米海軍向けの原子炉を製造するBWX Technologiesの最高経営責任者レックス・ゲベデン氏は投資家に対して「米海軍の次期攻撃型原潜はコロンビア級原潜と同サイズになるだろう」と語り注目を集めている。
参考:The U.S. Navy’s New Attack Submarine Could Be Huge
バージニア級原潜の後継艦はコロンビア級原潜の船体を流用?そんな馬鹿な、、、
米海軍は攻撃型原潜「バージニア級(水中排水量7,800トン)」の後継艦を2030年代に調達することを予定しており、水面下で次期攻撃型原潜SSN-Xプログラムが進行中だと言われているが、今のところSSN-Xに関する情報は公に何も公開されていない。しかし米海軍向けの原子炉を製造するBWX Technologiesの最高経営責任者レックス・ゲベデン氏は投資家に対して「米海軍の次期攻撃型原潜はコロンビア級原潜と同サイズになるだろう」と語り注目を集めている。
ゲベデン氏が言及した「コロンビア級原潜(水中排水量2万トン)」とはSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を搭載するオハイオ級弾道ミサイル原潜の後継艦のことで、つまり米海軍の次期攻撃型原潜はコロンビア級原潜と同じサイズになると言っているのだ。
そのため米国の経済誌フォーブスは「米海軍がSSNとSSGNを統合しようとしているのではないか」と指摘している。
SSGNとはオハイオ級弾道ミサイル原潜を改造して巡航ミサイル「トマホーク」を最大154発搭載できるようにした改良型オハイオ級巡航ミサイル原潜のことを指しており、米海軍は次期攻撃型原潜SSN-Xと別に巡航ミサイルを大量に搭載する「Large Payload Submarine」の開発も行うことを示唆していた。
要するにフォーブスの指摘は「Large Payload Submarine」を単独開発することを止めて、SSN-Xを大型化=コロンビア級原潜と同サイズにすることで設計や船体構造の一部を共通化してコスト削減を狙っているのではないかと指摘しているのだが、流石に水中排水量2万トンの攻撃型原潜は大きすぎないだろうか?
補足:一般的に潜水艦の船体直径が小さいほど水の抵抗が少なく加速に有利で、潜水艦の船体直径が大きほど船体容積が増え兵器搭載が増すため攻撃型原潜は前者、弾道ミサイル原潜は後者を選択する場合が多い。因みにロサンゼルス級原潜(弾薬庫容量26発+発射管装填分4発+VLS12基)の直径は約10.1m、シーウルフ級原潜(弾薬庫容量52発+発射管装填分8発)の直径は約12m、バージニア級原潜(弾薬庫容量38発+発射管装填分4発+VLS12基)の直径は約10.4mだが、SLBMを搭載するオハイオ級弾道ミサイル原潜の直径は12.8mでコロンビア級原潜の直径は13.1mだ。
仮に大きさの問題をクリアしてもコロンビア級原潜の平均建造費用は75億ドル(7,700億円)以上と言われおり、SLBMや関連装備を外してもバージニア級BlockVの建造費用34億ドル(3,600億円)を超えるのは目に見えている。
これだけ攻撃型原潜が高価になると数を揃えるのに苦労することが予想され、ますます艦隊規模が縮小するのではないかと思うのだが、、、
果たして米海軍の次期攻撃型原潜は本当にコロンビア級原潜と同サイズになるのだろうか?もし水中排水量2万トンの攻撃型原潜が実現するなら攻撃型原潜の定義が書き換えられるのかもしれない。
関連記事:平均建造費用7,700億円、米海軍がコロンビア級原潜の調達を開始
※アイキャッチ画像の出典:public domain バージニア級原子力潜水艦ブロックIII ノースダコタ
この大きさだと、自分では戦わずに攻撃は水中ドローンに任せて、水中司令部として情報収集に専念するのかも。
弾道ミサイルのスペースをドローンの格納スペースにするとか。
水中では通信帯域が絶望的に足りないから無理だろう。有線では意味ないし
いや有線でも普通に意味あるでしょ?
有線である以上行動範囲が限られるし、ドローンが見つかれば正に芋づる式になる。リスクに見合うとは思えないな。
有線で水中ドローンを動かして敵を攻撃するくらいなら直接従来の有線誘導魚雷を使えば良いだけだし。
同意です。
ただセンサーとしてUUVを使うのはありかと思います。
巨体ゆえ被発見率が高まるため、危険な沿岸域に近づく時はUUVを先行させる、というような使い方です。
マクナマラもびっくりのコストカット手法ですね
ロシアは攻撃原潜もごんぶとで
アクラ級SSNは直径13m以上ある
ロシアの次世代原潜も、巡航ミサイル型も兼ねる攻撃型と戦略型を共通化したモジュール構造らしいしな
静粛性も巡航ミサイルも特殊部隊も全部積めとか無茶ぶりされれば、オスカー級めいた巨大原潜にならざるをえないのかも
んで、米からは海自潜水艦30隻体制の要求が出ているとかの噂が有るので、東シナ海みたいな浅海域は海自に任せるつもりかも?
旧ソ連は福利厚生充実する為に船大きく作っていたハズですけど、アメリカは静寂性能の為と言っていますね、ウォータージェット推進でも音対策は大変みたいです、後はミサイルのスラスターに相当する装備に、目途がついているのかも?
ロシア原潜が太いのは船体が複殻式(耐圧殻の外をドンガラの外殻で覆い、その間を浮上タンクにする)だからですね。予備浮力が大きく氷海での浮上能力が高いとか、水中爆発への耐性が高いなどの理由があるようです。
米原潜は単殻式なので細く、これは複殻式だと薄い外殻が水流で振動して静粛性を確保できないことも理由らしいです。そのせいか、吸音タイルの実用化はロシアが先行してますね。
原潜は原子炉循環ポンプや減速ギアなどの機械騒音が大きく、それらを丸ごと架台に載せ防振ダンパーで船体からぶら下げる構造で、防音対策を取るには排水量を大きくする必要があるようです。フランスのリュビ級は通常潜並に小型ですが、静粛性の高いターボエレクトリック推進だから可能だったのかも。
2万tてほぼシーウルフの倍、バージニア級の2.5倍ですか。ちょっと斬新すぎるのと最近米海軍の野心的な艦船は空振り続きなのが怖いですね
巨大なボディで空間戦闘用と陸上攻撃用を統合するというとフィールドは違えどF-111を思い出してしまう
マクナマラも草葉の陰で喜んでるかも
まず、コロンビア級原潜の建造を中止して、バージニア級原潜にSLBMを搭載すべきだ。
SLBMさえ搭載できれば、攻撃型原潜は戦略型原潜の変わりができるが、逆は無理だ。
バージニア級の直径じゃSLBMは積めないでしょ
いくらVPMがSLBM発射管の流用とは言え、深さは切り詰めているだろうから
VPMに合わせたSLBMを開発すればいいのでは?
SLBMを搭載した原潜がどこにいるかわからなくなるので、抑止力としては向上すると思います。
例えば、空母の傍からSLBMが発射されたりして。
わざわざ目立つ上に潜水艦が狙いに来る空母の近くに置くリスクを犯さずとも庭である米国近海を回遊させておけば探知できませんよ…
空母は通常戦力なので核戦争用の潜水艦を随伴させる意味ないですし
条約ガン無視かぁ…
中国の入っていない条約なんて時代遅れさ。
ズムウォルトよりデカいとはとても真面目に対水上艦・対潜水艦戦を考えているとは思えないサイズだな。
次期水上艦は手堅くとか言ってるのにまた迷走しそう。それとも画期的に静粛化するために容積が必要とか
バージニアブロック5で対地攻撃やら特殊部隊の輸送も出来るように船体を延長してたから、
「だったら新型は最初からデカく作ろう」って事なんだと思う
もうなんだろう・・強襲揚陸型潜水艦とでも呼べばいいのかな・・
潜水空母かも。
ASBMの脅威や、UAVの進化、空母の肥大化にその護衛に掛かる費用も考えると
潜水空母も案外アリかもしれないね。
プロイェクト717とかトゥアハーデダナンの世界ですね
静かで高速なら別にデカくてもいいのかもしれない
単純にデカければそれだけ探知されやすくなると思うんですけど違うんですかね。
後方から巡航ミサイル打つだけならともかく、空母に随伴して対潜水艦戦を行うのには排水量大きすぎな気が
下手したら空母を守るための原潜が空母より高価になっちゃうかもしれないですね。笑えない…
深度が50m以下みたいな所では動きが制限されたりアクティブソナーで探知され易くなるが深度200m以上あるような海域だと防振・吸音に使える排水量が大きければ大きいほど静粛性が増しステルス性が高くなるよ
あと、当然ソナーも戦術システムもデカく出来るので探知力も大幅に向上する
>当然ソナーも戦術システムもデカく出来るので探知力も大幅に向上する
バージニア級でも十分デカいでしょ
中国潜水艦は、東シナ海で海底の泥を巻き上げながら高速航行してるって、海自の元潜水艦長が言ってました。
中国がどうしても南シナ海全域を我が物にしたい理由のひとつでしょうね。
全面戦争ともなれば随伴だけではなく最悪中国海軍が聖域化した内海に突入して潜水艦やらの護衛網を掻い潜りSSBNや空母を排除することもオプションの一つとして求められかねないわけですが、かつての冷戦ではソ連に対してその任務を実行可能な最強の水中戦特化型であるシーウルフ級を開発したわけですよね
なんかまだ米軍から格下の対テロ戦やならず者国家ばかりを相手にしてきた気分が抜けきってないような
これが実際に進むといつもの例のごとく建造費高騰で数が揃えられなくなって、必要な隻数を賄うために通常動力型潜水艦の導入論が熱を帯びると予想。
万が一そうなったら日本から買えばいいんじゃないですか?笑
既に海自へ更なる潜水艦増強要求が来ているとの噂が……
>>通常動力型潜水艦の導入論が熱を帯びると予想
米国の運用構想にも合わないしあり得ない
ましてや日本から買うとか妄想が飛躍し過ぎ
攻撃型原潜が持つ対水上艦戦闘、対潜戦闘のアドバンテージを捨ててまで極端に大型化させる利点がまるで見つからん
大株主の投資家向けにプレゼンしただけとはいえ企業のトップがこれではそりゃあ米海軍が迷走するのも納得ですわ
魚雷を詰まずに全部超音速対艦ミサイルにするとかなら、大型化して搭載量全振りでもよさそう。
そうなると攻撃型原潜とは何ぞやって感じではあるが。
F-35のABC型共通化の悲劇再び。
強いて言えば、浅海の行動はこれから実用化の進む無人潜水艇に任せて、原潜は深く広い大洋に潜んで索敵と長距離打撃に専念するのかと。
いわば水中要塞としてのSSGNか。巨大化の必然性がまだ腑に落ちないけどな
ミサイルの大型化で地上発射が有利になったからコスパを考えて同じにするには大型化が必要なのでしょう。あと防空網が密になってミサイルの生存率が少なくなったからその分大量に供給しないといけないから大型化したんじゃない。
さすがにでかすぎて使いどころがほとんどないような…。
湾岸戦争のペルシア湾でもイラクに潜水艦がなかったから構わなかったが、ロス級ですら全長が長すぎて深度を変えるのに、海底に引っかかるとか、狭いからそもそも回避行動ができないとか言われていたし、シーウルフ級の建造が途中で中止になったのも、予算以外にも大洋はさておき、近海では使えないといは話になっははずだが。
2万トンの攻撃型原潜か。
かの独立戦闘国家やまとですらせいぜい1万トンなのに…
ロシアの最新攻撃型原潜ヤーセン級が水中排水量13800トンで
これを上回るべく建造される原潜に巡航ミサイルをロシアより多く積めとかSEALs積めとか無人潜水艦積めとか要求していったら
水中排水量は20000トンになるのは普通なんじゃないの?
まだトランプが逆転すると言い張る人はどこにいった(笑)