ウクライナ軍がヘンソン州で開始した反撃はDavydivBrid付近のロシア軍を約9kmほど押し戻すことに成功、幾つかの拠点を奪還しながらBruskyns’keに迫っている。
参考:На юге от Кривого Рога ВСУ провели успешную контратаку – Вилкул
参考:RUSSIAN OFFENSIVE CAMPAIGN ASSESSMENT, MAY 29
限定された反撃ならウクライナ軍はあまり深入りせず「突出部の維持」に徹する可能性が高い
ヘンソン州DavydivBrid付近で28日頃に観測されたウクライナ軍の反撃はロシア軍を約9kmほど押し戻し、突破口近くのBilohirka、Lozove、Andriivkaの支配権も回復することに成功、ウクライナ軍の突出部の先端はBruskyns’keに迫っている。
ロシア軍が戦力を集結させ軍事的圧力を受けているクリヴィー・リフ当局者は「今回の反撃でロシア軍はT-72、Grad、大砲、ヘリコプター、Su-35など19の装備品を失った」と明かしているが、米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は今回の反撃について「ヘンソン州全体を奪還するような本格的な反攻ではないが、ドンバスに戦力を集中させるロシア軍の作戦を混乱させ、戦力の一部をヘンソンに増援として派遣することを余儀なくさせる可能性がある」と述べている。
つまり今回反撃はドンバスに集中するロシア軍の注意をヘルソンに向けさせる「限定された反撃」とISWは評価しているのだが、果たしてBruskyns’keに迫ったウクライナ軍はどこまで前進するつもりなのだろうか?
限定された反撃ならウクライナ軍はあまり深入りせず、適当なところで「突出部の維持」に切り替えるはずだ。
追記:ハルキウを訪問したゼレンスキー大統領はロシア軍から都市を守った兵士を激励したが、侵攻当初から街を守るためではなく自身の保身に走ったハルキウ州のウクライナ保安庁(SBU)のトップを解任した。
もしかするとハルキウで見つかった軍の装備やスペアパーツを盗み出しロシア軍に引き渡そうとしていた事件(戦車用エンジン60台、装甲車輌用のスペアパーツ、空対空ミサイル26発など2億ドル分の物資盗難)に関与していたのかもしれない。
関連記事:ウクライナ軍がヘルソン州で反撃、航空戦力も投入してロシア軍と交戦中
関連記事:ウクライナ、ロシアの協力者に盗まれた60台の戦車用エンジンを回収
※アイキャッチ画像の出典:93-тя ОМБр Холодний Яр
お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。 |
ここから本格的に反抗できたらいいけど。ムィコライーウから増援が来れば挟撃もできるかも。しかしまあロシア軍は絶対増援送るとも言えないし、ドニエプル川からムィコライーウまでは捨てるかも知れない。
南部の攻勢がうまく行っているのは何よりですが、この先ロシア軍は防衛線を築いているという話があったような気がします。
陽動だとしてもこの防衛線、あるいはドニエプル川左岸に橋頭堡が維持できれば充分とロシア側が考えれば、東部から戦力を引き抜かない気もします。
できるかどうかは別として、ドニエプル川左岸から叩き出すくらいじゃないとならんのでは。
ロシア軍が「対UAV用の最新レーザー兵器車両を投入した」って日本国内でのニュース観たけど、本当なんですかね?もしそうだとしたら大規模な戦闘でのレーザー兵器世界初?(あ、なにげにSu-35撃墜されてる^^)
ロシア側の損失にSu-35が入っていることが興味深い。
地上攻撃に向かったところをMANPADSで迎撃されたのか、より後方からS300で撃墜されたのか。
いずれにせよ戦闘機の撃墜はかなり久しぶりだと記憶しているので、ウクライナの防空網が健在であることを示す良い知らせだ。
地上からではなく、空中のMiG-29によって撃墜されたようです。
ウクライナ軍が、27日の午後2時にヘルソン州においてMiG-29でSu-35を撃墜したと発表しています。
MiG-29はSu-25の護衛として飛行中に、迎撃しに来たSu-35を撃墜しました。該当のSu-35は第23戦闘機連隊所属でベルベック飛行場(セヴァストポリ国際空港)から離陸しました。
詳細は分かりませんが、「オリオン」と「Ka-52」も同日に撃墜されたそう。
MIG-29でSu-35を撃墜したとなれば、好条件が重なったかもしれないがかなりの練度ですね。
単に防空網の網にかけたよりも、士気を上げる効果は高そう。
Su-35はMiG-29によって撃墜された、と空軍が発表しています。
残骸等の映像は発表されていないようですが。
真偽は不明ですが白煙を吐きながら落下中の画像はこちら。
リンク
何にせよウクライナ空軍の経験や教訓は貴重でしょうね。実戦の空中戦を経験し、撃墜歴ある現役パイロットなんて世界中ほぼいないのでは?
プーチン大佐の胃癌手術が終わったという噂も聞いているので、ロシア軍のウクライナ侵攻後セベロドネツク攻撃が一番ましな作戦と言われているのも、もしかしてプーチン大佐が不在だったせいかも。
もしプーチン大佐が作戦指揮に復帰していたらウクライナ軍のヘルソン反攻でドタバタしそうな予感が!
技術的にはクレムリンで戦場実況をモニターする事は普通に可能で、可能な以上プーチンがそれを我慢できる筈もないですし(笑)
まあ、セベロドネツクのターミネーター部隊の実況でも宛がっておけば、現地軍の仕事の邪魔はしないんじゃないですかね。
ISWによればロシア軍はセベロドネツク攻略のために各地の前線からまだ使える部隊を引き抜いて回しているそうで、それで弱体化したところを狙っていくのがいいですね。
セベロドネツクは市街戦に突入してやはり膠着してるし、「ルハンスク州全体を占領した」と言いたいだけのためにロシアは割りに合わない戦いをしていると思えます。
>ハルキウ州のウクライナ保安庁(SBU)のトップを解任した
戦後にならないと真相は明らかにならないか、もしくは永遠に藪の中かも知れませんが、ウクライナ内部にどれくらい親露分子が浸透していたかは気になりますね。ロシアの開戦判断にも影響しているはずなので。
そして、本邦において他山の石として欲しい。
しかしウクライナは何とも巧い動きをしてるなぁ。
ロシアが想定より弱かったのは置いておいても、ウクライナの指揮官優秀すぎないか?
クリヴィー・リグ方面のロシア軍部隊の後方連絡線を脅かし、攻撃企図を牽制し混乱に乗じてより大きい損害を強いる、ぐらいで成果としては充分ですしね。
空域接近拒否は出来ても航空優勢を奪っているわけでもなく、敵にも予備隊が存在し、敵砲兵を探知制圧し対戦車歩兵を火力で掃討しながら進まなければならないのはウクライナ軍でも同様ですから、まあ現段階では双方共一回の突破攻撃はそうは深くならない印象です。
ドンバスへの影響は、前線部隊の転用は考え難いですが、ハルキウ攻勢→ベルゴロド州に19個大隊(???)の流れのように、ロシアの国内の予備隊や補充兵・装備の吸引なんかは生じるかもですね。
単純に局地的な話で、ヘルソン南部地域から予備隊を誘引してからのヘルソン正面の攻撃、なんてシナリオもありそうですが、敵陣地への正面攻撃は自軍の出血覚悟の作戦になりますし、彼我の戦力比の推移次第ですか。
5月中旬のハルキウ攻勢も、開始当初でロシア5個大隊相当対ウクライナ5個旅団(-)ぐらいの戦力比になってましたし。
実の所「クリヴィー・リグへの攻勢の為にロシア軍が兵力を集結中」は、4月末ごろから西側シンクタンク系で言われ続けていた話ですが、前線の村落争奪以外に具体的な戦線の変動も無く、部隊名・部隊規模の報告も少なく実態は霧の中の感があったので、この交戦を機に情報空間での具体的な情報の増加に期待しています。
ウクライナの一般的な火器はAK74で特殊部隊や外国人部隊が西側の銃なのかな?
西側から入った銃も一般部隊だと消耗してAK74に戻ったとか。