米空軍は今月10日、次期MQ-XもしくはMQ-Nextと呼ばれている無人航空機「MQ-9リーパー」の後継機に関連したRFI(情報提供依頼書)を発行して注目を集めている。
参考:Request for Information – Next Gen Multi Role UAS
MQ-9の後継機に関連するRFI登場で俄然盛り上がってきたリーパーの後継機問題
米空軍は調達コストが高価で運用に手間のかかる無人航空機「MQ-9リーパー」に見切りをつけ商用機を改造した低コストの無人航空機調達を検討していると噂されているが、今回発行されたRFIはMQ-9後継機という表現を一切使用していないが要求されている情報提供の内容から「MQ-9の後継機に関連するものであるのは間違いない」と米メディアが報じて注目を集めている。
今回発行された「Request for Information-Next Gen Multi Role UAS」の内容を要約すると大国間の戦いを想定した設計、MQ-9よりも長い滞空時間、再使用が前提だが消耗にも耐えられる調達性(低コスト)、AIを使用した自動化の強化、統合全ドメイン指揮統制(JADC2)への対応、迅速で再構成可能なモジュール式ペイロードを採用した無人航空機を米空軍は求めており、センサーパッケージを搭載することで分散型の早期警戒網構築に対応したり、価値の高い空中給油機や各種偵察・情報収集機などを空対空ミサイル等を搭載して護衛することを想定しているのが特徴だ。
つまり米メディアの指摘通り上記の内容がMQ-9の後継機に求められる要件であれば、次期MQ-Xは依然から脆弱性が指摘されていた早期警戒管制機「E-3 セントリー」の問題を解決するため重要な役割を担うことになるのかもしれない。
大型で高性能なレーダーを搭載した早期警戒管制機「E-3 セントリー」を活用した交戦空域の監視・管制能力は米空軍やNATOの航空作戦において非常に重要なのだが、ロシアや中国は遠距離から早期警戒管制機を叩き落とすことが出来る長射程の空対空ミサイルや地対空ミサイルの開発を進めているため依然から脆弱性が指摘されていた部分だ。
特にロシアは第5世代戦闘機Su-57と空対空ミサイル「R-37M(ブースター追加時の射程は300km~400km)」の組み合わせや、データリンクシステムを使用することで300km以上離れた空中目標を破壊することが可能な地上配備型防空システムS-400を実用化して米空軍やNATOのE-3運用に深刻な問題(今までよりも後方で運用する必要があるという意味)を引き起こしており、NATOは2035年までにE-3を廃止して新しいプラットフォームに置き換える計画を発表、米空軍も開発中の戦場ネットワークを活用してE-3なしでも戦場認識力を確保できないか検討していた。
要するに米空軍が検討してきたE-3の代替技術=分散型の早期警戒網構築に言及してきたという点で今回のRFIは非常に興味深い。
まだMQ-9の後継機開発計画は正式に動き出していないのでアレこれ想像するのは無駄(この段階が一番ロマンに溢れる)なのかもしれないが、ジェネラル・アトミックス、ノースロップ・グラマン、ロッキード・マーティンが次々とMQ-9の後継機と目される様々なコンセプトアートを次々と発表しているので正式に計画が発表されれば熱い戦いが始まるだろう。
ただ管理人的にはMQ-9の後継機と無人戦闘機「Skyborg」は機能やコンセプトの一部が重複しているので、もしかしたらMQ-9の後継機というよりもSkyborgの派生型として開発されるのではないかと思っている。
関連記事:MQ-9の後継機? ジェネラル・アトミックスがステルスUAVの新イメージを公開
※アイキャッチ画像の出典:public domain MQ-9リーパー
無駄になっても想像こそいちばん楽しい
金言なり
現実論と妄想は相争わないよう心がけませう
中国とかアニメやゲームから引っ張ってきたようなコンセプトデザインを出してくるから見ていて面白い
実際作るのはアメリカのパクリみたいなデザインだったりするけど
米議会で「MQ-9の後継機とSkyborgをJointすればローコストで早く実現できるんじゃね俺って頭いい」って言いだす人が出てくるのが目に浮かぶようです
無人機を開発して早期警戒機の一部を担わせるより早期警戒機をステルス仕様にした方が安上がりじゃないかと思う
大出力レーダー積んで電波垂れ流すのにステルス仕様とは・・・
仮に自分の発する大電波やら構造反射やらをどうにか隠蔽できたとしても、ステルス化したら大型かつ巨大構造物抱えてる分ステルス戦闘機以上にコストが掛かる訳です。まあ維持費はF-22より多少はマシかもしれませんが。
とはいえ10年後の戦闘空域なんぞ飛んでれば、多少後方でも相手のステルス光学センサー機とばったり鉢合わせる危険は十分ある訳で、そんな時クソ高いステルスは何の役にも立たんでしょう。
ステルス化しても大出力な電波出すときにバレちゃう(>_<)
予算圧迫だけの費用効果しか得られないよ
F-22は、レーダーで相手を探知しても相手が気付かない様な電磁波の出し方をしていると昔の本で読んだ気がするが
そんな事が出来るのならE-3のアンテナをB-2又はB-21に搭載してAWACSに出来ないか?
大型アンテナを複合材料で丸ごと作りアレイを斜め上に向け探知され難い電波を使う。
少なくとも今よりはマシな物が出来そうだが
出来るかは分からんが・・・。
AN-APG77(F-22搭載)やAN-APG81(F-35搭載)以降に開発されたレーダーはAESAの特徴であるスペクトラム拡散機能を用いて被探知性を低下させているが、結局は自機から電波を発信していることには何ら変わりなく、ステルス性を必要とされる任務では電波管制(封鎖)を行っているのは周知の事実だが
ステルスと同じで「見つかり難い」ってだけだからね。
もしかしたら将来的には完全に解析されてほとんど効果を失うかもしれない。
そうなった場合、何ならF-22には「レーダー無しでできる仕事」がいくらでもあるが
ステルスAWACSは完全に「無駄に高いだけのAWACS」になる。
もらった情報で管制に専念する手はあるかもしれんがそれ飛行機出なくて良くね?って話になるだろう。
やはり早期警戒機の無人化と廉価化を目指すのが正解では。
有人でないと云々ってのは、それは未だ技術が至ってない問題に過ぎない。概念としては、ドローンというよりアバターの操作する警戒機として
戦闘機だって将来は必ず完全な自律型無人機が現れる
アヴェンジャーで良いじゃん
このままでいけば、使い捨ての空飛ぶ鳴子役(旧日本軍の短波警戒機甲)無人機が大量出現しそう。
電波を完全吸収していかなる痕跡も残さないステルスが出てこない限りは
AWACSは自機のレーダー情報と鳴子の情報を取りまとめして分析する役目になるかと
モジュール式ペイロードの部分が気になる。一機種にあれもこれもやらせようとして、不具合が出て高コスト化するのが最近のアメリカ軍の失敗パターンだけど、これはどうなるやら。
そして意外とすんなりいったと思ったら、アメリカ議会にインターセプトされて迷走するんだ。俺は詳しいんだ
fF3を無人にすれば、よいのでは、?。