ウクライナ戦況

バフムートの戦い、両軍が争うクリシェイフカの攻防は激しさを増す

バフムートを守るロシア軍にとってクリシェイフカ周辺の高台にある陣地は非常に価値が高く、ウクライナ軍は同拠点を奪還するため2方向から猛攻を加えており、西から迫るウクライナ軍部隊は着実に前進を続けている。

クリシェイフカの西から迫るウクライナ軍部隊は最大800m(推定)ほど前進してグレーゾーンを青色に書き換えている

ロシア側情報源は「ウクライナ軍が戦略的に重要なクリシェイフカの高台地域へ攻撃を続け、バフムートの南部地域を支配している。ワグネルが奪った重要な高台から我々を追い出すため激しい戦闘が続いている」と報告しており、森林地帯や塹壕で守られたクリシェイフカの北にある高台地域への前進はロシア軍が何とか食い止めている。

出典:GoogleMap バフムート周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

しかしクリシェイフカの西から迫るウクライナ軍部隊は最大800m(推定)ほど前進してグレーゾーンを青色に書き換えており、イワニフスキー周辺の森林地帯に定着した敵の追い出し、水路沿いの広大な敵陣地の掃討、平坦で遮るものが殆どない畑を踏破して辿り着いたクリシェイフカを巡る戦いはクライマックスを迎えつつある。

個人的な感覚で言えば「勢い」は完全にウクライナ軍にあり、ここ取ればロシア軍と同じルート=線路沿いに広がる広大な森林地帯を通ってバフムート市内に押し入ることができ、クルデュミフカの背後に回り込むことも可能で、クリシェイフカと水路で構成されたバフムート南の守りは完全に破綻するだろう。

出典:GoogleMap ヘルソン周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

ロシア側情報源はヘルソン州左岸に築いた足場=ダチについて「ウクライナ軍は橋のふもとホテル周辺の陣地を保持し、これを奪還するため接近したロシア軍部隊は敵の激しい砲撃を受けて元の位置に後退した。ただしダチに上陸した敵戦力の規模は小さいため、心理的影響を除けばロシア軍に深刻な脅威をもたらさない」と報告しており、一連の反撃でロシア軍はダチのウクライナ軍を橋の左側に押し込み、集落の大半はグレーゾーンに戻っている。

因みにニーコポリ方向からザポリージャ原発への攻撃についても「対岸の敵戦力が移動して急激に減少しており、原発に対する挑発や報道は我々を混乱させるための情報戦である可能性が高い」と言い出した。

出典:GoogleMap ドニエプル川の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

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※アイキャッチ画像の出典:3-тя окрема штурмова бригада

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コメント

    • gepard
    • 2023年 7月 06日

    今後数日ウクライナ南部から東部は晴れ。最高気温は38度に達する地点があるなど猛暑となる。路面は乾燥する模様。

    この様なコンディションではフル装備の歩兵が屋外戦闘行動を取れるのは数時間が限界だろう。脱水症、熱中症に注意せねばならない。
    38度とは今日の日本よりも暑い。この環境で数10キロの装備で戦う両軍兵士の苦労が偲ばれる。

    36
      • 成層圏
      • 2023年 7月 06日

      ウクライナ兵もそうだけど、ロシア兵も南部出身ならまだしも、北部だと暑さに耐えかねているんじゃないのかな?ましてや塹壕とか。
      両軍とも暑さより寒さに強いイメージだから、大変だな。
      陸自もクーラーを各車両に増強して欲しい。南西諸島だと必須だろう。今時、軽自動車でも標準装備だしね。

      13
      • 鼻毛
      • 2023年 7月 06日

      暑さを舐めてかかると、決定打になったことが戦史にはありますからね。古代のカルラエの戦いよろしく熱中症対策を怠ったほうが熱でやられて壊滅なんてことも、ひょっとしたらあるかもしれません

      8
    • ほうれん草
    • 2023年 7月 06日

    これ秋口までに落とせるのか、何だかんだ言って反攻作戦(2年)とかになりそう

    7
    • 名無し
    • 2023年 7月 06日

    ザポリージャ原発に関しては、ロシア軍の今までの悪行を見ると本当に爆破しかねんけど、ウクライナにとっては止まれないところだよなあ…

    17
      • zeema4
      • 2023年 7月 06日

      今はまだロシアが保持出来ているから爆破はしないかもしれないけど、これが取り返されそうになったらこんな脅しにも攻撃にも使える便利な重要拠点を易々と手放すとは思えん…。

      13
    • xyz
    • 2023年 7月 06日

    今更ながら露助との条約とかただの紙切れってのが証明されたな。

    38
    • ななし
    • 2023年 7月 06日

    原発はロシアにとっても攻められると嫌な場所だろうからこのまま攻める攻める詐欺だけするのがいいのかもね
    さすがに原発をどうこうしないと……まあロシアはなあ……そう思いたいけど、下手に戦闘になった結果で最悪のシナリオとか勘弁だし

    そして短期的には守りが固まってないバフムート方面での反攻でとりあえず目に見える結果を出す感じなのかな
    クリシェイフカ開放だけでもNATOの会議への手土産としては十分だろうけども

    3
    • らすきー
    • 2023年 7月 06日

    要は約束とか契約とかが一切通用しない野蛮人・非文明人、ということですね。

    25
      •  
      • 2023年 7月 06日

      管理人は宣言通りこういうコメントをアク禁してほしい

      11
        • 名無し
        • 2023年 7月 06日

        管理人さんがいつそんな宣言した?
        自分の記憶にあるのは誰かのコメントを親露派や親宇派認定してレッテル貼るのやめろって事だったと思うが?
        むしろその線で言うとあんたのコメントの方がアク禁に近そうに見える

        いずれにせよ、自分が気に入らないコメント見ていちいち管理人さんにアク禁だの要望するくらいなら、見ないかここに来なければいい
        誰も頼んで君に来てもらってるわけじゃないよ

        30
        • くらうん
        • 2023年 7月 06日

        管理人さんの宣言てこれ?↓

        『いい加減、親ウと親ロで罵り合うの止めませんか?ここで罵りあっても1mmも戦場の状況に影響を及ぼしません。こういうの(中略)「ウクライナが不利になるようなことがあると喜びを隠せない人らがすぐに集結するという」「それならさっさとロシアか中国に移住してくれ」を書くとIPで弾かれるようになります。』

        これのこと言ってるなら、リプで罵りあうのやめろって言ってるだけであなたの曲解です。
        どのみち管理人さんの判断でやってることをあなたがとやかく言うのも筋違いです。

        19
    • 素人
    • 2023年 7月 06日

    前の記事のコメ欄にも書いたんだけど、ニーコポリ近辺を現在のドニエプル川本流が流れており、仮設橋や艀設置も容易そう。本流さえ越えれば南東方向に10Km強進めばザボリージャ原発(取水湖)の西側に到達する。装甲車輛は無理でもオフロード車輛で迅速に一定規模の歩兵を展開できる。今回は情報戦の可能性が高いようだけど、ロシアにとって脅威なんでしょうね。
    ヘルソン州左岸北部でも同様の奇襲可能な地域がいくつかあり、守るロシア側は頭を抱えてるんじゃないでしょうか。
    ダチで河口域へ陽動し、北部で大規模渡河作戦なんてこともあるかもしれません。

    4
      • Easy
      • 2023年 7月 06日

      これはNATO会議前に陥ちるかもしれませんね。
      ウクライナ側の戦略投入が切れ目なく断固として続いており。まさに津波のように押し寄せる感じですね。
      ロシアは用意した重砲弾を使い果たしつつある雰囲気です。
      補給が間に合ってないんでしょう。
      クリシェイフカの高台にウクライナ旗を掲げる写真が今年のピューリッツァー賞ですね。

      2
    • mun
    • 2023年 7月 06日

    クリシェイフカは攻略に時間がかかっているように見えますが
    塹壕を1つ1つしらみつぶしに制圧していくような戦いなので時間を要しているようです
    戦闘の内容としては以前よりウクライナが優勢のようですね

    塹壕等の防御陣地を着実に剥ぎ取っているようですので
    時間はかかってもいずれは手堅く奪還しそうです

    9
    • 匿名さん
    • 2023年 7月 06日

    ウクライナの反攻作戦は、ドニエプル川の渡河作戦を成功させられるかにかかってそうだな。
    歩兵中心の部隊であれば、どこからでも進攻できそうに思える。

    プーチン的には、プリゴジンの手柄みたいになってるバフムートなんか捨てて、
    クリミア半島のかかっているヘルソンに集中してきそうだな。

    いよいよ、決戦を迎えるか。

      • 素人
      • 2023年 7月 06日

      素人の浅薄な考えで恐縮ですが、私もヘルソン州左岸北部の渡河作戦こそ宇軍反攻作戦の本命だと考えています。恐らく戦闘によるダメージによって自然崩壊したダム(露・宇双方が破壊したとの説もありますが、双方共メリットがなく自然崩壊説が最も有力だと考えています。違う意見の方もいらっしゃるでしょうけど、素人の一考察なのでいじめないでね♡)によってヘルソン州左岸北部からサボリージャ州北部に及ぶ200Kmの前線が極度に脆弱化したのは、露にとっても想定外だと思われます。ダム湖によって守られていたため要塞化も少なく、露側にとって最も兵站維持の難しいヘルソン州左岸北部は、単発の攻勢を退け得ても連続した攻勢に耐えられないんじゃないかと。ここを大きく抜かれると、露軍はサボリージャ州北部、ヘルソン州左岸南部の維持が難しくなり、クリミア半島つけねからメリトポリ、ドネツクまで戦線を縮小せざるを得なくなるように思えます。

      4
        • 匿名さん
        • 2023年 7月 07日

        >素人の一考察なのでいじめないでね♡

        ホントにね。
        素人の考察に、本気で目くじらを立ててくるのが怖いです。

        2
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