米国関連

米国防総省、マイルストーンCを宣言してF-35のフルレート生産を承認

国防総省は12日「IOT&Eと実弾射撃試験の評価に基づいてF-35のフルレート生産を承認した」と発表、この決定はF-35の性能や生産システムに対する成熟度の現れだと評価されているものの、ロッキード・マーティンの生産や販売に大きな変化はもたらさない。

参考:Pentagon finally approves F-35 for full rate production after 5-year delay
参考:F-35 upgrade delays prompt US Air Force to scale back jet purchases

米空軍は調達するF-35Aのトップラインを変更していないため現在の削減は一時的な措置に過ぎに過ぎない

F-35は2019年までにIOT&E(初期運用テストおよび評価)を完了してマイルストーンCを宣言=フルレート生産に移行する予定だったが、国防総省は12日「IOT&Eと実弾射撃試験の評価に基づいてF-35のフルレート生産を承認した」と発表、この決定はF-35の性能や生産システムに対する成熟度の現れだと評価されているものの、既にBlockBuy(複数ロットの一括契約)による調達が行われているため、今回の決定はロッキード・マーティンの生産や販売に大きな変化はもたらさない。

出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Beaux Hebert

因みに昨年7月から生産されているF-35にはBlock4の構成要素=Tech Refresh3が組み込まれているものの、F-35JPOはテストが完了していないため受け取りを拒否、ロッキード・マーティンはテストが完了するまで完成したTR3構成機をフォートワースの倉庫で保管中だが、この機体の数は70機近くに膨れ上がっており、米空軍長官も「財政面と運用面で深刻なダメージをもたらしている」と明かした。

米空軍は2025年度予算案の中でF-35Aの調達数を48機から42機に削減し、ジョーンズ空軍次官補も「F-35Aの調達数削減はBlock4の遅れが原因だ」と明かしたが、これはTR3だけの問題ではなく「Block4を構成する4つの要素=ソフトウェア、TR3、ECU、PTMSの開発が全て遅れている」という意味で、数年前から調達数削減に動いているのは「Block4の要素が中途半端に組み込まれた機体ではなく、全ての要素が出揃う29年度以降の機体を購入したほうが賢い」という判断に起因している。

出典:U.S. Air Force photo by Brian G. Rhodes

米空軍は調達するF-35Aのトップライン(1,763機)を変更していないため現在の削減は一時的な措置に過ぎず、ジョーンズ空軍次官補も「29年度以降には年48機調達に戻す」と説明している。

関連記事:米空軍はF-35AやF-15EXの調達削減、旧型F-15Eの退役を議会に要求
関連記事:LOT18~19でF-35の調達価格が上昇する可能性、米軍の調達削減が原因
関連記事:70機近くまで膨れ上がった保管状態のF-35、米空軍や同盟国に影響
関連記事:米空軍、F-15Eの旧型119機を2028年までに削減することを検討中

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army photo by Daniel Malta

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コメント

    •  
    • 2024年 3月 13日

    なるほどね

    2
    • 765
    • 2024年 3月 13日

    TR3が遅延しててたり次世代エンジンどうすんじゃいって問題はあるけど、旧世代機と比べて隔絶した性能してるんだからそりゃ買うよね

    20
    • ku
    • 2024年 3月 13日

    羽の生えたコンピューターだから永遠にこういう問題出てくるでしょう
    ユニット入れ替えて簡単に「ハイ、バージョンアップおk」みたにならないもんだろうか

    4
      • 全てF-35B
      • 2024年 3月 14日

      ネックはエンジンだけど、どちらにするか決まったのかな?

      0
    • DEEPBLUE
    • 2024年 3月 14日

    今の議会を見ているとトップライン死守も怪しく思える

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