ウクライナ戦況

シルスキー総司令官が厳しいと言及したクピャンスク方面、ロシア軍がベレストベ方向に前進

シルスキー総司令官は23日「クピャンスク方面キブリスカ方向の状況が厳しい」と言及、DEEP STATEも「イワニフカ集落内にグレーゾーンが拡大した」「ベレストベで戦闘が続いている」と、RYBARも「ロシア軍がベレストベ方向に支配地域を拡大させた」と報告した。

参考:Мапу оновлено!
参考:Хроника специальной военной операции за 24 мая 2024 года

クピャンスク方面

シルスキー総司令官は23日「クピャンスク近郊の森林地帯で戦闘が続いている。キブリスカ周辺ではロシア軍が我が軍の防衛を突破してオスキル川に到達しようとしている。この方向の状況は厳しい」と言及、ウクライナ人が運営するDEEP STATEも25日「イワニフカ集落内にグレーゾーンが拡大した」「ベレストベで戦闘が続いている」と報告。

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ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARも「ロシア軍がベレストベ方向に支配地域を拡大させた」「ロシア軍がステルマキフカ方向に前進した」と報告、視覚的にもベレストベ西郊外=でウクライナ軍がロシア軍の装甲車輌を破壊する様子、ベレストベ集落内=に陣取ったロシア軍をウクライナ軍が攻撃する様子、ステルマキフカ方向のロシア軍陣地=をウクライナ軍が攻撃する様子が登場。

この方面の変化(ピンク色と黄色の範囲)は全て1ヶ月以内に起こったことで、シルスキー総司令官が言及したようにキブリスカ方向の状況は「じわじわ」ではなく「急速」に悪化している。

シヴェルシク方面

RYBARは15日「ロシア軍がロズドリフカ方向に支配地域を広げた」と、22日「ロシア軍がスピルネ方向に支配地域を広げた」と報告し、スピルネの南西=でウクライナ軍がロシア軍陣地を襲撃する様子が登場。

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この視覚的証拠についてDEEP STATEは「敵陣地への攻撃はグレーゾーンで発生しているものの直ぐに当該地域を赤色に塗り替える必要はない」「シヴェルシク方面で戦う兵士の話によればロシア軍に奪われた陣地奪還のための戦闘が続いている」「この地域は入手できる情報が少ないため正確な状況は不明だ」と述べていたが、RYBARは24日「ロシア軍がスピルネ方向に支配地域を広げた」と報告し、方向にロシア軍支配地域を広げてきた。

RYBARの評価が正しいなら「ロシア軍は東と南からスピルネに前進している」と言うことなり、ロズドリフカ方向の動きと合わせると楽観視できる状況ではない。

バフムート方面

RYBARは「ロシア軍がクレシチェエフカ集落内で支配地域を広げた」「ウクライナ軍が高台周辺からも撤退したという未確な情報がある」と、DEEP STATEも「ロシア軍がクレシチェエフカ集落内で支配地域を広げた」と報告していたが、DEEP STATEは25日「ロシア軍がクレシチェエフカ集落の中央付近まで支配地域を広げた」と報告。

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クレシチェエフカ方向におけるロシア軍支配地域の拡大についてDEEP STATEとRYBARの評価は除々に一致しており、ウクライナ軍は集落の支配権を失っている可能性が高い。

但し、クレシチェエフカの北にある高台陣地から撤退したかどうかは視覚的に確認されておらず、一部のロシア人ミルブロガーは「ロシア軍はアンドリーウカも占領した」と主張しているが、こちらも主張を裏付けるような視覚的証拠は登場していない。

アウディーイウカ方面

シルスキー総司令官は23日「最も激しい戦闘がポクロウシクとクラホヴェの両地域で起きている。敵は最も訓練された部隊をスタロミハイリフカからベルディチの間に突撃作戦に投入し、我が軍の防衛を突破しようとしている。この攻撃は装甲車輌、オートバイ、バギー、徒歩によって行われる」と言及、DEEP STATEも「オチェレティネの北でロシア軍が前進した」「ウマンスキー集落の大半がグレーゾーンに収まった」と、RYBARも「ロシア軍がセメニフカから西に前進した」「ロシア軍がウマンスキー集落の大半を占領した」と報告。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

この方面についてDEEP STATEは25日「ロシア軍がアルハンヘルズケの西で前進した」「ロシア軍がウマンスキー方向で前進した」「ウマンスキー方向のグレーゾーンが大きく広がった」と、RYBARも「ロシア軍がウマンスキーを占領した」と報告、視覚的にもソキルの東=でウクライナ軍のブラッドレーが破壊される様子、ウマンスキー集落の西端=に赤旗が掲げられている様子が登場している。

因みにウマンスキー集落内ではロシア軍の存在を示す視覚的証拠が幾つも登場しているのだが、DEEP STATEは集落内のロシア軍支配地域を一切認めておらず、RYBARが主張するロシア軍支配地域とほぼ同じ範囲をグレーゾーンと指定しているだけで、何らかの理由が存在するのかどうかは不明だ。

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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

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コメント

    • 名無し
    • 2024年 5月 25日

    精鋭を引っこ抜かれた影響が出始めているマズいぞ

    23
    • たむごん
    • 2024年 5月 25日

    管理人様に飽和攻撃が、お疲れ様です。

    ハリコフに援軍を送りましたが、戦線を抜かれると、予備隊がいるのか気になりますね。

    ウクライナ軍前線歩兵、ODAB1500・各種FABの爆撃・自爆ドローン・砲撃などに耐えていますが、前線部隊の損耗率がどうなっているのか気になります。

    13
      • foobar
      • 2024年 5月 25日

      方面が・・方面が多い・・!!
      って状況だけど、まあロシア軍が狙ってやってる事だわな

      27
        • たむごん
        • 2024年 5月 25日

        仰る通りです、作戦でしょうね。

        10
    • 名無し
    • 2024年 5月 25日

    また新しい地名がきたな
    おっさんの記憶力だと厳しい
    似たような地名多いし、ロシア語読みウクライナ語読み、ソ連時代の名前まであるとこんがらがる

    20
    • マミー
    • 2024年 5月 25日

    なんと言うか素人でも予測出来た、ハリコフ方面への増援で、見事に他戦線に穴が開きそうになってる。

    26
      • 朴秀
      • 2024年 5月 25日

      予測は出来ても援軍を送るほかに方法がないのが厄介ですね
      ハルキウ方面のロシア軍は数個大隊でしたっけ
      同じ誘引目的でもドニエプル川越えたウクライナのの海兵旅団とは効果が違いますね

      18
        • BOB
        • 2024年 5月 25日

        ボルチャンスクの川より北のウクライナ軍は第2のクリンキになるかもしれない。
        撤退して川を防衛線にするという発想はなさそうだ。

        10
          • 無名
          • 2024年 5月 25日

          川の北側を支配できてない。ロシア軍やっぱり弱い。
          みたいな意見が多いですが、川の南側から北側に増援や補給を送るには橋を通らないといけないから、砲撃の的でしょうね。

          15
            • BOB
            • 2024年 5月 25日

            「我が軍は有利な位置に移動した」というのが遅すぎなんだよな。
            有利な位置があるならボコボコにされる前に移動してそこで戦えよと。

            10
          • ras
          • 2024年 5月 25日

          まあさすがにウクライナ側も川向こうの陣地はあるのでクリンキーほどの劣悪な陣地じゃありませんが、不利なのは間違いないですね。それでもロシア軍を追い出すことができれば士気も取り戻せるかもしれませんし、そういう見込みで作戦を決めてるのかもしれません。

          7
    • nk
    • 2024年 5月 25日

    クピャンスクを狙っていると思うのでオスキル川までは今夏で到達する予定ではないかなと思う。世界はハルキウに大注目だけども結局は主攻撃軸の東部戦線がさらなる危機になったわけでロシアのハルキウ侵攻は今の所は良い結果になっている様に見える。
    これでハルキウでウクライナは戦果出さないと色々さらに厳しいかなと。

    20
    • nachteule
    • 2024年 5月 25日

     こんな状況にもかかわらず貴重なATACMSが戦況にそこまで寄与してないと思われるS-400を撃破ってソースが出てくる辺りウクライナって結構ずれているのか余裕なのかなと思う。素人からすれば先を見越した投資の意味があろうが優先順位が違う感じがしてならない。

     それともATACMSのクラスター弾頭ですら効果的な破壊が出来ないほどロシアの兵站や兵力展開が上手く機能している事の裏返しなんだろうか。

     

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