米陸軍は8日「11月に実施したテスト結果を受け、初期運用能力を獲得したPrSM Increment1の納入が始まる」と発表した。PrSMはATACMSの後継ミサイルとして開発され、日本に配備される可能性が非常に高い地上ベースの長距離攻撃兵器だ。
参考:Army announces first Precision Strike Missiles delivery
参考:Lockheed begins delivering long-range PrSM Increment 1 to Army
PrSMは日本に配備される可能性が非常に高い地上ベースの長距離攻撃兵器
米陸軍は中距離核戦力全廃条約(INF)失効を受けて射程500km以上の攻撃能力を開発に着手、この能力はDark Eagleを運用する「Long-Range Hypersonic Weapon=LRHW」、トマホークとSM-6を運用する「Typhon Weapon System=別名:Mid-Range Capability long-range launcher」、HIMARSで運用する「Precision Strike Missile=PrSM」の3つで構成され、MK.41を流用したタイフォン・ウェポン・システムは最も技術的ハードルが低く、米太平洋陸軍司令官のフリン大将は「2024年にインド太平洋地域に配備する予定だ」と明かしていた。
PrSM(精密ストライクミサイル)についても米陸軍は8日「11月に実施したテスト結果を受け、初期運用能力を獲得したPrSM Increment1の納入が始まる」と発表、ATACMSの後継ミサイルと開発されたPrSM Increment1は射程500km以上の弾道ミサイルで、Increment2では改良型シーカーを搭載して海上の移動目標にも対応した「対艦弾道ミサイル」に進化し、Increment4ではラムジェットモーターを搭載して射程が1,000km以上に拡張される予定だが、Increment3だけは具体的な情報がない。
PrSMの開発に参加している豪州もHIMARSで運用することが確定しており、MLRSを運用するも英国も開発に参加して「2024年にPrSMを導入する」と述べているため「米英豪は共同でPrSMの開発・調達を進める」という意味だ。
因みにフリン大将はタイフォン・ウェポン・システムの配備先について「西海岸に配備される可能性はない」と述べ、台湾周辺での実戦を考慮するなら日本かフィリピンに配備される可能性が高いものの「当該国の承認もしくは協定締結」が必要だと言われている。
フリン大将はPrSMについて「HIMARSで使用される弾薬に過ぎず、HIMARS配備に同意済みの国と新たな協議は必要ないと考えている」と述べているため、日本に配備される可能性が非常に高い。
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※アイキャッチ画像の出典:Photo by Darrell Ames PrSM Increment1
このミサイルの長所は最短射程らしい
最短射程で弾道ミサイルを撃つと誘導時間が短いので制御が難しく誘導が困難らしい
にも関わらず命中させられるのが長所ということだった
この精度ならIncrement1でも、目標情報更新速度次第で艦船にも当てられるのかもしれない
そもそもデータリンク機能なんてなさそうだし情報更新なんて無理だろう。固定されたポイントに対して主にGPSによる情報を元に軌道修正して突入するミサイルなんだから終末に相対速度まで加味した上でそこまで細かな制御するかは疑問がある。
1ノットで航行していても秒で50cm動くしミサイル自体の突入速度も速ければ修正時間も短くなる。仮に狙うとしたら正面か後方から突入しないと命中率は大きく下がるだろう。まだ低速で水平方向から突入して命中率が高そうなトマホークですら最新型で進化したシーカー搭載してまともな対艦攻撃能力を得た話を見るにIncrement2のスマートシーカーと人工知能機能があって初めてブリッジや弾薬庫や機関室みたいな重要区画に対してまともな攻撃が出来ると思う。
ロフテッド軌道の、短距離バージョンなのでしょうね。
急角度・急落下するため、速いスピードで落下して・飛翔時間が短くなります(短距離のため一層)。
迎撃ミサイルで迎撃が難しいですし、デコイを混ぜたら迎撃無理でしょうね…(PrSMは単弾頭とは思います)。
アメリカ軍が陸軍向けの長射程兵器を次々に開発していく、何だか中国・ロシア軍に似てきた。
一昔前のアメリカならこの手の兵器は全て空軍と海軍に配備していたはずだ。航空機と艦船では運用コストが高いから車両から運用することにしたのか、若しくは低軌道衛星と無人機の大量導入によって捕捉・照準さえできれば空襲に拘る必要が無くなったのか。
>Increment3だけは具体的な情報がない。
breaking DEFENSEによる3月27日付け記事 “Army taps teams to build new Precision Strike Missile for targets beyond 1,000 km” によれば、以下内容だけですが
> PrSM Inc 3 then seeks to add in enhanced lethality payloads.
(PrSM Inc 3は、強化された致死性ペイロードの追加を目指しています。)とあります。
「強化された致死性ペイロード」が何を示すのかは現在明らかではないですね。
また、Increment4 は Increment3 に先行する可能性があるとも述べています。
Typhon Weapon System・・・海の成果を流用して短期間で確実に仕上げる合理的な選択だと思うけど、力業感が半端ない。
これは揚陸艦の甲板から発射できるのでしょうか?
新しい兵器を所有するのは大事だし、台湾の選挙が来年に控えているからどんどん動いた方が良いのだが、肝心の防衛費に関してはどうするつもりなのか?
政権支持率が下落傾向にある中で、閣僚の不祥事も続いているため、防衛増税も先送りにするという、政府が行うべき『必要な事にお金をかける』という基本的な仕事を履行せずに後回しにしようとしている。
政治経済の話はこのサイトだとややズレているとは思いますが、戦争・軍事が外交・政治の中の一種という考え方は古代からの伝統ですし、今回のような掲げた政策や方針を安易に翻す政治は止めてほしいですね。
本筋としては、解散総選挙をして民意を問うなり、国民投票なりで確認するべきでしょう
間接とはいえ民主主義国家なのですから、国家の大方針を経済とするのか軍事とするのかは国民の意志を確認すべきなのです
ウクライナ紛争、パレスチナ問題なども含めて世界情勢を国民がどう感じて「何が必要なのか」を国家としてちゃんと決めるべきですね
「減税しろ!」のほうが圧倒的に強いとは思いますが
解散総選挙の重要性、まさに仰る通りですね。
問題は、解散総選挙で政策の民意を問いながら、政策を進められる首相が次はいつ出てくるのかという事でしょうか…(大体の首相が、追い込まれ解散になっている気がしています)。
第二次安倍政権以前でしたら、小泉政権くらいまで遡ってしまう気がします。
国民人気・党内基盤、この2つを備えた政治家・首相の登場を待つとなると、国民投票の方が現実的なのかもしれませんね。
アメリカが中国の後追いをしているのが興味深いですね。
中国は既に射程500km級の戦術弾道ミサイルを発射できるMLRS(PHL-191)を保有していますし、複数種類の対艦弾道ミサイルも保有済み。
中国軍は敵(米軍)の強力な航空戦力を想定してミサイルの長射程化を推進してきましたが、今の米軍は中国軍と同じ発想に至ったのかもしれません。
米中ミサイルギャップに対する米国のとりあえずの回答が徐々に出揃いはじめましたね(一番本命のLRHWが遅延中なのは切ないですが)。この問題が提起された頃に示された大筋どおり、戦闘爆撃機に吊るさなくても使える地上発射型の対地誘導兵器のエコシステムを質量ともに増やすという方針に異論はないです。ですが地上兵器である以上は展開する場所を必要としますし、いかに米軍が沖縄や岩国などに広い用地を保有しているとはいえ基地内だけで展開を完結することはないでしょう(どうせ有事になったら基地の外に展開するはずです)。
2010年代以降の陸上自衛隊はこの問題に対して自治体や警察と連携して演習場外での展開訓練の機会を増やしてきましたが、米軍もこの種の地上兵器を増備する以上は予行演習を緊密にしてほしいですね。ぶっつけ本番でやったら絶対に何かしらの問題が起こりますし、そういう問題を地位協定等々の力技で流して追求を無視してきたのが在外米軍基地の問題の根源でもある訳ですから。
アメリカもやっと、INFで後れを取ってしまった戦力が、本格的に揃い出したと考えてよいのかな?
この勢いで、どんどんINFの穴埋めをしていけば、中国優位も崩れてくれるか?。
米議会がどこまで金出すかにかかってるとは思うが。
日本への配備も早くして欲しいところだが、公明党がイチャモンつけそう。公明党、完全に獅子身中の虫に成り下がったからな。
岸田内閣で、どこまで公明党を押し込められるか。
これらが日本に配備され、日本もスタンドオフミサイルをイッパイ持つわけだから、日本ミサイル列島ですな
中国が米の挑発にのって日本と同じ過ちをし無いことを祈る。
台湾を諦めてくれんかね。