アルメニア駐EU特使は「数週間以内にアルメニア本国を侵略する可能性がある」と訴えていたが、ブリンケン国務長官も民主党議員に「数週間以内にアゼルバイジャンがアルメニアを侵攻するかもしれない」と警告したらしい。
参考:Blinken warned lawmakers Azerbaijan may invade Armenia in coming weeks
もしかすると戦争の数が2つから3つに増えるかもしれない
アルメニアのティグラン・バラヤン駐EU特使は「西側諸国が毅然とした行動に出なければアゼルバイジャンはアルメニア本国を攻撃する可能性がある」と主張、さらにBrussels Signalのインタビューにも「国際法を尊重するというアゼルバイジャンの約束は紙くず同然で、数週間以内にアルメニア本国を侵略する可能性がある」と訴えていたが、米POLITICOも13日「ブリンケン国務長官が民主党議員のグループに『数週間以内にアゼルバイジャンがアルメニアを侵攻するかもしれない』と警告した」と報じた。
この件に詳しい2人の関係者は「アゼルバイジャンに関する議員への説明があった」と認め、このブリーフィングに参加していた民主党のフランク・パローネ議員も「アゼルバイジャンがアルメニアを侵攻する可能性を懸念している」と公の場で発言し、11日には「アリエフ大統領はアルメニアへの攻撃を計画する時間を稼いでいる。今直ぐ米国やパートナーが行動を起こさない限り懸念は現実になるかもしれない」と警告している。
アゼルバイジャンがアルメニアに侵攻するのは「ザンゲズール回廊」を力づくで実現するためで、パローネ議員が言及した「米国やパートナーの行動」とはバラヤン駐EU特使が訴えていた内容と同じだ。

出典:President.az/CC BY 4.0
国際社会は「武力でナゴルノ・カラバフ地域を奪還したアゼルバイジャン」に具体的な制裁を課さなかったため、アリエフ大統領の拡張主義は「痛みを伴う国際的な罰」に直面しておらず、アリエフ大統領は「ザンゲズール回廊」を実現するため武力行使に乗り出しても「国際社会は何も出来ないと考えている」という意味で、バラヤン駐EU特使だけでなく米国も「アゼルバイジャンによるアルメニア侵攻の可能性」を警告しているため、もしかすると戦争の数が2つから3つに増えるかもしれない。
当然、アゼルバイジャンのアルメニア侵攻にはトルコも関与してくるだろうし、ザンゲズール回廊の建設に反対しているイランも介入してくるだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:President of the Republic of Azerbaijan
こうやってなし崩しに世界大戦がはじまるのか?
やっぱ、ウクライナ戦争は嚆矢だったか?
世界の秩序がどんどん壊れてる。
人類はズデーテン地方の併合から学べなかったね。(阻止しようと行動はしたけどちょっと半端だったか)
前よりかは頑張ったから、次に期待かな。
次があれば。
ロシアの大義名分が「ロシア系ウクライナ人の保護」だというのなら
ロシアとウクライナの双方に圧力をかけて
ドネルクやルガンスクなどの親露地域に「ロシア系ウクライナ人を保護するための」NATO軍を派遣すべきでしたね
これでロシアは侵略の大義名分を失うし、ウクライナの蛮行があったのならそれもできなくなる
ロシアもウクライナもNATO軍を攻撃したらどうなるかくらい分かってるでしょうからね
NATOがどちらにも配慮しすぎて結果的にみんな不幸になってしまった
法的根拠がないので
ロシアばりの内政干渉になるのでは
だいぶ暴論ですね
ウクライナ政府は拒否しないどころか歓迎したと思います。
ウクライナ政府からの派遣依頼であれば法的根拠は十分ですが、当のNATOは絶対避けたい行動だったでしょうね。
パワーバランスが崩れたからだろ
アフガンが滅ぼされてもイラクが滅ぼされてもリビアが滅ぼされても戦争の時代なんて来なかったのに
この調子じゃ、北朝鮮も中国もどう動くか・・。
アゼルバイジャンの積極行動は、ロシアの弱体化が原因の1つだと思う。
仰る通りで、重しが外れましたね。
欧米の力は、GDPや人口だけ見ても、相対的に低下しており内政も余裕がなくなっています。
国益を考えても、見捨てれらる地域が増えそうですね。
流石に本土侵攻まではやらかさないと思いたいけど、有利な状況、国民の支持、勝てる(と思われる)戦力、これが揃った状態ならあとは自国が納得できる大義名分さえあればやってもおかしくないか
常任理事国の一角が国際法をゴミのように扱っている状況下で、君の国のガスが欲しいから制裁はしないよとなれば国際法とかどうでもええわとなるのはまぁ…うん…
秩序って皆が我慢する世界だけど、
無秩序ってのは皆が好き勝手する世界だからね。
旧世紀に戻って、自分の身は自分で守りましょうって時代やね。
プレっパーにでもなるか。
ナゴルノカラバフはともかくザンゲズールは大義が無いだろ
やっぱ侵略を放置すると調子に乗るんだな
もっとも流石にイランがブチ切れると予想するが
戦争が起きたとして。
誰が責任を負うべきでしょうか。この場合は”フランスも”かな。
自分達が嫌われていることを承知の上で突入してきたし。
武器でインドの真似が出来ると思っていたのかな。
アゼルが自制してくれると良いですね。
本来であればロシアが武力介入を示唆してアゼルバイジャンに圧力をかけるところなのでロシアの責任ですね
集団安全保障条約機構の義務なんだから最近反抗的だから助けてやらないという訳にはいかないはずなんですよ
CISでのプーチンとアリエフの満面の笑みでの握手を見ていると、反抗的な態度とったらどうなるか見せしめにするくらいの魂胆に見えますね
あとはアゼルバイジャンの後ろ盾のトルコですかね
基本的に、当事者の責任・自国の責任と思います。
陸の小国は、辛い所ですね…
仰る通り、フランスの介入・EU武器支援国に追加は、対話が拗れた可能性はありますね(アゼルバイジャンが同席拒否の反応)。
戦争が再発しない事を願ってます。
アルメニアは残念ですが、経済安全保障の優先順位が低いため、見捨てられそうですね(口先介入する程度でしょう)。
あまりにも外交下手で、運も味方しないのなら、どうしようもないです…
アメリカ、ドイツ・イギリス・フランスなどは、イスラエルの優先度がトップ級です。
ウクライナ支援もあるわけですから、軍事支援の余力は、もうありません。
アゼルバイジャンが、侵攻する大義名分はありますから(停戦合意の不履行)、リスクは非常に高いですね…。
抑止力の重要性を感じます。
アゼルバイジャンからすればナゴルノ・カラバフ(アルツァフ)に関して黙認された状態なので、やれる所まではやるでしょう
元はと言えばアルメニアが蒔いた種ですので、アゼルバイジャンからすれば非難される謂われはないというスタンスでしょうし
アメリカはイスラエルが最優先ですし、東欧のロシア衛星国の内紛めいた紛争なんて気にしてる余裕はないでしょうね
アルメニアはどうするのかなぁ。
兵力差が有るったってナゴルノカラバフ手放した上の本土侵攻は我慢できないだろうし。
民間人がゲリラになって、血で血を洗う掃討戦になっちゃうのかなぁ、、、
そりゃそうだよな。
領土的野心があるなら、今がチャンスだと考えるよな。
米欧はウクライナとイスラエルで手一杯だろうし。
武器の禁輸制裁中の為あまり武器弾薬等の貯蓄が少なそうですが(イスラエル等から空輸で運んでいるそうです)
トルコとの共同作戦でもしないと流石にイランには抵抗できない気がします。
アセルバイジャン単独で事を起こすのでしょうか?
イスラエルのゴタゴタでイランが手一杯と踏んでいるか、あるいは反イランの圧として支持する向きがあると賭けているか
ひょっとしたらブリンケンが「だからイランはハマスにかまけてる場合じゃないぞ」ってブラフをかけているのかもですが
ザンゲズール回廊設置に関する合理不履行が本土侵攻の大義名分になるかならないかは良く分かりませんが、イランを刺激するという意味ではイスラエルやウクライナにとっては渡りに船では?
「イランを暇させるといらん事するのでトルコとアゼルバイジャンでかき回しておいて欲しい」というのがアメリカの本音だったりして・・・。