ジャベリンのもう一つの問題点は従来の対戦車兵器よりべらぼうに高額(1発2000万円!)でアメリカでも成績優秀者しか撃たせてもらえないみたいです。こんな高額では生産数も少ないはずで既に枯渇しているのかもしれません(1発で半導体を数十個も使っており、半導体供給の影響を受けやすい)。似たような兵器にイギリスのNLAWがあり、こちらは最小射程20m、価格と重量はジャベリンの半分、トップアタック可能ですが高速で動く物体に対して命中率が低いという特徴があります。
ロシア軍におけるトップアタック対戦車ミサイルの評価ですが、ジャベリンで致命傷を与えられる可能性は5発に1発ぐらいです。鹵獲兵器としての使い勝手はNLAWの方が評判が良いとのこと。清谷氏の話ではジャベリンの価格と重量はアメリカ軍でも問題になっており、最近は無反動砲にレーザー誘導弾を組み合わせるのが主流になっている。
NLAWは使い勝手の面では確かにジャベリンよりはいいですが、貫徹力はさらに下ですからねえ
というより兵器としてはコルネットやジャベリンなど本格的な対戦車ミサイルではなくRPGやAT4など近接攻撃向けの携行擲弾のカテゴリです
対人擲弾としてもぶっ放すことが前提のものですからある程度性能は低くても使い勝手がよくないと困りますね
西側製品のスラットは粉砕式でネットは短絡式のRPG避けだからこれらの供与を受けても現場では実際使われない(供与時宣伝では盛々だが)のはドローン普及でRPGでアンチタンクなんて誰もやらんからでしょうが、
対テロ戦争時代の防護手段は所詮はローテク相手LIC用なのでそこそこ新しいミサイルには信管作動前に弾頭コーンを粉砕するスラットとか根本的に意味がない。
MRAPにしろ低位置EFPからタイヤハウス防護の付加装甲って砲撃対策で使えそうな気がしてもオフロードでは重すぎて無理だし対テロ戦争時の知見ってことごとく役にはたってないような?
ハードキルのAPSにしろMBT用とIFV用では違うし対応脅威も厳密には違うがLICからHLCに主軸が変更となればAPSそのもの以前に本体防護性能が必要になるのだがM1とM2はメルカバでもなければナメルでもない。
さらには適合車種の形状もセンサーと迎撃機配置で問題になるが特にストライカーは魔改造感丸出しデコボコでAPS搭載にはつくづく不向きなのだが基礎防護も当然ザコだから結果が得られないのはある意味当然で装輪ならエイタンAPCが必要にはなる
要はイスラエル製APSで高い防護成功率を得るにはレガシー車両の刷新が必要でAPS搭載前提の砲塔も必要でそれ無しで既存装備に追加するだけで万全なんてありえないという事なのだがじゃあAPSに資金供給が進んでも解決は無理だよねっていう
ブラッドレイの砲塔ってもうモリモリ状態ですが、APS載せるスペースあるのかな…
そもそもブラッドレイをいつまでも使い続けるつもりなのでしょうね