ウクライナ戦況

ポーランド人、TB2に続き徘徊型弾薬をウクライナに送るため寄付を募る

ポーランド人がトルコ製UCAV「バイラクタルTB2」に続き国産の徘徊型弾薬「Warmate」を送るためのキャンペーンを開始して注目を集めている。

参考:Polskie drony dla Ukrainy. Jest zbiórka na systemy WB Electronics Warmate

個々の規模は小さくても数が積み重なれば無視できない力になるかもしれない

リトアニア人やウクライナ人に続きポーランド人もロシア軍と戦うウクライナ軍にTB2を送るため資金調達をクラウドファンディング(Bayraktar dla Ukrainy 目標額2,250万PLN/現時点で集まった資金は1,333万PLN)で集めている最中だが、今度は国産の徘徊型弾薬「Warmate」を送るためのキャンペーンが始まり注目を集めている。

ポーランドのWBGroupが開発した徘徊型弾薬「Warmate」は非常にコンパクト(重量5.3kg/弾頭重量1.4kg)だが、燃料気化爆弾の一種で爆発の威力や効果範囲に優れているサーモバリック弾頭や戦闘車両の装甲を貫通可能な成形炸薬弾頭など状況に合わせて複数の弾頭を切り替えることできる「カミカゼドーロン」と呼ばれるタイプのUAVだ。

Warmateを正式に採用している国はポーランド(1,000セット以上)だけだが、トルコとアラブ首長国連邦がリビアのトリポリ政府軍とトブルク政府軍のために調達、今年6月にインド陸軍が特殊部隊向けにWarmateを100セット調達したと言われており、ロシア軍と戦うウクライナへの武器支援にもWarmateが送られているらしい。

これをウクライナ軍に送るためポーランド人はWBGroupと交渉を行い「購入資金が集まればWarmateをウクライナに送る手続きで協力する」と約束を取り付け、購入資金400万PLN(Warmate20セットと関連機器)を集めるキャンペーン「polski dron bojowy dla Ukrainy」が始まったと報じられている。

因みに数が多いので全てを把握出来ていないが、UAVやドローン以外にも民間組織が直接メーカーと交渉して高機動装輪車両をウクライナ軍に寄付した例も報告されており、個々の規模は小さくても数が積み重なれば無視できない力になるかもしれない。

関連記事:UAV開発が盛んなポーランド、1,000セットも導入した国産カミカゼドーロンの実力
関連記事:クラファンでウクライナ軍支援、ポーランド人もTB2購入資金の調達を開始
関連記事:BAYKARがTB2を無償提供、ウクライナ人が集めた2,000万ドルは他の支援に
関連記事:BAYKARがウクライナ向けTB2を無償提供、寄付金は人道支援に使って
関連記事:ウクライナ侵攻以降に引渡されたTB2は50機、7月にも新たに到着予定

 

※アイキャッチ画像の出典:WB Group

ウクライナ軍、東部戦線でロシア軍使用の鉄道施設をHIMARSで破壊か前のページ

ウクライナ、ロシア軍はクリミア大橋に非常識な量の防空システムを配備次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    バフムート方面の戦い、ロシア軍がイワニフスキー中心部に到達した可能性

    ウクライナ軍は「チャシブ・ヤールで要塞建設が行われている」「この要塞は…

  2. ウクライナ戦況

    A-50撃墜はドニプロ市攻撃の報復、ウクライナ空軍司令官が関与を仄めかす

    ウクライナメディアのRBC-Ukraineは14日「ウクライナ軍がアゾ…

  3. ウクライナ戦況

    勢いづくロシア軍、バフムート、アウディーイウカ、ドネツク西郊外で前進

    ゼレンスキー大統領とシルスキー総司令官は「ここ数日間で東部戦線(ドネツ…

  4. ウクライナ戦況

    ゼレンスキー大統領、西側製防空システム「NASAMS」を受け取った

    米CBCが25日に放送した番組の中でゼレンスキー大統領は「NASAMS…

  5. ウクライナ戦況

    ウクライナがロシア軍司令官の殺害を発表、これで少将の戦死は3人目

    ウクライナ陸軍は11日、ロシア軍東部軍管区の第29軍陸軍司令官を務める…

コメント

    • 名無し
    • 2022年 7月 14日

    日本も、お金を送るぐらいなら武器に限らず国内で買い物した物を送ることで少しでも自国経済に還元してほしいですね

    4
      • ナイトアウル
      • 2022年 7月 14日

       自国経済何て考える必要無い。有益で輸送込みで提供しやすい物を渡すべきで、日本での個人ならお金渡す方が一番良い。

      12
    • 無無
    • 2022年 7月 14日

    にしてもポーランド国民の熱意は出色だね、これを陰謀論だので説明しようとするのが、戦争なき国の民の愚かさよ

    28
      • ブルーピーコック
      • 2022年 7月 14日

      むしろポーランドの歴史を知らないか、彼らの感情を理解出来ないんでしょう。過激な人間によくある共感性の欠如なのか、ありがた迷惑な善意なのかは知りませんが。

      バルト三国とポーランドが狂ったように反露かつウクライナへ肩入れしているのを「極右の扇動」「平和の敵」と言うのは簡単ですが、それだけ嫌われることをロシア帝国の頃からやってきたのは確かな訳で。
      ただまあ、ポーランド・ソビエト戦争ではポーランドがソ連に攻め込んで領土を獲得しているので、一方的にやられてきた訳ではないのは追記しておきますが。

      23
    • 通りすがり
    • 2022年 7月 14日

    一方、人を守り平和を築く道具たる兵器を送らない
    などと言ってる非人道的な国、非人道的な国民がでかい面してる国もある
    一貫して何も出さない方が、東側、それに準ずる国の態度としてまだ理解できるくらいだ

    3
    • すえすえ
    • 2022年 7月 14日

    昔だったら戦時国債一本やりだっただろうけど
    今はクラファンの時代なんだなぁ。

    10
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  2. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  3. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  4. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  5. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
PAGE TOP