レイセオンは「non-kinetic effector/非運動エフェクター」と呼ばれる装置を搭載した1機のUAVで10機のドローンを無力化することに成功した。
参考:Non-kinetic Coyote aces US Army test
米陸軍のドローン対策にとって救世主が登場か? 非運動エフェクターの正体は?
米国のレイセオンは21日、種類の異なる複数のドローンで構成されたスウォーム(群れ)と1機のUAV「コヨーテ・ブロック3」が交戦、全てのドローンを撃破(無力化)することに成功したと発表した。
もう少し具体的に説明するとレイセオンは自社の徘徊型UAV「コヨーテ・ブロック3」のプラットフォームに何らかの装置を搭載して種類(サイズ、機能、機動性、滞空性など)の異なる10機のドローンで構成されたスウォーム(群れ)と空中で交戦、10機全てを撃破(無力化)したコヨーテは回収され再使用できることを米陸軍のデモンストレーションで実証してみせたという内容だ。
レイセオンのトム・ラリバティ副社長は「複雑な無人航空機システムに対抗する手段として価格も手頃で再使用も可能なコヨーテが有効性を実証した」と主張しており、特に複数のドローンと同時に交戦して全てを無力化したことは非常に驚くべき結果と言えるのだが、肝心の「non-kinetic effector/非運動エフェクター」と表現する部分(米メディアは電子戦システムか何らかの指向性エネルギー兵器と予想)の詳細についてはコメントを控えているため謎を呼んでいる。
米メディアは非運動エフェクターについて「高出力のマイクロ波システム」ではないかと予想しているが、果たしてレイセオンはどのような技術を使用したのだろうか?
参考:Jet-Powered Coyote Drone Defeats Swarm In Army Tests
因みにレイセオンのコヨーテは非常に小型のチューブ発射式UAVで偵察・監視タイプ、徘徊型タイプ、空中発射や水中発射に対応したタイプなど複数のバリエーションが開発されおり、今回使用されたプラットフォーム「ブロック3」は今年3月に開発を命じられたばかりの最も新しいコヨーテなので殆ど詳細が明かされていない。
今のところ謎は多いが、本当に再使用が可能なUAVで複数のドローンを遠距離で無力化できるなら米陸軍のドローン対策にとって「救世主」になるかもしれない。
関連記事:海上からスウォーム攻撃? 米海軍が艦艇搭載型のカミカゼドローン開発に着手
※アイキャッチ画像の出典:米国海軍調査研究所 コヨーテ・ブロック1によるスウォームストライクの実験風景
無人機対策は無人機こそ最適説の実証に近づきましたね。
IFFに応答しない無人機を見つけては体当たりを繰り返す徘徊型無人機というアイディアがそろそろ登場しそうです。
実際のところ、この分野に関しちゃ周回遅れどころか
3周回遅れで更に差が開きつつあるって内容の記事だもんなあ
正直、熱い思いのこもったコメントを真面目に期待したいわ
此の場合、米国からFMSで調達すると言う道もあるから日本的には不幸中の幸いじゃない?
周回数が遅れ過ぎるのなら、いっその事戦前の戦艦金剛の時にやった「技術輸入」と言う手段も視野に入ると思うけど?
絶対に日本にも必要な装備。
これ大量のちっちゃいドローンをどうやって撃ち落とすかって話で、そういうのは航続距離が短いから海に囲まれてる日本にはあんまり必要ではない
ドローン母艦、母機をどうするかのほうが大事。その対処がどうしようもないなら必要かもね
それこそ大量の小さなドローンをどうするかというのであれば、日本に必要な装備だろう
巨大なドローンであれば飛行場が必要であるが、小型ドローンは発信場所を選ばない。つまり日本国内から飛び立ち、猛威を振るう事も考えられる。
無人機の種類増えすぎ!
誰か仕分けてくれない?
non-kinetic effectorが米メディアの予想通り高出力マイクロ波兵器なら、世界中が2週は周回遅れですよ。
コヨーテUAVに搭載てのでちょっと信じ難いですが、事実なら驚愕ですし当分海外には出さないでしょう。
自分的にはそちらが気になります。
同感だね。
というか指向性エネルギー兵器類なら本来大型かつエネルギー供給の十分な陸海の方が実装し易いはずで、米陸海軍すら周回遅れっておかしな事態に。
あり得るとすれは出力と指向性が不十分で射程がくっそ短いけど範囲はそこそこ広いからUAVで数十mまで接近して2〜3機まとめて叩き落とすのには丁度いいけど陸海の特に有人兵器に積むには難がある、というパターンか。
うろ覚えですが、日本でもUAVへのHPM搭載を提唱してた人がいたのですが、確か自爆してそのエネルギーを確保する使い捨てタイプだったと記憶しています。
回収可能な形態でそれを実現しているのなら凄いなと思いました。
対ドローンは同じくUAVが最適か
100年前に航空機が現れた時と同じ流れになったね
擬装によりドローンのセンサーを無力化出来る自衛隊には無用の長物だな
1機で10機のスウォームに対応出来るとかコスパも良いですね
多種多様なUAVへの有効な対抗手段がほぼ無かったから早期の実用化が待たれる一品
どの程度の戦域をカバー出来るか気になってしょうがないけど、詳細は秘密なんだろうなぁ
10機に対応できたのはスウォームがある程度狭いエリアで展開しているからっていうのもありそうですが、射程距離はともかくドローンの電子機器を破壊できる指向性電磁パルスのようなものを複数回発射できるってことですもんね。
それがすごい。
しかもどうやら安価のようだし、再利用も可能。
しばらくは海外に売らない気もします。
識別手段はどうなっているのだろう?
自然物との識別が難しい点は、既存の装備のセンサーに比べて、UAV搭載センサーは小型な分より難易度が高くなると思うので。
光学でAI画像認識しかあり得ないと思うから、実現させたんでは?
アメリカのUAV研究は世界の二周先行ってるから。
その場合光学センサー&AI処理部は小型だろうから、別にUAV搭載限定ではなく車両とかに展開可能だとは思いますが、
仮に他への展開が無い場合は、有効範囲が問題になるのでしょうね。
有効範囲の狭さをUAVの機動力で補うと言った感じで。
空飛ぶ再利用可能なEMDって感じなのだろうかね?
レーダー等で確認した目標にコヨーテを向かわせ、コヨーテのセンサーで最終確認した上で無力化、これを繰り返すと
あと無力化した無人機の種類にもよるけども、一番夢もロマンも無い手段による無力化としては、コヨーテから投網とかを投げ付けるってのも有り得るとは思う……
non-kinetic effectorマイクロ波兵器説、確かに我側ドローンで彼側機に接近・随伴してマイクロ波を照射して制御装置や誘導装置を焼き切って離脱するという前提ならあり得ない話ではない(機体サイズを考えると電源が足りなさそうな気もするし、距離の累乗に反比例して照射出力が変わるので低速なクアッドコプター型やより大型で早い中型以上のドローンには随伴できないだろう)。ただその場合、要部をシールド材で覆ってしまえば比較的簡単に防げてしまう。あくまで市販の玩具をテロや軽攻撃に転用する際の対策程度と割り切れば十分だけど。
どちらかといえば信号ジャックとか、もっと電子的な制圧手段のような気もする。
仕様分かってる自国製の仮想敵UAV群を
信号ジャックで完封してドヤってるなら
レイセオンさんにはガッカリですよ。
ドローンは検知が一番難しいと思う。
検知さえできれば、スウォームドローンは、カスミ網で対処できるのでは?
一番夢もロマンも無い無力化手段としては、今回それを利用した可能性も否定できないでしょうね