ドイツ、フランス、英国は「クラスター砲弾をウクライナに移転する米国の動き」について表立って批判せず「追従しない」という立場を表明、NATO事務総長も「ウクライナへの武器供与は加盟国が独自に決定するもの」と述べて過去の発言を修正した。
参考:Cluster munitions are a question for individual countries, NATO’s secretary general says.
参考:Robles se opone al envío de bombas de racimo de EE.UU. a Ucrania: “No se pueden entregar en ningún caso”
参考:Sunak ‘discourages’ use of cluster bombs after US agrees to send them to Ukraine
クラスター砲弾の使用には反対、ただし米国やウクライナが同条約に拘束されないことをも理解
クラスター砲弾のウクライナ移転についてNATO加盟国の反応は様々だが、ドイツのピストリウス国防相は「オスロ条約に署名しているため、我々に(クラスター砲弾をウクライナに提供するという)選択肢はない」と、フランス外務省も「我々はクラスター砲弾を製造せず、使用せず、その使用を阻止することを誓約している」と述べたが、オスロ条約に署名していない米国やウクライナは「同条約に拘束されない」と指摘した上で「我々はロシアの不当な侵略に対するウクライナの自衛権行使を支援するため、米国が下した決定を理解している」と付け加えている。
英国のスナク首相も「クラスター砲弾の使用は奨励できるものではない。我々は(クラスター砲弾の代わりに)戦車や長距離兵器を提供することでウクライナを支援している」と述べており、この3ヶ国は表立って米国の動きを批判していないが「クラスター砲弾移転に追従はしない」という立場だ。
一方でスペインのロブレス国防相は「ウクライナへのクラスター砲弾移転には同調できず反対の立場だが主権国家としての決定も尊重する」と述べた上で「この取り組みは米国独自のものでNATOの枠組みで行われているものではない」と強調。
NATOのストルテンベルグ事務総長は今年2月、ミュンヘン安全保障会議でウクライナがクラスター砲弾の移転を求めた際「我々はクラスター爆弾を供給しない」と明言していたが、米国の動きを受けて「ウクライナへの武器供給は同盟国が独自に決定することでNATOが決定するものではない」と過去の発言を修正しているのが興味深い。
欧州のNATO主要国はオスロ条約の手前「クラスター砲弾の使用」に反対の立場だが、これに署名していない米国やウクライナが同条約に拘束されないことも理解しており、クラスター砲弾移転を「米国独自の取り組み」と定義することで同問題から距離を置こうとしているのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army photo by 2nd Lt. Gabriel Jenko, 1st Battalion, 82nd Field Artillery Regiment, 1st Armored Brigade Combat Team, 1st Cav. Div クラスター弾頭タイプの砲弾
これ以上は反対しても、禁止条約の加盟国ではないアメリカとウクライナへの内政干渉になるからな。
でもそれなら最初から玉虫色の解答に終始してくれと思わなくもないが、あっちの文化的には方針を名言しないといけないのかね。
というか各国首脳の発言がもう既に玉虫色的ですね。
欧州各国は反対の立場ですが、ウクライナ戦線の事情はアメリカと共有してるので表立って反対とは言わず(言えず)今回の様な面倒くさい言い回しの発言になったんでしょうな。
欧州で「クラスター砲弾使用に反対」してる国ってどこです?
独仏は「オスロ条約に署名してる我々は当然提供しない」と言ってるだけだしイギリスの「奨励しない」は「反対」とは違います。
スペインの「移転に反対の立場」も「使用に反対」ではないし「主権国家としての決定も尊重する」「この取り組みは米国独自のものでNATOの枠組みで行われているものではない」と丁寧なエクスキューズ付き。
正直記事タイトルは「印象操作」に見えます。
文章の読み取り方の違いだと思いますよ
欧州各国“自身”が「クラスター弾の使用はしないと宣言(オスロ条約)」しているというのを、欧州は使用に反対しているというスレタイの意味だと思います。
欧州各国が“ウクライナに”クラスター弾の使用を反対という意味ではありません。
日本語は難しいですね
まさしくその「解釈の違い」を利用して読み手に事実と異なった印象を与える事を「印象操作」というんですよ。
管理人さんが意図しているかどうかは知りませんが、この記事は「条約に署名してる国々が【自分達は供与も使用もしない】と表明、一方で【署名してない国が供与・使用する】事に口は出さんと明言」とゆーまあ言ってしまえば当たり前の話で、ニュース価値があるのは強いて言えば後者をノーコメントですらなく明言した(イギリスを除く)事の方でしょう。
ところがこの記事のタイトルでは「使用に反対、ただし一定の理解」となっており、前に書かれていて余計な修辞のついてない「使用に反対」の方が強く印象に残りますから「印象操作に見える」と評したまでです。
「直せ」どころか「直すべき」とすら言っておらず、私如き一読者がそう思ってるだけですから管理人さんが気にしないならほっとけばいいだけの話です。
スペインは反対と言っているし、これ以上変な言いがかりをつけて管理人さんに迷惑かけるのはやめてほしいです。
「言いがかり」ではないでしょう。バーナーキング氏の最後の段落をお読みになりましたか?
イギリス、スペインとフランスですね。スペインの「移転に反対」は使用に反対と言う意味でしょう。
イギリスの「奨励しない」は他者に勧められるものではないという意味であり反対の遠回しな言い方です。
フランスは「使用を阻止する」と他者の使用を妨害すると言っていますね。
>英国のスナク首相も「クラスター砲弾の使用は奨励できるものではない。
>スペインのロブレス国防相は「ウクライナへのクラスター砲弾移転には同調できず反対の立場
>フランス外務省も「我々はクラスター砲弾を製造せず、使用せず、その使用を阻止する
そうですね。
オスロ条約を締結している時点で、非締結国に対し「クラスター弾を使用しないよう勧奨するよう最善の努力を払う」義務が生じているので、英·独·仏·西がクラスター弾の使用に反対の立場であることは明らかだと思います。
各国の発言は外交的修辞が用いられているので、逐語的に言葉尻を捉えても同感できませんね。
問題は、思い込みだけで「印象操作」などという失礼な言葉を使うことですが、管理人さんも呆れて反応していないと思いますので、この辺で止めておきます。
思い込みも何も最初から印象操作に「見える」と言ってるでしょう。
仰る通り管理人さんが呆れてスルーするならそれで終わる話です。
そしてこれも仰る通りオスロ条約締約国は本来「クラスター砲弾を製造せず、使用せず、非締約国に対しても使用しないよう勧奨するよう最善の努力を払う」義務を有しています。
欧州各国の発言はそれぞれこれを言い換えただけ、どころか最後の「非締約国に対しても使用しないよう勧奨するよう最善の努力を払う」について非常に迂遠・あるいは消極的な言い方に終始してるように見えます。
「オスロ条約締結各国はオスロ条約を遵守すると発言」にニュースとして価値を感じますか?
私はむしろ「各国は『非締約国に対する不使用勧奨義務』について明言、あるいは名指しでの勧奨を避けた」事の方にニュースとしての価値を見出しますが。
>「オスロ条約締結各国はオスロ条約を遵守すると発言」にニュースとして価値を感じますか?
感じます。
意図的・非意図的に関わらず条約破りはあるものですし、大抵の条約には離脱・破棄する批准国の権利が認められています。
(国連条約を全面的に信用するなら他国から侵略されることはないのに各国が軍隊を整備していることから、各国とも条約破りはあるものと考えているでしょう)
条約から離脱する気はないんだなと確認できることにニュースの価値があります。
あなたもくどいですね。
印象操作という言い方が不適切だと言われている理由が理解できませんか?
>思い込みも何も最初から印象操作に「見える」と言ってるでしょう。
それが思い込みじゃないの?
管理人さんはスルーしているんだから終らせれば良いのに、いちいち反論するんですね。面倒くさいな。
オスロ条約締結国は自国も他国もクラスター弾の使用に反対なのは当然だけど、ウクライナの現状を踏まえて、オスロ条約非締結国である米国からウクライナへのクラスター弾供与には口出ししませんと言っているだけでしょうに。
何が不満でしつこくしているのか理解できません。
これのどこが印象操作ですか?
実際、反対の立場を表明している国はあるでしょう。スペインは反対と言っているしイギリスも奨励できるものではないと言っている。
タイトルからは欧州はクラスター弾使用はしないけど、米国が渡すことを邪魔もしないんだなとしか読み取れませんが。
う~ん「言辞」をどう「解釈」するかという事で、「印象操作」は言い過ぎだと思う。
自分の印象だと「一応オスロ条約加盟国として言っておきました」というポーズのように見えるけど
一応公式コメントとして言っていることをどう見るかかなぁ
ニュースの映像では繰り返しクラスター“爆弾”の映像が流れていましたが、今回提供されるのは砲弾の方ですよね。
そうですね。
ただしその仕組み、効果、一部は不発弾として残るという部分は共通しているので映像として使用したのではないでしょうか。
BBCの報道だと不発率はロシア製のは40%、アメリカのは3%とされていたものの、何にせよ不発弾はそのまま『埋まってない地雷』と化すため危険な武器ではあります。ただしその性能は折り紙付きというジレンマ。
ロシア軍が侵略しなければ、どんな兵器も使わずに済んだのにね。
クラスター子爆弾の不発弾残留危険性は理解できるが、それなら空中散布地雷はクラスター弾以上に批判されるべき兵器だが、クラスター弾ほど熱いニュースの話題にはなっていない。
まぁこれに関してはお約束というか、ポーズとして言っておかなければならないものですし。米国ふくめて体裁はある程度整えなければならないのは外交あるある。
地雷と同じ、汚染されるのはウクライナの領土だけで、風に乗って拡散されるとかいう話でもない
ウクライナは使用地域を記録すると言ってるから、戦闘が終わればその地域を立ち入り禁止にすればいい
どうせクラスター弾使うようなエリアにはロシアの地雷もセットで埋まってるんだろうし、
ウクライナの苦渋の決断に、日々平和な生活を送ってる外野が口を出す問題ではない
そういやロシア軍、情報共有出来てないから自軍の地雷踏んじゃうって話よく聞くけど今どうなってんだろ…