ウクライナ国防省情報総局のブダノフ中将は「双方がFPVタイプの自爆型ドローンを大量投入してありとあらゆる装備と交戦している」と言及、ウクライナ軍も「森の中にあるロシア軍陣地を自爆型ドローンで襲撃する映像」を公開して注目を集めている。
量産されたFPVドローンが普及すれば「森林ゾーンでの戦い」にブレークスルーを起こすかもしれない
ウクライナ軍は森の中にあるロシア軍陣地(48.978463,38.130538)を自爆型ドローンで襲撃する映像を公開、この攻撃に使用されているのはFirst Person View=FPVタイプのドローンで、ウクライナは2022年夏に量産可能なFPVドローンの開発に着手、各種テストを経て9月7日にFPVドローン「KH-S7」の作戦使用をウクライナ軍が承認している。
The best delivery service ever.
FPV drones of the joint tactical group “Adam” deliver gifts to the occupiers directly to their dugouts. pic.twitter.com/tolEAP3kGK— Defense of Ukraine (@DefenceU) September 24, 2023
地上の固定及び移動目標を攻撃するため設計されたKH-S7は「1kgの爆発物」を搭載して「7km先の目標(条件によっては9.5km先の目標まで届くらしい)」まで飛行でき、実戦でKH-S7を使用したウクライナ軍兵士の評判も上々だが、今回公開された攻撃がKH-S7によるものかは不明だ。
ただ攻撃に使用されたFPVドローンは森の上空からロシア軍陣地にめがけて突入したのではなく、森の中を木々を避けるように飛行して「カモフラージュされた陣地内」に入ってから爆発しており、量産されたFPVドローン(ウクライナでは複数のFPVドローンが開発されているらしい)が普及すれば「森林ゾーンでの戦い」にブレークスルーを起こすかもしれない。
KH-S7の開発グループは現在、次期バージョンのKH-S10開発に取り組んでいて「完成すれば3kgの爆発物(KH-S7の3倍)を搭載して攻撃できるようになる」と報じられている。
因みにKH-S7の制御はオペレーターによる操作だが、既にイスラエルのElbitは市街戦に特化した徘徊型弾薬「LANIUS/ラニアス」を発表済みで、この徘徊型弾薬(重量1.25kg)の飛行時間は7分しかないものの、レーシングドローンをベースに開発されたためマルチコプタータイプとしては飛行速度(最大72km/h)が速い部類に属し、複数のセンサーと慣性計測装置を搭載したカメラユニット、SLAMアルゴリズム、NVIDIA Jetson TX2で作動するAI技術で未知の屋内でも効果的に移動でき、遭遇した物体や人間の識別を自動的に処理してオペレーターに提供することが出来るらしい。
ElbitのPVを見てもらえれば分かると思うが、LANIUSはマッピングデータがない未知の屋内を徘徊して敵兵士に自爆攻撃を仕掛けるという悪魔のようなドローンで、扉が閉まっている部屋の前で床に着陸して扉が開く瞬間を待ち伏せしたり、オペレーターの介入なしで自律的に攻撃を仕掛けることもでき、PVでは大型の商用ドローンによってLANIUSを空中からばら撒く様子も表現されている。
LANIUSは市街戦や屋内戦を想定した対人向けの徘徊型弾薬だが、敵が立てこもる塹壕や防御陣地の上空でLANIUSをばら撒いても同様の効果が得られるため、将来の拠点制圧は「対人向け徘徊型弾薬の大量投入」も選択肢に入ってくる可能性があり、ウクライナ軍とロシア軍が戦場に大量投入しているFPVドローンは「その兆候を示唆している」とも解釈できるので大変興味深い。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
毎回思うけどドローンの発展具合は本当に恐ろしいね。
ウクライナ戦争で使用されているドローンの殆どが家電量販店で普通に出回っているドローンでしかもほんの少しいじくれば高性能レーダーすら掻い潜るトンデモ兵器に化けるんだから。
ますます嫌な時代になってくるよね。
こんなのがテロとかに使われたら対応しようがない。特に日本は工作員やらスパイが大量に潜んでそうだし使われたら一気に国の機能が麻痺しそう。かつての飛行機のような恐竜的発展を遂げているけどドローンも同じくらいの平和利用できないかなあ。
火災や災害での要救助者捜索になんかは役立ちそうだけど、自爆前提の低コスト方向とはいまいち噛み合わないしなあ
アメリカの大統領の警護車両に妨害電波を出す車両があったはず。元々はIED対策に携帯電話の電波を妨害する役目だけど今は多分、ドローン対策の機能が強化されてそう。
NVIDIA Jetson TX2はロシアのランセット自爆ドローンにも使われてる
メジャーな品のようだ
Edgeコンビューティングの分野でJetsonは結構前から名前が上がってましたね。
あまり関係ないですが、スタートアップ企業のideinさんがラズベリーpiを使ってEdgeコンビューティングのクラウドサービスを作っていました。
推論は学習と違って学習済みデータを使って実行できます。
だから推論だとgpuパワーの高火力が必要でも無いのです。
端末(Edge)だと手に入りやすいラズベリーpiでもこの手のことができてしまうようです。
この程度の部品は本当に汎用なので制裁でブロックしづらいし、カスタムチップも割と簡単にできてしまう。
戦争ならともかくテロや要人暗殺にも容易に転用されるでしょうからね
頭の痛い問題です
人間兵がカミカゼドローンでチープキルされる時代
↓
人間兵がドローンからの射撃で大量にチープキルされる時代
↓
人間が高価値目標ではなくなる時代
もうちょっとの辛抱
ラニアスの記事を見たときは、いずれ塹壕戦でもこういうのが出てくると思いましたが意外に時間がかかりましたね
(でも1年経ってないか)
現在はオペレーターによる操作らしいですが、そのうち自動制御になるのかな?
誤作動は別としても敵にとっては悪夢でしょう
宣伝動画によるど、LANIUSの飛行速度は45マイル/h=時速72kmとのことなので、発見されたらまず逃げられません。
近接されるまでにショットガンで撃ち落とせなければ助からない。悪夢ですね、間違いなく。
扉が開くまで着陸して休んでるとか、どんだけ賢いのかと。いやぁ、ほんと怖いです。
徘徊型弾薬が大量に飛び交う戦場になるともう人は入って行けないから
無人兵器に置き換わっていくんだろうな。
だんだん、ターミネーターじみてきたな。
無人の大型輸送機が、無人の殺人ドローンをばらまく。
今はまだ1機ずつオペレータが操作しているけど、いずれAI補助が入るようになり、オペレータはどの範囲を攻撃対象とするか決定するだけで、後は大量に飛び立ったドローンが、隅々まで丁寧に確認しながら、残らず倒していくんでしょうね。ウクライナ侵攻で、ロシア兵と戦うウクライナ兵の被害が減っていくのは大変喜ばしいことですけど、毎月1万ものドローンを互いに削り合うような戦場というのは、もう完全にこれまでとは別物って気がして怖い思いもあります。
塹壕内で休憩していたら、羽音ともに自爆ドローンが飛び込んでくるのが見えた、それが人生最後の光景だった、と。
創作の中の出来事と思っていたことが、現実にやってきてしまった感がありますね。
中国あたりが既に実現してそうですよね。表に出ないだけで。
中国企業がWeb上に上げてたのを、何処かのテレビ番組で見たよ。
それだと3機で1対象を追いかけてたから、見失っても復帰出来るし、障害物回避も早い。
暗⚪︎に使われたらまず逃げられん。
塹壕や要塞を守る人間の価値が低くなっていくかも知れませんね。
今までは占領するためには歩兵の力が絶対必要でしたが人で占拠してもドローンの大群を突撃させて無力化するのが容易になってしまうのかもしれません。
大砲の量産により城壁が無意味になったように戦争の様相が変わってしまうのかもしれません。
ドローンの生産能力やパイロットの数で勝負が決まってしまうようになってしまうのでしょうか ?
大型ドローンの背中にFPVドローンを搭載しているのはゲーマルクのマザーファンネルを思い出しました(小並感
将来的にはクラスター弾頭の代わりに大量のドローンを詰め込んだ弾頭が開発されそう。
自分はF91のバグが思い浮かびました。
センシングによって人間だけを殺す機械が本当に出来てしまう時代なのか。
しかも脳波コントロールできる。
まあドローン対策も進むでしょう。電波妨害やレーザーという本命とは別に、散弾ぶっ放すとか、網に引っ掛けるとか、対ドローン戦闘用ドローンを飛ばすとか、何らかの泥臭いアイデアが有効かもしれません。そういうアイデアはアメリカの民間も試してますし、戦後のウクライナからも戦訓を活かした対策がいくつも商業化されると予想します。
イスラエルみたいな特殊な国でもなければ、軍用ドローンよりも、自動運転やロボティクスといった民生技術の開発の優先度が高いと思うので、そこまで急速に高度化するとは思わないですが……。しかし中国が本気を出してきたら、対抗してアメリカが本気を出して、軍拡競争ということもありえます。
素人考えだけど、たとえば細い紐の暖簾を出入り口につければヒトは出入りできてもドローンは侵入できないのでは?
1〜3キロの爆薬搭載して飛べる物体を暖簾やちょっとしたネットで防げるかなあ
多分回転翼の軸に絡めて揚力不全を起こさせる算段なのかと思った。
バードストライクを喰らったくらいで墜落する旅客機もあるくらいだから、金属製の鎖状の縄暖簾なら絡まったらタダじゃ済まないと思う。
だけど回転翼の外周を円状の囲いで囲ったら、絡まり辛い感じになるかも。
だけど、単に普通のノブ付きのドアを取り付ければ入ってこれないと思う。
網や暖簾は今の段階では有効でしょうけど、複数機が編隊組めるようになれば
1機が暖簾に突っ込んで自爆して穴を開けて、残りがそこから突っ込んでいけばいいですからね
まあその対抗策として暖簾を何重にもしていく鼬ごっこになると思います。
少なくともウクライナ軍では、悪知恵を思いつく人間の発想、意見がすぐに取り入れられて開発に入る良いサイクルがあるのは確かでしょう。
軍というか組織には上の方に頭の固い人間が居たらそこでアイデアが全部破棄されてしまうリスクがありますが、これに関わらず初戦からウクライナ側からどんどん革新的なドローンの使い方が出てきてますので、本当に才能ある人間が才能を発揮できる良い組織であるのは確かです。
ここが怖いですね。陸自は大丈夫か。
なんかこの期に及んでまだ
ウクライナ側から米軍に齎されたノウハウがこなれてきたらウチも導入しよう
みたいな悠長なノリが幹部連中にある組織なのであれば頭痛いですが。
ドローンの使い方はこれが限界じゃないはずです。
まだウクライナかアゼルバイジャン軍の頭の柔らかい人が次を思いつくと思いますので
日本も自力で次を思いついて対策を事前に考えないと実戦で何も対応できずに地上戦で敗退しかねません。
自衛隊の場合、発想も問題ですが、それ以前に電波法の壁が立ちはだかっています。
ドローンの操縦に強い電波を使えないので、陸自の現場はドローンの行動範囲が制約されてしまうという問題に直面しているそうです。
もちろん、日本に侵入してきた交戦相手は日本の電波法など気にしないでしょうね。
軍用ハエ取り紙来るのか?w
このままだと将来的にスナイパーのほとんどがドローンオペレーターに置き換わりそうだな
FPVドローンの方が安全性や正確性、加害範囲の面で狙撃よりも効果的
狙撃以外の偵察や誘導の任務もUAVとの相性がいい
毎回見るたびに疑問に思うんですけど、この手のドローンってどうして真っ黒な塗装(成形色ママ?)なんでしょう?
灰色なり白っぽくなりすれば、戦闘機の迷彩のごとく、地上の兵士から目視で視認し辛くなるんじゃないかなーなんて素人ながらに思うんですが…
カーボンファイバー製ドローンだとしたら、炭素繊維の基本的な色は黒なので、ソレをそのまま塗装せずに使ってるからかもしれませんね。塗装すると重くなるのと、そこまで手間をかける費用対効果が薄いとか、少しでも安価にするためとか、そんな理由かも。
ただ、ドローンの材質は多岐に渡るので、かもしれない、程度でお考えください。
ああ、カーボンですか!
なるほどたしかに、この機体の質感はどことなくカーボンっぽい…
カーボンファイバーなら軽量だし頑丈だしで、ドローンの素材としては適切ですね
こんなん目の前に飛んで来たらどうすりゃいいのさ?
ハエみたいに叩き落しても自爆しそうだし・・・
ショットガンを持ってたらワンチャンあるけど、味方を巻き込んで撃ってしまいそう。そもそも見えた時点で、自分の位置がオペレータに完全にバレているので、目の前の1機を破壊しても、次、また次と突入してきて詰みそう……
LANIUSなら、オペレータとの通信が繋がってる感じなので、武装解除して降参するポーズをみせれば、助かる可能性がある……かもしれない。
戦場なんて実地試験にこの上ないから、メーカーも試作機投入してテストと改善繰り返してるんだろうな…ロシア兵相手に。
戦争は経済的には完全な資源の浪費だが、科学技術的にはこれ以上ない機会になる…AIなんかもドンドン投入してデータ蓄積してるんだろう…
以前の記事にもあった、カモフラネットは必需品ですね。
仮設の施設でも全てネットを掛けて(入口も)、出入りはいちいちネットを捲って入る形で。
自宅でペットを見守るための自動追尾カメラみたいなものも装備しないとですね。
今でも、スマホに自動で連絡をくれるものがありますから。
狙撃兵ほどではなくても、簡易なギリースーツが個人装備になるのでしょうか。
装備の上からミノをかぶるような感じで。IR探知を阻害する機能のあるもの。
あと、拳銃サイズの散弾銃も欲しくなりますね。
410口径か、22口径のスネークショットみたいなもの。
恐ろしい時代になったものです。このまま行くともはや生身の歩兵は生き残れないかもしれません。
生産もAI工場で自動化されて、経済も軍事もロボット軍団でいいとなると国民国家とかどうでもよくなって、独裁者が全てを支配する政体がかつてないほど強力な形で成立してしまい、国力の背景として国民を多数抱える民主主義が…それどころかファシズムや共産主義まで全部オワコンになる可能性があると言われていますね
マトリックスですか・・・
これだけ木の生い茂った森の中でどうやって通信確保してるのかが気になりました。
森の中どころか塹壕に飛び込んでもまだ中の映像送信できてますし、上空のドローンが中継役も担ってたりするのでしょうか?
カモフラージュだけでなくドローンを制するためのネットも四方に張って侵入できなくすることが、今後は基地設営の必須項目になりそうですね。
恐すぎて草も生えない。
これがテロリストとかで使用されない事を祈る。
このドローンによる暗殺も…。おぉ…恐ろしい。
とうとう空母ドローンまで出てきたのか…
ソーラーパネルとか充電器付けたら一定エリアを自動で偵察し続けることも出来そうだし、
海上でもブイのように浮かべとけば偵察と自爆型機雷として使えそう
ドローンや対ドローン兵器で出遅れたままでは日本死ぬのでは
あとFPVは慣れないとめっちゃ酔いそう…