ウクライナ戦況

勢いづくロシア軍、バフムート、アウディーイウカ、ドネツク西郊外で前進

ゼレンスキー大統領とシルスキー総司令官は「ここ数日間で東部戦線(ドネツク方面)の状況が著しく悪化した」と明かしたが、バフムート方面、アウディーイウカ方面、ドネツク西郊外方面でロシア軍が前進し、ウクライナ軍はじわじわと支配地域を削られている。

参考:Зеленський: Ситуація на фронті цими днями ускладнюється
参考:Мапу оновлено!

参考:Хроника специальной военной операции за 14 апреля 2024 года

ウクライナ軍にとってドネツク方面の状況は刻々と厳しさが増している

シルスキー総司令官は13日「ここ数日間で東部戦線の状況が著しく悪化した」と、ゼレンスキー大統領も14日「前線の状況は常に困難だが、ここ数日で特にドネツク方面の状況が悪化している」と明かし、ウクライナ人が運営するDEEP STATEも「敵はチャシブ・ヤール攻略のため予備戦力を集めているため不愉快で困難な知らせが続くだろう」と指摘したが、ドネツク方面の状況は刻々と厳しさが増している。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

DEEP STATEは15日に更新した戦況マップの中で「ロシア軍がチャシブ・ヤールのダーチャに侵入した」「ロシア軍が森林沿いに前進した」と報告、視覚的にもロシア軍がダーチャ=に侵入して足場を築いている様子、ウクライナ軍が森林沿いの陣地=を占領したロシア軍部隊を砲撃する様子が確認されている。

もうチャシブ・ヤールの東地区やカリーニナはグレーゾーンにかかっており、ロシア軍はチャシブ・ヤール一帯の高台にジワジワと支配地域を広げている格好だ。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

アウディーイウカ方面についてもDEEP STATEと「オケレタイン方向の線路沿いにロシア軍が前進した」と、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARも「オケレタイン方向の線路沿いにロシア軍が前進した」「ロシア軍がノボカリノベ方向に支配地域を広げた」と報告、視覚的にもロシア軍が線路沿いのダーチャ=に足場を築いている様子が確認されており、このまま前進されるとロシア軍にオケレタイン一帯の高台へ侵入される恐れがある。

さらに興味深いのはベルディチとノボバフムティフカを結ぶ道路にロシア軍が迫っている視覚的証拠=の登場で、アウディーイウカ方面も何一つ状況が好転していない。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

ドネツク西郊外方面についてRYBARは10日「ロシア軍が線路沿いに前進してクラスノホリフ市内に足場を築いた」と報告していたが、DEEP STATEも15日に更新した戦況マップの中で「ロシア軍がクラスノホリフ方向に前進した」と認めたものの「ロシア軍が市内に足場を築いた」という主張は否定。

しかし、ロシア軍が市内に足場を築いていることを示す視覚的証拠=が登場、これまでRYBARが主張するクラスノホリフへの前進はまともな視覚的証拠が伴っていなかったが、今度は視覚的にもロシア軍の前進が裏付けられた格好で、新たに市内に足場を築いていることを示す視覚的証拠=も登場した。

出典:Хортицький вітер クラスノホリフ市内にロシア軍が足場を築いている視覚的証拠のスクリーンショット

さらにDEEP STATEは「ロシア軍がノボミハイリフカ集落で支配地域を広げた」とも報告、ロシア軍は集落の中心部から西に向かって前進しており、ウクライナ軍は集落から追い出されそうになっている。

関連記事:シルスキー総司令官、ここ数日間で東部戦線の状況が著しく悪化した
関連記事:侵攻779日目、完全に勢いを取り戻したロシア軍がボダニフカを占領
関連記事:バフムート方面の戦い、ロシア軍がチャシブ・ヤールに向けて前進中
関連記事:アウディーイウカ方面の戦い、ロシア軍がペルヴォマイズケで国旗を掲げる
関連記事:侵攻775日目、ドネツク西郊外ノヴォミハイリフカ方向でロシア軍が前進
関連記事:侵攻773日目、アウディーイウカ方面のロシア軍がセメニフカ集落内に侵入
関連記事:侵攻772日目、バフムート方面のロシア軍がチャシブ・ヤール郊外に到達

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

ネタニヤフ首相が即時報復を中止、イランの全面衝突は回避される見込み前のページ

現代重工業がGE AerospaceやL3Harrisと提携、豪海軍や加海軍の受注戦で協力次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    これで4ヶ国目、トルコもウクライナの安全保障の保証国になると発表

    トルコのエルドアン大統領は31日、ウクライナが要求している「中立を宣言…

  2. ウクライナ戦況

    ザポリージャ州の戦い、ウクライナ軍がロボーティネに取り残された民間人を救出

    ウクライナ軍兵士がロボーティネ集落内のメインストリートに進出したことが…

  3. ウクライナ戦況

    ウクライナ国防相、武器支援に関して非常に良いニュースがあると予告

    ウクライナのレズニコフ国防相は18日、米国のオースティン国防長官との電…

  4. ウクライナ戦況

    ロシア軍は再びキーウ方面の過ちを東部戦線で繰り返そうとしている

    ドンパスの戦いでウクライナ軍が苦戦する中、米国の国防当局者や軍事アナリ…

  5. ウクライナ戦況

    チェンバレン方式で平和は実現不可、戦争拡大を避けるにはウクライナ勝利が不可欠

    ラトビアのレヴィッツ大統領やパブリクス副首相は「ロシアはナチズムと同じ…

  6. ウクライナ戦況

    英国がウクライナ支援を発表、数週間以内にAIM-120AMRAAMを提供

    ウクライナ支援を協議するラムシュタイン会議も今回で6回目だが、タイミン…

コメント

    • 暇な人
    • 2024年 4月 15日

    バフムトから一年はたってるのに守るつもりなら要塞化していないとは思えない、
    それなのに侵攻スピードが速すぎるからもうウクライナの予備兵力が尽きているか、
    2022の秋のロシア軍みたいに戦線整理に入ったかのどっちかでしょうね。

    ウクライナ軍のこれまでのパターンからすると予備兵力が尽きているように見える。

    28
    • エーミール
    • 2024年 4月 15日

    最近のウ側の動画を見ても、塹壕内にウ軍兵士を滞在させて自爆ドローンなどを背後に置き、ロシア突撃兵が来ると兵士で足止め、自爆ドローンで援護のような防衛体制をとっていることが多いですね。それに対してロ側は投下型ドローンと歩兵、装甲車(主にBMP)のセットで運用していることが多いですね。

    最近見たものですと、BMPが塹壕を抑制し、その間に投下型ドローンが塹壕内を荒らし、歩兵がジリジリとグレネードなどで細かくクリアして制圧している様子でした。そのような物を何度か見ているので、ロ側はマニュアルかなにかが既に兵士全体に行き渡っているのかもしれません。

    ウ側は弾薬、砲弾などが不足しているがそれに対して徴兵や女性志願兵などで弾薬などと比べると比較的兵力だけが余っているような状況かと思われます。
    毎日の如く対空レーダーや自走砲などが破壊され、インフラ設備なども警戒しなくてはならず、歩兵に対してしてあげられる援護がかなり少なくなっており、現在の少ない懐で養ってあげられる戦線になるまで前進を許すしかないでしょう。ロシアがそうしたように一度大きく戦線を動かして、戦線を整理しないと中途半端な要塞ばかりで被害が膨れるばかりでしょうね。

    33
      • たむごん
      • 2024年 4月 15日

      仰る通りです。

      戦線整理・要塞建設・予備兵力確保、同時にできなければ、他方面突破・迂回されるリスクを常に抱える事になりますよね。

      消耗戦(兵士・武器)を削られ続けていれば、どこかで破綻しそうですから、非常に厳しい状況ですね。

      12
    • りにあ
    • 2024年 4月 15日

    東部戦線は日中28℃とかの4月としては異常な高温で泥濘が早いと思われますが温暖化で泥濘が早まるということは終わるのも早いので弾薬・F16の到着まで持ちこたえられるかそうかですね。
    また、ロシア軍が数十万の戦戦死者出しているのに無限ともいえる補充ができてしまっています。人口は日本より若干多い1.4置なので無限の兵力は奇妙です。面積はメルカトルのカラクリ込ですしGDPも物価違いもあるとはいえ、高くはありません。

    3
      • ルイ16世
      • 2024年 4月 15日

      現在ロシアがウクライナに展開している兵力と失った兵力を足しても110万程度です
      これは直感的には多いですが人口の1%以下ですから無限と言えるほどでもありません
      むしろ人口比ではウクライナ側の方が4倍以上は兵士にしてぶつけているのでロシア側の方が無限の補充を感じていたと思います

      25
      •  
      • 2024年 4月 15日

      >また、ロシア軍が数十万の戦戦死者出しているのに無限ともいえる補充ができてしまっています。人口は日本より若干多い1.4置なので無限の兵力は奇妙です

      数十万も戦死してるとは何情報?
      戦死傷者が30万と推定されてるから多くても10万くらいでしょ。

      27
      • 名無し
      • 2024年 4月 15日

      BBCや独立系メディアで確認されているのは5万人程度です。
      イラクやアフガンの米軍の戦死者に比べたら多いですが、損害を囚人兵や傭兵に押し付けているのでロシア軍の戦死者はそうでもないのです。
      なので無限に補充されているわけではありません

      26
        • 名無し
        • 2024年 4月 15日

        イラクもアフガンも大部分は正規軍同士の殴り合いじゃないかしね…

        4
      • nana4
      • 2024年 4月 15日

      ロシア軍の戦力の回復能力が桁違いで驚愕する記事が有りましたが、
      ウクライナ軍が主張する何倍にも盛られたプロパガンダを、そのまま露軍の損害としてるんだから予想が外れるのは当然ですよね。
      そして今度はゼレンスキ―が主張するウクライナ軍の死者3万人を信じ、ウクライナ軍が崩れるのが早すぎる予想外だ、と言い出すんですから、
      もはや西側の戦争報道は火葬戦記と言っても差し支えないと思いますね。

      64
      • とある帝國臣民
      • 2024年 4月 15日

      ロシアの平均年齢は日本よりも10歳若くて34歳以下の人口が43%を占めているそうだから人口規模をからすれば数十万人なんて誤差に近い数字。

      13
    • たむごん
    • 2024年 4月 15日

    ロシアが、航空優勢を得ていましたが、制空権を局面によっては得つつありますからね。

    Su25のロケット弾攻撃、フレアに対して、携行式対空火器の反撃すらなかったという情報が気になっています。
    ウクライナ軍は、常に撤退・後退のタイミングを見極めなければ、攻撃による打撃が大きくなってしまいます。

    イラン=イスラエル情勢が緊迫化している中で、欧米がウクライナ支援に避ける余力も、ますます減少してしまいます。

    21
    • ケン
    • 2024年 4月 15日

    チャシブ・ヤールはウクライナ軍としても重要拠点であり増派して対応していますが、それでも前進を止められていないのは気になりますね。
    他方、北部や南部の前戦はそれほど動きがないので、ウクライナ軍全体の兵力や弾薬が致命的なレベルまで枯渇したというわけでもないように思えます。
    ロシア軍はチャシブ・ヤール周辺で滑空爆弾を連日のように投下しており、それが他戦線との違いのように見えますね。噂レベルですが、アゾフが滑空爆弾が降り注ぐチャシブ・ヤールへの転出を断ったという情報もあるようです。

    24
      • たむごん
      • 2024年 4月 15日

      情報ありがとうございます。

      最前線といえども、一方的に空爆の続く場所は、死傷しに行くようなものですから行きたくないですよね。

      8
      • ぱあ
      • 2024年 4月 15日

      そもそもアウディーイウカに駆り出されたばかりのアゾフにそんな戦力あるのか?

      8
    • ar
    • 2024年 4月 15日

    最近BMPTを前線に出して活用しようと頑張ってるようだけどこれもやはり対戦車兵器の不足ってことなのかしらね
    機関砲だし数kmの距離にいる戦車を破壊できないのはやばいよなぁ

    8
      • 2024年 4月 15日

      BMP-TはATM4発積んでいるけど?

      4
        • ar
        • 2024年 4月 15日

        宇軍から見て撃破できないのはやばいという話だった
        主語がなさすぎたな

        12
    • 名無し
    • 2024年 4月 15日

    完全に弾薬が枯渇した訳じゃないだろうが相当節約を強いられてるのは想像に難くない
    近接航空支援が手厚いとそれだけ楽になりやすいからロシア軍の歩兵としては良い傾向だろうねぇ

    14
      • Easy
      • 2024年 4月 15日

      状況的にはほぼ枯渇と呼べる段階ですよ。
      ウクライナ軍は、アウディーウカ陥落後に部隊の潰走と戦線崩壊を避けるため,弾薬の使用制限を解除してこれまで節約して残しておいた各種ミサイルの残弾を全て使い切ってでも戦うように前線の部隊に命じてます。
      結果,ロシア軍の突進を止めて戦線を立て直すことに成功しました。
      が。
      その反動が今来ているわけですね。
      対戦車ミサイルが無いから機甲戦力に突撃され,対空ミサイルが無いからSu-25にCASをやられているわけです。
      そりゃなりふり構わずミサイルよこせと外務大臣が言うわけですよ。

      17
        • たむごん
        • 2024年 4月 15日

        弾薬がなくなれば、どんな武器も飾りになりますからね。
        仰る通りここで使い果たせば、この後どうするつもりなのでしょうか。

        ウクライナ政府の上層部も、死守命令を繰り替えすだけなら、仕事やってるようには見えるのですが中身はないんですよね。
        本当の仕事は、最近ロシアが外交交渉のボールを投げているように見えるため、批判覚悟で停戦を模索する事だと思っています。

        このまま続けるのは、あまりにもメリットがないなと…。

        16
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  2. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  3. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  4. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  5. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
PAGE TOP