米空軍のブレマー大佐はF-16提供について「ウクライナ軍の作戦を複雑にするだけで戦略のシンプルさこそが戦争で勝利するための大原則だ」と指摘し、戦争中に欧米流の複雑な航空作戦を導入する試みは失敗の確立を高めるだけだと訴えた。
参考:Ukraine’s push for F-16s risks a battlefield advantage: simplicity
もしF-16が投入されて状況が大きく改善すると考えているのなら失望することになるのだろう
米空軍のブレマー大佐は今年1月「米国や同盟国が提供する兵器は勝利への戦略に沿ったものでなければならず、ウクライナに欧米流の航空優勢を追求させるのは勝利の助けにはならない」と主張、この戦争で学んだ教訓に基づき「現代の航空戦は高価な固定翼機よりも移動可能で生存性の高い地上型防空システムの方が有利だ。ウクライナは防衛上の優位性をさらに強化する方が勝利の可能性を手繰り寄せることに繋がり、戦闘機を使用して制空権を確保するという考えは大きな間違いだ」と訴えて注目を集めた。
ブレマー大佐はウクライナ上空で繰り広げられている航空優勢を懸けた戦いについて「ミサイルやドローンを使用した世界初の空中消耗戦」と表現し、ロシア軍は航空優勢を確保するため「敵防空システムを直接破壊するのではなく、インフラをミサイルや無人機で攻撃することで地対空ミサイルの枯渇を狙っており非常に狡猾な策略だ。国民を暗くて寒い生活から救うため地対空ミサイルを消耗し続けるか、長期的な成功のため高い代償を支払うかの選択をウクライナに突き付けている」と指摘。
以上の事を踏まえ「長期的な視点で戦争に勝ち抜くためにはミサイルやドローンによる攻撃の被害をもっと受け入れる必要があり、これを全て撃墜したという願望が技術的にも不可能で持続可能な対応策ではなく、もし持続可能な接近拒否が失われれば空からの攻撃に無防備な状態になるだろう」と警告していたが、再びディフェンスメディアに寄稿した記事の中で「巷のF-16提供議論はプラットフォームのスペックや能力にばかり注目し、この機体の運用に関する戦略の健全性については全く焦点が当てられていない。少数のF-16を戦場に投入しても状況は何も変わらない」と批判した。
ブレマー大佐の説明を要約すると以下の通りになる。
ウクライナ軍のザルジニー総司令官は「西側諸国なら制空権が確保されていない状況で反攻作戦は始めないだろう」と主張してF-16提供を熱望、さらにウクライナが必要とする西側製戦闘機の数について「限られた数で十分だ」とも述べ、F-16の到着と反攻作戦の成功を結びつけようとしているが、この主張は大胆であると同時に非常に疑わしいものである。
ウクライナの戦いでロシアの航空戦力は印象的な活躍を示すことが出来なかったものの、S-400を始めとするロシアの防空システム群を甘く見るべきではない。ウクライナ軍が前線上空で制空権を獲得するには特にS-400の脅威を排除する必要があり、この任務を手に入れたF-16に依存するつもりなら、ウクライナ人パイロットは迎撃されるリスクが伴うS-400の射程圏内を飛行しなければならない。
S-400の有効射程はHARMの約4倍で、この種の任務をF-16で実行するは根本的にリスクが高く、仮にF-16がHARMを発射後に生き残れたとしてもロシア人は直ぐに移動を行う可能性があり、F-16を手に入れたウクライナ軍がロシア軍のキルチェーンを効果的に破壊するのは難しいだろう。
このようなリスクとリターンが釣り合わない戦略は直ぐに維持できなくなるはずで、少数のF-16が前線上空に制空権をもたらすことはないし、厳重に守りを固めた敵防衛ラインの突破にも役にたたず、これはウクライナ軍の作戦を複雑にする良くない戦略だ。戦略のシンプルさは戦争で勝利するための大原則であり、戦争中に欧米流の複雑な航空作戦を導入する試みは失敗の確立を高めるだけで、強力なロシア軍の防空システムに空から挑戦して前線上空の制空権を確保しようとするのではなく、シンプルな地対空ミサイルによる接近拒否戦略を貫くべきだ。
ロシアもウクライナの戦略を見習い法外なコストがかかる航空戦力ではなく、機動性の高い地上配備型の防空システムを活用して接近拒否を実現させており、簡単に言えば「ウクライナ軍の限られた数のF-16」と「ロシア軍が保有する膨大な在庫の地対空ミサイル」との対称戦は負ける要素しかないプランと言える。
現在の反攻作戦に対する空からの脅威は「十分な数のSHORAD=部隊に随伴可能な移動式の短距離防空システムをウクライナ軍が持っていない」という欠陥をロシア軍が積極的に活用しているためで、スティンガーの射程外から攻撃可能な対戦車ミサイル「9K121 Vikhr(交戦範囲は8km~10km)」を装備する攻撃ヘリの活動を阻止するのに失敗しているためだ。
この問題は地対空ミサイルによる接近拒否戦略の放棄理由にはならず、アベンジャーやゲパルトといった移動可能で自己完結性が高いSHORADを提供し、戦場で直面しているギャップを埋めることが急務であることを示している。
西側諸国はF-16を少しでも早くウクライナに提供したいという誘惑に目を奪われがちだが、兵站上の課題を考えるとF-16の提供は非常に複雑だ。ウクライナも欧米流の複雑な航空作戦で一時的な制空権の確保を熱望しているかもしれないが、まずはこの戦略がもたらす課題を自問すべきだろう。
巷のF-16提供議論はプラットフォームのスペックや能力にばかりに注目し、この機体の運用に関する戦略の健全性については全く焦点が当てられていない。ダビデのウクライナはシンプルで効果的な地上ベースの防空資産を使用し、ゴリアテのロシアを倒し続けるべきだ。
ロシア軍に対する地対空ミサイルを活用した接近拒否戦略が成功を収めていても、航空マニアの中には「反攻作戦を開始したウクライナ軍の状況は変わったので制空権の確保が必要だ」と主張する人々もいるが、ウクライナ軍の成功は「制空権の確保」ではなく「敵の制空権否定」にある。
以上がブレマー大佐の主張で非常に興味深い。
恐らく「西側製戦闘機をウクライナに提供する」という現在の流れが止まることはないものの、F-16はレオパルト2と同じように戦場の課題解決に大きな役割りを果たす可能性は低く、もしF-16が投入されて状況が大きく改善すると考えているのなら失望することになるのだろう。
もしウクライナ支援のための無限の資金とリソースが西側諸国に存在し、大規模な航空戦力を防空システムと並行してウクライナに提供でき、欧米流の複雑な航空戦術を短期間でウクライナ人が身につけ、ロシア軍相手に湾岸戦争やイラク戦争並の空爆を実施できるなら現在の反攻作戦は様変わりと思うが、そんなことは誰もが不可能だと分かっているはずだ。
関連記事:世界初の空中消耗戦に挑むウクライナ、戦闘機提供は勝利の助けにはならない
関連記事:米国のミリー議長、ウクライナへのF-16提供コストは10機で20億ドル
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Antwain Hanks
いやその長距離PGMキャリアー・・・。
ウクライナ人パイロットの教育は短い期間じゃ限定的な空対空戦闘しか無理だと言われている
さらに言えば精密誘導弾を使おうにも高空を飛べば長射程のS-300、400に狙い撃ちにされるし低空侵入でもロシアのAWACSに探知されて迎撃を受けてR-37をぶち込まれるのがオチ
鼻息荒くする前に現状ストームシャドウが一体何から投弾されてるか調べてみては?
で、政治的に非常に意味もあるその限定的な運搬手段が既に枯渇目前であるという点を勘案すればウ空軍が何を最優先すべきかなんて誰でも分かる。
しかしその議論はこの多大なる文面において一文も存在しない。極めて不可解ですね。
F-16にストームシャドウを搭載できましたっけ。載せるためにアレコレするなら、どのみちすぐには送れないような。
トーネードIDSを送るのが一番早いんですけどね。タウルスもストームシャドウも使えるし。
追記∶
ウィキペディア英語版にあったストームシャドウを使用可能な機体
・グリペン
・ミラージュ2000,
・ラファール
・トーネード
・Su-24
・ユーロファイタータイフーン
>・ミラージュ2000
>・ラファール
フランスさん、古いミラージュ2000をウクライナへ提供するのはどうでしょう?
セールス拡大の為にラファールでもいいですが。
スカルプも提供するのですから、発射母機もぜひ!
少なくともF-16からじゃないね
空対空戦闘の訓練だけしかできないF-16でこれまでと同じように対地攻撃を行えると主張されても、それは鼻息が荒くなってるんじゃなくて鼻で笑ってるだけだ
ちなみにそのストームシャドー、確かに発射するだけならSu-24やMiG-29で可能だよ
しかし発射後に離脱できるかどうかはまるで別の問題だ
実際にウクライナが迎撃を受けることに備えて1機に1発のストームシャドーを搭載して運用したと言われていることがこれを証明している
我々はロシアの政治的動機を軍事的合理さより優先する様を嘲笑ってきたが、ひょっとして西側も軍事的合理性より政治的思惑を優先しているのでは?
政治家たちはミリオタ以下の知識しかない軍事音痴だからな。
こういう戦術面での現場の忠告を聞かず優先度が低く無駄に高い装備品を調達したがるのは日本を見ていても思うところはある。
この文脈にオスプレイの単語入れるだけで何故か怒られる不思議
軍より政治家が正しかった事もあるしなんとも。
この手の話は軍隊が巨大なお役所だということを忘れがちで無駄に高価で複雑なものを欲しがるのは軍上層部も同じだったりする。
そもそも軍も色んな派閥が存在するからどこまでが現場の声とするのか。政治主導でも現場の声が一切反映されないというのは考えづらいしイッサイガッサイ政治家の責任にするのは難しい問題だと思うよ。
大きな組織で働いたことのある人には身に沁みる話しですね。
例に出ているアベンジャーやゲパルトではロシアの対戦車ミサイルよりも射程が短いです。
西側にちょうど良い自走式対空ミサイル車両があれば一理ある主張かもしれませんが、ありませんよね?
そうなると航空戦力で何とかするしか無い訳で。
探せば無いわけでもないけど数を揃えられるか微妙なところ
射程10km級地対空ミサイルの一例
81式短距離地対空誘導弾(日本)
ローランド(独仏)
IRIS-T SLS(独典伊)
タミル(アイアンドーム(イスラエル)
最も数を揃えられそうなタミルはイスラエルが武器輸出そのものを拒否しているんだよね
「アベンジャーやゲパルトといった移動可能で自己完結性が高いSHORADを提供」とありますので、適合するのは完全単独運用が可能なローランドだけかと。
そのローランドも射程は8km前後なので、9K121 Vikhrにアウトレンジされる可能性があります。
つまるところ、アメリカの圧倒的な空軍力に依存した西側諸国の地上配備型兵器の戦闘継続能力はロシアの量も力理論に太刀打ち出来ていないという事
カタログスペックだけでは戦争に勝てないという事実は読み取れます
我が国のF3戦闘機も質的優位を前面に押し出してますが、数倍の機数に対抗できる質とは一体何であろうか
考えさせられますな
首を強く縦に振って頭がもげそうなくらい同意する
ウクライナはシャヘドを地対空ミサイルで迎撃するのが割に合わず、かと言ってより安価な自走対空砲は数がそろわない
だから航空作戦で発射源をたたこうという考え方かな
兵器の最大供給源であるアメリカが自走対空砲を全廃しているのが痛いな
シャヘドの発射母機は本質的にただのトラックですから、戦線から数百キロの奥地であれを索敵して発見してその情報を航空部隊に伝えて爆撃させる、ってのはかなりの難易度ですよ。しかもこの場合、最終誘導はレーザーによる直接照準とかにならざるを得ないですよね。画像誘導が効きそうにないですし。
となると、もはや戦闘爆撃機なんて使うより特殊工作員に潜入させて徘徊型弾薬で攻撃させた方が現実的かもしれません。
全く違う
F-16に期待されているのは空対空戦闘で、その相手は戦闘機ではなく攻撃ヘリ
ロシアの対空網を抜いて母機に対して攻撃するなんて高度な航空作戦はF-16を供与されたウクライナどころか米軍だって厳しい
今回の南部の攻勢が攻撃ヘリの迎撃によって大失敗した反省からウクライナは先鋒部隊へのエアカバーの提供がなければ攻勢は成り立たないと判断しており、そのためにF-16を使って攻撃ヘリに対抗しようとしている
ただロシア空軍の迎撃を受けながらF-16で攻撃ヘリを狩るのは費用対効果が低すぎるあるいは不可能だからSHORADで対応すべきという話になる
そりゃそうだ、ゲパルトのようなSHORADは元から機甲部隊に随伴して前線にエアカバーを提供するのが役割の兵器でこの種の任務の専門家なんだから
ただ現実問題として西側の低性能なSHORADではロシアの攻撃ヘリにアウトレンジされるっていう弱点があるからそれってどうなの?っていうコメントがここでついている
高価な航空機を少数投入するより安価なドローンを大量に飛ばして相手側の対空装備を無駄に消耗させる方が費用対効果が高いということになるんでしょうかね
スティンガー射程外からの攻撃ヘリ対策として手っ取り早いのはダミー(風船や張りぼて)の戦車や装甲車を複数配置したりとかでしょうか
アベンジャーやゲパルト等のSHORADの供与数が足りないから、ウクライナはF-16をご所望なのでは。
さらにアベンジャーやゲパルトの性能では、射程10km前後のミサイルを撃ってくるKa-52相手に力不足だし。
ベストなのは9K330 トールのようなSHORADを大量に供与することだけど、そんなことができる国は中国ぐらいしかない。
機甲部隊の先鋒に追従するSHORADvs迎撃に出てくる攻撃ヘリって構図だけど
そもそも低速低位置エネルギーのSHORADでそれと比較して高速高位置エネルギーの攻撃ヘリに対抗しようっていうのは物理的に無理筋じゃないか?
ウクライナがこの解決策として戦闘機でAAM撃ち込めばいいじゃんって考えたくなる気持ちも分からなくもない
まあだからといってF-16があろうと今度はロシアの戦闘機の迎撃を受けるわけで結局無理筋だけど
シンプルでコスパのいい戦略は何がいいんでしょうか
目には目を、という意味でドローンの大増産かけてロシアの対空兵器に集中攻撃、てところでしょうか
航空機の利点は「高見の見物」ができる、つまり地形や水平線に影響されず広域を監視できることだ。対空火器が巧妙に隠蔽されていたとしても、敵航空機を発見するためにレーダーを使用するので逆探知は可能だし、低空を飛行する巡航ミサイルの早期発見も可能だ。
例えばF16をセンサー母機若しくは囮として利用し、F16とのデータリンクにより地上発射型の長射程ミサイルでロシア軍防空部隊を攻撃できるのではないか。この運用であればアメリカが供与予定のATACMSも役に立つ。
高みの見物は既に西側諸国がウクライナの領空外からAWACSなどを使い行っていますし、逆にロシアも同じです
それにF16はステルス機では無いので地上と空から攻撃を受けるのでセンサーとしての役割も果たせないでしょう。
ここの過去記事にもありますけどF-16は最新のレーダーじゃないと巡航ミサイルの検出能力は0に等しいんすよ。
ウクライナに供与できるレベルの旧式F-16では巡航ミサイルのインターセプトすら厳しい上に、ロシアSAMの影響圏での生存性が怪しいからこういうふうに言われてる訳で。
一部で期待されているほどではないにせよ、ウクライナ空軍を遊ばせておくのが1番無駄なのでF16は無意味というわけではないですよね。そろそろロシア製の航空兵器の運用も限界でしょうし。
ウクライナ空軍の消耗分がまるで考えられてないんですよね
航空戦力と防空システムの組み合わせで今の均衡を何とか実現しているので、何処かで補充が無ければいずれ戦闘機を生産出来るロシアに軍配が上がるでしょう
本当に地対空ミサイルが万能ならば各国の戦闘機は無用の長物なので、それこそウクライナに供与しても良いとも言えますし
ドゥーエの制空論を無人攻撃機に置き換えたような話ですね。
氏は敵対的航空機の侵入は阻止できない事から戦略爆撃の優位を説きましたが、ウクライナ侵攻においては無人攻撃機がある種の戦略爆撃を担っていると言っても過言ではないでしょう。
西側防空システムも完全にカバーできてるのはキーウ市のみで、地方都市への無人攻撃機は着弾してるのが現状……。
限られたリソースで都市防空と前線防空の両立という問題を解決する為にはどちらかを切り捨てざるを得ないのが現実なのではないでしょうか?無論それを決定するのはウクライナ市民なのではありますが。
無人機による施設への爆撃を聞くとジュリオ・ドゥーエの制空論を思い出しますよね
かつて日本もアメリカのB29を止められなかったわけですし
大量の無人機とミサイルによる地上民間施設への無差別攻撃は新世代の戦略爆撃と呼べるでしょうね。
今後は従来の攻撃手法に加えてこれらの攻撃への対策も必要となりますから、まだまだ時間がかかりそうです。
他の人も言っているけどKa-52のヴィーフリ対戦車ミサイルの射程に対抗できるSHORADの供与がほぼ無いから、仕方なくF-16が必要になっている気がする。
アメリカに1000基以上あるパトリオットをHIMARSと同じくらい供与して対抗出来ないものか…。この前、虎の子のパトリオットを一時だけ前線配備して一日5機もヘリと戦闘機を同時に撃墜したこともあったし…。
あとはほぼ無理だけどステルス戦闘機が使えればかなり有効そうでもある。
ウクライナが求めてるのは攻勢の中で先鋒部隊にエアカバーを提供することだからSHORADやF-16って話になるんだ
パトリオットじゃこの任務に堪えない
まさかガンガン砲撃が飛んでくるようなところにパトリオットを構成する車両一式を随伴させられないでしょ
ロシアの制空権を否定したいなら、パトリオットのさらなる供与が一番でしょう。
実際、5月にロシア上空を飛行中のSu-34等が前進配備されたパトリオットに撃墜されています。
パトリオットの残弾もきついらしいから
よく分からんからF35を渡そうって議論にはならないのね。
あの機能を活かすには組織側も大分、いじる必要があるけど。
ウクライナ軍にもロシアシンパが残っている可能性が高い以上(そのせいで開戦当初クリミアから出撃したロシア軍はほぼ無血で進撃し、マリウポリが包囲された)、最新鋭ステルス戦闘機の供与は情報流出のリスクが高すぎるかと。。
あくまでウクライナは東側仕草の抜けきっていない、中途半端な立ち位置であり、米軍自らがロシアや中国と対峙する可能性がある際に、主力戦闘機が鹵獲されるリスクは犯せないと思われます。
正直なところ、「供与されたから効果を上げるかどうか」も大切な論点ですが、他にも継続的な支援ができるような支援内容なのか?」というのも大切な論点なのかなと思いました。
NATO加盟国でも戦闘機を財政的理由から保有していない国もいるため、購入・維持の費用が他の兵器の比ではないのがネックなのかもしれないと思いました。勿論、これまでにMiGを供与しているので全てに当てはまる訳ではないとは思いますが、整備の体制や部品の調達網の構築の負担があるため、援助の一定割合のお金が維持のために消えてしまう危険を孕むのかなと。
あとは、ウクライナ自体元々80機前後の戦闘機を持つに過ぎなかった空軍で、70機弱がすでに損失しています。そのため、熟練パイロットの数が足りておらず空軍再建に数年単位でかかってしまう。だから、供与してもウクライナが使いこなせるとは限らず、使いこなせる段階では初期メンバーを喪失してまた空軍の水準が落ちてしまう。ある意味効率が悪い支援内容だから、今まで渋ってたのかなと考えました。
どちらにしても、供与そのものが転換期になるは不透明かもしれません。
そもそも都市と前線の両方で接近拒否できるほどの対空装備があれば、ウクライナもF16を熱望したりはしないのでは。
これ以上の大量供与が無理なら、せめてカバーエリアの広い航空機が欲しいってことじゃないかと思います。
そんなに航空機に文句があるなら、HIMARS用のATCMSを渡せば良いのに。
ATACMSは米軍の在庫があんまりないみたいで渋ってるみたいね
ウウクライナ側はF-16に何を期待しているのでしょうね、そこが気になります。
Stormshadowの発射母機とか?🤔
ウクライナ側の反応をみてると 200機くれたら満足! 流石に無理かじゃあ180! 最低でも50! 40じゃ足りねえよおお! 24機とか無理いい!
主張を見てるとロシア空軍と張り合うつもりで要求してるような?でも実際24機とかじゃメンテナンスも考えれば戦えんよな。これがF-35なら24機でも暴れられる可能性はあるかもだけど。
限られた訓練期間じゃ限られた空対空戦闘しか無理って散々言われてるのに何を期待してるのかって空対空戦闘以外の何があるというのか
まあF-16でロシア空軍を削りたいとかいうのは全く無理な話だから想定してる相手もおのずとわかる
第四次中東戦争の時にエジプト軍は対空ミサイルのカバー内にいる時は強かったけど、そこを出ちゃってやられた故事を思い出す。
ウクライナもロシアも元々、ソ連軍の頃から制空権が無いか不安定な状況で攻勢をとる思想があるんじゃ?
Ka52の運用する9K121 ヴィ ーフリは、レーザー誘導だそうですね。
Ka52は単座だそうですから、誘導は大変でしょうね。誘導中は空中で静止でしょう。
ウクライナ側から見れば、そこが付込み所と思えます。
最初にできるのは、多分、57mm対空砲による威嚇射撃でしょうか。
誘導中は相手は静止?しているでしょうから。マグレ当たりがあり得ますね。
将来的には、スティンガーや9K38イグラを吊るした飛行機型UAVを
CAPとして配置することかなと想像します。前線で運用できる形で。
おそらく、自前のAEW機が必要でしょう。
普通のAEW機の視界は350kmほどと思いますが、500kmは欲しいような。
R37に不意打ちされないように、A50とMig31の存在を見つけないとですね。
別の記事で、ウクライナはS200ミサイルを復活させたとのことでした。
これは、M8.0で射程が300kmさそうなので、
これで何とかA50とTu22M3/95/160を一機でも良いので撃ち落とせないかな。
Ka50が単座で52が複座ですね。
単座なのはKa50の方で,52は複座だそうですよ。
厄介なのは夜間に使ってくるところで。
レーダーに見つからない丘の裏や森林の陰に隠れていて、射程の8キロギリギリのところで一瞬浮上して照準、10秒程度の照射が終わるとすぐに逃げる。
これを捕捉するのは至難です。攻勢段階だとスティンガーでも待ち伏せ出来るんでしょうが、防衛戦の裏でこういう運用をされると単純な兵器では太刀打ちできないですよ。
夜間に8km先からウクライナ戦車を探知するのですか。
なかなかの性能ですね。
そうなると、ロシア戦車が付けているシュトーラを改装して
照射レーザーの波長で妨害レーザー照射装置を作り、
デコイから照射することを考えないといけないかもですね。
このくらいなら、すぐにできそうに思います。
対空ドローンとかないんですかね?対ヘリなら低速なドローンでも十分だし
ってググったら一応あるっぽい。これ持ってくればいい気もするけどどうなんでしょう
>ダビデのウクライナはシンプルで効果的な地上ベースの防空資産を使用し、ゴリアテのロシアを倒し続けるべきだ。(ブレマー大佐)
問題は、航空支援無しでウクライナ軍がロシア軍を倒し続けて戦争に勝利することなんて、無理ってことですね。
>ロシア軍相手に湾岸戦争やイラク戦争並の空爆を実施できるなら現在の反攻作戦は様変わりと思うが、そんなことは誰もが不可能だと分かっているはずだ。(管理人さん)
ウクライナが非占領地を全部奪回するには、地上戦で決定的勝利を得て機動戦に移行しないと行けないわけで、それには大規模な航空支援が不可欠ですが、まあ、管理人さんが言う通り無理でしょうね。
私はブレマー大佐も管理人さんも、言ってることは正しいと思います。
ただそれは、ウクライナに全領土奪回は諦めなさいというのと同じで、ウクライナ側には受け入れがたいことなんでしょうね。
また、和平を結ぶにしても、ウクライナ側は少しでも有利な条件を結びたいでしょう。F16が供与され、それを活用して勝利が得られれば、ロシアに対して有利な交渉ができるかもしれませんし。
ウクライナにとって、F16は現実に見ることができる「夢」であり、簡単には諦められないんでしょう。
なにか別の「夢」があればいいですが。
9K121 Vikhrに射程で対抗できそうなのはフランスのクロタールぐらいか。
米国のパトリオットミサイルの生産能力は年間300発~500発。今年の5、6月の2ヶ月でロシアがウクライナに撃ち込んだミサイルは1001発。とても需要に生産能力が追いつかない。Mig29のパイロットがF16の訓練をしてもMig29と同レベルに使えるようになるまで1年半から2年はかかる。戦闘機は1時間飛んだら10時間メンテナンスで部品交換しなければならない。F16のメンテナンス出来るメカニックもウクライナにはいない。仮にウクライナにF16を供与したところでロシア空軍のAWACSに速やかに補足されMig31から放たれるR-37Mミサイルにより撃墜されるだけ。状況的にウクライナは既に詰んでいる。
F16が夢の兵器ではない事はわかりますし
戦闘機よりも効率的な兵器があるのもわかります
しかし、戦闘機がゼロになってしまうのはマズい
戦闘機さえあれば何とかなると思っているわけではないです
戦闘機が全く無くなってしまうとそれは弱点となるでしょう
旧ソ連製の戦闘機の新たな供給が見込めない以上、中長期的に考えても
ウクライナは西側の機体に切り替えていかなければなりません
そして、どうせ切り替えなければならないなら、その準備は早ければ早いほどいい
という話だと思うんですけどね
運用は戦後になるとしても、結局要りますよね
なんかドローンといいこの件といい、安物の飽和攻撃によるチープキルと、高価高性能なアセットをどう組み合わせるか、になってきたな…。地上の戦力にエアカバーも近接防空も必須、高いアセットだけによる制空権は維持できないが、安物だけでも能力が足りず、前線の向こう側の攻撃ヘリにしてやられる、と。
…安いドローンで攻撃ヘリから発射されたミサイルを削って機関砲で落として、ヘリもドローンに落とさせるかね? 少なくとも、高いヘリや戦闘機にはさせられない。
…か、やはり兵坦をねらうかね?
いやー、この記事は本当に特に質の高い記事ですね。読み応えがありました。
管理人さん、改めまして素晴らしい記事のご紹介ありがとうございます。
記事を読んでこの大佐の明晰さに感心するとともに、米軍の士官への懸念点が払拭された事が嬉しく思いました。
米軍はこれまで航空優勢を確保して地上をボコボコにしてから陸を進めるというパターンが勝利の方程式で、そればっかりで勝ってきています。
その成功の歴史が長いので今の米軍の上層部は、航空優勢が取れない状況になるとそれだけで想定外になって311の時の東電みたいに頭がフリーズして動かなくなるほど思考が硬直化していないかという懸念がありましたが、そうでは無い事が分かったのでうれしく感じました。
与えられた配牌から勝てるパターンを組み立てる訓練をしているからこの大佐は米軍では経験した事が無い航空優勢が無い場合の戦い方という提言が出せるわけで、これは今の米軍、つまり航空優勢がこれまでのように取れないだろう中国との戦争でも実戦になると強いやろう、少なくとも「あの米軍が・・・」みたいに一気に総崩れになるような事態にはならない事が期待できますね。
F-35なら少数でもミサイル狩りも制空権の確保もできるかも知らんがF-16じゃ無理だろう。
レオパルドにしてもそうだけどロシアより型落ちのものをロシアより少数供与して大進撃を期待するのは間違ってる。
こういうのは対戦車ミサイルと戦車の関係と同じだよ。
対戦車ミサイルは待ち伏せ兵器だから、攻勢には戦車が必要。ただそれだけだよ。
いっそF-15Eをウクライナに回した方がいいのではないだろうか。どうせ退役する機体だ