独Die Weltは3日、軍の反対を押し切ってドイツ政府はPzH2000をウクライナに提供することを決定したと報じている。
参考:Bundesregierung will Panzerhaubitzen 2000 an die Ukraine liefern
陸軍の反対を押し切る形でPzH2000のウクライナ提供を決定したドイツ政府
独クラウス・マッファイ・ヴェクマン(KMW)は政府に「陸軍が保有するPzH2000をウクライナに送り新規製造分でギャップを埋めてはどうか?」と提案したが、PzH2000を新たに製造して陸軍のギャップを埋めるには2年~5年(提供量で期間は変動)かかるため軍が難色を示し、ショルツ首相率いる社会民主党(SPD)も「ロシアを刺激して戦いのエスカレーションを招く」という理由でウクライナへの重装備提供に消極的だった。
しかし他のNATO加盟国が相次いで重装備を提供に乗り出したことを受けて連立政権を組む「緑の党」や野党の「キリスト教民主同盟」が重装備の提供を主張、今月26日に自走式対空砲「ゲパルト」の提供に踏み切ったものの「高まる国内外の批判を交わすための措置=ウクライナが必要とする榴弾砲や自走砲ではない」と受け取られており、27日に連邦議会も重装備のウクライナ提供を政府に求める決議案を圧倒的多数(賛成586人/反対100人/棄権7人)で可決してしまう。
これを受けて政府は陸軍の在庫からPzH2000をウクライナに提供することを検討、しかし陸軍は保有する119輌のPzH2000の内40輌しか稼働状態にないため「数輌でもウクライナに提供すれば通常任務に支障を来す」と主張して反対、しかし政府は陸軍の反対を押し切る形でPzH2000×7輌のウクライナ提供を決定したと独Die Weltが報じている。
機種 | 数量 | |
米国 | M777 | 90門 |
米国 | M270 | 不明 |
英国 | L118提供を検討中 | 不明 |
フランス | Caesar | 12輌 |
ドイツ | PzH2000 | 7輌 |
オランダ | PzH2000 | 5輌 |
カナダ | M777 | 4門 |
オーストラリア | M777 | 6門 |
ポーランド | Gvozdika | 不明 |
ポーランド | Grad | 不明 |
チェコ | Gvozdika | 正式発表なし |
イタリア | PzH2000かM109 | 不明 |
ベルギー | M109? | 不明 |
因みに独Die Weltはオランダがウクライナに提供するPzH2000の数が5輌だと報じている。
関連記事:ドイツが陸軍保有のPzH2000提供を検討、但し半分以上が動かない
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※アイキャッチ画像の出典:7th Army Training Command from Grafenwoehr, Germany / CC BY 2.0
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ドイツの場合極めて最低限の更に下レベルでしか軍備を維持していなかったのに、さらに正面装備を提供するとなれば、そりゃ現場で責任を持つ軍人たちは反対するわな
ドイツ人って冷徹とかリアリストみたいに思われていたりするが、実際にはとてつもなく夢想家なのだと言うことを、この機会にあらためて強く認識して欲しい
特にドイツをもてはやしたリベラルっぽい人々よ
如何に彼らの軍事的、或いはエネルギーに関する見通しが劇甘で夢想的だったのかを
とてつもなく夢想的であったのに、如何に厳かな物言いで説得力があるかよように思えて騙されていたのかを
まあ、決して学ばないだろう
今日も元気に九条教徒として叫んでいるのだから
9条護憲派は日本を守るためでなく、日本が外国を侵略しないために9条がいるという理屈なんで会話は通じません。
ショルツ首相がウクライナに訪問することはないと宣言したようです
ウクライナ側にも言い分はあるかもしれないが現職大統領を門前払いしたのは悪手としか言いようがなかったですね
私はこれは計算されたものだと思いますね。ドイツの世論の大勢は「ウクライナにもっと支援しろ」ですが、シュルツ首相は及び腰です。ウクライナ訪問を断られたことでシュルツ首相は「じゃあ行かないもん!」とキレましたが、ドイツ国内ではこれをもって「ウクライナは無礼だ」というよりは「そういう扱いをされるのは当然であって恥ずかしいことだ」という意見のほうが多いように感じました。そうやってドイツ政府に圧力をかけていると思えます。
俺のPzH2000♂は出撃準備完了してますよ。(美女との)夜戦は大得意です!
そのカタパルト(古代)しまえよ
え〜、こちら警察、こちら警察
不審者を発見
職質開始します
早くそのタンケッテしまえよ
陣地に進入してから砲撃までに必要な戦闘準備時間は、M109の2分30秒に対してPzH2000はわずか30秒に過ぎない。
早ろ(ry
ドイツ政府もついに目が覚めたか。
日本も01式とか送れないのだろうか?
いらないか、、、
軽MATや携SAMの操作はそんなに難しくはないだろうけど、取説がないし、教育用の人員を送るのも難しいだろうからねぇ…
あと在庫もそんなに沢山ないし。
数も送れてとなると、パンツァーファウストやFH-70が候補になるんじゃないかな。
日本で比較するなら99式自走りゅう弾砲でしょう
ドイツの自走りゅう弾砲より多く保有しているので、政治判断がなされればそれなりに譲渡可能かと思います
防衛計画の大綱(2019年)
火砲の定数300門だけど500門あったり
戦車の定数300両だけど550両あったり
(しかも新規調達してる、、)
日本は減数したのを外国に売ることもなく
部隊に抱え込んだまま帳簿上は大量に余ってるけど、送ろうという提案すらないね。
先日の74式の議論を見ていました。
主観的な整理では、欧米の一員として用途廃止の74式戦車で重兵器供与の姿勢を示すべきとしたpororin氏と、老朽化した戦車の供与は却って兵站の負担として退け、携帯対戦車火器を推す反論が要旨だったように思います。
その後の経過を見れば各国の多種・多規格な兵器供与の趨勢は上記兵站負担論を現実が圧倒したものと見え、重兵器の供与は各国が今般の戦争に関与した姿勢を示す意味で重要な施策となるように思えます。
よって、運用や訓練など実現性や我が国の法制上の可能性の是非をさて置けば思考実験として過日の議論におけるpororin氏の見解にも相応の分があったということでしょう。
今更ながらコメントを拝見し改めて過日の議論に思いを致した次第です。
あの時書かなかったけど戦車の稼働率と言うかAFV全般とかそんなに良い物なんかじゃない。それをかなりの稼働率まで上げるってのはそれこそ多大なリソースが必要でそういうのを理解した上で稼働率の低さを叩いているのかなとは思う。
仮の話で自衛隊の稼働率が高いのが隊員やメーカーの犠牲の上になっているとしたら、それは褒められた物ではないだろう。
明確な出典探せないけど、バルバロッサ作戦でソ連第32戦車師団は最初の1ヶ月でKV-1重戦車49両の内37両、T-34中戦車173両の内146両を喪失。戦闘損失は3割、5割が行軍途中の燃料切れと故障、2割が戦車兵の未熟な操縦による事故による損失。
この数値が本当でウクライナに提供する戦車が同じような状況に陥ったらどうなるか、短期間で即席の戦車兵ぐらい出来る?未熟な戦車兵が結果なにをしたかと思いませんか。
ティーガーⅠ/Ⅱの喪失も直接戦闘と非戦闘での喪失がほぼ同率の資料もある。昔の車両での資料だけど、今のロシアも兵器の命中率や威力を考慮した上で損害の詳細調べると似たような傾向示しそうなんだよな。
私の認識では、戦争の規模が大きすぎて工場や整備士のキャパを超えていて、T-72であっても簡易なメンテ以外は受けられず壊れてもトランスポーターはやってこないので、ロシアの戦車が大量に鹵獲されているように使い捨てに近い運用になってしまって、そうすると前線に出したあと一定期間稼働することが見込めるならそれで良くて整備体制の優劣はあまり問題にならない可能性があると思います。
補充用に周辺国へ送る場合は、これまた整備要員が必要という話になるけど、それを送る、めんどくさい仕事を引き受けるのが戦時の支援なんじゃないかと思います。
まぁいずれにしろ、前提となる平均故障間隔のようなデータが無いので、使える、使えないは水掛け論になってしまって。私も乗って5分でエンスト起こすなら「こりゃだめだ」と思うけど・・。
我が国も支援として重火器を送るべきというのは、一理あり、FH-70やM270などは一考の余地ありとは思います。
ただ、それは各国で運用された実績のある米国装備だからであり、日本国内でしか運用されたことの無い74式戦車などはポンと渡してもやはり運用出来るのかな?と未だに思いますね、、、
内部の計器類もマニュアルも日本語しかないでしょうし、整備するにも全て部品を日本から取り寄せる必要があると思われるので。
各国から多種多様な装備が入ってるとはいえ、それらはことごとく米国製か旧東側か欧州製であり、どれも他国への輸出・運用実績がある装備なので、自衛隊しか運用した事のない装備の輸出はそれらを考えると疑問視かなー、と。
>その後の経過を見れば各国の多種・多規格な兵器供与の趨勢は上記兵站負担論を現実が圧倒したものと見え
状況の変遷や長期化の見込みで「多少の訓練を要する」のが許容される様になっただけで、「何でも良いから送れ」という訳ではないからね。
言語にしてもポーランド語やチェコ語やドイツ語がある程度通じる様なのでそれらの言語で少なくとも資料や教官が用意できるか出来ないかの差は大きいでしょう。
どうせスクラップ待ちなら渡してしまうのも一手。
74式の場合、装甲板を大量に貼り付けて塹壕に埋めて砲台にすれば運用の問題も解決DA(白目)
そーゆー被災地に古着送る様な真似はまず間違いなく迷惑にしかならないと思えけどなぁ。
ウクライナからの要望に74式がフィットするから送ろう、という話ならともかく、送る側の都合優先で送る話は検討すらしない方が良いよ。
> 送る側の都合優先で送る話は検討すらしない方が良いよ。
74式を古着や千羽鶴と同じ扱いにして検討すらさせないのは
戦車を送らせたくない側の都合で封じ込めを図っているのではないか
敢えてマジレスしますが
現役を退こうとする日本製戦車を送り付けれて大喜びするのは、私財を投じて軍事博物館を積極的に協賛しているヨルダンのフセイン国王位じゃないですかね…
既に貸与されている61式に続いての74式となれば、他国にはないコレクションの誕生でご満悦でしょう☺️
戦争が始まって、
ロシア軍が攻めてきて
自分が戦わないといけない場面で
「戦車は無い方がいい」という結論に至るのが・・
私はT-72でも74式でも陣地に届いたら大喜びしますけどね、いろいろ考え方がありますね
台湾は、手持ちのM109A2の改修を急げ。
M48、M60系列のサブラ改修もした方がいい。
手堅く質的向上をしないと、新造車はウクライナに持って行かれるよ。
F-16のV改造の優先順位も、新造機導入より上げた方がいい。
自分も直ぐに思いつきましたが、イスラエルと中国が軍事技術の売買関係で親密な間柄であったことから、
難しいい気がします。
ドイツ政府が、みなが考えているよりも早く重火器供与に方針転換したことは、ドイツ政府にとってかなりベターな政治判断だったと思います。
この1~2日のショルツ首相の対露姿勢は、実際に激変していて、ロシアに科されている制裁措置は、ウクライナが提示する条件で平和条約が締結されるまで解かれることはないとか、ドイツはロシアによるクリミア併合を受け入れないとか、あからさまな対露敵対発言を行っています(5/2ロイター電)。
リンク
余談ながら、ショルツ首相は、3つのロシア政府系石油会社の取締役に就いているシュレーダー元首相に対して、離職するよう要請しているようです。
保有数そのものよりも、稼働率の低さを問題とするときに、その責任は直接担当者である軍部なのか、予算配分の責を負いつつ軍に政策的要求をする政権のどちらにあるでしょうか
冷戦の緊張下では西側を代表する精鋭と言われたドイツ軍が、今はその地位を東側に接するポーランドに譲ったことで、誰が責められるべきなんですかね
これは日韓の軍事的関係でもしばしば語られる、共通の問題ですよ
ドイツは極端な印象があるんだよね。
議会がまるでストッパーにならない