オランダのオロングレン国防相は20日「ウクライナへのF-16納入を夏に開始できると確信している」「デンマークが先でオランダはそれに続くことになる」「恐らくオランダ分の納入は今年後半になる」と明かした。
参考:Dutch providing Ukraine with F-16 ammunition, drones, minister says
F-16が戦場にもたらす効果についても様々な意見が存在するが、その答えは今年後半の戦場で目撃できるはずだ
ゼレンスキー大統領はオランダとデンマークを訪問して「両国と提供されるF-16の数で合意した」と昨年8月に発表、オランダとデンマークは計61機(42機と19機)の提供をウクライナに約束し、海外でパイロットや地上要員の訓練、指揮官の作戦立案能力の獲得、F-16を運用するためのインフラ構築などが進行中で、オランダのルッテ首相は昨年末「ウクライナに引き渡す初期バッチ分(18機分)の準備を開始する」と明かしていた。

出典:PRESIDENT OF UKRAINE
さらにオランダのオロングレン国防相は20日「ウクライナへのF-16納入を夏に開始できると確信している」「デンマークが先でオランダはそれに続くことになる」「恐らくオランダ分の納入は今年後半になる」と明かし、オランダはウクライナ向けF-16の弾薬購入に1.5億ユーロを割り当てたとも述べている。
因みに「デンマーク分のF-16納入が夏に開始される」という話は「夏にデンマーク分19機が納入される」という意味ではなく、訓練やインフラ構築の成熟度を見ながら「少数づつ供給する(兵器システムの導入過程では非常に一般的なアプローチ)」という意味になり、夏になればF-16の本格的な大規模運用が始まると期待するのは早計だろう。
All Ukrainians are waiting for the day when the first Ukrainian F-16s appear in our skies and strengthen the defense of our cities and communities, as well as the capabilities of Ukraine’s Defense Forces. While our pilots and personnel continue their training, I thank the F-16… pic.twitter.com/NgaAtC5x8K
— Volodymyr Zelenskyy / Володимир Зеленський (@ZelenskyyUa) February 23, 2024
ウクライナ国内に構築されているであろうインフラが十分成熟し、海外で訓練を終えたパイロットの数が増え、12機で構成される飛行中隊(ウクライナ空軍はF-16を装備する飛行中隊を最終的に4個~5個立ち上げる予定)の準備が整うのは秋以降になる可能性が高く、F-16が戦場にもたらす効果についても様々な意見が存在するが、その答えは今年後半の戦場で目撃できるはずだ。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Cedrique Oldaker
F16の効果には、注目したいですね。
ロシア軍の滑空誘導爆弾が、能力向上・頻度増加が指摘されていましたので、どういった変化が出るのか気になります。
ドイツの首相が、ウクライナでの外国軍の活動に言及していましたが、ポーランド外相も独DPA通信のインタビューで答えています。
ヨーロッパ各国で、政治的な問題が拡大すれば、F16の運用要員・整備要員派遣なども(仮に派遣するのであれば)何らかの影響が出るのかもしれません(何でもそうですが運用初期は不具合がでやすいでしょうし)。
(今更ですが)議会承認を行っているのかという話になるかもしれませんので、しばらく注目したいと思います。
(2024年3月21日 ポーランド外相 ウクライナに西側兵士駐留「公然の秘密」 毎日新聞)
今年は防御に徹して、F16の訓練と戦力化を実施し根こそぎ動員を行って兵隊を確保、訓練を行って来年春の泥濘が終わり次第反攻開始ですかね。
次は去年の掲げた目標を達成できると良いですね。
そのためには今年は耐えて人気がなくても早めに動員を強化して訓練時間を確保し、弱点とされた諸兵科連合の訓練も強化したいですね。
軍事資源供給量に格差はあれど、時間は平等ですから、当然ロシア側も占領地域を既成事実化するために防空・築城を強化してくる為、反攻作戦の要求度は昨年よりも更に跳ね上がりそうですね。
今さらF16がきても美しい突破はおきないとザルジニーは言ってたな。
俺もそう思うわ。
航空戦力を大胆に使いだしたロシア軍でさえ大きく地図を塗り替えることなどできてないんだしな。
>人気がなくても早めに動員を強化して訓練時間を確保し、弱点とされた諸兵科連合の訓練も強化したいですね。
ドナドナされるウクライナ人の気持ちなんか眼中にないかのような冷酷なコメントだな…
数十両の戦車ですら整備できず持て余して倉庫に転がしてる状況では戦闘機の整備なんてまあ無理でしょう
東側戦闘機なら調子が悪ければ後方の工場に送ってエンジンなどの区画ごと取り換えて載せ換えて終わりですが、西側戦闘機は運用部隊の単位で調子の悪い部品を特定して交換しなければなりませんから
ウクライナはそんな整備を経験したことがありませんし、当然人材もいません
ゼレンスキー政権はNATO軍に成りきったつもりで米NATOに兵器を要求している
ところがウクライナ軍は旧ソ連の兵器運用に熟練してるがNATO兵器の整備も困難
供与される61機のF-16を何に運用するのか不明だが整備不良で飛べなくなった
状況でロシアの弾道ミサイルなどで殆ど破壊される運命かもしれない
F16のパイロットの訓練と共に整備士の訓練も行っているので、F16を配備する基地にF16用整備士を置いておけば問題ないでしょう。問題はF16で何が出来るかだ。
1.空中戦(戦闘機若しくは戦闘爆撃機の破壊)
これはロシア軍機のセンサー能力及びパイロットの技量で戦果が決まる。緒戦ではウクライナ軍の航空機が少なかったので逃げ回るしかなく、戦闘機同士の空中戦は皆無だった。ここでF16が多数手に入れれば積極的に空中戦に持ち込めるでしょう。この時ロシア空軍はどう戦うのだろうか?もしロシア軍機のセンサー及びAAMの射程距離が十分優れていれば接近戦には持ち込まず、長距離AAMによるスタンドオフ攻撃に徹するだろう。F16とロシア軍機のセンサー性能がほぼ同じなら近距離の格闘戦(夢のバトル)になる可能性があり、西側の訓練を受けたウクライナ軍パイロットは下手くそなロシア軍パイロットに圧勝するでしょう。
2.対地攻撃及びSEAD
緒戦でロシア軍が近接航空支援で多数の航空機を失っているように、対地攻撃でも接近戦を挑めば対空火器の餌食になる可能性が高い。F16を温存したいなら今まで通りの巡航ミサイル母機として運用、若しくは滑空爆弾を使うべきだろう。
若しくはF16を偵察機として使用し、ロシア軍の重要目標を探り当てて攻撃はハイマース等に任せるのもアリだろう。
SEAD任務では射程の長いAGM88を使用してロシア軍の近距離対空火器(シルカ、パーンツィリ、トール)を狩ることができる。ただ射程距離の長いS400への攻撃は困難かもしれない。
3.巡航ミサイル及びシャヘド自爆ドローンの迎撃
巡航ミサイルは小型で発見が難しいが、地上レーダー等と連携して迎撃することができる。ロシア軍の使用する巡航ミサイルの大部分は亜音速なので探知できれば破壊は容易い。シャヘドの迎撃は更に容易だが費用対効果を考えればあまり使いたくない。
ウクライナ軍のパイロット及び整備士の健闘を祈る。
たかだか数年訓練を受けたくらいの整備士で問題なく整備出来たらどこの国も苦労しませんよ
米軍ですら機体の高度化に伴ってこの部隊単位の整備という体制に限界を迎えつつあった反省からALISやODINといった自己診断兵站管理プログラムの開発に莫大な予算が投入されたわけです
自論を展開したいだけなら私にコメントつけないでください
非難するつもりはなかったので申し訳ないです。
民間の航空会社でも整備部門がありますが、彼らが行うことは日常的な点検、機体の清掃、消耗部品の定期交換、軽微な故障復旧ぐらいです。大規模破損の修理やオーバーホール点検はどっちみちメーカー頼りになります。それでも整備部門が存在するのは航空機の運用には日常的な整備が欠かせず、不具合箇所を見つけて事故を未然に防ぐためです。
(民間、軍事共に)航空業界は航空機の性能とパイロットだけが注目されがちだが、裏方で運用を支える整備士にも敬意が払われるべきと考えています。そして彼らが存在する空軍基地が直接攻撃されることになれば整備に必要な人員や機材が失われます。高度な技術力と後方支援を必要とする航空戦力はそれ故に脆い存在です。
整備士に注目という話は、とても大切と思いますが、やはり誤解はとかないといけないと思うので。
民間航空会社の整備部門が航空法で言う軽微な保守のみしかしないなんて言ったら、彼らに怒られますよ。
JAL, ANA, その他事業者の整備部門は、航空法で言う大修理を行える認定事業者を取得しています。大修理も行える航空工場整備士もちゃんといます。
F-16パイロットは1年やそこらの訓練受けただけでは基礎的な空対空ミッションしか出来ないと前に聞いた記憶がありますし
ウクライナ空軍そのものもF-16にマッチした航空作戦の立案から準備が出来るのか?
SEADさせるにしてもHTSことAN/ASQ-213の輸出許可とれないことには東側機体と大差ない事しかできないし・・・と考えると限定的な防空能力増強にしかならない気が
今後増強されるなら有難いですが短期的に即効性あるゲームチェンジャーにはなりえないよねきっと
アフガン軍の崩壊は、整備を請け負っていた米国系企業が真っ先に逃げ出したので、航空優勢を前提とした西側型戦術に変更したのが徒になったとアフガン人の軍人さんが言っていましたね。
ウクライナにはそういう企業は出向しないのかしら。
アフガニスタンの整備士の件、勉強になります。
部品のストックだけでなく、整備も怪しくなるのであれば、アフガニスタンから『飛行機が動くうちに』早く撤退したと納得しました。
航空自衛隊も、共食い整備で深刻な事になっていますからね。
ウクライナにF16を送ったとして、部品在庫・整備などのバックアップ体制をどうするのか少し気になっています。
(2022年9月5日 防衛装備品、5割が稼働できず 弾薬など脆弱な継戦能力 日経新聞)
(2022/10/16 <特報>空自軍用機で部品「共食い」3400件超 整備費不足深刻 産経新聞)
飛行場で駐機中に多数撃破なんて事にならなきゃいいけど
春って言ってたじゃないですかー!ヤダー!?
ジリジリと後ろにズレるのは毎回恒例になってますが、色々と理由があるんでしょうね
そもそもどういう運用を想定してるんだろ?
滑空爆弾の阻止メインだとSu34が結構高度取って爆弾放り込んでるから
F16側も高度取らざるを得ない
そうなると防空ミサイルや制空戦闘機の好餌
そもそもロシア側の方が地対空ミサイル他の射程は上
味方防空圏の内側に押し込まれるだけな気が
かと言って低空で爆撃任務はどこで見たか忘れたけど
米軍もF16でやるにはリスキーだとか言ってたような
あと上空から普通に撃たれるだろうし
それに基地の防衛能力も足りて無かったらボコボコに撃たれて
格納庫の肥やしで終わりそう
かなり後方でミサイルキャリアーするかストームシャドーをぶち込む用途でしょう。
ドイツ軍からのリークでストームシャドーを運用するウのSu24が10機未満しか残存していないことが明らかになっており、仮に第一パッチでF-16が10機でも到着すればある程度損失を補えるでしょう。
個人的には今のウには40機も運用できる能力は確実にないとは思っていますが、もう計画を中止するにも遅いので取り敢えず到着してからどうなるか見守りたいと思っています。
最近、ウクライナを見守る気持ちが、ドモホルンリンクルの工場の人のような気分になってきました。
その一滴一滴が赤黒いのがなあ・・・
どこかでドバッと増やして局所的にでもウ>>>露にならんといかんのだけど
マクロン大統領が最近、”とばして?”いますが。
大っぴらに要員を派遣するなら、整備要員と整備インフラは適当?な気がします。
素人などはそう思います。
F16の維持は大変と思いますが、各国が要員とインフラを派遣してくれるならば、
案外と楽に維持ができそうな気もします。
S-300/400やR-37/77を回避できるのかに興味がありますね