ウクライナ戦況

スペインがウクライナ支援を発表、M113、防空システム、野戦砲を提供

スペイン国防省は25日「M113、防空システム、野戦砲などの装備をウクライナに提供する」と発表、但し何ヶ月も検討を続けてきたレオパルド2A4はリストに含まれていない。

9月中に全ての支援物資をウクライナに引き渡す予定だが、アスピーデの訓練が完了するのは先の話

スペイン国防省は25日、ウクライナにM113×20輌、防空システム、野戦砲、75パレット分の野戦砲弾、1,000トンのディーゼル燃料、ウクライナからの緊急要請に応えて寒冷地用の軍服30,000着、防寒ジャケット15,600着、ウェザースーツ15,000着などを提供すると発表した。

出典:MBDA 写真のミサイルはアスピーデ2000

既にM113と弾薬はウクライナに到着済みで、数万着の衣類からスペイン国旗を取り外す作業もほぼ終わり、スペイン国防省は「9月中に全ての支援物資をウクライナに引き渡せる」と明かしている。

ウクライナに提供する防空システムの詳細は公表されていないが、スペイン政府はアスピーデ提供をウクライナ支援を調整する機関(ドイツのシュトゥットガルトに設置された組織)に打診していたため「アスピーデの提供準備の手続きが整った」という意味だろう。

出典:Outisnn/CC BY-SA 3.0 SBS 155/52

提供される野戦砲についても詳細はないが、ウクライナの駐スペイン大使は「キーウは155mm榴弾砲と122mm迫撃砲の供給に関心があるとスペイン政府に伝えている」と述べているので、Santa Bárbara製の155mm榴弾砲かECIA製の120mm重迫撃砲が提供される可能性があるものの、相互運用性を優先するなら米国や英国と同じL119を提供しても不思議ではない。

因みに何ヶ月も検討を続けてきたレオパルド2A4提供については今月2日「保管状態が良くないため提供を正式に断念する」とロブレス国防相が述べていたので、25日発表のプレスリリースには含まれていない。

関連記事:スペイン国防相、レオパルド2A4のウクライナ提供を断念すると発表

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army Europe photo by Spc. Joshua Leonard

中国軍のドローンを石を投げて追い払う台湾軍、アンチ・ドローンシステムの配備を前倒し前のページ

中国、米イージス艦に相当する052DL型駆逐艦を5隻同時に建造中次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ロシアから見た戦争の行方、ウクライナ支援の停滞は一時的なものに過ぎない

    ウクライナのクレバ外相はWSJ紙とのインタビューの中で「新たな反攻作戦…

  2. ウクライナ戦況

    ロシア軍がセベロドネツク市内の90%を確保、ウクライナ軍は工業地区で抵抗

    セベロドネツクを巡る戦いはロシア軍が市内の90%を確保、後退したウクラ…

  3. ウクライナ戦況

    アウディーイウカ南部の防衛ラインが崩壊、街の入口にもロシア国旗が掲げられる

    アウディーイウカの入口付近でロシア軍兵士が国旗を掲げ、旧防空基地と浄水…

  4. ウクライナ戦況

    ドニエプル川の戦い、ウクライナ軍が何の制限も受けずドローンを運用?

    ロシア人ミルブロガーの「NGP RaZVedka」は10日、ドニエプル…

  5. ウクライナ戦況

    ウクライナ政府機関へのサイバー攻撃を確認、現段階での影響は限定的

    ウクライナ政府機関のwebサイトを標的にしたサイバー攻撃(DDoS攻撃…

  6. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍、ニューヨーク・タイムズはロシアの物語を広めようしている

    ニューヨーク・タイムズ紙は20日「アウディーイウカで秩序ある撤退が行わ…

コメント

    • 匿名
    • 2022年 8月 26日

    やっぱり西側製の戦車は供与できないんだろうな

    5
      • 月虹
      • 2022年 8月 26日

      やはりレオパルト2の提供についてはドイツが反対しているのでしょうね。「保管状態が悪い」とのことですが実際、ベルギーが退役後に民間企業に払い下げたM109自走砲をイギリスは購入してオーバーホール後にウクライナ軍へ引き渡しているわけですし。

      1
        • hiroさん
        • 2022年 8月 26日

        どうなんでしょうね?
        西側戦車·戦闘機は供与しないというのはNATOの合意らしいので、ドイツだけ悪者にするのは気の毒かな。
        ドイツも初期の消極姿勢からは変化して、多少は無理しても兵器供給を拡大しつつあるし、プーチンとの会談の内幕を暴露したりしていますしね。
        米国·英国·フランスも自国製戦車は供給しないわけだし。

        3
      • 戦略眼
      • 2022年 8月 26日

      だったら、ポーランドへ送れ。
      NATO内なら問題無いだろう。

      4
    • すえすえ
    • 2022年 8月 26日

    寒冷地用の服ですか
    やはり当たり前ですが冬を越して戦うことを想定していますね

    16
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  2. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
  3. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  4. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  5. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
PAGE TOP