ロッキード・マーティン、韓国航空宇宙産業、RED6の3社は20日「RED6が開発した先進戦術拡張現実システム(ATARS)をT-50に導入するための作業を開始した」と発表、これは米空軍と米海軍からの受注を獲得する布石だろう。
そろそろT-7Aの開発体制を建て直さないとロッキード・マーティンとKAIにATT、TSA、UJTSを持っていかれるかもしれない
ロッキード・マーティン、韓国航空宇宙産業、RED6の3社は20日「RED6が開発した先進戦術拡張現実システム(ATARS)をT-50及び地上シミュレーターに導入するための作業を開始した」と発表、このATARSは西側空軍が注目しているAR技術を応用した訓練システムの一種で、複雑化する脅威や任務を拡張現実で再現することで訓練効率の向上と訓練コストの削減が可能になり、ボーイングがT-7AとF-15EX、英空軍がHAWKへの採用を決めている。
ロッキード・マーティンは「依然としてT-50には世界的な需要があり、我々は米空軍の訓練機プログラムにTF-50Aを、米海軍の訓練機プログラムにTF-50Nを提案している。RED6が開発したATARSの統合作業はT-50プログラムを対象にしているが、最終的にはF-16、F-22、F-35といった当社のプラットフォームにも統合される可能性がある」と、RED6も「ATARSは今日の非効率な訓練環境を改善するものだ」と述べ、恐らく米空軍と米海軍からの受注を獲得するための布石だ。
因みにロッキード・マーティンが米空軍と米海軍に提案しているTF-50はT-Xに提案したT-50Aではない。

出典:Lockheed Martin
韓国航空宇宙産業(KAI)は今年1月「2024年からは世界最大規模の米国市場に全てを投資する(政府調達の依存を減らして海外輸出に重点を置く経営方針)」と発表し、FA-50の単座バージョン=F-50の開発を2028年まで開発し、F-50の米国向け仕様=TF-50も開発して「米空軍の先進戦術訓練機(ATT)、米海軍の戦術的代替航空機(TSA)、ゴスホークの後継機プログラム(UJTS)を取りに行く」と宣言した。
つまりロッキード・マーティンが米空軍と米海軍に提案したTF-50AとTF-50Nは「F-50の米国向け仕様」で、当然これにもRED6のATARSが搭載されるのだろう。

出典:Boeing
ボーイングはT-7AでATT、TSA、UJTSに挑戦(3つのプログラムの最大需要は1,000機らしい)するつもりだが、同機の初期作戦能力の宣言は2027年以降(3年以上の遅れ)にずれ込むことが確定し、空軍も「ボーイングのスケジュールは楽観的な仮定に依存しているためトラブルが発生しても対処する時間的余裕が全くない=さらなる遅れが発生する可能性」と危惧しており、T-7Aの状況は控えめに言ってもよろしく無い。
F-50、TF-50A、TF-50Nは実績のあるプラットフォームの単座バージョンなので開発で躓く可能性は低く、そろそろボーイングはT-7Aの開発体制を建て直さないとATT、TSA、UJTSを競合に持っていかれる可能性がある。
追記:Raytheonが社名をRTXに変更した。
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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin
追記:Raytheonが社名をRTXに変更した。
最後にサラッととんでもないこと書いてあって草
レイセオンの方がカッコいいよ絶対
RTXってグラボかよってなる
拡張現実システムもゲーム感が強い
レイセオンの証券取引所におけるティッカー(略称やコードのようなもの)がRTXなので
株主を意識したものかもしれない
厳密には社名はRaytheon Technologiesのままブランド名がRTXに変更されるもよう。
同時に事業の再編も行っていてその一環で4つある部門のうち「レイセオン•インテリジェンス&スペース」と「レイセオン•ミサイル&ディフェンス」の2部門が「レイセオン」に統合されて社名と紛らわしくなるので変更した面もあるかと。
アルファベット3文字だと、検索する時に『同名の別物』が大量ヒットするので面倒なんですよねぇ。
調べたかったのは超音速輸送機(SST)であって、ソーシャル・スキル・トレーニングとか三菱のランエボではないんだ・・・
ポルシェ911ではなく911テロが出てしまう現象
思うに練習機に多くを求め過ぎでは
T-4くらいに手軽な機体をリフレッシュするだけじゃあかんのかね
戦闘機が高度化して求められる任務も複雑化しているから、それを扱いこなすための訓練内容も練習機そのものも高度化しないと駄目なんでしょうね
こちらのブログでも、実際の任務の訓練をF-35実機ではなく訓練機で行う計画の記事がありましたから、実機を消耗させない観点でも訓練機に飛行訓練以上のものが求められている状況ですね。
F-22やF-35の複座機はないですし、次世代戦闘機も単座のみになるか不明ですから、訓練に実戦機体を使用したくない、というニーズは高まりそうです。
シミュレーターでどこまで再現できますかね。フランス空軍ではミラージュ2000の訓練用にDCS:Worldというゲームを使っていたそうですが、再現度は97%(開発会社のCEOの言)だとか。
実機の環境や、空戦機動のGとか再現できるやつだと高額にならざるを得ないので仕方ないのかもしれませんが、数を増やすためにゲームセンターの筐体みたいなので訓練するのを増やすのは大丈夫なんだろうかと素人は思ってしまいますね。でも無人機の遠隔操作とか既にあるから今更か。
実機訓練と同等数の練習機一機あたり輸入でサポート・予備部品付きで50億として減価償却できるんですかね?
へたすると実機乗り回した方が安くつくのでは?
州軍戦闘機やスクランブル用機材の代替まで狙っているのでは。
州軍戦闘機は古いF16やFA18が使われているがそろそろ寿命だし、最新型戦闘機の運用コストは上昇傾向なので、脅威度の低い機体へのスクランブル任務はF16より安価な機材で行いたいとか。アメリカの同盟国でF16すら購入できない貧しい国は多いので、中小国に対する訓練や軍事支援用にもT-50系統は有効だと思う。
やめてくれ。長年親しんだ社名変更は俺に効く。
未だにレオナルドではなくオート・メラーラとか、ボーイングではなくマクダネル・ダグラスとか言っちゃう俺には。
ボーイングはマジでT-7Aをなんとかしないとロッキード・マーチンに全部持っていかれるかもしれない。
1社の寡占状態というのは良くないのでボーイング頑張ってほしい。
むしろ個人的には、この件に関してはLMにがんばってほしい。
寡占はよくないけど
技術力皆無で生産能力も微妙、高い政治力だけで生き残っているクソ企業は潰した方がよくね?
むしろ現状で安泰な方を数えた方が早いのではボーイング
もはや日本は蚊帳の外。終わってる
世界最強日本の兵器
軍事機密が中国に流れてしまうから輸出はんたーい
先端プロセスでは中国韓国に大きく敗北したけど、
わりと大真面目な話、職人の呼吸的な表層には表れにくい隠れた分野ではまだ中国を凌駕していると軍事関係者からは聞く。
そういう匠の職人の流出を阻止できればまだまだ逆転できる。
表には出てこない匠達が仕上げる世界は10年20年では逆転できないそうだ。
練習機ってF-35用なのか、第6世代機用なのか知らんけど、
F-3用だと、T-50じゃローカライズできなくて困らないかな?