ウクライナ戦況

ロシア国防省がクピャンスク方面のタバイフカ解放を発表、ウクライナは否定

ウクライナ軍やDEEP STATEはクピャンスク方面について「ロシア軍はタバイフカを占領できていない」と主張したものの、ロシア国防省は29日「歩兵部隊が戦車の支援を受けてタバイフカを完全に制圧した」と発表、双方の主張は完全に矛盾している。

参考:Россияне заявили о захвате Табаевки под Купянском. В ВСУ опровергли
参考:Ганчев назвал Табаевку шагом к освобождению всей Харьковской области

参考:Заявление начальника пресс-центра группировки «Запад» 
参考:“Как взятие Берлина”. Фитьо объяснил попытки россиян оккупировать Табаевку

ロシア側の主張が事実ならクピャンスク方面に大きな変化をもたらすかもしれない

ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは「タバイフカ解放」を報告、ウクライナ人が運営するDEEP STATEは「タバイフカに足場を築こうとしたロシア軍を阻止した」と、ウクライナ軍戦略広報局のウラジミール・フィチョ氏も29日「敵はタバイフカ占領を自慢しているが現実と一致しない。敵はタバイフカを占領出来ていない」と主張したものの、ロシア国防省は公式に「タバイフカ占領」発表した。

出典:管理人作成 キスリブカ周辺の戦況(クリックで拡大可能)

ロシア国防省は29日「歩兵部隊が戦車の支援を受けてタバイフカを完全に制圧した」「これは全地域解放に向けた新たな1歩である」「ロシア軍の兵士はクピャンスクに向けて前進している」と発表、RYBARを含むロシア人ミルブロガーらは「タバイフカやクロフマリン方向でロシア軍が前進を遂げた(黄色斜線の範囲)」と主張しており、双方の主張は完全に矛盾しているものの視覚的証拠がないので「どちらが正しいのか」は不明だ。

仮にロシア側の主張が事実なら「キスリブカの背後を突く動く」と「戦術的に有利な高台へのアタック」に発展する、ウクライナ側の主張が事実なら「ロシア軍は不利な低地からの前進に失敗している」という意味になり、後者の場合はクピャンスク方面に大きな変化もたらすかもしれない。

追記:ウクライナ軍戦略広報局のウラジミール・フィチョ氏は30日「敵はタバイフカを占領出来ていない」「ウクライナ軍は敵を押し戻そうとしている」「ロシア軍は昨日の戦闘で大きな損害を被った」と述べた。

関連記事:ウクライナ人、寄せ集め部隊の問題を改善しないと今後も敵の成功が続く
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※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России

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コメント

    • のむら
    • 2024年 1月 30日

    要約:時間の問題

    62
    • bbcom
    • 2024年 1月 30日

    仮にタバイフカを占領できたとしてもより強固な高台陣地が後方に2箇所あるのでまだまだウクライナ軍には余裕がある。対照的に無理な突撃を繰り返すロシア軍は甚大な被害を出しても戦果の一つも確かめられない間抜けぶり。もう諦めたら?

    3
      • つぐみ
      • 2024年 1月 30日

      経済規模・人口規模ともに開戦前から現在にかけてロシアの方がウクライナによりも断然有利などころか、

      開戦後にウクライナからの人口流出と経済活動停滞でより余裕が無くなってるのは他でもないウクライナですよ

      前線での局所的な勝敗の結果には大した意味はなく、総量としてより多くのリソースを注ぎ込めるのはどちらかという議論をしないと非常に近視眼的な論評に終始する

      60
        • ( ゚Д゚)
        • 2024年 1月 30日

        釣りじゃないの?

        36
        • ゆj
        • 2024年 1月 31日

        まさにその通り。昨年夏のウクライナ軍の攻勢でも、秋冬からのロシア軍の攻勢でもそうだが、ほんのわずかな支配領域の変化に対して過剰反応が多すぎるように見える。2022年11月のヘルソン撤退以降、ほとんど支配領域は変化していないというのが実情。まだあるか分からないが、日本語サイトだとNHKのサイトで一日単位の支配領域の変化が見れるようになっていたはずだから、ぜひ一度確認してみて欲しい。
        今後の戦況の推移を考える上で意味のある議論というのは、アメリカの支援(予算)状況、EUの支援状況、ウクライナの防衛線構築状況、ロシアの動員状況などがどう変化するか、といった話だろう。
        今後ロシア軍が大規模な攻勢を行なって、ウクライナ軍がそれに耐えられずに大規模な突破が起きるのかどうかを知るには、今の前線の小規模な日々の変化ではなく、お互いの戦力全体がどう変化する見込みがあるのかを見ていくのが重要だ。

        8
          •  
          • 2024年 1月 31日

          この記事のクピャンスクですらまだ直線で20キロ以上あるからな。果たして市街戦はいつになるのか

          4
      • ポンポコ
      • 2024年 1月 30日

      bbcomさんへ

      応援を「あきらめる」かどうかでなく、客観的に戦況を検討していくというテイストの方々がコメント欄の殆どだと思います。

      ロシア軍が無理な損害を重ねていて限界に達しているなら、bbcomさんのおっしゃる通りだと思います。

      しかし、ロシア軍はウクライナ軍と違い、兵士の損失には敏感にならざるを得ない事情があるので、基本的な戦法は砲爆撃なんですね。

      それで基本的には、ウクライナ軍が退いたり、反撃が弱まったところに少しずつ進出していくという戦法のようです。

      だから、最近の戦況は、ロシア軍の大攻勢というより、ウクライナ軍側の補充兵の供給不足や砲弾補給不足かもしれませんね。

      45
        • ななしびと
        • 2024年 1月 30日

        動員の話とか弾薬不足の話とかここ一連の流れを考えれば支えきれなくなって後退しているという点が大きいでしょうからね。
        ここから退いてもウクライナはまだ大丈夫で攻勢をかけているロシア軍は死屍累々!みたいな話、ずっと聞きますけど、むしろ西側報道からでさえ今年来年のうちにロシアが勝利するシナリオも出てきてるのはどう捉えてるんでしょうかね。
        耳障りのいい話を聞くのは結構ですけど、弱兵ロシアに打ち勝つ精強ウクライナという文句に疑問を持つほうが普通だと思うんですけどねぇ……

        36
          • たむごん
          • 2024年 1月 31日

          ウクライナの義勇兵(元傭兵?)が、ウクライナ戦争の砲撃が激しすぎて、経験した事のないレベルだという話を思い出しました(記憶ベースで申し訳ないです)。

          兵士の被害は、砲爆撃が最大と言われており、砲弾の消費量・都市の廃墟を見ても激烈である事が分かります。

          西側メディアの報道を思い出しましたが、日付を見れば本当に最近で、今となってはプロパガンダが分かりやすいですね…。

          >そのためロシア軍の砲兵は今、量よりも精度を重視せざるをえなくなっている。
          (2023年9月6日 ロシア軍、歴史ある「戦場の神」の火が消える危機 ニューズウィーク日本版)

          6
        •     
        • 2024年 1月 30日

        応援団の話はしていないと思いますが…

        2
        • 名無し太郎
        • 2024年 1月 30日

        >応援を「あきらめる」かどうかでなく、客観的に戦況を検討していくというテイストの方々がコメント欄の殆どだと思います。

        そこまで冷静になれるのが、私には不思議だ。ロシアが勝った後の世界情背の変化が、怖くないのか?
        私は怖いけどね。出来ることならプーチンは戦争犯罪人として捕えられ、キーウの街を手錠をかけた状態で引きずり回され、全人類の名の下に国連の手で処刑されて欲しい。
        プーチンが勝利を手にすれば、あらゆる面で全世界が悪化する。この戦いは世界観戦争だから、ウクライナとロシアだけの間では終わらない。

        7
          • kame
          • 2024年 1月 31日

           栄枯盛衰って言葉もありますし、覇権国がイギリス→アメリカと変化したように世界の主導権なんて移ろいやすいものなので、一市民が世界の構造について悶々と悩んでも仕方がないと思いますけどね。
           まあ、私個人はロシアがウクライナに勝利するかどうかより、北朝鮮がトチ狂って核ミサイルを東京に打ち込んでくるという方が現実的な恐怖を感じますが。

          24
            • 名無し太郎
            • 2024年 1月 31日

            >北朝鮮がトチ狂って核ミサイルを東京に打ち込んでくるという方が現実的な恐怖を感じますが。

            核ミサイルは迎撃が可能だよ。ガラクタを恐れるのは過剰反応だと思うけどね。
            ロシアは、北朝鮮のような破綻国家に頼らなければならないほどには、追い詰められている。ロシアも余裕がある訳ではない。ロシアも苦しんでいる。
            この戦いは、やり様によっては勝てる戦いだった。キチンと支援をすれば勝てたし、あそこまで戦闘機を送ることを渋ったバイデンの判断ミスだ。
            歴史にifは無いというのは、間違っている。世の中は人間の判断の積み重ねなので、ifは有り得る。プーチンに勝利を与えることは、最大の愚行だよ。

            1
              • kame
              • 2024年 1月 31日

               まあ、『私個人』の考えなので深く突っ込まれても困ります。貴方がプーチン大統領率いるロシアを恐れるのも否定はしませんよ。
               ただ、前述した通り、世界の多極化や支配構造が変化すること自体は歴史的に珍しくないですし、仮にロシアが勝利して、欧米の影響力が低下したとしても、緩やかな変化や小競り合いが増えるだけでしょうね。

              4
          • 歴史と貧困
          • 2024年 1月 31日

          >そこまで冷静になれるのが、私には不思議だ。ロシアが勝った後の世界情背の変化が、怖くないのか?

          それは貴方が冷静になれず、ヒステリーになってロシアを怖がっているだけかと。貴方の心の弱さと、異なる価値観を許容できない裁量さを他人のせいにしたところで、貴方の心は強くなりません。

          その心の有り様では、プーチンが死した後も、トランプが選挙に勝利すれば全世界が悪化する、習近平がいる限り全世界が悪化すると、貴方は永遠に怯え続けるだけでしょう。貴方の夢想する楽園はこの世にありません。

          39
            • クル
            • 2024年 1月 31日

            自覚無いでしょうけど価値観の相容れない人間を「理性の無い猿ども」ぐらいに思ってる差別主義者なんでしょうね

            19
              • baka
              • 2024年 1月 31日

              横からですいません
              そんなに難しい事を言ってると
              思えないですが、事が起きるには
              何らかの理由が必要で、起きるには
              可能性が低過ぎるので要らぬ心配と言ってるのでは
              現にバイデンさんの前はトランプさんでしたし
              人の価値観なんて人それぞれですよ
              卑屈なる事もないです

              3
            • 名無し太郎
            • 2024年 1月 31日

            >異なる価値観を許容できない裁量さ

            確かに私は異なる価値観に対しては、不寛容かもしれない。しかし理由もなく他国に侵攻する人間まで受け入れろというのは、無茶な理屈だと思うけどね。
            ウクライナ侵攻には合理的な理由が見い出せない。これは私だけでなく、多くの政治評論家が述べていることだ。
            おそらく習近平は、アメリカが動くと思っている内は、台湾に侵攻したりはしない。トランプはビジネスのやり方を政治に適応しているだけで、他国に無関心。
            ついでに言うと私は、ウクライナが正義だとは思っていない。腐敗国家だということは、大分前から知っている。しかしウクライナの腐敗は他国に被害をもたらさないので、ロシアと『どっちもどっちだ』論は成立しない。

            2
          • T.T
          • 2024年 1月 31日

          市中引き回しとか発想が怖すぎ
          そのうちブッシュは磔、トルーマンは墓を暴いて骨を焼くとかやりそう

          8
    • 幽霊
    • 2024年 1月 30日

    ロシアが前進を主張してウクライナは否定するだけど後からウクライナもロシアの主張を認めるみたいな事が結構有ったからそう言うパターンじゃ無い事を祈るばかりですね。

    27
    • 名無し
    • 2024年 1月 30日

    他にも中立派OSINTのMajakovskやSuriyakmapsは南部戦線でプリュトネの北側にてロシア軍が攻撃を行い複数のウクライナ軍陣地を占領し、東部戦線でもノヴォミハイロフカ北側にてロシア軍が占領地を広げ、ウクライナ軍が高台からの交代を余儀なくされているとしていましたね

    正直今後の戦争継続や展開している部隊の損耗を考えると、クピャンスクからイジュームにほど近いヤツキフカにかけてのオスキル川東岸を放棄してすぐにでも西岸に後退すべきではありますけど、そうなるとシヴェルスクやクレミンナ方面に展開しているウクライナ軍の補給にとって大打撃となるため、ギリギリまで損切りができないウクライナからすれば難しいでしょうな

    28
    • 名無し
    • 2024年 1月 30日

    守りやすい河まで引いたほうが楽で戦線が安定すると思うのですけどね
    この当たりは親露地域で住民もロシアよりですし

    19
      • kame
      • 2024年 1月 30日

       後方の防御陣地が形になるまでは無理してでも戦線維持させるんじゃないかと思います。EUのウクライナ支援案に関して、ハンガリーが条件付きで承諾するとのニュースも出てますし、もう少しの期間、耐えればロシアの攻勢を止められるという想定なのかもしれません。
       どの道、追加の徴兵が出来れなければ防御主体の戦争は出来ても、ウクライナが望んでいるロシア軍の完全排除なんて不可能なわけですし、2024年の中盤から2025年の序盤辺りまでに一度は後方への戦略的な撤退を余儀なくされる事でしょう。

      16
      • nachteule
      • 2024年 1月 31日

       森まで下がっての背水の陣って話しなのか対岸まで引くって話しなのか。

       目先の事だけ考えて放棄するのもありかもしれないが放棄する土地は奪い返す必要のある国土って話しでもある。再びハルキウ奪還みたいな事がありえるのかは反攻作戦を見た感じ微妙で放棄した土地と時間をロシアに与えるとどうなるか自明で、ロシアが戦争所じゃなくなるかウクライナが更に強くなるかが起きないと奪還ハードルが上がる。簡単に判断出来ないでしょうよ今自国民を10人救う為に将来の奪還作戦で倍の自国民を殺すって話しになったら、それこそ目も当てられない。

    • lang
    • 2024年 1月 30日

    もう誰もつっこまないけどDeepStateてやっぱり由来はアレなんですかね?
    そもそも興味がないとこんな名前つけないですよね

    ウクライナ人の話を聞いてみると結構、ネオナチとか白人至上主義とかトランプ好きが多いイメージですが
    民主主義を守れって、今のウクライナを支えてるのは米独のようなリベラル政権なんですよね
    ウクライナを持ち上げるメディアもそこらへんはあまり突っ込まないですよね
    その矛盾が解消される前に、リベラル政権の退潮がはじまりそうですが・・・

    24
      • 無名
      • 2024年 1月 31日

      米英どっちも国内の政策なんかで失敗して政権支持率下がってますもんね。
      次の選挙では政権交代するのではって感じで。
      まあ、その国の国民からしたら他国での事よりも自国での事で評価するから当然と言えば当然ですが。

      12
    • ポレ
    • 2024年 1月 30日

    3日後にウクライナも
    認めざるを得なくなる定期

    27
    • 冬戦争
    • 2024年 1月 31日

    ロシア軍がバフムトを解放したと発表→ウクライナ軍が否定→後でウクライナ軍がバフムト陥落を認めると言う展開だったので今回もそうなのではと思います。

    20
    • あるまじろ
    • 2024年 1月 31日

    ロシア側もウクライナ側も
    どっちも都合のいい偏向報道してますし
    視覚報道がでるまで判断保留ですかね。

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