ウクライナ空軍のイグナト報道官は「ロシア軍機が使用する滑空爆弾が脅威になっている」と明かしていたが、空軍のオレシュチュク司令官は22日「南部方面で3機のSu-34を撃墜した」と発表、ロシア人もSu-34が撃墜されたことに言及し始めている。
参考:Силы обороны уничтожили три российских истребителя Су-34 – Олещук
参考:Данилов о ликвидации трех российских Су-34: Охотились давно
ロシア人の報告が事実なら少なくと「2機分の墜落」を示唆する爆発が確認されていることになる
ウクライナ空軍のイグナト報道官は今月3日「ロシア軍による半年前の滑空爆弾(JDAM-ERに相当するUMPKキットを取り付けたFAB-500のこと)使用の頻度は散発的だったものの、現在は1日100発も投下することがある。防空圏にKa-52やMi-24が侵入すれば直ぐに撃ち落とせるが、敵のSu-35やSu-34は防空圏の手前(前線から50km~70km後方)で滑空爆弾を投下する」と明かしていたが、空軍のオレシュチュク司令官は22日「南部方面で3機のSu-34を撃墜した」と発表した。

出典:Fighterbomber
国家安全保障・国防会議のダニロフ書記も「空軍から(Su-34撃墜の)報告を受け取った。今なら少しだけ秘密を明かす事ができる。この機体の捜索は長期に渡って続けられてた。何故なら我々の兵士に深刻なリスクをもたらしていたからだ。この作戦に参加した全員を心から祝福する。本当に完璧な成果だ」と述べ、何人かのロシア人もSu-34が撃墜されたことに言及し始めており、あるロシア人(Fighterbomber)は「撃墜の情報が入ってきている」と述べてパトリオットの関与を示唆。
Telegram上の情報を総合するとSu-34が撃墜されたのはドニエプル川左岸のヘルソン州上空で、チャプリンズキー地区とカランチャクで爆発があったらしい。
本当にウクライナ軍がSu-34を撃墜したのかどうかは不明だが、ロシア人の報告が事実なら少なくと「2機分の墜落」を示唆する爆発が確認されていることになり、ロシア軍によるヘルソン州上空での航空機運用に大きな影響を及ぼすだろう。
因みに本結果は「F-16が投入されても防空システムによる接近拒否に直面するだけ」という問題を証明したとも言える。
関連記事:ロシア軍による滑空爆弾の使用増が問題、ウクライナ空軍はF-16に期待
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※アイキャッチ画像の出典:Oleg Belyakov./CC BY-SA 3.0
事実だとしたら、やはりパトリオットは優秀ですね。今後も防空兵器の有無がウクライナ軍にとっては重要になるでしょうが、同時に、現在のウクライナの戦場ではSu-34の性能でも撃墜される可能性が十分にあり、F16が投入されるようになっても安易に戦場へ投入できるような環境でもない事を示唆しているとも言えます。
性能の違いはあれどロシア軍も防空兵器により常に上空を見張っていますし、やはり米軍関係者などが発言している通り、戦場の趨勢を大きく変化させる一手とはなり得ないからです。ただ、今回の発表が事実であれば最近のウクライナ軍にしては単純に明るい話ではあると思いますね。
パトリオット、仰る通り優秀ですね。
日本がアメリカに輸出する事が報道されており、米軍運用分・保管分が、さらに拠出されていくのでしょう。
ウクライナ軍に明るい話題が少なかったですからね、今後の推移を見守りたいと思います。
ヘルソン防空部隊として配置していた部隊なのか、ロシア軍の行動を見て移動・強化した部隊なのか気になっています。
ウクライナがパトリオット導入直後くらいにも、奇襲的にハリコフ州前線まで持って行って、ヘリ3機戦闘機2機を落としたこと(ロシア国内での写真により戦果確認済)もありましたよね
日本もパトリオットは何台も導入しており、抑止力として効果がありそうです
正直ロシア陸軍が減っても日本への圧力軽減は限定的ですが、ロシア空軍が削られるのは日本国防上ありがたいことです。
機体価格も1機で戦車十台以上ですし
1日100発の滑空爆弾は、滑空誘導爆弾キットをかなり安定的に量産していますね。
1日何ソーティくらい、ロシア軍航空機・ウクライナ軍航空機が、稼働しているのか気になっています。
旧ソ連系統の野戦防空、Su-34を敵地で撃墜したのであれば、本当に分厚いと感じます(対空ミサイル被弾後に、さらに後退したのかもしれないですが…)。
管理人様の仰る通り、F-16が投入されて、急激に戦況がよくなるものではないですね。
今回の侵攻でロシアとウクライナの双方ともに航空戦力があまり活躍できていなかったのは東側の防空兵器の性能が西側の想像以上に高かった点が大きな要因の一つであるとも言われてましたからね
とはいえ、最近に入ってから東部戦線と南部戦線双方ともに侵攻当初の開店休業状態は何処へやらとばかりにロシア空軍の活動も活発になっているので、今回の件が事実であってもウクライナ側の防空体制は当初よりも非常に厳しくなっているという点は変わらないでしょうからその辺り冷静に行かなければなりませんな
残骸や破棄されたパラシュート写真などが出回っており、撃墜は間違い無さそうです
射程距離から考えるとドニエプル川ギリギリにまでペトリオットを持ってきたと思われますが、捕捉されたら超絶大損害なので、以前と同様に奇襲的に前線配置・運用して撤収したのではと思います
(もし損害覚悟で定期配置・運用できるならそれはそれで凄いですが)
逆に言えば、このような対処で対空の脅威を見せないとならないほどロシア軍の空爆に悩まされているのでしょうね
何日か後に大戦果として報道されそうだなぁ
露空軍恐るるに足りず。我が方はヘルソンにて優勢に作戦を遂行中てなもんで
防空装備の充実が空軍戦力を動きにくくしているみたいな論点の話はまあ出てこないでしょう
そういう過激な(?)報道ってどの辺が出してるんですか?
興味本位だけど一度見てみたい。
どのミサイルを使ったのでしょう。
射程から見て、東側製ならS-300、西側製ならPAC-2でしょうか。
都市防空から移動してきたのでしょうね。きっと。
これが一時的なものか、長射程対空ミサイルに余裕ができてきたのか。
後者なら、前線の将兵には心強いことでは。
ただこれでまたロシア軍が報復でウクライナの都市部へのミサイル攻撃を強化したりしないか心配にもなります。
都市部からS-300かPAC-2をドニエプル川の方に移動させて発射したとすれば、ロシア軍による都市部への攻撃が減っていたためかもしれませんが、都市部へのミサイル攻撃が再び行われると、また地対空ミサイルを都市部に戻さないといけません。アメリカによる支援が止まるとPAC-2の残弾はどんどん減っていく一方になるでしょう。日本製のをアメリカに輸出する話もそのへんが影響しているのでしょうか?
素人の想像ですが。
都市部の防空は、PAC-3/IRIS-T/NASAMS/HAWKで十分と見切ったのだと思います。
そうすると、手持ちのPAC-2の機体は前線に回せる余裕が出てくると想像します。
発射機の方は、ひょっとするとですが、フランケンSAMに進展があったのかな。
S-300の発射機からPAC-2ミサイルを発射するものをこの冬に提供予定、と以前の記事にもありました。
多分、弾切れ状態のS-300発射機はあるでしょうし、それを使った可能性もありそうな。
PAC-2の弾数不足はおっしゃる通りと思います。
この状態の改善に日本が協力できる可能性はある、と思います。
さすがに前線に貼り付けるのは無理というか、そこまでの数的余裕はウクライナにはないでしょう
川のおかげで歩兵の浸透の心配はいらないとはいえ、砲兵部隊、FPVドローンの攻撃範囲内である事に変わりはないので展開し続けていたら撃破されちゃいますよ
なので、引っ込めたりまた展開したりを繰り返す運用方が無難なのでは
パトリオットとコメントが出てました
3機落ちたところで状況は変わらん。航空宇宙軍からすれば損害のうちにも入らない数。
そもそも被撃墜自体が初めてのことでもなく、ロシア側の航空優勢が覆ったわけでもない。
陸の全線で悲劇的な状態になってるとこにウクライナ擁護には良いニュース、としたいところだろうが戦況に変化のあるような話では全く無いな。
もし他から防空を転用したとすればそこまでしないといけないほど空爆を含めた攻勢が非常に厳しいというだけだ。
ロシア機が我が物顔で接近できなくなっただけでも大きな効果があると思います。
迂闊に安全圏と思っていた空域より下げて運用せざるを得ないが、射程に余裕はあるので痛打にはならない、ですね。
残機数はかなり余裕あるので別基地のSu-34で補充されるでしょう。これに続けて撃破数が増えるようでしたらロシア空軍の失態ですが。
後だしじゃんけんだけど、実際へルソンでのロシア空爆回数が激減した。
あとまたSu-34が撃墜されSu-20も撃墜された。
これはウクライナの好プレーというより、ロシアが懲りない性分なのか ?
あと川岸ギリギリとかいう人いたけどへルソン市街の防衛とオデーサ周りの睨みを利かすためにへルソンにパトリオットを配備とありました。
元々我が物顔で接近なんてしていないでしょう…
開戦当時、自衛隊で不要になったホークミサイルや203㎜砲弾を提供できるのでは
という話があったかと思うのですが、まだまだ法的に困難な状態なのでしょうか?
え、ウクライナにM110なんて供与してなかったようなと思ったら、なんと2S7で撃てるようにしたんですね。
すげーな。
本当だ……意外と転換できるものなのですね……。
NATO側で東西の技術統合の再検証の場となっているのですね。
>米国と旧ソ連の203mmりゅう弾砲はいずれもルーツが英国にあるため、米国製の砲弾も2S7で問題なく使用できる。
と書いてる記事がforbesにあったので互換性はあるらしい(ほんとなんですかねぇ…?)
ギリシャの軍事ニュースサイトWarNews247でも同様の記事がありますので事実と考えてよろしいと思います。しかし戦況に影響を与えるものではありません。ロシア航空宇宙軍はスタンド・オフ・ミサイル攻撃に切り替えるだけです。あと極超音速ミサイルキンジャールでパトリオットを破壊するでしょう。大東亜戦争末期、紫電改がP-51を撃墜しましたが、戦況を変えることは出来ませんでした。負け戦でもたまには朗報もあるものです。
三原則の改定により自衛隊が保有するパトリオット用ミサイルの米軍への移転と、日本製のパトリオット用ミサイルを輸出できるようになったからパトリオットの運用に余裕が出るかな。使用弾数とリードタイム次第で変わってくるだろうけど。
砲弾と同じく地対空ミサイルの在庫まで足りなくなっているかも。態々高コストで少量生産となる他国のライセンス生産品なんて普段は絶対欲しがらないでしょう。パトリオット1発は4億円程度、アメリカ国内の生産数は年間500発程度とのこと、1発当たりが高価なので重要目標用に温存しておきたいところです。
>因みに本結果は「F-16が投入されても防空システムによる接近拒否に直面するだけ」という問題を証明したとも言える。
ロシアはパトリオットをもっていないから、照明したとまで言えないと思う。
S400はクリミヤで2台、ドローン攻撃で立て続けに撃破されている残念な結果です。
対してパトリオットはキンジャールを封じ込めました。
性能差が証明されたとまでは言えないかもしれないが、蓋然性は示せたのではないかな ?