ウクライナ戦況

クラスノホリフカを巡る戦い、ロシア軍が市内東部の防衛ラインを突破?

ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARはクラスノホリフカについて「ロシア軍が市内東部で大きな進展を遂げた」「ロシア軍が中央病院とアパート群を占領した」「ロシア軍が線路沿いに支配地域を拡大した」と報告、これが事実なら市内東部の防衛ラインが突破されたことになる。

参考:Донецкое направление: продвижение ВС РФ к Красногоровке и штурм Невельского обстановка по состоянию на 13:00 15 июня 2024 года

クラスノホリフカが失われるという意味はウクライナにとって軽くない

ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARはクラスノホリフカについて「ロシア軍が市内東部で大きな進展を遂げた」「ロシア軍が中央病院を占領した」「ロシア軍がアパート群を占領した」「ロシア軍が線路沿いに支配地域を拡大した」「ロシア軍が市内で前進した」と報告、これを裏付ける視覚的証拠は見つかっていないものの、もしRYBARの報告が事実なら市内東部の防衛ライン=中央病院とアパート群が突破されたという意味だ。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

さらにロシア軍は「市内北部を西に前進する動き」「線路沿いに西に前進する動き」を見せており、前者は公園(森林地帯)を守るウクライナ軍にとって致命的で、後者はクラスノホリフカの西側面を脅かす可能性があり、ウクライナ軍にとっては非常に厳しい状況と言えるだろう。

クラスノホリフカはアウディーイウカと同じく2014年から最前線の防衛拠点で有り続け、ここを失うのはウクライナにとって軽くなく、クラスノホリフカから西の高台の間に抵抗拠点となるような大きな街もない。

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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

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コメント

    • クル
    • 2024年 6月 15日

    まだロシア領内解禁で遠距離兵器の撃ち合いなら勝てるという希望があるから…
    それこそ真正面からの物量勝負になって勝てる要素がどこにあるのかと問い詰めたい
    西側兵器は何十倍も性能で上回ってるとかいうやつですかね

    21
      • nachteule
      • 2024年 6月 16日

       2008年以降の幾つかの演習は対NATOを想定した上なので今のロシアの国内外の損害に関しては全く考えていなかった訳じゃなく想定範囲内だと思う。格下のミニNATOみたいな感じになっているウクライナレベルでこれだけの状態だと将来的にロシアの攻守戦力がより洗練された物にならない限りはNATOとの直接対決なんて考えられないだろうし見直しはするだろうね。

       話は逸れたがロシアに対して真正面からの物量勝負になって勝てる要素がどこにあるかだけど、あらゆる分野に渡る制裁と量と質を含めた西側の支援とウクライナの戦争継続の意思次第でしかないでしょ。
       当たり前の話しをすれば正面切って戦闘する必要も無いしロシアの兵站を遮断するか激減する事が出来るなら前線の維持や拡大なんて出来っこない。そこに強固な陣地があろうが装甲車両がいくらあろうが精兵がいようが燃料・弾薬・水と食料がなければ無力化される。
       

      2
    • たむごん
    • 2024年 6月 15日

    アウディーイウカがそうでしたが、頑強に守ってきた要塞が攻略されると、防衛ラインがズタズタになりました。
    クラスノホリフカ北部・西部に、地図上では集落はないため、特に北側の前線が一気に押しあがる事になりそうですね。

    1ヶ月前に、クラスノホリフカの危機的状況について、管理人様の過去記事に指摘がありました。
    機甲突破のような、華々しい突破はないですが、ロシア軍がジワジワ押し上げているような印象を受けています。

    (2024.05.11 止まらないロシア軍の前進、クラスノホリフカの状況は破局に近づく 航空万能論)

    25
    • BAKA
    • 2024年 6月 15日

    五千人の新たな兵がウクライナ軍に加わったそうなんですが
    彼らは笑って軍用車で最前線に向かってました
    一人でも多く生き残って欲しい…

    7
    • NHG
    • 2024年 6月 15日

    (ハルキウ陽動で他の戦線で)目覚ましい成果があったわけではないものの、地味に進んでるのは変わらないのよね
    今日、プーチン大統領が一切妥協してない和平案を出したから、これ(プーチンの懐柔策)で西側・ウクライナが割れる公算はなくなったけど、問題はウクライナの国民がどこまで耐えられいつ心折れるか

    24
    •  
    • 2024年 6月 15日

    ウクライナ軍が病院を陣地化しそれをロシア軍が攻撃することに騒がれなくなったな。
    昔は非難の応酬だったのに。
    まあ発電設備あるし陣地として病院は使い勝手いいのだろう

    22
      • 名無し
      • 2024年 6月 15日

      まあ病院攻撃はOKというお墨付きを与えてしまったのはイスラエルと西側先進国なので…
      そんな所に潜伏して陣地化する事自体が人間の盾だと言い切ってしまった以上、もう何でもアリですね…

      47
        • たむごん
        • 2024年 6月 16日

        まさに仰る通りです。
        ウクライナ戦争も、ガザ戦争の前後で、情勢が大きく変わりましたよね。

        グローバルサウスの外交が変わったうえに、『国際世論』『力による一方的な現状変更』といった題目が軽くなってしまいました…

        6
    • ポンポコ
    • 2024年 6月 16日

    クラスノホリフカもそうですが、市街戦は双方に損害がでます。これがロシア正規軍にとってはやりにくいところで、バフムトでもロシア軍にはワグネルとかが必要だったのですね。

    ウクライナ軍の方は増援や補充兵を送り続けていればかなり守れていましたが。

    しかし、クラスノホリフカのような、アウデイーイウカと同じく2014年以降にしっかり陣地化された拠点が陥落したら、ウクライナ軍は次の拠点まで守り辛くなりますね。

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