ウクライナ戦況

ウクライナ国防相、武器支援に関して非常に良いニュースがあると予告

ウクライナのレズニコフ国防相は18日、米国のオースティン国防長官との電話会談後「武器支援に関して非常に良いニュースがある」と明かし注目を集めている。

参考:Резников пообещал “очень хорошие новости” после разговора с главой Пентагона

米国がラムシュタイン会議でATACMS提供に踏み切ったとしても一般向けに公表される可能性は低い

ウクライナのレズニコフ国防相は18日、米国のオースティン国防長官と今週開催される4回目のラムシュタイン会議(ウクライナへの武器支援を調整する連絡会議)に関する幾つかの議題について協議後「国防長官は非常に良いニュースを持っている。詳細を発表できるのはもう少し後になる」と語り注目を集めている。

熱望していた米国製の多連装ロケットシステム(HIMARSとMLRS)の供給が始まるとウクライナ政府の関係者は「クリミア大橋を破壊するための武器=300km先の目標を攻撃できるATACMSの提供」について繰り返し言及、ロシア側も警戒レベルを引き上げ大量の防空機材(S-400や発煙装置など)を配備して日々訓練を行い、メドヴェージェフ元大統領は「クリミアを攻撃すれば破滅の日が訪れるだろう」とウクライナを脅迫、これに対してゼレンスキー大統領は「そんな脅迫には誰も屈しない」と反論している。

つまりラムシュタイン会議に関する協議の中で「非常に良いニュースがある」というレズニコフ国防相の発言は「ATACMS提供」を示唆するため注目を集めているのだが、状況を利用したウクライナ側による情報戦の可能性もあるので「後日詳細が発表されるまで良いニュースの中身について何とも言えない」というのが正直なところだ。

出典:Rosavtodor.ru / CC BY 4.0

米国が20日に開催されるラムシュタイン会議でATACMS提供に踏み切ったとしても一般向けに公表される可能性は低く、世界がATACMS提供を知るタイミングは「クリミア大橋が攻撃された時」だけだと思うが、本当にATACMSが提供されるとウクライナ南部(ヘルソン州とザポリージャ州)の奪還作戦は本格化するだろう。

関連記事:ウクライナ大統領、クリミアに手を出せば破滅を招くという脅迫に屈しない
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※アイキャッチ画像の出典:Public Domain

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コメント

    • ido
    • 2022年 7月 19日

    ATACMS提供はウクライナ軍にとって士気が上りまくりでしょうね。、クリミア大橋はどうせ落とさないといけないんだからそのタイミングが早いか遅いかの話。早めにこの戦争終わらさないとアフリカ諸国が持たん。

    26
    • バクー油田
    • 2022年 7月 19日

    いよいよですね。
    とはいえ、ATACMSの諸元をWIKIで見たら必要な飛距離300kmとしたらBlock IIAになるんでしょうけど
    6発のBAT 無動力滑空型誘導式子爆弾とありますね
    記事の写真でもクリミア大橋はゴツい橋ですが、こんなんで橋落とせるんですかね?
    突入時のスピードは分かりませんが、運動エネルギーだけでイケるんですかね

    2
      • 鼻毛
      • 2022年 7月 19日

      毎日のように攻撃し続ければ落とせなくても通行不能にすることは可能かもしれませんな
      弾が持ちませんがそのうちダメージが蓄積して週一とかでよくなるかも。

      3
      • バーナーキング
      • 2022年 7月 19日

      無動力滑空型誘導式子「爆弾」ですしBATは「Brilliant Anti-Armor 」との事ですし固定目標もターゲットに入ってるそうなので大丈夫なのでは?
      無動力ってのは「飛翔」動力の話でしょう。

      4
    • A
    • 2022年 7月 19日

    最近勢いのある韓国から「異次元」の援助とか?

    • 折口
    • 2022年 7月 19日

    ウクライナはやる気まんまんですが、対するロシア側がは既に連邦に併合済みであるクリミアへの攻撃に対してエスカレーションを引上げるという恫喝を段階的に進めており(メドベージェフのDoomsday=核戦争発言は核報復の可能性をあらためて強調したもの)、個人的にはウクライナがATACSMなどの長射程戦略兵器を入手した後、本当に攻撃を出来るかが疑問です。
    これはウクライナ自身がロシアの核への対処能力を全く持っていないという話と、開戦以来ウクライナ首脳部と綿密に連携してきた欧米政府経由で誰かがストップをかける可能性はまだあると見えるという話です。

    まず前者ですが、ロシアが核運搬の手段として戦術弾道ミサイルと低出力核を使うにせよSLBMと水爆を使うにせよ、ウクライナは防ぐ手立てが完全にないということです。バレンツ海からのSLBMやシベリアからのICBMなら技術的にはポーランドやルーマニアのイージス・アショアの迎撃圏内を通過するので撃ち落とせる可能性もありますが、現状両国および両国が加盟するNATOはこの戦争には参加しておらず、同システムでロシアがウクライナを狙ったミサイルを迎撃することは法的に不可能です。まして使用される目算が高いと言われているイスカンデルはもっと近距離から低い弾道で飛翔するもので、広域の迎撃システムよりは着弾地点付近に迎撃システムを展開していることを求められます。ウクライナにはこれが決定的に不足しており、ロシアが核報復を決断した場合、通常弾頭の弾道ミサイル攻撃を防げないのと同じ感覚で後方の市街地が核攻撃をうけるでしょう。
    またロシアの立場に立てば、”自国領土は聖域=防衛のために先制核使用”というドクトリンは広大な連邦国境を守る上で不足する通常戦力を補う唯一の選択であり、ここで一度でも甘い顔をすれば四方で抱える領土問題や分離運動が爆発する可能性があります(少なくともロシアはそう考えているのでは)。クリミアはロシアの国内法的にロシア領土であり、ウクライナ人がロシア領土に侵略してきた場合の対応を従来の特別軍事作戦の延長で扱うわけにはロシアとしてもいかないでしょう。

    そして後者ですが、本当に核戦争になった場合に欧米が負う責任の範囲について考えた時(少なくとも核で対抗姿勢を見せる必要がある他、非軍事分野でもロシアとの関係をさらに引き下げる必要が生じる)、そのリスクを回避するためにウクライナに自制を求めるような勢力が再び出てこないとも限りません。現に欧州の首脳陣は数ヶ月前までウクライナに対してロシアとの単独講和と早期停戦を求めていましたし、現在も同じ理由で一部兵器を頑なに供与しようとしていません。

    4
    • ふぇふぇふぇ
    • 2022年 7月 19日

    さすが元弁護士、弁が立つから交渉事が巧いんでしょうね。

    • makumaku
    • 2022年 7月 19日

    Def Mon (@DefMon3)の分析によると、HIMARSの攻勢によって、現在ロシア軍は鉄道積み降ろしポイントをHIMARSの射程外に移動している(リンク参照:マップ上の水色サークル)。そのことにより、ロシア軍の前線までのトラック輸送時間はほぼ2倍に。計算上、ロシア軍の前線兵站能力が半分まで低下していると推測されています。
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