フランスのマクロン大統領は6月「ベルギーがFCASプログラムにオブザーバー資格で正式参加する」と発表していたが、ベルギーのデドンデール国防相は先週「12月にオブザーバー資格の契約に署名し、2025年6月にFCASプログラムへ正式参加する」と明かした。
参考:Ludivine Dedonder
参考:Belgium to join Europe’s FCAS next-gen fighter program in June 2025
ダッソー以外は概ねベルギーの参加を歓迎している
ベルギー産業界はF-16導入でライセンス生産や整備事業など経済的な恩恵を手に入れることに成功したが、F-35A導入では水平尾翼を製造する代替サプライヤーの地位しか得られず、現地メディアは「この選択は産業補償の面で大きな失望を伴うものだった」と酷評しており、ベルギー産業界は国防省に働きかけて第6世代機開発への関与を模索。

出典:Public Domain ベルギー空軍のF-16AM
独産業界の関係者も「ベルギーは未来戦闘航空システム(Future Combat Air System=FCAS)プログラムの関係者と接触し、当面は正式加盟ではなくオブザーバー資格でプログラムに関与できないか協議している」と明かしていたが、マクロン大統領は6月のパリ航空ショーで「ベルギーがFCASプログラムにオブザーバー資格で正式参加する」と発表。
オブザーバー資格とは「限定的なFCASプログラムに関する情報へのアクセス」を意味し、ベルギー産業界がFCASプログラムで「何に関与できるか」を検討するための措置なのだが、ベルギーのデドンデール国防相は先週「12月にオブザーバー資格で参加するための契約に署名し、2025年6月にプログラムへ正式参加(オブザーバー資格ではなくドイツ、フランス、スペインに次ぐ4番目の開発国という意味)する」と明かした。

出典:SCH Hamilcaro / Ministère des Armées
米ディフェンスメディアは「ベルギーが正式参加すれば資金面(開発資金の供給)と産業面(ワークシェアによる自国産業界への利益誘導)の両方で役割を果たすことが期待される」と報じており、ダッソー以外は概ねベルギーの参加を歓迎している。
因みにダッソーの最高経営責任者を務めるエリック・トラピエ氏は過去「ベルギーがFCASに関心を示しているという話は非常に良いニュースだが、なぜF-35を選択した国々をプログラムの仲間に迎えなければならないのか?なぜ我々の工場や事務所にF-35を選択した国々の部屋を作らなければならないのか?直ぐにベルギー企業に仕事を分け合わえることが出来るという人もいるが、これを強制されるなら私は戦うだろう。なぜベルギー人に仕事を分け与えないといけないのか理由がわからない」と発言した。
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※アイキャッチ画像の出典:AIRBUS
>なぜF-35を選択した国々をプログラムの仲間に迎えなければならないのか?
そりゃF-35が大失敗作とまでは言えないまでも、30年も前に設計された発展性も周辺環境への変化にも追従できない代物からでしょう。
F-16みたいなベストセラーにはなりそうではありますが、性能に不満な国は山ほどあり、現代的な新戦闘機開発が次々に興るのは当然。
それでもF-35も買うのはそれしか無いからの妥協の産物。
あと、F-35は導入国が好きに使えないだろうというのも不満点でしょうね。
S-400にデ-タが取られるからと、トルコとの国際関係も破壊してまで機密を守ろうとしていますから、導入国がしっかりした東側対空網のある、ちょっとした紛争に実戦投入しようとしたら、米国が間違いなくリモートロックをかけることでしょう。
F-35の非対称戦以外での実戦投入は、それこそ対中戦争とか乾坤一擲の大戦にしか許さないのでしょう。
そんな理由でリモートロックなんてした日には米国製兵器なんて使えないでしょう。トルコに関して言うなら1年通していつでもロシアの息が掛かったレーダーに姿を晒すってのが想定される訳だし。
イスラエルがFー35使ってイランの中枢に侵入して探知されなかったとの話があったと思うけど、それならイスラエルが真っ先にロックっされないといけないんだが。
>>なぜF-35を選択した国々をプログラムの仲間に迎えなければならないのか?
>そりゃF-35が大失敗作とまでは言えないまでも、30年も前に設計された発展性も周辺環境への変化にも追従できない代物からでしょう。
それは「F-35を選択した国々が別のプログラムに参加しなければならない理由」であって、
「(フランスが)F-35を選択した国々をプログラムの仲間に迎えなければならない理由」じゃないでしょう。
順調に船頭が増えているな。このまま国際共同開発の悪しき伝統を辿らねば良いが。
ベルギーってチョコとワッフルのイメージしかなかったけど意外と工業国なのね。
銃器の名門FN社や、砲塔システムも開発してるコッカリル社を抱えておりますしね。
着々とユーロファイターの後継になりつつあるね笑
ラファールの時のように共同開発から脱走して単独開発し始める未来が見える
ダッソーが脱走(陣地転換)
ダッソーの人の言い分もすごいな。ちょっとマフィアっぽいとすら感じる。
でも理にかなっている
ベルギーは開発面においてどのような貢献できるのか?って感じが
我々(ダッソー)が苦労して開発した後に、美味しいところだけ取りにこられるのは納得いかないって感じはわかる
そらまあ次世代機定の時にダッソー蹴ってタイフーンも蹴ってアメリカ戦闘機選んでんのに、国内事情でまたユーロの戦闘機開発に参加したいと言ったらダッソーからしたら多少文句も言いたいというか…
流れ的には参加の方向は覆らないだろうし、ちょっと嫌味言うくらいは、ねえ
表で堂々と言うか裏でネチネチやるかの違いはあれど、マフィアどころか日本企業でもそういうのめっちゃあるぞ
ドイツはF-35購入予定でスペインも検討中だったと記憶しているのですがダッソー的にはこちらもお怒りなのでしょうか?
フランスが文句言ってた記憶はあるがNATOで最低限必要だから押し切ってたような
ドイツとベルギーはアメリカとのニュークリアシェアリングがあるからな。
欧州機への核搭載は検証に時間がかかるとかで事実上拒否されてF35買わざるを得ない。
つまり文句言えるところ(ベルギー)には言うけど、ドイツにも思うところ強けれど伝統協力開発的に致し方なし…と(またしても単独開発になるやならぬやwktk
砲弾もそうだがEU外から買ってくるなということか
「なぜF-35を選択した国々をプログラムの仲間に迎えなければならないのか」
その理屈だとドイツも追い出すことになるが。ラファール同様にまた単独開発すんのかな。
30~40年代の第6世代戦闘機は米、中、日英伊、仏独の4機種になるのかな
しかも単独開発は米中2機種だけと言う
て言うか第5世代機ですら主力機として導入できる国は何ヶ国あるだろう?
F-35が型落ちになり輸出規制が緩くなって中国がJ-31を、ロシアがSu-75を輸出し始めたとしても196ヶ国中40ヶ国も無いんじゃなかろうか?
50年代くらいになっても第4世代機の運用国は100ヶ国くらいありそうね
何をもって第六世代機とするかは未だに定義が定まってはいませんが、スウェーデンはグリペン後継機を作り続けてはいそう。
そのころには第5.5世代機だとか言うつもりかもw。
対ステルス探知技術が開発されていますが、そのころにはステルス機の優位がほぼ無くなっている可能性もありますね。
ファーストルック・ファーストシュートされても随伴無人機が身代わりになってくれるようになったりとかも。
> 対ステルス探知技術が開発されていますが、そのころにはステルス機の優位がほぼ無くなっている可能性もありますね。
それは多分ないかなぁ。
「対ステルス探知技術があればステルス機と非ステルス機が同じ様に見える」とは思えないし
「対ステルス探知技術」が警戒/索敵から撃墜までのキルチェーンの全段階に容易かつ安価に適用できるとも思えない。
つか6月の記事からずっとマクロン筆頭にSCAF当事国側の独仏西は「正式に(計画の決定権を有しない)オブザーバー参加する(だろう)」としか言ってないよね。
今回ベルギー自身が「オブザーバーではなく4国目のパートナーとして正式参加を目指す」と主張してるだけでそれに対する独仏西からの肯定的な反応は特にないのでは。
そしてダッソーは「客として参加するなら受け入れてやらんでもないが、計画の決定権はもちろんワークシェアだってビタ1渡さねーよ?」と言ってる訳だから茨の道だと思うなぁ。