ウクライナ戦況

ウクライナ軍は領土を明けたして時間を稼ぎ、ロシア軍は兵站攻撃を強化

AP通信は15日「米支援再開によってウクライナ軍とロシア軍の火力格差は1対7から1対5まで改善を見せたものの、より多くの武器や弾薬を前線に届けるには時間が必要で、ウクライナ軍は領土と引き換えに時間を稼ぐ戦略に転換した」と報じている。

参考:Ukraine employs a flexible defense while waiting for new Western ammo to get to the front

結局のところ戦場は変化に対する適応の連続なので「獲得した優位性」が永続に続くことはない

4月に米国の支援が再開されたため前線には武器や弾薬が届き始めている。それでもウクライナ軍の枯渇した備蓄を完全に補充するには「数週間」ではなく「数ヶ月間」が必要で、 イヴァン・ハヴリリュク国防副大臣はAP通信の取材に「既に火力格差は1対7から1対5まで改善を見せているものの、大西洋を横断する船での輸送には時間がかかる」「今年後半から来年初頭までにF-16が到着する」「ウクライナは最低でも130機のF-16を必要としている」「全ての準備が整えば自国領の空域で優位に立てるだろう」と述べた。

出典:110 окрема механізована бригада імені генерал-хорунжого Марка Безручка 第110機械化旅団

ロシア軍に占領されたオチェレティネ付近で戦い続けている第110機械化旅団の報道官も「少しづつ弾薬が届き始めているおり、昨年冬と比較して部隊の弾薬備蓄は75%増加したが、ロシア軍の前進を止めるには不十分だ」「残りの砲弾数を心配したり、目標の優先順位を気にせず作戦を遂行するには現在の4倍の砲弾が必要になる」「特に対戦車ミサイルや対空ミサイルが不足している」「現在の供給量では必要量を備蓄することができない」と訴えている。

AP通信は軍関係者の話を引用して「武器と兵站が整うまで時間を稼ぐ戦略をウクライナ軍は採用している。柔軟性の高い防衛戦略を採用し、一時手に領土を明け渡すという苦渋の選択を受け入れることで効率的に戦い、人的損失を抑えている」と、Janesのアナリストも「時間はウクライナに有利に働くだろう。少しだけ領土を明け渡せば時間を稼ぐことができ、年末までに新しい利点を手に入れることができる」と述べ、AP通信は「バフムートで見せた姿とは余りにも異なる」と指摘したが、変化が起きたのはウクライナ軍だけではない。

出典:28 ОМБр ім. Лицарів Зимового Походу 第28機械化旅団

第28機械化旅団の兵士はAP通信の取材に「我々に新たな物資が届き始めているのを敵も知っている」「兵站へのドローン攻撃が増えて影響が出始めている」「他の戦闘地域ではトラックを使用して弾薬を輸送できるが、チャシブ・ヤールやアウディーイウカでは装甲車輌やドローンを使用しなければならない」「敵の監視や攻撃から逃れるため輸送自体が複雑化し、以前なら1日2回~3回の輸送が可能だったが、今では1日1回しか運べない」と述べた。

さらにチャシブ・ヤールで戦う別の部隊は「前線陣地が最も脆弱になる兵士の交代時間(最前線の塹壕に詰める兵士の交代時間)をロシア人は狙ってくる」「この地域の死傷者の1/4は前線陣地への移動中に発生している」「ロシア人は常に無人機を飛ばして戦場を監視しているため部隊移動を隠すのは不可能だ」「地下にいるときだけは安全が確保出来るものの地上に出れば直ぐに標的にされる」と明かし、結局のところ戦争は適応の連続なので自身が変化すれば敵も変化する。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

ウクライナ軍が領土と引き換えに(補給のための)時間を稼ぐなら、ロシア軍は前線部隊に対する兵站への攻撃を増やし、どちらも自軍の優位性を手繰り寄せるのに必死だが、どちらの努力が相手を上回るのかは蓋を開けてみるまで分からない。

因みにAP通信が報じた「ウクライナ軍が領土と引き換えに時間を稼ぐ戦略に転換した」という話が本当かどうかは確証がないので、これを信じるかどうかは個人の判断に委ねられている。

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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗС

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コメント

    • 幽霊
    • 2024年 6月 15日

    このままでは戦線が固着してダラダラと戦争が続く可能性も充分あり得ますね
    それか北朝鮮と韓国みたいに休戦だけしてずっと睨み合いを続けるか。

    16
    • FAB
    • 2024年 6月 15日

    前線への弾薬補給が狙われるのはロシア側も条件は同じ。
    ロシア軍がバイクやバギーで補給してるのを鼠輸送だと笑われてたけど、そういう現場の知恵と工夫が適応ということでしょうな。

    55
      • 匿名11号
      • 2024年 6月 16日

      笑われていたのはバイクやバギーを正面攻撃に集団使用していたからでしょう。当時はそういう行為すら、現場の知恵と工夫による適応の一種だとコメントで主張された方々もいらっしゃいましたからねえ。

      2
      • 匿名11号
      • 2024年 6月 16日

      笑われていたのはバイクやバギーを正面攻撃に集団使用していたからでしょう。当時はそういう行為すら、現場の知恵と工夫によるマッドマックス的適応だとコメントで主張された方々もいらっしゃいましたからねえ。

      8
        • toko
        • 2024年 6月 16日

        ウクライナが苦境でイラついてるのかもしれんが人の投稿に揚げ足ばっかり取ってる姿はみっともない

        19
          • NHG
          • 2024年 6月 16日

          揚げ足取りではなく、バイクの機動力を生かして塹壕を攻略するロシア軍を褒める書き込みは多かったですよ

          14
          • 匿名11号
          • 2024年 6月 16日

          そもそも、ロシア側の貧弱な端末輸送能力をバギーやバイクで改善させたという投稿は見たことがないですけどね。存在しない投稿に対しては、「鼠輸送」などと誹りようがないですよ。

          4
    • FAB
    • 2024年 6月 15日

    前線への弾薬補給が狙われるのはロシア側も条件は同じ。
    ロシア軍がバイクやバギーで補給してるのを鼠輸送だと笑われてたけど、そういう現場の知恵と工夫が適応ということでしょうな。

    3
    • FAB
    • 2024年 6月 16日

    前線への弾薬補給が狙われるのはロシア側も条件は同じ。
    ロシア軍がバイクやバギーで補給してるのを鼠輸送だと笑われてたけど、そういう現場の知恵と工夫が適応ということでしょうな。

    4
    • たむごん
    • 2024年 6月 16日

    米軍の物資輸送をYoutubeで見ていると、小さめのバラ積み船に、スリングで積み込んでいる感じなんですよね(動画は失念しました)。
    輸送効率、とても悪いだろうなと…

    補給路=輸送方法を複雑にすれば、輸送効率が物凄い悪くなりますからね。

    海上輸送ですが、単艦輸送から護送船団方式にかえたら、輸送効率が凄まじく低下したというのが有名かと思います。

    12
    • nk
    • 2024年 6月 16日

    「ウクライナ軍が領土と引き換えに時間を稼ぐ戦略に転換した」上記記事の指摘にもある通り実際には不明だが、今迄の流れを見ると
    単にロシアの進軍止めれないだけではあるが、有利な位置に移動したの変形なのではと感じてしまうがどうなんだろうか。
    火力が1対5まで改善というが改善になっているのかは置いておいて、一応砲弾の補給が少しばかし増えたましたが本当は今の4倍無いとまるで無茶ですという所かな。
    YouTubeの仮想戦記ではロシアが停戦を懇願ということになっているようだが、そういう見方もあるとは思うがプーチンの停戦の条件はロシアの最低ラインを示したのと、ロシアは停戦受け付けるという姿勢を示しロシアは平和を願っていますのアリバイ作りに過ぎないと思うが、人それぞれ受け取り方は違うものなのでどんな考え方あってもいいとは思うが、ウクライナに栄光あれ!だけは理解出来ないし高い確率でウクライナに栄光は未来永劫無さそうにしか感じないがどうなるかね。

    75
      • たむごん
      • 2024年 6月 16日

      仮想戦記、盛り上がってますね。
      停戦交渉は、有利なうちに持ちかけるのが鉄則ですからね。

      イスタンブール合意案の頃は、ウクライナが(ロシアの想定よりも)有利に戦争・多元化外交をすすめていたとも、言い換えられる内容と考えています。
      G7サミット、卒業旅行みたいな感じになっており、6人は内政がボロボロ・4人は今年いなくなる可能性があるんですよね。

      栄光について仰る通り、支援国が背中を押し続けてくれるのかも、分からない政治情勢かなあと…

      47
        • kitty
        • 2024年 6月 16日

        わーくにも岸田政権のレームダック化が著しく、公明党の要求丸呑みした岸田は自民党内部にも見放され、解散総選挙すれば再度下野するであろうとこの状態で粘る。
        必然的に外交でポイントを稼ごうとするでしょうね。

        10
          • たむごん
          • 2024年 6月 16日

          支持率16%ですので、レームダック仰る通りです。
          9月総裁選で降ろされそうですが、解散しても地獄のため無理でしょうね…

          プラザ合意~ルーブル合意、欧米に物凄い梯子を外された過去があるんですよね。

          岸田外交の評価に仰る通り賭けているのでしょうが、支持率16%まで漸減していますから、どの支持層を狙っているのかも不思議に感じる事があります。

          10
      • mm
      • 2024年 6月 16日

      「時間はウクライナに有利に働くだろう」から「ウクライナ軍が領土と引き換えに時間を稼ぐ戦略に転換した」。だから、ウクライナ軍はうまくやっている。という三段論法に要約できるけど、火力格差が5倍の時点で防衛側なのにロシアより人的損失を抑えられてる気がしない。元自衛官を名乗る方がウクライナよりロシアの方が人的損失が大きいという主張がyoutubeでされているのを見た時は、認識の違いに驚きましたね。

      58
        • 通りがかりさん
        • 2024年 6月 16日

        時間が不利に働くからとの理由で種々の停戦も完全拒否して来たのですが、待っていれば本当にウクライナに優位が来るんですかね?

        27
          • BAKA
          • 2024年 6月 16日

          ゼレンスキーさんが平和会議で停戦の為の行動を行うと言ってますね
          今のままでやせ我慢を両国が続けても、永遠に終戦は来ないですから歩み寄りは
          大切だと思います、外国の方の戦況図ではウクライナ側の人的損失が上がっており
          ある方面だけで二千以上の死傷者が確認できてると、ハリコフでは旅団が全滅に近い
          損害を受け、攻勢が逆に被害を大きくしてるとか、滑空爆弾でウクライナ兵が篭る建物を
          破壊してる映像が有るのですがウクライナ軍の損失が大きいのも納得で来ます

          5
        • 匿名11号
        • 2024年 6月 16日

        100m/日の侵攻速度は以前から変わっていなのだから、「転換した」というよりは今までの結果の後付けの承認でしかないようにも見えますけどねえ。

        それに270~300万発/年の製造量で更に備蓄にまで回すというのであればロシアの投射弾量も5000発/日まで下がることになるので、近々に火力優勢は逆転しかねないですけどね。滑空爆弾も頭打ちのようだし、遅々たる侵攻といえどいつまで継続できるかも怪しいものです。

        10
      • 琥珀
      • 2024年 6月 16日

      今までウクライナは政府も軍も土地に拘って死守しようとしたり取り戻そうとして、人もモノも消耗してって感じでしたからねえ。
      ロシアは逆に守りやすいとこまでさっさと土地放棄して、戦線整理とかしてましたし。
      まあ、自国領土を捨てて時間稼ぎとか見栄えは悪いし、そこの住民やそれを見た自国民、第三国から色々言われるのが目に見えてるから、拘るのも分かりますけど。

      あれはロシアの最低条件を提示したのと、ロシアは示したけどウクライナが蹴ったってポーズはあるでしょうね。
      ウクライナは人口別の年代で二三十代の人口がえぐれてるのと、今の人口が三千万切ってる事を考えたら、将来国を維持できるのか怪しい感じではありますからね。

      52
      • 理想はこの翼では届かない
      • 2024年 6月 16日

      言い換えの一種なのか、記者がそう感じて記述しているのかは判断がつきませんね
      ただ、本当に「領土と引き換えに時間を稼ぐ」戦略を取ったなら、アウディーイカ方面はとっとと二次・三次防衛線に引くか、もっと深くまで撤退すべきでしょう
      チャシブ・ヤールはまだ地形の有利があるし後背に都市があるので防衛すべきなのはわかりますが、他は守っている意味がわかりません

      もっともっと下がってロシア軍の兵站に負荷をかけさせ、かつ兵力分散を狙うべきだと思うんですけどね

      16
    • なな氏
    • 2024年 6月 16日

    「ウクライナ軍が領土と引き換えに時間を稼ぐ戦略に転換した」こんな事を言っていたらもう何でもアリですね。
    これなら100戦100勝です、領土を失ったでも時間を稼いだ、領土を失ったでもロシア軍に損害を強いた。そういい続ければいいんです。
    しかしその時間を稼いだ先に何が有るんでしょうか、インフラは破壊しつくされ国民は死に続けています。
    長引けば長引くほど死が、苦しみが続くだけでしょう。

    75
      • Whiskey Dick
      • 2024年 6月 16日

      前髪と頭頂部が犠牲にして、側頭部と後頭部の毛根は絶対維持みたいな感じ。
      生え際が後退しようとも、うぶ毛が生き残っていればフサフサと言い続けられる。

      25
      • 2024年 6月 16日

      敗北は認めなければ、敗北ではない。ですかね。
      しばらくの間は、後退するが負けているのでない。でしょう。
      但、戦略的に間違いとも言えず、上手く遅滞戦術を行い支援到着まで待つ。後は結果が全てでしょう。
      仰っしゃる通り犠牲に見合う結果になるかは、わかりませんが。。。

      39
    • jimama
    • 2024年 6月 16日

    >>ロシア軍は兵站攻撃を強化
    ここ1~2週間でウクライナ側戦線の少し後ろ側で火災、というか砲撃の反応が増えてたのはそのせいかな
    >>領土と引き換えに(補給のための)時間を稼ぐ
    じゃあ今までやってたのは何なのさと。もっと早く、せめてアウディ~が佳境を迎えるはるか前からやっとくべきことでしょに

    45
    • もちもちさんちの
    • 2024年 6月 16日

    勇猛果敢なFusa軍は年老いた毛根を最前線に配置して時を稼ぎ、わずかな生え際を明け渡すことで後方の育毛に取り組んでいる。続々と育毛剤が届いており、時間はFusa軍を味方している。
    一部の親禿派は時間はHage軍に味方していると主張しているが、正しく状況を分析できていない素人なので、話を聞く必要はない。

    27
      • たむごん
      • 2024年 6月 16日

      Hage軍が優勢であり、生え際を押し込んでいるだけという見方との論争が巻き起こっている。

      時間がどちらに味方するのか、引き続き見守りたいと思います。

      23
      • 匿名11号
      • 2024年 6月 16日

      頭頂部に達するまで数十年かかるようであれば、十分Hage軍の勝利でしょうな

      9
    • paxai
    • 2024年 6月 16日

    この手の話の影響は半年後とかにならんと影響を判断できない感じ。あれ程苦しい中時間稼ぎはそれなりに上手にやれたとは思う。ただハリコフ周辺はドタバタと乱れた動きをしてる印象がある。(防御陣地不足と反撃宣言)

    16
    • あるまじろ
    • 2024年 6月 16日

    潮目が変わるまで耐えるのはわかる
    選挙の年ということもあり、未来はわからない

    7
    • 名無し
    • 2024年 6月 16日

    5倍の火力差で消耗戦したら5倍死にませんか?

    16
      • 2024年 6月 16日

      まあ、火力比と損害比が同率にはならず、攻守の差や装備に練度、地形や陣地強度・配置に戦術作戦面の良否等、色々なバロメーターで変わるから一概に語れない。
      確かに5倍差があれば火力劣勢の方が損害が大きいのは間違い無いとは思う。実数は正確な発表が無いからわからんよね。
      但し、戦いは戦略・戦術的成功をどれだけ得るかだから、損害の大小で優劣を決める事は出来ないと思うが。

      6
        • M774A6
        • 2024年 6月 16日

        ウクライナ軍に大きな人的損害が生じること自体がウクライナにとって戦略的敗北と言ってそんなに間違っていない状況になっていると思います。
        現戦線の固定化すらできない状況ですが、仮に全領土奪還まで押し戻せたとしても損失が積み上がってウクライナ陸軍が壊滅状態になろうものならその後の再侵攻を押し留められる見込みは薄く、全領土奪還すら損失を抑えなければ戦略的勝利とは言えないと思います。

        元々の火力比5倍で負けているから5倍損失というほど単純ではないというのは全くその通りだろうと思いますが、優れた戦術や後退によって火力比5倍の不利にも関わらず同等の損失まで抑えていてもウクライナにとっては領土失陥を抜きにしても不利だと思います。

        5
          • 2024年 6月 17日

          火力差と被害量のレートに対して、ご同意ありがとうございます。
          そして損害の大小にて勝敗は決まらない。と伝えたいだけです。
          ウクライナが有利だとも言っていません。

          あえて追記しますが、仰る通り、人口比において約3倍差があるウクライナが例え同等レートであったとしても、人口と損害の比率から考えれば不利になります。また兵員は簡単に補充できるものではありませんので、ロシアより大事に扱わないといけません。即ち損害大=戦略的敗北になり得る事、同意です。
          よって火力差が大きいのならば、いま取り得る最善策として遅滞戦術にて出血を強要し損害を抑え、支援到着及び反攻準備が出来るまで時間稼ぎする戦術は間違っていない。と思っています。
          そしてその成否は結果次第であると思います。
          回答の下段部分に「戦略的成功・・・」をレスしたのは、損害量に拘りがある文言であり、巷のネット界隈によくある損失大=敗北の風潮を揶揄して書き込みました。

          ちなみに私見ですが、ウクライナが全土回復出来るとは思っておりません。またウクライナ信者でもありません(笑) 上の方に別の方へのレスを見ていただければご理解頂けるかと。

          2
    • はる
    • 2024年 6月 16日

    事前に用意されてたり計画的に建てられたプランならいいけど、なし崩し的に下がってるのを見てたら「ウクライナ軍は領土と引き換えに時間を稼ぐ戦略に転換した」とか言われてもなんだかなぁって感じ
    領土をロシアに取られてるんじゃなくて戦略上の都合で一時的に明け渡してるだけ!で上手くいくといいね

    38
    • つぐみ
    • 2024年 6月 16日

    これだけ欧米諸国がウクライナに資金や兵器を注ぎ込んでも大した成果出せてないのに、領土を犠牲にして時間稼ぎするってただの言い訳にしか聞こえないけどね

    それじゃあ時間稼ぎして今後ウクライナに明るい未来があるのかと考えた時に、依然としてロシアに比べて経済的・人口的リソースが限られた中で奪われた領土取り返せる青写真を描けると言われても説得力無いでしょ

    23
      • elmoelmo
      • 2024年 6月 16日

      アメリカ始め支援国としては、本音はウクライナに徹底抗戦して欲しい、なんでしょうか?
      これだけ支援したんだから最期までロシアを削って欲しいとか、ウクライナをロシアに渡して敵にするくらいなら無人の荒野になった方がマシとか、それこそ人道も何もないことを考えていそうですが…。

      17
    • うくらいだ
    • 2024年 6月 16日

    時間が有利って支援国ありきでやってる奴らの発言とは思えないな。今年の各国の選挙の行方次第ではそのままの終戦もあり得るのに。

    34
    • 2024年 6月 16日

    もうウクライナに未来が無いことは間違いないけど
    ロシアもロシアでどういう長期戦略なのか見えてないのは有りますね

    1日100m前進して数年かけて仮に4州の端まで到達したとして、ではその先は?

    NATOや欧州(特に東欧、北欧)は発狂して重武装化するでしょうし、ウクライナを分割したとして冷戦期のような鋭い軍事対立地域になるんでしょうか

    ソ連はその財政的負担に耐えられなかったことが原因で崩壊しましたが、このままでは遠い将来、同じようになるのでは

    今度はソ連のように崩壊するのではなく、中国の属国になるという道でしょうけど

    15
      • nenenene
      • 2024年 6月 16日

      東欧、北欧なんてウクライナが負けたら次は自国の番かもしれないわけですから
      ウクライナがロシア領になったり傀儡国家になるようなことを許容できるわけがないわけで
      支援が今のレベルのままとは思えず、支援レベルを大きく上げるのではないかと思います。
      東欧や北欧国家の軍備はそもそもが対ロシア用に構築しているものなので
      それをウクライナが負けてから活かすか、ウクライナが負けてロシアが軍備を再編してから活かすかという選択なわけで

      7
      • 2024年 6月 16日

      仮にロシアが東ウクライナを併合し西ウクライナを植民地にしても
      プーチンの死語はロシア連邦は激しい内紛は不可避な上に欧州の重武装化それに対抗すべくロシア連邦の軍事費拡大、
      G7による経済制裁による継続的なロシア経済の収益性の低迷とロシアの未来は真っ暗ですね

      プーチンがロシア帝国の再来という野望を達成しても
      もうロシアもウクライナも未来は無いですよ
      これも全部、ロシア人がロシア帝国の再来を求めた結果ですのでロシア人は自業自得ですが、
      ウクライナ人にとってはとんだトバッチリですね

      一方の中国とインドは大幅安でロシアから資源を買えてウハウハです

      13
      • 名無し
      • 2024年 6月 16日

      後の人類革新連盟のことですね

      2
        • たむごん
        • 2024年 6月 16日

        ヴェーダが、何とかしてくれそうな予感がしました…

        1
      •  
      • 2024年 6月 16日

      まあ、結局緒戦でキーウを落とせなかったのが全てだよな
      長期化した時点でロシアに未来が無くなったのは明白だった

      18
        • nenenene
        • 2024年 6月 16日

        本当に孫子の兵法って正しいなぁと思います
        戦争は想定外のことが起きて国家を滅ぼす可能性があるから軽々しくやってはいけない
        どうしてもやるなら短期に決着をつけなくてはならない
        短期に決着がつかないとどうなるか、まさに今ロシアが身を持って教えてくれている

        10
      • 鼻毛
      • 2024年 6月 16日

      短期決戦に失敗したロシアはソ連の半身とも言うべきウクライナを痛めつけて灰にして喜んでいる…そんなので勝った負けたもない。…行き着く先は中国の属国でしょうけど、中国もソ連みたいな黒幕扱いされて対ヨーロッパの矢面に立ちたくないから迷惑な話だと思います

      5
        • こじま
        • 2024年 6月 17日

        トランプ時代の方が中国は矢面なんだが・・・
        それにロシアの資源に依存してるような欧州なんか烏合の衆にすぎん。

        2
      •  
      • 2024年 6月 17日

      相変わらずロシア崩壊論が人気だな

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